呪いを受けたせいで婚約破棄された令息が好きな私は、呪いを解いて告白します

第１８話

クノレラ視点

　私は現状に後悔して、サダムとキャシーを憎んでいた。

　呪いは完全に解けていないけど、時間が経てば勝手に消えてしまう。

　そこまでキャシー達が呪いの力を消していたけど、まだ手段はある。

「呪いの力を強めるのはリスクがあるから、避けていたけど……構わないわ！」

　私はサダムを意識して、部屋に魔方陣を描いて呪いの力を強めていく。

　苦しくなって、最悪命を落とすかもしれないけど――絶対に仕留めると、意思を強める。　

　それにより呪いを強めることに成功して、私は今後のサダムの末路を考える。

「これで、サダムはあと数日の命で動けなくなるから……警戒すべきはキャシーだけよ！」

　呪いを解くほど知識があるのなら、私が呪いをかけていると受けた本人のサダムは知っているはず。

　反応からキャシーには教えていないようだけど、この状況だと話していてもおかしくはない。

　そうなれば、キャシーは私を説得するか、排除しようと動くはずだ。

　それを警戒した私はラウドに事情を話し、キャシーを消そうと決意する。

　そして――呪いを強めた選択が最悪の事態になることを、この時の私は知らなかった。