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第20話
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ザオード視点
2週間の休日が終わり、俺は魔法学園に登校する。
新学期の初日は授業がないのに、教室に入るだけで俺は苦しくなっていた。
今学期の成績次第では、退学となってしまう。
3学期は他の学期よりも日数が短いから、試験も一度しかない。
不安になってしまい、今の状態で魔法が使えるとは思えなかった。
始業式の後、先生が編入生を紹介すると言い出す。
この時期に編入してくる生徒は珍しいが、公爵令息クラウスの推薦らしい。
そして――教室に入ってきたのは、捜索していたマリーだった。
「編入生がマリーだと!? どういうことだ!?」
「先生の説明を聞いていなかったのですか。私はクラウスの推薦で、魔法学園に編入しました」
「ぐぅっっ……」
俺が思わず叫ぶと、マリーは冷静に返答する。
それに苛立つが、とにかく連れ戻すしかない。
退学を恐れていた俺は、マリーに向かって命令する。
「俺はお前を探していた! 今すぐルドレスト家に戻って来い!」
「戻る必要はないさ。俺の推薦で学園に編入させたと説明があっただろ? 俺の護衛として雇ったから、お前とマリーはもう無関係だ」
戻るよう命令した瞬間、席を立ったクラウスが俺の前にやって来る。
相手が公爵家の令息でも――俺は、マリーを諦めたくなかった。
2週間の休日が終わり、俺は魔法学園に登校する。
新学期の初日は授業がないのに、教室に入るだけで俺は苦しくなっていた。
今学期の成績次第では、退学となってしまう。
3学期は他の学期よりも日数が短いから、試験も一度しかない。
不安になってしまい、今の状態で魔法が使えるとは思えなかった。
始業式の後、先生が編入生を紹介すると言い出す。
この時期に編入してくる生徒は珍しいが、公爵令息クラウスの推薦らしい。
そして――教室に入ってきたのは、捜索していたマリーだった。
「編入生がマリーだと!? どういうことだ!?」
「先生の説明を聞いていなかったのですか。私はクラウスの推薦で、魔法学園に編入しました」
「ぐぅっっ……」
俺が思わず叫ぶと、マリーは冷静に返答する。
それに苛立つが、とにかく連れ戻すしかない。
退学を恐れていた俺は、マリーに向かって命令する。
「俺はお前を探していた! 今すぐルドレスト家に戻って来い!」
「戻る必要はないさ。俺の推薦で学園に編入させたと説明があっただろ? 俺の護衛として雇ったから、お前とマリーはもう無関係だ」
戻るよう命令した瞬間、席を立ったクラウスが俺の前にやって来る。
相手が公爵家の令息でも――俺は、マリーを諦めたくなかった。
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