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第12話
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ドスラ視点
エルノアがニールド国にいると知ってから、数週間が経っていた。
雇った刺客達にエルノアを捕獲させるよう命令したのに、何も報告がない。
城内にいると判明しているから、余裕で解決すると考えてしまう。
そして――俺は玉座のある大部屋に呼び出されて、焦るしかない。
知らない間に結界を調査していたようで、魔法使い達が結界の状態を報告した。
「結界を強化しようとしたエルノア様が、魔法道具を使用した形跡がありました」
「そして強化は成功して数日後、同じ魔法道具で結界が壊されたようですが……これは、ドスラ殿下の証言と違います」
俺はパーティの時に、エルノアが魔法道具で結界の強化に失敗して壊れたと公表している。
それは俺がエルノアから聞いていたと言ったのに、実際は強化が成功した後に壊れていた。
「結界に干渉できる許可を出し、結界に関与する魔法道具の管理をしているのは陛下のみ……これは、どういうことですか?」
「そ、それは――全てドスラが悪い!!」
言い逃れることができないと察したようで、父の国王が全て話す。
国王の話を聞き、部屋に集まっていた魔法使い達や貴族達は呆れ果てていた。
全ては俺が、エルノアよりもリオナを妻にしたかったから引き起こした。
それによって多大な被害を出し、行方不明になったエルノアに罪を押しつけようとしている。
報告を知るために集まっていた貴族達が、俺に向かって叫ぶ。
「なんということだ……全てドスラ殿下が悪かったのではありませんか!」
「結界の調査を反対していたのも、こうなることが予想できていたからなのですね!!」
「ぐぅっっ……待ってくれ! エルノアを結界の生贄にすれば全て解決する! 奴は今ニールド国にいるんだ!」
結界による被害が出ているのだから、原因の俺が悪いのは否定できない。
それでも……俺は現状を打破する方法を話して、エルノアを捕らえようとしている。
結界を調査した魔法使いが、呆れた様子で俺に話した。
「エルノア様が行方不明になったのは、結界の生贄にされることを恐れたからでしょう」
「そ、それは……エルノアは俺の婚約者なのだから、俺のために命を捨てるべきだ!」
「ドスラ殿下の婚約者はリオナ様です。そしてリオナ様の魔力では、生贄がまだ数人必要となるでしょう」
結界を壊し、更にそれを優秀な魔法使いエルノアのせいにしようとした。
父の国王も俺を切り捨てるつもりのようで――リオナと一緒に、俺も結界の生贄になることが決まった。
エルノアがニールド国にいると知ってから、数週間が経っていた。
雇った刺客達にエルノアを捕獲させるよう命令したのに、何も報告がない。
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そして――俺は玉座のある大部屋に呼び出されて、焦るしかない。
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「結界を強化しようとしたエルノア様が、魔法道具を使用した形跡がありました」
「そして強化は成功して数日後、同じ魔法道具で結界が壊されたようですが……これは、ドスラ殿下の証言と違います」
俺はパーティの時に、エルノアが魔法道具で結界の強化に失敗して壊れたと公表している。
それは俺がエルノアから聞いていたと言ったのに、実際は強化が成功した後に壊れていた。
「結界に干渉できる許可を出し、結界に関与する魔法道具の管理をしているのは陛下のみ……これは、どういうことですか?」
「そ、それは――全てドスラが悪い!!」
言い逃れることができないと察したようで、父の国王が全て話す。
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全ては俺が、エルノアよりもリオナを妻にしたかったから引き起こした。
それによって多大な被害を出し、行方不明になったエルノアに罪を押しつけようとしている。
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「なんということだ……全てドスラ殿下が悪かったのではありませんか!」
「結界の調査を反対していたのも、こうなることが予想できていたからなのですね!!」
「ぐぅっっ……待ってくれ! エルノアを結界の生贄にすれば全て解決する! 奴は今ニールド国にいるんだ!」
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それでも……俺は現状を打破する方法を話して、エルノアを捕らえようとしている。
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「エルノア様が行方不明になったのは、結界の生贄にされることを恐れたからでしょう」
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