私を捨てるつもりなら後悔してもらいます

天宮有

文字の大きさ
6 / 14

第6話

しおりを挟む
 ルオン王子が私と結婚すると決めてから、1週間が経っていた。

 国王は納得したようで、手続きは進んでいるらしい。
 その間に私と元夫ギドロスとの離婚の手続きが終わり、別れたことは公表されているようだ。

 私は城に行き、部屋でルオンと今後について話している。
 ルオン王子と再婚してから、私は元夫ギドロスを後悔させるため行動するつもりだ。

「エリカ様が今まで通り活躍するだけで、ギドロスは後悔しそうですね」

「これから結婚するのですから、私のことは呼び捨てていいですよ」

「そ、そうですか……それならエリカも、私のことも呼び捨てにしてください」

「それは……立場的に、私はルオン様と呼んだ方がよさそうです」

「それもそうですね」

 ルオンは納得してくれ、私はこれからについて話す。
 いつも通り活動すればギドロスは後悔しそうだけど、気になることがあった。

「これから私は第三王子の妻となりますけど、いつも通りの活動ができるのでしょうか?」

「そこは問題ないと思います。私も鍛えていますし、一緒に戦いましょう」

「あまり危険なことはできなくなりそうですが、それでもギドロスを後悔させることはできそうですね」

 そう言って、私はギドロスと結婚してからの行動を思い出す。
 国からの命令でモンスターを倒したり異変が起きれば調査していたけど、主に私が解決していた。

 ギドロスも近くにいたけど、私の行動を見ているだけだ。
 それでも功績は夫であるギドロスのものとなり、最近では優秀な魔法戦士としてギドロスだけが有名になっている。

「ギドロスはエリカより優秀と言い広めていました……実力を知る者は信じませんでしたが、実際に戦いの場にいない人で、結婚する前のエリカ様の強さを知らない人は信じてしまうかもしれません」

「今後は同じように活躍できなくなりますから、ギドロスがどうするのか楽しみです」

 ここまでは想定できているけど、今のギドロスは優秀な魔法使いのリルサと婚約している。
 評判は落ちるかもしれないけど、リルサが活躍する可能性はありそうだ。

「リルサは恐らく、ギドロスの功績を知り近づいています。学園の成績はよくても実戦を避けていますから、優秀な魔法戦士に働かせるつもりなのでしょう」

「そうなんですか?」

 私が気になっていたリルサのことを、ルオンは調べてくれたらしい。
 学園の成績はいいのに実戦を避けているのなら、ルオンの言う通り戦いたくなさそうだ。

 それなのにギドロスは、リルサを戦力として期待している。
 この認識の違いはギドロスが見栄を張ったことで起きているから、悪いのは全てギドロスだ。

「先週エリカから話を聞き、リルサについて調査しました……少しでも怪我をする恐れがあるのが嫌だと、モンスターと関わる授業は受けなかったようです」

 それでも魔法を扱う技術や知識が優れているから、優等生として有名になったらしい。
 私は知らなかったことで、恐らくギドロスも知らないはずだ。

「そして卒業までに一生戦闘を避ける環境で暮らすため、一人で戦果を出しているギドロスを狙ったということですか」

「推測ですが、これからギドロスはリルサの本性を知ることになるでしょう」

「どちらも後悔しそうなのがいいですね。私が活躍していたと知り愛人にするため動いても、王子と婚約したと知って更に後悔しそうです」

 ルオンと結婚できそうで、本当によかったと思えている。
 私の発言に、ルオンは頷いて言う。

「はい。エリカがギドロスと離婚した理由は広めています。私が結婚する時に、悪評を出さないよう父上が尽力しているようです」

「この時点でギドロスは後悔していそうですが、まだはじまったばかりです」

 私が離婚することになった理由は、正しく広まっているらしい。
 現時点でギドロスを後悔させることができて、これからギドロスは更に後悔することとなる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

邪魔者はどちらでしょう?

風見ゆうみ
恋愛
レモンズ侯爵家の長女である私は、幼い頃に母が私を捨てて駆け落ちしたということで、父や継母、連れ子の弟と腹違いの妹に使用人扱いされていた。 私の境遇に同情してくれる使用人が多く、メゲずに私なりに楽しい日々を過ごしていた。 ある日、そんな私に婚約者ができる。 相手は遊び人で有名な侯爵家の次男だった。 初顔合わせの日、婚約者になったボルバー・ズラン侯爵令息は、彼の恋人だという隣国の公爵夫人を連れてきた。 そこで、私は第二王子のセナ殿下と出会う。 その日から、私の生活は一変して―― ※過去作の改稿版になります。 ※ラブコメパートとシリアスパートが混在します。 ※独特の異世界の世界観で、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。

元聖女になったんですから放っておいて下さいよ

風見ゆうみ
恋愛
私、ミーファ・ヘイメルは、ローストリア国内に五人いる聖女の内の一人だ。 ローストリア国の聖女とは、聖なる魔法と言われる、回復魔法を使えたり魔族や魔物が入ってこれない様な結界を張れる人間の事を言う。 ある日、恋愛にかまけた四人の聖女達の内の一人が張った結界が破られ、魔物が侵入してしまう出来事が起きる。 国王陛下から糾弾された際、私の担当した地域ではないのに、四人そろって私が悪いと言い出した。 それを信じた国王陛下から王都からの追放を言い渡された私を、昔からの知り合いであり辺境伯の令息、リューク・スコッチが自分の屋敷に住まわせると進言してくれる。 スコッチ家に温かく迎えられた私は、その恩に報いる為に、スコッチ領内、もしくは旅先でのみ聖女だった頃にしていた事と同じ活動を行い始める。 新しい暮らしに慣れ始めた頃には、私頼りだった聖女達の粗がどんどん見え始め、私を嫌っていたはずの王太子殿下から連絡がくるようになり…。 ※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。 ※クズがいますので、ご注意下さい。

必要ないと判断したのはそちらでしょう?

風見ゆうみ
恋愛
守護の聖女であるわたし、リンファ・テラエル伯爵令嬢は、ある日、婚約者である、アウトン国のサウロン陛下から婚約破棄を告げられる。 陛下は癒やしの聖女と呼ばれているチーチルと恋仲だったため、彼女と結婚したかったのだ。 陛下に未練などないわたしは、婚約破棄を認め、自分の家族の元へ帰る事に決めた。 わたしが旅立ってから、静かになっていた魔物の動きがアウトン国の周りでだけ活発になり、わたしを呼び戻そうと焦る陛下達。 一方、その頃のわたしは祖国の幼なじみである第二王子と再会し、そこで聖獣を名乗る犬と出会う。 ※8月25日完結予定です。 ※作者独自の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。

縁あって国王陛下のお世話係になりました

風見ゆうみ
恋愛
ある日、王城に呼び出された私は婚約者であるローク殿下に婚約を破棄され、姉が嫁ぐことになっていた敗戦国シュテーダム王国の筆頭公爵家の嫡男の元へ私が嫁ぐようにと命令された。 しかも、王命だという。 嫁げば良いのでしょう、嫁げば。 公爵令嬢といっても家では冷遇されていた私、ラナリーは半ば投げやりな気持ちでルラン・ユリアス様の元に嫁ぐことになった。  ユリアス邸の人たちに大歓迎された私だったけれど、ルラン様はいつもしかめっ面で女性が苦手だと判明。 何とかコミュニケーションを取り、ルラン様と打ち解けていくと、義理の父からもうすぐ6歳になる国王陛下の臨時のお世話係を任されてしまい―― ※史実とは異なる異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。

【完結】妹に婚約者を奪われた傷あり令嬢は、化け物伯爵と幸せを掴む

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
伯爵令嬢リューディアは侯爵家次男アルヴィと婚約が決まり友人に祝福されていた。親同士が決めたとはいえ、美しく人気のあるアルヴィとの婚約はリューディアにとっても嬉しいことだった。 しかし腹違いの妹カイヤはそれを妬み、母親と共謀してリューディアの顔に傷をつけた。赤く醜い跡が残り、口元も歪んでしまったリューディア。婚約は解消され、新たにカイヤと結び直された。 もう私の人生は終わったと、部屋に閉じこもっていたリューディア。その時、化け物のように醜い容姿の辺境伯から縁談が持ちかけられる。このままカイヤたちと一緒に暮らすぐらいならと、その縁談を受けることにした。 見合い当日、辺境伯は大きな傷があるリューディアに驚くが、お互いの利害が一致したことで二人は結婚を決意する。 顔と心に大きな傷を負ったヒロインが、優しいヒーローに溺愛されて癒されていくお話です。 ※傷やあざの描写があります。苦手な方はご遠慮ください。 ※溺愛タグは初めてなので、上手く表現できていないかもしれません。ゆるっと見守ってください。

ただ誰かにとって必要な存在になりたかった

風見ゆうみ
恋愛
19歳になった伯爵令嬢の私、ラノア・ナンルーは同じく伯爵家の当主ビューホ・トライトと結婚した。 その日の夜、ビューホ様はこう言った。 「俺には小さい頃から思い合っている平民のフィナという人がいる。俺とフィナの間に君が入る隙はない。彼女の事は母上も気に入っているんだ。だから君はお飾りの妻だ。特に何もしなくていい。それから、フィナを君の侍女にするから」 家族に疎まれて育った私には、酷い仕打ちを受けるのは当たり前になりすぎていて、どう反応する事が正しいのかわからなかった。 結婚した初日から私は自分が望んでいた様な妻ではなく、お飾りの妻になった。 お飾りの妻でいい。 私を必要としてくれるなら…。 一度はそう思った私だったけれど、とあるきっかけで、公爵令息と知り合う事になり、状況は一変! こんな人に必要とされても意味がないと感じた私は離縁を決意する。 ※「ただ誰かに必要とされたかった」から、タイトルを変更致しました。 ※クズが多いです。 ※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。 ※独特の世界観です。 ※中世〜近世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。

愛しているなら何でもできる? どの口が言うのですか

風見ゆうみ
恋愛
「君のことは大好きだけど、そういうことをしたいとは思えないんだ」 初夜の晩、爵位を継いで伯爵になったばかりの夫、ロン様は私を寝室に置いて自分の部屋に戻っていった。 肉体的に結ばれることがないまま、3ヶ月が過ぎた頃、彼は私の妹を連れてきて言った。 「シェリル、落ち着いて聞いてほしい。ミシェルたちも僕たちと同じ状況らしいんだ。だから、夜だけパートナーを交換しないか?」 「お姉様が生んだ子供をわたしが育てて、わたしが生んだ子供をお姉様が育てれば血筋は途切れないわ」 そんな提案をされた私は、その場で離婚を申し出た。 でも、夫は絶対に別れたくないと離婚を拒み、両親や義両親も夫の味方だった。 ※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。

処理中です...