聖女姉妹の姉は、妹に婚約者を奪われました

天宮有

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第20話

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 ルグド達が私の屋敷に来て、追い出してから数日が経っていた。
 私達はいつも通りロガムラ領で魔物を倒して、何も問題は起きていない。

 一緒に戦ってくれた人達は、魔物の解体を行っていた。
 私とカインは倒した魔物について話し合い、今後に生かそうとしている。

 その時――私とカインの元に、2人の男女がやって来ていた。

「シアノと……あれは、ルグドの兄ラザス殿下ですね」

 遠くから魔物との戦いを眺めていたようで、私はカインに話す。
 ルグドではなく、第一王子ラザスがロガムラ領にいることが理解できない。

「また来たようだが、ルグド殿下ではなくラザス殿下というのが妙だ」

 カインも同じ考えのようで、私達の前にラザス達が立っていた。
 お互い魔法を使うのに最適な距離で、警戒していると――シアノが前に出て話す。

「私はお姉様から、聖女の力を取り戻しに来ました!」

「シアノは、何を言っているの?」

「聖女の力は、本来1人に宿るものとラザス殿下が調べてくれました……私達は姉妹だから、聖女の力が分かれてしまったのです!」

 それが本当のことなのか私にはわからないけど、シアノがここに来た目的を話す。

 この場で私を消すことで、シアノは聖女の力を得ようとしている。
 そして――ラザス王子の目的は、もっと酷かった。
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