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第1話
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魔法学園で一学期の授業が全て終わり、終業式から1週間が経っていた。
今日はパーティが行われて、パーティ会場で貴族達が集まっている。
子爵令嬢の私ルクル・ビノアスは変装することで、周囲の貴族達にルクルだと思われていない。
私の友人である侯爵令息のユアン様が平民の友人だと紹介して、侯爵家の紹介だからパーティ会場に入ることができていた。
そして――パーティ会場の中央で私の婚約者、伯爵令息のエドガーが叫ぶ。
「俺の婚約者ルクル・ビノアスは昨日、魔法を使いミエナを負傷させた!」
「間違いありません! この私とエドガー様がルクル様の魔法による攻撃を見ています!」
エドガーは……伯爵令嬢アイーダの取巻きミエナを魔法で攻撃して、その罪を私のせいにして婚約破棄を言い渡そうと考えている。
その計画を事前にユアン様から聞いていた私は、失踪することでエドガーの計画を潰そうと考えていた。
「そんな奴を俺の婚約者にしたくはない! この場で婚約を破棄する!」
変装している私は、隣にいてくれるユアン様に小声で話す。
「エドガー様は昨日と今日、私の姿を見ていないのに……よくあそこまで言えるものです」
「ルクル様は自分の屋敷にいると考えていて、証人が家族しかいない方が好都合と考えているのでしょう……この場にルクル様がいないことも、好都合だと思っていそうです」
私が悪いと捏造した話を言い続けて、それを私が否定しないからでしょう。
エドガーがアイーダと一緒に私が悪いと言い広めている最中に――私の父ラクドが、慌てた様子で2人の元へやって来る。
「ラクド様。信じられないことだと思いますけど、全て事実……俺は、ルクルとの婚約を破棄します!」
再び婚約破棄を宣言したエドガーだけど、父ラクドは困惑しながら話す。
「いえ、それよりも……ルクルは2日前から、エドガー様の屋敷に泊まっているのではありませんか? 今、ルクルはどこにいるでしょうか?」
父ラクドの発言を聞いて、エドガーが困惑している。
「……なんだと? 2日前は夕刻、ルクルは貴方の屋敷に戻っているはずだ」
エドガーの発言を聞いて、ラクドは首を左右に振った。
「いいえ。戻っていません……2日前、エドガー様の屋敷に泊まることになったとルクルが言い、宿泊の準備をさせてから馬車に乗せています」
「なっ……!? 荷物は持っていなかったし、ルクルはビノアス家の馬車で帰ったはずだぞ!?」
状況が理解できずエドガーが叫ぶけど、ラクドの方が困惑していた。
「そうだとしても――ルクルを昨日、エドガー様は見ていますよね」
昨日エドガーは、私の姿を見ていない。
それを捏造するのに好都合だとエドガーは考えて、ミエナを傷つけたことにして私との婚約を破棄する計画を実行しているけど……その直前に、私は失踪していた。
これは事前にユアン様からエドガーの計画を聞いていて、提案を受けていたからだ。
――家族は私を酷使して、エドガーも同じ考えを持っていた。
エドガーは計画通りアイーダを婚約者にしても、私を従えたいからこんな行動をとっている。
私の両親は……私を酷使できる条件を出せば、エドガーに賛同するのは間違いない。
全て嫌になった私は――ユアン様の提案を受け入れて、失踪することにしていた。
今日はパーティが行われて、パーティ会場で貴族達が集まっている。
子爵令嬢の私ルクル・ビノアスは変装することで、周囲の貴族達にルクルだと思われていない。
私の友人である侯爵令息のユアン様が平民の友人だと紹介して、侯爵家の紹介だからパーティ会場に入ることができていた。
そして――パーティ会場の中央で私の婚約者、伯爵令息のエドガーが叫ぶ。
「俺の婚約者ルクル・ビノアスは昨日、魔法を使いミエナを負傷させた!」
「間違いありません! この私とエドガー様がルクル様の魔法による攻撃を見ています!」
エドガーは……伯爵令嬢アイーダの取巻きミエナを魔法で攻撃して、その罪を私のせいにして婚約破棄を言い渡そうと考えている。
その計画を事前にユアン様から聞いていた私は、失踪することでエドガーの計画を潰そうと考えていた。
「そんな奴を俺の婚約者にしたくはない! この場で婚約を破棄する!」
変装している私は、隣にいてくれるユアン様に小声で話す。
「エドガー様は昨日と今日、私の姿を見ていないのに……よくあそこまで言えるものです」
「ルクル様は自分の屋敷にいると考えていて、証人が家族しかいない方が好都合と考えているのでしょう……この場にルクル様がいないことも、好都合だと思っていそうです」
私が悪いと捏造した話を言い続けて、それを私が否定しないからでしょう。
エドガーがアイーダと一緒に私が悪いと言い広めている最中に――私の父ラクドが、慌てた様子で2人の元へやって来る。
「ラクド様。信じられないことだと思いますけど、全て事実……俺は、ルクルとの婚約を破棄します!」
再び婚約破棄を宣言したエドガーだけど、父ラクドは困惑しながら話す。
「いえ、それよりも……ルクルは2日前から、エドガー様の屋敷に泊まっているのではありませんか? 今、ルクルはどこにいるでしょうか?」
父ラクドの発言を聞いて、エドガーが困惑している。
「……なんだと? 2日前は夕刻、ルクルは貴方の屋敷に戻っているはずだ」
エドガーの発言を聞いて、ラクドは首を左右に振った。
「いいえ。戻っていません……2日前、エドガー様の屋敷に泊まることになったとルクルが言い、宿泊の準備をさせてから馬車に乗せています」
「なっ……!? 荷物は持っていなかったし、ルクルはビノアス家の馬車で帰ったはずだぞ!?」
状況が理解できずエドガーが叫ぶけど、ラクドの方が困惑していた。
「そうだとしても――ルクルを昨日、エドガー様は見ていますよね」
昨日エドガーは、私の姿を見ていない。
それを捏造するのに好都合だとエドガーは考えて、ミエナを傷つけたことにして私との婚約を破棄する計画を実行しているけど……その直前に、私は失踪していた。
これは事前にユアン様からエドガーの計画を聞いていて、提案を受けていたからだ。
――家族は私を酷使して、エドガーも同じ考えを持っていた。
エドガーは計画通りアイーダを婚約者にしても、私を従えたいからこんな行動をとっている。
私の両親は……私を酷使できる条件を出せば、エドガーに賛同するのは間違いない。
全て嫌になった私は――ユアン様の提案を受け入れて、失踪することにしていた。
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