婚約者が私と婚約破棄する計画を立てたので、失踪することにしました

天宮有

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第12話

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 私は今後起こる出来事を想定して、ユアン様と話をしておきたかった。

「ユアン様に、頼んでおきたいことがあります」

「はい! 私でよければ何でも仰ってください!」

 私に頼まれることが相当嬉しいようで、眼を輝かせたユアン様のテンションが高くなっている。

 不満を一切口に出していないのに、私の表情の変化で食事を変えたりするほどだ。

 慕われ、溺愛されていることに……私は嬉しくなっている。
 そんなユアン様に、私は頼みたいことがあった。

「そろそろ……ビノアス家が取引に使っている私が作った戦闘用の魔法道具に、問題が発生する頃だと思います」

 ――魔法道具は消耗品で、戦闘用の魔法道具なら消耗の速度も段違いだ。

 生活用の魔法道具は魔力の流れが変わることがないから、長時間保つとされている。
 戦闘用の魔法道具は戦闘の頻度で使用する魔力が変わり、敵が強ければ酷使して壊れやすい。

「そうですね……そうなると、貴族達は更に焦ることとなりそうです」

 ユアン様が呟いて、私も同意見だ。

 私が新たな生活をはじめて――失踪してから、約1ヶ月が経過している。

 そろそろ問題が起こってもおかしくないと、私は推測することができていた。
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