幼馴染が夫を奪った後に時間が戻ったので、婚約を破棄します

第５１話

　数日が経ち、私とジトアは王都の冒険者ギルドで待機している。
　雇っていた冒険者の人達はギルド内で待機していて、魔族が相手でも戦えそうな人達だ。

　未来の出来事を知っているから、今日問題が発生する可能性は高い。
　何も知らない冒険者の人が、ジトアに尋ねる。

「数日以内に、魔族が襲撃するかもしれない……ジトア様は、どうしてわかったのですか？」

「王家が警備を強めていましたから、何か知っていると推測しました」

「なるほど。前に起きた魔族の襲撃と違い王家は冒険者ギルドを頼っていませんから、そこまで警戒していないのでしょう」

　ジトアの依頼は、王都の防衛が弱すぎるから念のために備えているということにしている。

　未来の出来事から推測したと言っても、誰も信じない。
　ジトアの警戒は当然だから、冒険者の人達も納得して集まっていた。

　魔族達が襲撃すれば、王家に依頼金を払わせることができるはず。
　そして――この日、凶悪な２体のモンスターを従えた魔族達が、城を襲撃しようとしていた。