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第69話
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屋敷から少し離れた場所にいたから、私は家族を呼んで対処してもらう。
数日後――私は屋敷で、来てくれたジトアから報告を聞いていた。
気絶した後のマウロは何も覚えていないようで、記憶が消えているようだ。
マウロに雇われていた刺客達は、周囲の警戒だけで何も聞いていなかったと話している。
バハムス達と関わっている証拠は出なかったけど、ジトアが話す。
「マウロが記憶を消したのは、メリタかバハムスを協力させるための条件だったのかもしれません」
「そうですね。こうなるともう、バハムスとメリタは結婚式を行うしかルーミエ様を消せないと考えるでしょう」
「未来を知っていると言っていましたけど、大丈夫でしょうか?」
不安になって私が尋ねるけど、ジトアは冷静に話す。
「私の言った通り、ルーミエ様は困惑した反応を見せたのですよね」
「はい。ジトア様の言う通り、動揺せず困惑してみせました」
「それなら、問題ありません」
ジトアの計画通りに、私は動くことができている。
これからの行動も、ジトアは予想しているようだ。
マウロの存在は予想外だったけど、ジトアがいてくれたから対処できた。
そして――これから本来の未来でも起きた出来事を、バハムスとメリタは起こすようだ。
数日後――私は屋敷で、来てくれたジトアから報告を聞いていた。
気絶した後のマウロは何も覚えていないようで、記憶が消えているようだ。
マウロに雇われていた刺客達は、周囲の警戒だけで何も聞いていなかったと話している。
バハムス達と関わっている証拠は出なかったけど、ジトアが話す。
「マウロが記憶を消したのは、メリタかバハムスを協力させるための条件だったのかもしれません」
「そうですね。こうなるともう、バハムスとメリタは結婚式を行うしかルーミエ様を消せないと考えるでしょう」
「未来を知っていると言っていましたけど、大丈夫でしょうか?」
不安になって私が尋ねるけど、ジトアは冷静に話す。
「私の言った通り、ルーミエ様は困惑した反応を見せたのですよね」
「はい。ジトア様の言う通り、動揺せず困惑してみせました」
「それなら、問題ありません」
ジトアの計画通りに、私は動くことができている。
これからの行動も、ジトアは予想しているようだ。
マウロの存在は予想外だったけど、ジトアがいてくれたから対処できた。
そして――これから本来の未来でも起きた出来事を、バハムスとメリタは起こすようだ。
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