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第1話
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「リーゼよ。貴様が起こした様々な悪行を俺は知っている! 俺は貴様との婚約を破棄する!!」
公爵令嬢の私リーゼ・ローティアは、パーティ会場でダーロス王子に婚約破棄を言い渡されていた。
その後、婚約破棄から数日が経って――私は一切知らない様々な悪行が原因で、檻の中にいる。
ダーロス王子が婚約破棄を宣言してすぐに、魔法学園の生徒達が私の悪行を話していた。
その生徒達の敵意は本心からくるもので、私が否定しても聞き入れられることはなかった。
パーティでの出来事を思い返しても、私には何がおきているのかわからない。
そんな時――檻に閉じ込められていた私の前に、侯爵令嬢のベネサがやって来る。
ベネサはダーロス王子と仲がよかったけど、私とは距離を置いていた。
どうして私の元に来たのかと思った時、ベネサが邪悪な笑みを浮かべて話す。
「この話を聞いている看守の人達ですが……魅了している状態で私が命令したので、今から私が貴方に話す内容を全て忘れます」
「魅了、ですか?」
「はい。私は他者を魅了する魔法、魅了魔法が使えるのです」
聞いたことがない魔法で、ベネサが説明する。
1日程度の間、ベネサの魅了魔法を受けた人はどんな命令でも聞いてしまうようだ。
そして――婚約破棄の理由になった様々な悪行は全て偽りで、ベネサが魅了魔法で思わせただけだと話していた。
「リーゼ様が悪行を行ったと魅了されている状態で聞くと、魅了魔法が解けてもその認識のままのようです」
ベネサの話を聞いて、私は唖然としながら尋ねる。
「どうして、そんなことを私に話すのですか? それに、どうして私を処刑する気なのですか?」
「私が魅了魔法を使えるようになったのは1年ぐらい前ですけど、なぜかリーゼ様には私の魅了魔法が効かないようです」
「……えっ?」
「魅了魔法が効かないリーゼ様は、今後脅威になるかもしれない。そう考えた私は、貴方を消すことにしました」
私を処刑する理由はわかったけど、どうしてそこまで私に話すのだろうか。
困惑していると、ベネサが話を続ける。
「魅了魔法についてリーゼ様に話した理由は、最期に悔しい想いをさせたかっただけです」
「それは、貴方の魅了魔法が私に効かなかったから?」
「その通りです。最後に教えておきますけど、ダーロス殿下は私の協力者です」
ベネサの発言に、私は更に驚くこととなる。
どうやらベネサは、ダーロス王子の新たな婚約者になるようだ。
「魅了魔法を何度もかけ続けるよりも、普通に私のことを好きになってもらいました。ダーロス殿下にとって貴方は、その程度の存在だったのです!」
それが真実なのかは、今の私にはわからない。
言いたいことを言ったベネサは、私の前から去っていく。
ベネサは許せないけど――今の私には、何もできなかった。
■◇■◇■◇■◇■
その後――私は処刑されてしまったけど、屋敷のベッドにいた。
目覚めた光景からここは間違いなく私の屋敷で、何が起こったのか理解できていない。
「今まで……私は、夢を見ていたの?」
思わず呟くけど、処刑された時のことは強く覚えている。
あれが夢とは思えず、とにかく私は何が起きたのかを調べようとしていた。
屋敷で話をして、私は何が起きたのか理解する。
私は処刑されてしまったけど――時間が、1年前に戻っていた。
公爵令嬢の私リーゼ・ローティアは、パーティ会場でダーロス王子に婚約破棄を言い渡されていた。
その後、婚約破棄から数日が経って――私は一切知らない様々な悪行が原因で、檻の中にいる。
ダーロス王子が婚約破棄を宣言してすぐに、魔法学園の生徒達が私の悪行を話していた。
その生徒達の敵意は本心からくるもので、私が否定しても聞き入れられることはなかった。
パーティでの出来事を思い返しても、私には何がおきているのかわからない。
そんな時――檻に閉じ込められていた私の前に、侯爵令嬢のベネサがやって来る。
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「魅了、ですか?」
「はい。私は他者を魅了する魔法、魅了魔法が使えるのです」
聞いたことがない魔法で、ベネサが説明する。
1日程度の間、ベネサの魅了魔法を受けた人はどんな命令でも聞いてしまうようだ。
そして――婚約破棄の理由になった様々な悪行は全て偽りで、ベネサが魅了魔法で思わせただけだと話していた。
「リーゼ様が悪行を行ったと魅了されている状態で聞くと、魅了魔法が解けてもその認識のままのようです」
ベネサの話を聞いて、私は唖然としながら尋ねる。
「どうして、そんなことを私に話すのですか? それに、どうして私を処刑する気なのですか?」
「私が魅了魔法を使えるようになったのは1年ぐらい前ですけど、なぜかリーゼ様には私の魅了魔法が効かないようです」
「……えっ?」
「魅了魔法が効かないリーゼ様は、今後脅威になるかもしれない。そう考えた私は、貴方を消すことにしました」
私を処刑する理由はわかったけど、どうしてそこまで私に話すのだろうか。
困惑していると、ベネサが話を続ける。
「魅了魔法についてリーゼ様に話した理由は、最期に悔しい想いをさせたかっただけです」
「それは、貴方の魅了魔法が私に効かなかったから?」
「その通りです。最後に教えておきますけど、ダーロス殿下は私の協力者です」
ベネサの発言に、私は更に驚くこととなる。
どうやらベネサは、ダーロス王子の新たな婚約者になるようだ。
「魅了魔法を何度もかけ続けるよりも、普通に私のことを好きになってもらいました。ダーロス殿下にとって貴方は、その程度の存在だったのです!」
それが真実なのかは、今の私にはわからない。
言いたいことを言ったベネサは、私の前から去っていく。
ベネサは許せないけど――今の私には、何もできなかった。
■◇■◇■◇■◇■
その後――私は処刑されてしまったけど、屋敷のベッドにいた。
目覚めた光景からここは間違いなく私の屋敷で、何が起こったのか理解できていない。
「今まで……私は、夢を見ていたの?」
思わず呟くけど、処刑された時のことは強く覚えている。
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私は処刑されてしまったけど――時間が、1年前に戻っていた。
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