「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう

天宮有

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第21話

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モグルド視点

 ヒュームの発言を聞き、俺はルナに命令してすぐに屋敷から出て行く。
 馬に乗って城へ戻り、俺は思案して呟いた。

「クソッッ……ヒュームがいるなんて想定外だ!」

 約束をすれば、婚約者となったヒュームも同席するに違いない。
 それが嫌で約束をせず屋敷に向かったというのに、ヒュームがいるとは思わなかった。

「それでも予定通り、ルナにヒリスの杖を渡した……ルナならいつも通り動き、明日には杖を直しているだろう!」

 明日の夕方にルナの屋敷へ向かえば、ヒリスの杖は直っているに違いない。

 壊れたヒリスの杖を見たことで、俺を恐れているルナは直すに決まっている。
 その杖を受け取れば何も問題ないと考えるが、それはただの願望でしかなかった。

 その日のうちに、ルナが直すと確信していた杖は壊れたまま父の国王に渡る。
 俺は父に呼び出されて――ヒリスの杖が、ルナの屋敷に行った物証になってしまった。
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