10 / 40
第10話
しおりを挟む
ルドノス視点
キサラが聖なる魔法を使えなくなってから、俺達はキサラの代わりになる人物を探していた。
聖なる魔法が使える人間は希少だが、国内でも数人は存在している。
優秀でなければキサラの代わりにはならなくて、数ヶ月探しても見つからなかった。
俺は玉座のある部屋に呼び出されて、宰相から報告を聞く。
隣のニールド国には、優秀な聖なる魔法を扱える女性がいるようだ。
報告を聞いた父の国王は喜び、俺は宰相から詳しく話を聞くことにする。
「王都の治療院で働いているようです。院長よりも優秀で、魔力切れになった姿を誰も見ていないと報告が入っています」
「それなら、キサラの代わりになるかもしれない……そこまで優秀なら有名になっていそうだが、どうして今まで見つけることができなかった?」
周辺の国にある治療院を調べて見つけたようだが、調査してから数ヶ月も経っている。
今まで見つからなかった理由を俺が尋ねると、宰相は頷いて説明した。
「治療院で働くようになったのが最近のようです。仮面をつけて正体を隠していることから、仮面の聖女と呼ばれています」
仮面を着けて、聖なる魔法を使う者だから聖女と呼ばれているらしい。
自分から公表したわけではなく、結果により周囲から聖女と呼ばれているようで……キサラもそうしておけばよかったと、今になって後悔してしまう。
仮面の聖女の名前は不明で、院長が詮索しないよう頼んでいるらしい。
雇っている院長は正体を知っていそうだが、俺達は正体よりも優秀で聖なる魔法を使える方が重要だ。
宰相の報告を聞き、俺達は今後の行動について話し合う。
キサラの魔力が戻らないのなら、別の者を聖女として活躍させるしかなかった。
「こうなったら、仮面の聖女を雇うしかないでしょう」
「そうだな……聖女と周囲から呼ばれる程に優秀なら、キサラの代わりになれそうだ」
俺の提案を聞き、国王が賛同する。
キサラの裏方として行動するのだから、仮面で正体を隠ししても問題ないだろう。
「治療院で働いているのなら、多額の報酬を渡せば喜んで協力するに決まっています!」
国王も俺の発言に賛同して頷き、希望が見えてくる。
この時の俺は、仮面の聖女の正体が崖から突き飛ばしたミレナだと知らない。
どれほど好条件を出しても、ミレナが俺達の元に戻って来ることはなかった。
キサラが聖なる魔法を使えなくなってから、俺達はキサラの代わりになる人物を探していた。
聖なる魔法が使える人間は希少だが、国内でも数人は存在している。
優秀でなければキサラの代わりにはならなくて、数ヶ月探しても見つからなかった。
俺は玉座のある部屋に呼び出されて、宰相から報告を聞く。
隣のニールド国には、優秀な聖なる魔法を扱える女性がいるようだ。
報告を聞いた父の国王は喜び、俺は宰相から詳しく話を聞くことにする。
「王都の治療院で働いているようです。院長よりも優秀で、魔力切れになった姿を誰も見ていないと報告が入っています」
「それなら、キサラの代わりになるかもしれない……そこまで優秀なら有名になっていそうだが、どうして今まで見つけることができなかった?」
周辺の国にある治療院を調べて見つけたようだが、調査してから数ヶ月も経っている。
今まで見つからなかった理由を俺が尋ねると、宰相は頷いて説明した。
「治療院で働くようになったのが最近のようです。仮面をつけて正体を隠していることから、仮面の聖女と呼ばれています」
仮面を着けて、聖なる魔法を使う者だから聖女と呼ばれているらしい。
自分から公表したわけではなく、結果により周囲から聖女と呼ばれているようで……キサラもそうしておけばよかったと、今になって後悔してしまう。
仮面の聖女の名前は不明で、院長が詮索しないよう頼んでいるらしい。
雇っている院長は正体を知っていそうだが、俺達は正体よりも優秀で聖なる魔法を使える方が重要だ。
宰相の報告を聞き、俺達は今後の行動について話し合う。
キサラの魔力が戻らないのなら、別の者を聖女として活躍させるしかなかった。
「こうなったら、仮面の聖女を雇うしかないでしょう」
「そうだな……聖女と周囲から呼ばれる程に優秀なら、キサラの代わりになれそうだ」
俺の提案を聞き、国王が賛同する。
キサラの裏方として行動するのだから、仮面で正体を隠ししても問題ないだろう。
「治療院で働いているのなら、多額の報酬を渡せば喜んで協力するに決まっています!」
国王も俺の発言に賛同して頷き、希望が見えてくる。
この時の俺は、仮面の聖女の正体が崖から突き飛ばしたミレナだと知らない。
どれほど好条件を出しても、ミレナが俺達の元に戻って来ることはなかった。
1,298
あなたにおすすめの小説
どうして私にこだわるんですか!?
風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。
それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから!
婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。
え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!?
おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。
※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。
──いいえ。わたしがあなたとの婚約を破棄したいのは、あなたに愛する人がいるからではありません。
ふまさ
恋愛
伯爵令息のパットは、婚約者であるオーレリアからの突然の別れ話に、困惑していた。
「確かにぼくには、きみの他に愛する人がいる。でもその人は平民で、ぼくはその人と結婚はできない。だから、きみと──こんな言い方は卑怯かもしれないが、きみの家にお金を援助することと引き換えに、きみはそれを受け入れたうえで、ぼくと婚約してくれたんじゃなかったのか?!」
正面に座るオーレリアは、膝のうえに置いたこぶしを強く握った。
「……あなたの言う通りです。元より貴族の結婚など、政略的なものの方が多い。そんな中、没落寸前の我がヴェッター伯爵家に援助してくれたうえ、あなたのような優しいお方が我が家に婿養子としてきてくれるなど、まるで夢のようなお話でした」
「──なら、どうして? ぼくがきみを一番に愛せないから? けれどきみは、それでもいいと言ってくれたよね?」
オーレリアは答えないどころか、顔すらあげてくれない。
けれどその場にいる、両家の親たちは、その理由を理解していた。
──そう。
何もわかっていないのは、パットだけだった。
無償の愛を捧げる人と運命の人は、必ずしも同じではないのです
風見ゆうみ
恋愛
サウザン王国の辺境伯令嬢であるララティア・シリルの婚約者は、王太子のフォークス・シェイン。サウザン王国の王子は先祖の暴挙により、生まれながらに呪われており、二十歳になった日から5年間の間に親族以外から無償の愛を捧げてもらわなければ、徐々に体が人間ではないものに変わってしまう呪いがかかっていた。彼に愛されなくても、彼を愛し続けると誓っていたララティアだったが、フォークスの二十歳の誕生日パーティーで、彼はララティアをライバル視している公爵令嬢、ウェンディが自分の運命の人だと発表し、ララティアとの婚約を破棄する。ショックを受けるララティアを救ったのは、パーティーに招待されていた隣国の王太子アーサーだった。
ララティアがアーサーと共にサウザン王国を去ってしばらくすると、フォークスの体にある変化が起こり始め、彼はウェンディの愛が『無償の愛』ではないことを知り――。
(完結)だったら、そちらと結婚したらいいでしょう?
青空一夏
恋愛
エレノアは美しく気高い公爵令嬢。彼女が婚約者に選んだのは、誰もが驚く相手――冴えない平民のデラノだった。太っていて吹き出物だらけ、クラスメイトにバカにされるような彼だったが、エレノアはそんなデラノに同情し、彼を変えようと決意する。
エレノアの尽力により、デラノは見違えるほど格好良く変身し、学園の女子たちから憧れの存在となる。彼女の用意した特別な食事や、励ましの言葉に支えられ、自信をつけたデラノ。しかし、彼の心は次第に傲慢に変わっていく・・・・・・
エレノアの献身を忘れ、身分の差にあぐらをかきはじめるデラノ。そんな彼に待っていたのは・・・・・・
※異世界、ゆるふわ設定。
あなたの妻にはなりません
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。
彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。
幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。
彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。
悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。
彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。
あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。
悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。
「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」
あなたに未練などありません
風見ゆうみ
恋愛
「本当は前から知っていたんだ。君がキャロをいじめていた事」
初恋であり、ずっと思いを寄せていた婚約者からありえない事を言われ、侯爵令嬢であるわたし、アニエス・ロロアルの頭の中は真っ白になった。
わたしの婚約者はクォント国の第2王子ヘイスト殿下、幼馴染で親友のキャロラインは他の友人達と結託して嘘をつき、私から婚約者を奪おうと考えたようだった。
数日後の王家主催のパーティーでヘイスト殿下に婚約破棄されると知った父は激怒し、元々、わたしを憎んでいた事もあり、婚約破棄後はわたしとの縁を切り、わたしを家から追い出すと告げ、それを承認する書面にサインまでさせられてしまう。
そして、予告通り出席したパーティーで婚約破棄を告げられ絶望していたわたしに、その場で求婚してきたのは、ヘイスト殿下の兄であり病弱だという事で有名なジェレミー王太子殿下だった…。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
病弱な幼馴染を守る彼との婚約を解消、十年の恋を捨てて結婚します
佐藤 美奈
恋愛
セフィーナ・グラディウスという貴族の娘が、婚約者であるアルディン・オルステリア伯爵令息との関係に苦悩し、彼の優しさが他の女性に向けられることに心を痛める。
セフィーナは、アルディンが幼馴染のリーシャ・ランスロット男爵令嬢に特別な優しさを注ぐ姿を見て、自らの立場に苦しみながらも、理想的な婚約者を演じ続ける日々を送っていた。
婚約して十年間、心の中で自分を演じ続けてきたが、それももう耐えられなくなっていた。
溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。
ふまさ
恋愛
いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。
「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」
「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」
ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。
──対して。
傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる