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第四章
最後までちゃんと*
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ベルトってどうやって外すんだろう。
ルカは慣れないトラウザーズのベルトを外そうとがんばった。とにかくユリウスをその気にさせないといけない。このままだと、ルカを怖がらせたと思ったユリウスは、ルカを抱こうとしないだろう。いくらルカが大丈夫と言っても、ユリウスは何もしないに違いない。話しているとそれが伝わってきた。
だからルカはユリウスに手を伸ばして触れ、トラウザーズを脱がしてしまえればと思った。
フォリスに触れられて、ディックは自身を大きくさせていた。それならば、ルカも同じようにユリウスに。そう思ったのに、ベルトはカチャカチャ鳴るばかりでちっとも外れない。早くしないとユリウスにまた引き剥がされる。
そう危惧したとたん、ユリウスに抱き上げられた。今までにないほど荒々しく抱きしめられ、ベッドに沈められた。
「ルカ……」
ユリウスは熱の籠もった眼差しでルカを見下ろし、口づけてきた。どうやらその気になってくれたらしい。ユリウスのキスを受け止めながら、ほっと息をつけたのはその時だけだった。
そこからは奔流に流される木の葉のようだった。
ユリウスはいつになく強引に舌を捩じ込んでくると、ルカの胸をもみ、同時にルカの片足を持ち上げて足を開かせた。胸に触れたユリウスの熱い手は、ルカの腹をなぞり、内股を撫でるとルカの女の部分に触れてきた。
覚悟していたつもりだったが、体は自然と強張った。
大丈夫。怖くない。ユリウスのすることなら怖くない。
ルカは呪文のようにそう繰り返し心の中で唱えたが、そんな風に考える余裕さえすぐになくなった。
「……ルカ、ルカ」
ユリウスは貪るような口づけを解くと、次は胸の頂きを口に含んだ。舌で突起を転がされ、思わぬ刺激にルカは声を上げた。
「んっ、あっ……」
自分でも信じられないような甘い声に、ルカは恥ずかしくなり口をおさえた。ユリウスは構わず胸の突起をなぶりながら襞を割り、奥へと指を伸ばしてくる。いつも診察で触れられる痛い部分だ。
ぎゅっと身構えたが、ユリウスの指が表面をぬるりと滑った。痛いどころか、敏感な場所をユリウスの太い指になぶられ、むずむずするようなもどかしい感じがする。
どこから滑りが現れるのか。ユリウスは溢れる滑りを塗り拡げると、小さな突起を指で転がしてくる。
「あっ……。ユリウス、ユリウス」
もどかしさが頂点に達し、ルカは全力でユリウスのシャツを握った。ぞくぞくと身の内から沸き起こる感覚が怖くて、泣きながらユリウスに懇願していた。
「も、もういい。やめ……」
欲を受け止めると言ったのはルカだけれど、こんな未知の感覚に襲われるとは思っていなかった。体が自然と逃げをうち、ユリウスの下から抜け出そうと足掻いた。
「逃さないぞ、ルカ」
「んんっ」
ユリウスは、ルカの抵抗を封じ込め、再び顔を寄せると舌をいれてきた。と同時に滑りをまとったユリウスの太い指がぐっとルカの中に入ってきた。
「あっ……」
体は瞬間的に強張ったが、ユリウスの指は更に奥へとぐっと挿し込まれてくる。
「いたっ……い。はぁ……。痛いよユリウス…」
押し広げられた内壁が悲鳴を上げる。さきほどまであったむずむずする感覚は消え、ユリウスの指を狭い内壁が絞めている感覚だけが脳を支配する。
「ど、……して指なんて、挿れるの?」
ユリウス自身を挿れられると思っていたのに、まさか指を挿れられるなんて。震える指でユリウスの背に爪を立てると、ユリウスが顔を上げた。
「いきなりは挿入らないからな。慣らすためだ。しかし指でそれだけ痛いのなら、やっぱりやめておくか?」
ユリウスははじめの勢いが冷めたのか、熱っぽさの中にもどこか冷静さをのぞかせる。ルカの内壁が、ユリウスの指を逃すまいときゅうっと絞まった。
「大丈夫……。………んっ、まだやる、から。最後まで」
少しくらい痛くても、きっと大丈夫。せっかく覚悟を決めたのに、このままユリウスの欲を受け止められないのは悔しい。
「ルカは意外と強情だな」
ユリウスはふっと笑ってルカの目尻に浮かんだ涙を指先で拭った。
「あまり意地を張ると後悔するぞ? さっきも嫌だと言っていただろう」
「それは、やめたら嫌だって意味だから!」
苦し紛れの見え透いたうそにユリウスは笑ったが、再び口づけると指を挿れたまま、ひだや突起を弄ってきた。
「もう少し濡れれば傷みも和らぐ」
「濡れるって?」
ユリウスに陰部を触られるとまたさきほどのむずむずした感覚が戻ってきた。と同時にユリウスの指がぬるりと滑る。ユリウスの指からは何か液体が出てくるのだろうかと思えるほどだ。
ルカがそう言うと、ユリウスはまたも笑った。
「俺じゃない。ルカだ」
「え? え? わたし何にもしてないよ?」
「わかってるさ。ルカが気持ちいいと思ったら出る特別な液体だ。ほら」
ユリウスは指を引き抜くとルカの目の前にかざした。ユリウスの指は滑りのある液体をまとい、濡れて光っていた。ユリウスはその指に軽く口づける。
「汚いよ?」
「ルカのものなら、何でもきれいだ」
ユリウスは言うと、閉じかかっていたルカの足を大きく広げさせ、また指を挿れてきた。さきほどよりも痛くない。ユリウスの言うところの、濡れた状態だからだろうか。圧迫感だけはどうしようもないが、幾分か楽になり、ルカは余裕が出てきた。フォリスがやっていたように、トラウザーズの上からユリウスのものに触れた。そこは熱を持って温かく、大きく膨らんでいた。
「いけない子だ。ルカの手はこっちだ」
ユリウスはすぐにルカの手をつかむとユリウス自身から放させ、首へと回すように誘導する。
「わたしも触りたいのに」
頬を膨らませて不満を漏らせば、ユリウスは今はまだだめだと言うと、こっちに集中しろと言わんばかりに指で内壁を擦った。強い刺激にルカの体が自然と跳ね、ルカは必死になってユリウスの首に抱きついた。
ユリウスは胸への愛撫を施しながら、丹念にルカの中を探った。ルカがよく声を上げる部分を探しあて、そこばかり弄られる。ゆるく指を出し挿れされ、出たり挿入ったりするユリウスの指の感覚に自然と声が漏れた。
「あっ……。んっ……。ユ、ユリウス、あの……」
「なんだ?」
「まだ挿れないの? ユリウスの」
「挿れていいのか? もう少し慣らしたほうがいいだろ」
「んっ……。も、大丈夫、……んっ、あっ」
ユリウスの指がルカの内壁を強く擦り、声が跳ねた。ユリウスはそこを重点的に攻めてくる。追い詰められていくような感覚に、ルカは顔を歪めた。
「あっ……。ユ、リウス。待って…、なんかぞくぞく、する。やだ、怖い、待って……、待っ!」
小さく叫んでルカは大きく体を跳ねさせた。ぎりぎりまで引き絞られた弓がぱっと放たれるように体が放り出され、ルカの内壁がきゅうきゅうとユリウスの指を絞めた。体が勝手にびくびくと震え、長い余韻を残す。荒い息を繰り返したルカは、疲れ切ってぱたりとユリウスの首から腕を離した。
「……びっくりした。なに、今の…」
「気持ちよかったか?」
「……わかんない」
本当は信じられないくらい気持ちが良かった。でもそれを素直に認めることがなんとなく癪で、ルカは気怠い体のままふいとそっぽを向いた。
でもユリウスにはお見通しだったようだ。くすくす笑って、だらりと力の抜けたルカの両足を抱え開かせると胸につくほど押し倒した。
「なに?」
今度は何が起こるのか。余韻でまだぼぅとする頭のままユリウスを見上げる。
「あまりに痛かったら、ちゃんと言うんだぞ。力はそのまま抜いていろ」
ユリウスの言葉と共に、押し付けられた温かいものにルカははっとした。ユリウスはいつの間にかトラウザーズを寛げていた。意識の全てが押し当てられた場所へと集中する。体が固くなるが、さきほどの余韻のせいか、あまり力が入らない。
ルカの目がユリウスの目をとらえたと同時に、めりっとユリウスのものが押し込まれた。叫びたくなるほど痛かったが、ルカは枕を握って耐えた。
「ルカ、息をしろ。顔が真っ赤だ」
「………っ、はぁ……」
言われた通りなんとか浅く息を吐き出す。そこへ更に深く押し込まれ、ルカは「ああっ…」と高い声を上げた。声を放つことで自然と息を吸い込み、ルカは浅く呼吸を繰り返した。わずかに力の抜ける瞬間を狙って、ユリウスは腰を進めてくる。
「大丈夫、そうではないな」
ルカがあまりに痛そうにしていたからだろう。ユリウスは腰を進めるのを止め、ルカの髪を撫でた。
「そろそろやめておくか。もう十分だろ」
ずるりと引き出される感覚に、ルカはユリウスの腰に足を回した。
「だめ。最後までちゃんとする。だってユリウス、まだセーエキ出してないでしょ? 出したら気持ちいいって聞いたよ」
「全く。それもディックの入れ知恵か?」
「わたしが聞いたことだから。だからディックは関係ない」
興味本位に聞き出したのがルカなのは本当だ。ルカはユリウスが離れていくのを阻止しようと首にも腕を回して抱きついた。
「最後までちゃんとしたい。お願い、ユリウス」
「本当にいいんだな?」
「何度もそう言ったから。それに、」
―――ユリウスともっとこうしていたい。
そう言おうとして言葉にならなかったのは、ユリウスが再び腰を進めてきたからだ。それでもルカの言いたいことは十分ユリウスに伝わったはずだ。ユリウスはルカの髪を大切なものを扱うようにそっと撫でながら、猛るものを押し込んだ。
「んっ……あ………」
ユリウスは膝裏を持ち上げて更に大きくルカの足を広げさせる。ぐりぐりと押し付けるようにユリウスが腰を動かすと、内壁が切なげに悲鳴をあげながら、ユリウスのものを飲み込んでいく。
「………はぁ…………はぁ、はぁ」
ルカは言われた通り呼吸を繰り返し、痛みを逃した。そんなもので誤魔化し切れるほどの痛みではなかったが、ユリウスが自分の中に挿入っていると思うと嬉しかった。
こんな感覚になるなんて思いもしなかった。無機質な器具を入れられ、いつも痛いだけの場所で、いっそこんなところに孔なんてなければいいと思ったこともある。
なのに………。
ユリウスの腰が止まり、ぴったりと密着した。加減しながらの行為は、ユリウスにも大変だったのか。額に汗が浮かんでいる。
「全部、挿入ったぞ」
腰を押し付けたまま揺らされ、ユリウスの存在を感じさせられる。入り口は限界まで開かれまだ痛かったが、ルカの喉から抑えきれない声が漏れた。ユリウスは挿れたまま動かずに、ルカの胸の突起を指で転がし、ルカの顔中にキスを落とした。
「大丈夫か?」
「……大丈夫」
しばらくじっとしているとユリウスの形に中が馴染んできた。
「ねぇユリウス。セーエキは出た?」
これでセーエキを出せればユリウスは気持ちいいはずだ。もう気持ちよくなっただろうかとわくわくして聞いたら、「いや、まだだ」とユリウス。
「え、そうなの? ユリウス、気持ちよくないの?」
挿れたらセーエキが出るのかと思った。違うのか。そういえば、ディックはフォリスに挿れたあと、また出したり挿れたりしていた。あれをしないとセーエキは出ないのかも。
「ユリウス、動いていいよ。そしたら気持ちよくなれる?」
「それもディックか? 全く。やはりあいつにはもっと釘を刺さねばな。ルカ、別に動かなくとも俺は十分気持ちいいぞ」
「でもセーエキは出てないんでしょ?」
「動かなくても、もう出そうだ。ルカの中は温かくて気持ちいいからな」
「そうなの? いいよ、動いて。その方が気持ちいいんでしょ?」
「まぁ、それはそうなんだが」
ユリウスはルカを抱きしめると浅く自身を引き出し、またすぐに押し込んだ。ルカの体を揺らしながら、ユリウスは何度かその行為を繰り返した。緩やかな動きで、引きつるように痛かった入り口が、その動きで少し解れた。
「ルカ……」
ユリウスがルカをぎゅうっと抱きしめた。腰を押し付け、更に奥までユリウスが自身を飲み込ませると、ユリウスの体が一瞬固まった。しばらくユリウスは荒い息を繰り返し、ずるりと己をルカから引き出した。中から溢れたものがルカの大腿に流れた。
「ユリウス、ちゃんと出た?」
「……ああ」
ルカは嬉しくなって大腿に伝ったものを指で掬った。どろりと白い液体だ。独特な匂いがした。でも赤い血も混じっている。不安になってユリウスを見た。
「それは、ルカの破瓜の血だ。初めて交わったとき出ることがあるが心配ない」
そう聞いて安心したルカは、ユリウスがしたように白い液体をペロリと舐めてみる。意外と平気だ。
「おい、やめておけ」
ユリウスは慌ててルカの指をシーツで拭うと、ルカを抱き上げた。
「浴場に行こう。洗ってやる」
「自分で洗えるよ?」
そう言ったが、浴室に降ろされたとたん、足元から崩れた。ユリウスが挿入っていた部分が痛いし、体中気怠くてどうしようもない。浴室は温かいし、ちゃんとできた安心感も加わって急速にまぶたが落ちてくる。
「眠っててもいいぞ。ちゃんと洗ってやるから」
「ん、……お、」
……ねがい。
最後まで声に出たかはわからない。ルカはユリウスの腕の中、安心しきってまぶたを閉じた。
ルカは慣れないトラウザーズのベルトを外そうとがんばった。とにかくユリウスをその気にさせないといけない。このままだと、ルカを怖がらせたと思ったユリウスは、ルカを抱こうとしないだろう。いくらルカが大丈夫と言っても、ユリウスは何もしないに違いない。話しているとそれが伝わってきた。
だからルカはユリウスに手を伸ばして触れ、トラウザーズを脱がしてしまえればと思った。
フォリスに触れられて、ディックは自身を大きくさせていた。それならば、ルカも同じようにユリウスに。そう思ったのに、ベルトはカチャカチャ鳴るばかりでちっとも外れない。早くしないとユリウスにまた引き剥がされる。
そう危惧したとたん、ユリウスに抱き上げられた。今までにないほど荒々しく抱きしめられ、ベッドに沈められた。
「ルカ……」
ユリウスは熱の籠もった眼差しでルカを見下ろし、口づけてきた。どうやらその気になってくれたらしい。ユリウスのキスを受け止めながら、ほっと息をつけたのはその時だけだった。
そこからは奔流に流される木の葉のようだった。
ユリウスはいつになく強引に舌を捩じ込んでくると、ルカの胸をもみ、同時にルカの片足を持ち上げて足を開かせた。胸に触れたユリウスの熱い手は、ルカの腹をなぞり、内股を撫でるとルカの女の部分に触れてきた。
覚悟していたつもりだったが、体は自然と強張った。
大丈夫。怖くない。ユリウスのすることなら怖くない。
ルカは呪文のようにそう繰り返し心の中で唱えたが、そんな風に考える余裕さえすぐになくなった。
「……ルカ、ルカ」
ユリウスは貪るような口づけを解くと、次は胸の頂きを口に含んだ。舌で突起を転がされ、思わぬ刺激にルカは声を上げた。
「んっ、あっ……」
自分でも信じられないような甘い声に、ルカは恥ずかしくなり口をおさえた。ユリウスは構わず胸の突起をなぶりながら襞を割り、奥へと指を伸ばしてくる。いつも診察で触れられる痛い部分だ。
ぎゅっと身構えたが、ユリウスの指が表面をぬるりと滑った。痛いどころか、敏感な場所をユリウスの太い指になぶられ、むずむずするようなもどかしい感じがする。
どこから滑りが現れるのか。ユリウスは溢れる滑りを塗り拡げると、小さな突起を指で転がしてくる。
「あっ……。ユリウス、ユリウス」
もどかしさが頂点に達し、ルカは全力でユリウスのシャツを握った。ぞくぞくと身の内から沸き起こる感覚が怖くて、泣きながらユリウスに懇願していた。
「も、もういい。やめ……」
欲を受け止めると言ったのはルカだけれど、こんな未知の感覚に襲われるとは思っていなかった。体が自然と逃げをうち、ユリウスの下から抜け出そうと足掻いた。
「逃さないぞ、ルカ」
「んんっ」
ユリウスは、ルカの抵抗を封じ込め、再び顔を寄せると舌をいれてきた。と同時に滑りをまとったユリウスの太い指がぐっとルカの中に入ってきた。
「あっ……」
体は瞬間的に強張ったが、ユリウスの指は更に奥へとぐっと挿し込まれてくる。
「いたっ……い。はぁ……。痛いよユリウス…」
押し広げられた内壁が悲鳴を上げる。さきほどまであったむずむずする感覚は消え、ユリウスの指を狭い内壁が絞めている感覚だけが脳を支配する。
「ど、……して指なんて、挿れるの?」
ユリウス自身を挿れられると思っていたのに、まさか指を挿れられるなんて。震える指でユリウスの背に爪を立てると、ユリウスが顔を上げた。
「いきなりは挿入らないからな。慣らすためだ。しかし指でそれだけ痛いのなら、やっぱりやめておくか?」
ユリウスははじめの勢いが冷めたのか、熱っぽさの中にもどこか冷静さをのぞかせる。ルカの内壁が、ユリウスの指を逃すまいときゅうっと絞まった。
「大丈夫……。………んっ、まだやる、から。最後まで」
少しくらい痛くても、きっと大丈夫。せっかく覚悟を決めたのに、このままユリウスの欲を受け止められないのは悔しい。
「ルカは意外と強情だな」
ユリウスはふっと笑ってルカの目尻に浮かんだ涙を指先で拭った。
「あまり意地を張ると後悔するぞ? さっきも嫌だと言っていただろう」
「それは、やめたら嫌だって意味だから!」
苦し紛れの見え透いたうそにユリウスは笑ったが、再び口づけると指を挿れたまま、ひだや突起を弄ってきた。
「もう少し濡れれば傷みも和らぐ」
「濡れるって?」
ユリウスに陰部を触られるとまたさきほどのむずむずした感覚が戻ってきた。と同時にユリウスの指がぬるりと滑る。ユリウスの指からは何か液体が出てくるのだろうかと思えるほどだ。
ルカがそう言うと、ユリウスはまたも笑った。
「俺じゃない。ルカだ」
「え? え? わたし何にもしてないよ?」
「わかってるさ。ルカが気持ちいいと思ったら出る特別な液体だ。ほら」
ユリウスは指を引き抜くとルカの目の前にかざした。ユリウスの指は滑りのある液体をまとい、濡れて光っていた。ユリウスはその指に軽く口づける。
「汚いよ?」
「ルカのものなら、何でもきれいだ」
ユリウスは言うと、閉じかかっていたルカの足を大きく広げさせ、また指を挿れてきた。さきほどよりも痛くない。ユリウスの言うところの、濡れた状態だからだろうか。圧迫感だけはどうしようもないが、幾分か楽になり、ルカは余裕が出てきた。フォリスがやっていたように、トラウザーズの上からユリウスのものに触れた。そこは熱を持って温かく、大きく膨らんでいた。
「いけない子だ。ルカの手はこっちだ」
ユリウスはすぐにルカの手をつかむとユリウス自身から放させ、首へと回すように誘導する。
「わたしも触りたいのに」
頬を膨らませて不満を漏らせば、ユリウスは今はまだだめだと言うと、こっちに集中しろと言わんばかりに指で内壁を擦った。強い刺激にルカの体が自然と跳ね、ルカは必死になってユリウスの首に抱きついた。
ユリウスは胸への愛撫を施しながら、丹念にルカの中を探った。ルカがよく声を上げる部分を探しあて、そこばかり弄られる。ゆるく指を出し挿れされ、出たり挿入ったりするユリウスの指の感覚に自然と声が漏れた。
「あっ……。んっ……。ユ、ユリウス、あの……」
「なんだ?」
「まだ挿れないの? ユリウスの」
「挿れていいのか? もう少し慣らしたほうがいいだろ」
「んっ……。も、大丈夫、……んっ、あっ」
ユリウスの指がルカの内壁を強く擦り、声が跳ねた。ユリウスはそこを重点的に攻めてくる。追い詰められていくような感覚に、ルカは顔を歪めた。
「あっ……。ユ、リウス。待って…、なんかぞくぞく、する。やだ、怖い、待って……、待っ!」
小さく叫んでルカは大きく体を跳ねさせた。ぎりぎりまで引き絞られた弓がぱっと放たれるように体が放り出され、ルカの内壁がきゅうきゅうとユリウスの指を絞めた。体が勝手にびくびくと震え、長い余韻を残す。荒い息を繰り返したルカは、疲れ切ってぱたりとユリウスの首から腕を離した。
「……びっくりした。なに、今の…」
「気持ちよかったか?」
「……わかんない」
本当は信じられないくらい気持ちが良かった。でもそれを素直に認めることがなんとなく癪で、ルカは気怠い体のままふいとそっぽを向いた。
でもユリウスにはお見通しだったようだ。くすくす笑って、だらりと力の抜けたルカの両足を抱え開かせると胸につくほど押し倒した。
「なに?」
今度は何が起こるのか。余韻でまだぼぅとする頭のままユリウスを見上げる。
「あまりに痛かったら、ちゃんと言うんだぞ。力はそのまま抜いていろ」
ユリウスの言葉と共に、押し付けられた温かいものにルカははっとした。ユリウスはいつの間にかトラウザーズを寛げていた。意識の全てが押し当てられた場所へと集中する。体が固くなるが、さきほどの余韻のせいか、あまり力が入らない。
ルカの目がユリウスの目をとらえたと同時に、めりっとユリウスのものが押し込まれた。叫びたくなるほど痛かったが、ルカは枕を握って耐えた。
「ルカ、息をしろ。顔が真っ赤だ」
「………っ、はぁ……」
言われた通りなんとか浅く息を吐き出す。そこへ更に深く押し込まれ、ルカは「ああっ…」と高い声を上げた。声を放つことで自然と息を吸い込み、ルカは浅く呼吸を繰り返した。わずかに力の抜ける瞬間を狙って、ユリウスは腰を進めてくる。
「大丈夫、そうではないな」
ルカがあまりに痛そうにしていたからだろう。ユリウスは腰を進めるのを止め、ルカの髪を撫でた。
「そろそろやめておくか。もう十分だろ」
ずるりと引き出される感覚に、ルカはユリウスの腰に足を回した。
「だめ。最後までちゃんとする。だってユリウス、まだセーエキ出してないでしょ? 出したら気持ちいいって聞いたよ」
「全く。それもディックの入れ知恵か?」
「わたしが聞いたことだから。だからディックは関係ない」
興味本位に聞き出したのがルカなのは本当だ。ルカはユリウスが離れていくのを阻止しようと首にも腕を回して抱きついた。
「最後までちゃんとしたい。お願い、ユリウス」
「本当にいいんだな?」
「何度もそう言ったから。それに、」
―――ユリウスともっとこうしていたい。
そう言おうとして言葉にならなかったのは、ユリウスが再び腰を進めてきたからだ。それでもルカの言いたいことは十分ユリウスに伝わったはずだ。ユリウスはルカの髪を大切なものを扱うようにそっと撫でながら、猛るものを押し込んだ。
「んっ……あ………」
ユリウスは膝裏を持ち上げて更に大きくルカの足を広げさせる。ぐりぐりと押し付けるようにユリウスが腰を動かすと、内壁が切なげに悲鳴をあげながら、ユリウスのものを飲み込んでいく。
「………はぁ…………はぁ、はぁ」
ルカは言われた通り呼吸を繰り返し、痛みを逃した。そんなもので誤魔化し切れるほどの痛みではなかったが、ユリウスが自分の中に挿入っていると思うと嬉しかった。
こんな感覚になるなんて思いもしなかった。無機質な器具を入れられ、いつも痛いだけの場所で、いっそこんなところに孔なんてなければいいと思ったこともある。
なのに………。
ユリウスの腰が止まり、ぴったりと密着した。加減しながらの行為は、ユリウスにも大変だったのか。額に汗が浮かんでいる。
「全部、挿入ったぞ」
腰を押し付けたまま揺らされ、ユリウスの存在を感じさせられる。入り口は限界まで開かれまだ痛かったが、ルカの喉から抑えきれない声が漏れた。ユリウスは挿れたまま動かずに、ルカの胸の突起を指で転がし、ルカの顔中にキスを落とした。
「大丈夫か?」
「……大丈夫」
しばらくじっとしているとユリウスの形に中が馴染んできた。
「ねぇユリウス。セーエキは出た?」
これでセーエキを出せればユリウスは気持ちいいはずだ。もう気持ちよくなっただろうかとわくわくして聞いたら、「いや、まだだ」とユリウス。
「え、そうなの? ユリウス、気持ちよくないの?」
挿れたらセーエキが出るのかと思った。違うのか。そういえば、ディックはフォリスに挿れたあと、また出したり挿れたりしていた。あれをしないとセーエキは出ないのかも。
「ユリウス、動いていいよ。そしたら気持ちよくなれる?」
「それもディックか? 全く。やはりあいつにはもっと釘を刺さねばな。ルカ、別に動かなくとも俺は十分気持ちいいぞ」
「でもセーエキは出てないんでしょ?」
「動かなくても、もう出そうだ。ルカの中は温かくて気持ちいいからな」
「そうなの? いいよ、動いて。その方が気持ちいいんでしょ?」
「まぁ、それはそうなんだが」
ユリウスはルカを抱きしめると浅く自身を引き出し、またすぐに押し込んだ。ルカの体を揺らしながら、ユリウスは何度かその行為を繰り返した。緩やかな動きで、引きつるように痛かった入り口が、その動きで少し解れた。
「ルカ……」
ユリウスがルカをぎゅうっと抱きしめた。腰を押し付け、更に奥までユリウスが自身を飲み込ませると、ユリウスの体が一瞬固まった。しばらくユリウスは荒い息を繰り返し、ずるりと己をルカから引き出した。中から溢れたものがルカの大腿に流れた。
「ユリウス、ちゃんと出た?」
「……ああ」
ルカは嬉しくなって大腿に伝ったものを指で掬った。どろりと白い液体だ。独特な匂いがした。でも赤い血も混じっている。不安になってユリウスを見た。
「それは、ルカの破瓜の血だ。初めて交わったとき出ることがあるが心配ない」
そう聞いて安心したルカは、ユリウスがしたように白い液体をペロリと舐めてみる。意外と平気だ。
「おい、やめておけ」
ユリウスは慌ててルカの指をシーツで拭うと、ルカを抱き上げた。
「浴場に行こう。洗ってやる」
「自分で洗えるよ?」
そう言ったが、浴室に降ろされたとたん、足元から崩れた。ユリウスが挿入っていた部分が痛いし、体中気怠くてどうしようもない。浴室は温かいし、ちゃんとできた安心感も加わって急速にまぶたが落ちてくる。
「眠っててもいいぞ。ちゃんと洗ってやるから」
「ん、……お、」
……ねがい。
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栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
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