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妻
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柱の向こうから、数人の囁き声が聞こえた。
「おい…聞いたかよ…悟… …あれ、なかったんだってよ…マジで、怖いよな…なんでまた…そんな」
「… しっ …静かに…こんなとこでやめろよ…誰が聞いてるか、わかんないだろ… 」
「あ… すまん… そうだな… いや…しかし… 」
私は息を飲む…。
やはり、親戚には…
夫の身内には…全てばれているらしい…。
夫の死に方…
あまりにも無残な殺され方…なんとか警察に事の詳細を伏せてもらうようお願いし…マスコミにすら漏れていないはずなのに…。
だが… やはり、そうか…
家族…血族は別だ…知らないはずがない…。
廊下の角で、声の主と対面した。
背の高い男と低い男の、でこぼこした男性二人。
どこかで見た覚えがある…。
そうだ…
私達の結婚式の時に来ていた…確か、いとこの二人…。
「あっ…と…亜由美さん…驚かれたことと…思いますが…どうか…その…気を落とされないように… … 」
気を、落とさないように…?
こういう時の決まり文句ではあるが…とても、正気ではいられない夫の無残な…異様な、死に方…。
気を落とさずにいられるはずがない…。
私は眩暈がして倒れそうになるのを、目を閉じてなんとか、こらえる…。
「… はい …あの… 大丈夫です。ありがとうございます。」
「では…私たちはこれで…」
「ありがとうございます。」
足音が遠のき、再びひそひそと…低い声が聞こえたような気がするが、もはやどうでもいい…。
夫は死んだ…
間違いなく、死んだのだ…。
鑑識の話によると…これまでの被害者同様…
身体の一部を…夫の場合は局部を…生きたままの状況で、切り取られて… 失血死…
結婚当初、私が興味本位で尋ねた時、女にはわからない痛みだよと…。
そこに、小さなボールが当たっただけでも痛いと夫は笑って言っていた…
そんな場所を…切断された時の痛みは、どれほどだっただろうか…。
夫はなぜ…連続殺人犯の標的になってしまったのだろうか…。
単なる偶然…
運が悪かった…?
それとももしかして…夫が、警察官だから…?
警察の調べでは…後輩の男性と飲んだ後に店の外で何者かに殴られて、倉庫に連れ去られたと聞いている…。
もしかして何か…夫が犯人のことを掴んでいて…素性を知られ…犯人とトラブルに…?
ああ…わからない…
駄目だ…
考えるだけで…夫の血の気のない青白い顔を…遺体の状態を思い出しただけで、吐き気がしそうだ…。
私はその後、喪主として全ての段取りを済ませ、這う這うの体で帰路についた…。
「おい…聞いたかよ…悟… …あれ、なかったんだってよ…マジで、怖いよな…なんでまた…そんな」
「… しっ …静かに…こんなとこでやめろよ…誰が聞いてるか、わかんないだろ… 」
「あ… すまん… そうだな… いや…しかし… 」
私は息を飲む…。
やはり、親戚には…
夫の身内には…全てばれているらしい…。
夫の死に方…
あまりにも無残な殺され方…なんとか警察に事の詳細を伏せてもらうようお願いし…マスコミにすら漏れていないはずなのに…。
だが… やはり、そうか…
家族…血族は別だ…知らないはずがない…。
廊下の角で、声の主と対面した。
背の高い男と低い男の、でこぼこした男性二人。
どこかで見た覚えがある…。
そうだ…
私達の結婚式の時に来ていた…確か、いとこの二人…。
「あっ…と…亜由美さん…驚かれたことと…思いますが…どうか…その…気を落とされないように… … 」
気を、落とさないように…?
こういう時の決まり文句ではあるが…とても、正気ではいられない夫の無残な…異様な、死に方…。
気を落とさずにいられるはずがない…。
私は眩暈がして倒れそうになるのを、目を閉じてなんとか、こらえる…。
「… はい …あの… 大丈夫です。ありがとうございます。」
「では…私たちはこれで…」
「ありがとうございます。」
足音が遠のき、再びひそひそと…低い声が聞こえたような気がするが、もはやどうでもいい…。
夫は死んだ…
間違いなく、死んだのだ…。
鑑識の話によると…これまでの被害者同様…
身体の一部を…夫の場合は局部を…生きたままの状況で、切り取られて… 失血死…
結婚当初、私が興味本位で尋ねた時、女にはわからない痛みだよと…。
そこに、小さなボールが当たっただけでも痛いと夫は笑って言っていた…
そんな場所を…切断された時の痛みは、どれほどだっただろうか…。
夫はなぜ…連続殺人犯の標的になってしまったのだろうか…。
単なる偶然…
運が悪かった…?
それとももしかして…夫が、警察官だから…?
警察の調べでは…後輩の男性と飲んだ後に店の外で何者かに殴られて、倉庫に連れ去られたと聞いている…。
もしかして何か…夫が犯人のことを掴んでいて…素性を知られ…犯人とトラブルに…?
ああ…わからない…
駄目だ…
考えるだけで…夫の血の気のない青白い顔を…遺体の状態を思い出しただけで、吐き気がしそうだ…。
私はその後、喪主として全ての段取りを済ませ、這う這うの体で帰路についた…。
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