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妻
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「… うん… じゃあ、土曜に… 」
「…楽しみにしてるよ、・・・さん…」
「…ええ…私も…じゃあ、また…」
ゴトリと音を立てて、通話の終えた携帯電話をテーブルに置く…。
夫の葬儀を終え…
あの…とんでもない夫の秘密を知ってから、ほぼ一週間…
結局私は…何もできなかった…。
誰かに相談することも…ましてや、警察に相談することさえ、できなかった…。
警察官である夫の犯罪行為…
変態… 鬼畜…
この世に存在するどのような言葉を使っても表現できないほどの、子供に対する酷過ぎる性犯罪。
しかも…その相手の安否が…消息が、わからない…
ひょっとしたらと考えるだけで、身の毛がよだつ…
考えたくもない最悪の事態が、頭の中をよぎる…。
夫が隠し持っていたあれらのノート…写真…
あれらの物証を目にした後には、恐ろしいほどの嫌悪感が私の身体の中に広がっていた…。
あの当時、もしも私が知っていれば…
結婚当初にその事実を知っていれば…
私は絶対に、夫と結婚することなどなかっただろう…。
「はあっ… …」
シンとした室内…。
ぼうっと部屋の中を見渡す…。
「… … …」
夫の定位置は、当然ながらいまだに空席のまま…。
結婚当初に揃えた木製の椅子がぽつんと置かれている…。
私がどんな食事を並べても…
その味付けが濃いとか薄いとか…美味しくないなどと口が裂けても言うことがなかった夫…。
和食にして欲しいとか洋食にして欲しいなどといった日々の食事の要望もなく、
ただ淡々と…黙々と…私の用意する食事を口にしていた。
ただ、食後の青汁は嫌だったようだが…
それも、不味そうな表情をしながらも、今後出すなとは一度も言わなかった…。
あの…私にとってなんの害もなかった優しい夫の、裏の顔が…まさか…
「… はぁ … 」
気付けば、自分の口からため息が漏れていることに気付く…。
友人にも相談できない…ましてや、親に…親族に言えるはずもない…
もしかしたら夫は…無差別に殺されたのではなく…誰かに、狙われたのかもしれない…
夫にはそうされるかもしれない理由が… 罪が、あまりにもあり過ぎる…。
いつしかそんな考えが、私の頭の中に侵食し始めていた…。
とにかくも、彼が来る…。
夫の死後…精神状態が落ち着かず、しばらくは断っていたが、
そろそろ、別の意味でも…私の精神状態は限界だ…
誰かに聞いて欲しい…誰か、助けて…
かといって、彼に話せる話ではないことはわかっている…
だけど、自分一人で抱えるにはあまりにも苦しい…どこかに、吐き出したくてたまらない…
私はすがるような気持ちで、天井を仰いだ…。
「…楽しみにしてるよ、・・・さん…」
「…ええ…私も…じゃあ、また…」
ゴトリと音を立てて、通話の終えた携帯電話をテーブルに置く…。
夫の葬儀を終え…
あの…とんでもない夫の秘密を知ってから、ほぼ一週間…
結局私は…何もできなかった…。
誰かに相談することも…ましてや、警察に相談することさえ、できなかった…。
警察官である夫の犯罪行為…
変態… 鬼畜…
この世に存在するどのような言葉を使っても表現できないほどの、子供に対する酷過ぎる性犯罪。
しかも…その相手の安否が…消息が、わからない…
ひょっとしたらと考えるだけで、身の毛がよだつ…
考えたくもない最悪の事態が、頭の中をよぎる…。
夫が隠し持っていたあれらのノート…写真…
あれらの物証を目にした後には、恐ろしいほどの嫌悪感が私の身体の中に広がっていた…。
あの当時、もしも私が知っていれば…
結婚当初にその事実を知っていれば…
私は絶対に、夫と結婚することなどなかっただろう…。
「はあっ… …」
シンとした室内…。
ぼうっと部屋の中を見渡す…。
「… … …」
夫の定位置は、当然ながらいまだに空席のまま…。
結婚当初に揃えた木製の椅子がぽつんと置かれている…。
私がどんな食事を並べても…
その味付けが濃いとか薄いとか…美味しくないなどと口が裂けても言うことがなかった夫…。
和食にして欲しいとか洋食にして欲しいなどといった日々の食事の要望もなく、
ただ淡々と…黙々と…私の用意する食事を口にしていた。
ただ、食後の青汁は嫌だったようだが…
それも、不味そうな表情をしながらも、今後出すなとは一度も言わなかった…。
あの…私にとってなんの害もなかった優しい夫の、裏の顔が…まさか…
「… はぁ … 」
気付けば、自分の口からため息が漏れていることに気付く…。
友人にも相談できない…ましてや、親に…親族に言えるはずもない…
もしかしたら夫は…無差別に殺されたのではなく…誰かに、狙われたのかもしれない…
夫にはそうされるかもしれない理由が… 罪が、あまりにもあり過ぎる…。
いつしかそんな考えが、私の頭の中に侵食し始めていた…。
とにかくも、彼が来る…。
夫の死後…精神状態が落ち着かず、しばらくは断っていたが、
そろそろ、別の意味でも…私の精神状態は限界だ…
誰かに聞いて欲しい…誰か、助けて…
かといって、彼に話せる話ではないことはわかっている…
だけど、自分一人で抱えるにはあまりにも苦しい…どこかに、吐き出したくてたまらない…
私はすがるような気持ちで、天井を仰いだ…。
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