婚約者が義妹を優先するので私も義兄を優先した結果

京佳

文字の大きさ
1 / 1

そっちがその気なら私にも考えがあります

しおりを挟む
……ごめんっ!義妹のスカーニャが熱を出して倒れたんだ。


……本当にごめん!スカーニャが足を挫いて俺が支えてやらないと歩けないんだ…


……悪いけどスカーニャの体調が悪くて心配なんだ!


「…はぁー。これで何回目よ!スカーニャ!スカーニャ!スカーニャ!お前の婚約者はスカーニャか?バッカじゃねーの糞が!」


私は婚約者からの約束ドタキャンの手紙を握り潰してゴミ箱に叩きつけた。


婚約者ルーザーには血の繋がらない同い年の妹スカーニャが居る。ルーザーは何かとスカーニャを可愛がり婚約者の私よりも優先している。


ルーザーは家同士の政略結婚なので愛はない。けれどこうも蔑ろにされて私は腹の虫がおさまらない。


「義妹ばかり優先して……あっ、そうだわ!ふふっ私にも居るじゃないのっ!!」


私は鼻歌を歌いながらある人の部屋の扉を叩いた。


……………………………


私の大切な義兄のミカエルがどうしても一緒に出掛けたいと言うので今日の約束はキャンセル願います♡サーシャ


ルーザーは婚約者サーシャからの手紙を読んで怒りに震えた。


愚かな人間は自分が人にやった事は棚に上げて同じ事をされると激怒する。アホだから(笑)


その次の約束の日もまたサーシャから同じような内容の手紙が届くのであった。その次もそのまた次もその次も……


「可愛いサーシャ。君と居られて本当に嬉しいよっ、ねぇ早く婚約解消しておくれ?名ばかりとは言えあんな奴がサーシャの婚約者である事が殺してやりたい程に許せないんだ……」


義兄ミカエルは私の手に指を絡ませながら妖艶に微笑んだ。ミカエルは王子さながらの美しい容姿で父いわく隣国の王族の血が薄ーく入ってるらしい。


もともとは一人っ子の私の婿として父がミカエルを養子に迎えたのだ。それが何の手違いかアレが婚約者になってしまった。


「っ、そうね。同じ事をやり返してるから…多分今度の夜会でルーザーから婚約破棄を告げてくると思うわ。その時に全部終わらせるつもりよ?お義兄様を巻き込んでしまってごめんなさい……」


「っ、お義兄様じゃない!ミカエルと呼んでおくれ!愛しい私のサーシャ」


「うっ…ミカ…エル?」


「可愛いっ!可愛い愛してるサーシャっ!」  


私は義兄ミカエルにきつく抱きしめられてブチュゥゥと口付けされた。


あの日、私は義兄ミカエルに婚約者がいつも義妹を優先し私を放ったらかしにしている事を話した。


そしてやり返す為に私は義兄を優先したいと宣言したのだ。すると義兄はこの家に養子に入った時から私の事が好きだったと告白した。


そして義兄と過ごすうちに私も彼を本気で好きになってしまった。


「もともとサーシャは私のモノだったんだからね?ああ忌々しい奴め…どうしてくれようかっ」


婚約者ルーザーに怒りを向けるミカエルに私は嬉しくて彼の背中に回した腕に力を込めた。


「いいのっ!私は婚約解消されたらそれで良い!私にとってミカエルが1番大切な存在だって……分かったから…」
 

「サーシャっ!!」


感激したミカエルに私は痛いほどぎゅうぎゅう抱き締められ顔じゅうにキスの雨を降らされた。


__そして迎えた夜会の日

案の定ルーザーは怒り心頭で私に婚約破棄を告げてきたのだった。彼の隣で義妹のスカーニャが口をひん曲げて勝誇ったかのように笑っている。


あら…想像してたよりスカーニャは可愛くない。頭が大きくて背が低くて手足も短いずんぐりむっくり体型だわ。


顔もこれと言って印象に残らないし何より厚化粧が浮いている。


でもまぁ、身長160センチのルーザーとはバランス的にもスカーニャはとても釣り合っている。


「丁度良かったわ。私もね義兄と結婚する事になったから!」


後ろからミカエルが現れそっと私の腰を引き寄せた。身長が185センチのミカエルと172センチの私。お互い8等身のモデル体型だ。


「ああ…やっとサーシャが私の婚約者になるね?」


ミカエルが王子スマイルを私に向けると周りがどよめいた。超絶イケメンの微笑みの破壊力パネェ!


ふと見ると元婚約者ルーザーの義妹スカーニャが顔を真っ赤にしてブルブル震えていた。お手洗いに行きたいのかしら?我慢せず行けば良いのに…


「…ない、聞いてない!!そんなイケメンの義兄が居るなんて聞いてないわよっ!何で何で何で?!そっちの方がずっっと良いっ!私もイケメン義兄が欲しい!ルーザーみたいなチビで不格好な男じゃなくてそのイケメン義兄が欲しいぃぃぃー!!!」


スカーニャはいきなり地団駄を踏みギャーギャー喚き散らした。ルーザーが彼女の肩に手をやるがバシッと叩き落した。


「…醜い。姿だけじゃなく心まで醜い。はぁ…サーシャもう行こう?」

「ええ、本当ね…」


ミカエルに手を引かれて私はその場を後にした。
………………………………

私とルーザーの婚約は正式に白紙となった。お互いがそれぞれに義妹と義兄を優先した事でどちらも責任を取る必要は無くなった。


ミカエルの戸籍を親戚筋に移して私とミカエルは婚約したけれどルーザーとスカーニャの方は義兄妹のままらしい。


「あの2人は何で婚約しないのかしら?あんなに仲睦まじかったのにね?」


「しょせんその程度だったんだよ。私達には理解出来ないさ。本物の愛しか知らないからね?」


ミカエルは優しく微笑み私にチュッとキスをした。


「そうね!本物の愛しか分からないわ。ふふっ…ミカエル愛してる」


私は誰よりも愛しい元義兄にとびっきり甘いキスをお返しした。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

【完結】何でも奪っていく妹が、どこまで奪っていくのか実験してみた

東堂大稀(旧:To-do)
恋愛
 「リシェンヌとの婚約は破棄だ!」  その言葉が響いた瞬間、公爵令嬢リシェンヌと第三王子ヴィクトルとの十年続いた婚約が終わりを告げた。    「新たな婚約者は貴様の妹のロレッタだ!良いな!」  リシェンヌがめまいを覚える中、第三王子はさらに宣言する。  宣言する彼の横には、リシェンヌの二歳下の妹であるロレッタの嬉しそうな姿があった。  「お姉さま。私、ヴィクトル様のことが好きになってしまったの。ごめんなさいね」  まったく悪びれもしないロレッタの声がリシェンヌには呪いのように聞こえた。実の姉の婚約者を奪ったにもかかわらず、歪んだ喜びの表情を隠そうとしない。  その醜い笑みを、リシェンヌは呆然と見つめていた。  まただ……。  リシェンヌは絶望の中で思う。  彼女は妹が生まれた瞬間から、妹に奪われ続けてきたのだった……。 ※全八話 一週間ほどで完結します。

初対面の婚約者に『ブス』と言われた令嬢です。

甘寧
恋愛
「お前は抱けるブスだな」 「はぁぁぁぁ!!??」 親の決めた婚約者と初めての顔合わせで第一声で言われた言葉。 そうですかそうですか、私は抱けるブスなんですね…… って!!こんな奴が婚約者なんて冗談じゃない!! お父様!!こいつと結婚しろと言うならば私は家を出ます!! え?結納金貰っちゃった? それじゃあ、仕方ありません。あちらから婚約を破棄したいと言わせましょう。 ※4時間ほどで書き上げたものなので、頭空っぽにして読んでください。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

【完結】なぜ、お前じゃなくて義妹なんだ!と言われたので

yanako
恋愛
なぜ、お前じゃなくて義妹なんだ!と言われたので

【完結】何でも欲しがる義妹が『ずるい』とうるさいので魔法で言えないようにしてみた

堀 和三盆
恋愛
「ずるいですわ、ずるいですわ、お義姉様ばかり! 私も伯爵家の人間になったのだから、そんな素敵な髪留めが欲しいです!」  ドレス、靴、カバン等の値の張る物から、婚約者からの贈り物まで。義妹は気に入ったものがあれば、何でも『ずるい、ずるい』と言って私から奪っていく。  どうしてこうなったかと言えば……まあ、貴族の中では珍しくもない。後妻の連れ子とのアレコレだ。お父様に相談しても「いいから『ずるい』と言われたら義妹に譲ってあげなさい」と、話にならない。仕方なく義妹の欲しがるものは渡しているが、いい加減それも面倒になってきた。  ――何でも欲しがる義妹が『ずるい』とうるさいので。  ここは手っ取り早く魔法使いに頼んで。  義妹が『ずるい』と言えないように魔法をかけてもらうことにした。

婚約者が私の妹と結婚したいと言い出したら、両親が快く応じた話

しがついつか
恋愛
「リーゼ、僕たちの婚約を解消しよう。僕はリーゼではなく、アルマを愛しているんだ」 「お姉様、ごめんなさい。でも私――私達は愛し合っているの」 父親達が友人であったため婚約を結んだリーゼ・マイヤーとダニエル・ミュラー。 ある日ダニエルに呼び出されたリーゼは、彼の口から婚約の解消と、彼女の妹のアルマと婚約を結び直すことを告げられた。 婚約者の交代は双方の両親から既に了承を得ているという。 両親も妹の味方なのだと暗い気持ちになったリーゼだったが…。

【完結】私から全てを奪った妹は、地獄を見るようです。

凛 伊緒
恋愛
「サリーエ。すまないが、君との婚約を破棄させてもらう!」 リデイトリア公爵家が開催した、パーティー。 その最中、私の婚約者ガイディアス・リデイトリア様が他の貴族の方々の前でそう宣言した。 当然、注目は私達に向く。 ガイディアス様の隣には、私の実の妹がいた── 「私はシファナと共にありたい。」 「分かりました……どうぞお幸せに。私は先に帰らせていただきますわ。…失礼致します。」 (私からどれだけ奪えば、気が済むのだろう……。) 妹に宝石類を、服を、婚約者を……全てを奪われたサリーエ。 しかし彼女は、妹を最後まで責めなかった。 そんな地獄のような日々を送ってきたサリーエは、とある人との出会いにより、運命が大きく変わっていく。 それとは逆に、妹は── ※全11話構成です。 ※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、ネタバレの嫌な方はコメント欄を見ないようにしていただければと思います……。

「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります

恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」 「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」 十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。 再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、 その瞬間に決意した。 「ええ、喜んで差し上げますわ」 将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。 跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、 王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。 「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」 聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

処理中です...