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2章 デビュー戦
2章まで あとがき
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作者の棚丘えりんです。
ようやく2章(デビュー戦編)まで完結しました!
1作で15万字も書いたの、実は初めてなので作者自身も達成感を感じています。
(15万字、単行本1冊分も書いておいてデビュー戦しか終わってないのかよ! という気持ちもありますが)
というか作者、そもそも執筆自体がブランク明けでマトモに書いたの5年ぶりとか……創作は続けていましたが、普段はインディーズのボードゲームを作ったりしていたので、こんなに物語を書いたのは本当に久々です。(笑)
発端はボードゲーム制作の相棒こと荒野羊仔先生に「なんか書けよ」と引き込まれたことですね。
『第2回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト』略して『さなコン2』に投稿してみたら? と言われ、久々に筆を執ったのが6月頭。
1,800字程度の短編ですが意外と楽しく書けまして、荒野先生に「いやー執筆楽しいね」なんて言ったところで「他にもこんなコンテストがあるよ!」とみるみるうちに確保されました。
6月中旬に、5話まで程度(50m走の話のあたりまで)の初期案を書いてみたところ「面白い。これは投稿すべきですよ」と。
その上「表紙がついたら、かなり伸びると思う!」ときたので「えーでも表紙なんてどうしたら……君、焼肉1回でどう?」と言ってみたところ、僅か1週間足らずで表紙が出来上がってきた(キャラデザ含め)という流れで、連載投稿を決意しました。
後に「棚丘先生のスプリンターズをTLで見かける度、私が小説沼に戻ってくるように引き摺り込んで辞められないように表紙を描いたんやでってドヤ顔してしまうな」と言っていたので、ここまでの一連の流れが手のひらの上、まさに確信犯だったのでしょう。
それから偶然にもドリーム小説大賞が始まりまして、エントリーしたらまたも逃れられなくなり……という次第です。
(基本的に追い込まれないと筆が進まないタイプ)
しかし改めて、この作品を書き始めて本当によかったと思います。
まったく予想外だったのですが、7月には嬉しいことがたくさんありました。
①読者からの反応がもらえた!
ブクマとPVはもちろんのこと、サイトごとに色々な反応がもらえました!
・アルファポリス
たくさんの感想に感動!
そして毎日最新話についてきてくれる栞のためにも頑張ろうと思えました。
(栞が動くたびに「おっ今日もちゃんと食べてる食べてる」という気持ちだったのは秘密)
・カクヨム
スターやイイネがもらえた!
アルファの栞同様に各話のPVを見て「おっ今日も(略」と励まされていました。
・エブリスタ
スターやスタンプがもらえた!
こちらも毎日地道にスターがもらえたりして励まされましたね。
・小説家になろう
評価とイイネがもらえた!
あんまりブクマ伸びてないにも関わらず、読んでくれてる人がちゃんといるんだ! と感じられる動きが嬉しかったです。
②ドリーム小説大賞でランキングへ!
初日~3週目まで、まさかの読者投票1位!
その後も2位を最終日までキープという結果となりました。
正直、何故ここまで伸びたのかは未だに謎なんですが……計算してみると、かなりたくさんの票をいただけたことが分かり、もう狂喜乱舞って感じでした。
3日に1投稿くらいの予定が、ほぼ毎日投稿にペースアップできたのは、ほぼこれのお陰ですね。
③エブリスタで新作セレクション(編集部のオススメ)に掲載!
嬉しいことってのは続くもので、7/28版の新作セレクションに掲載いただきました。
簡単な紹介文まで書いていただいて感無量。
というかそれまでエブリスタではそこまで伸びてなかったんですが、編集部の方もよくもまぁ見つけてくれたなという気持ちです。
ドリーム小説大賞で読者評価を得られたと同時に、エブリスタでプロ(編集部)の評価も得られたというのは、執筆をする上でとても大きな自信になりました。
④さなコンで一次選考通過!(スプリンターズ関係ないやん)
最終選考には進めなかったものの、講評をもらえるステージまでは進めました。
ごめんなさい、本作関係ないですね。(笑)
でも作品は違えど③同様に、プロから評価してもらえる文章が書けるんだ! という自信を持つことができました。
『虚像の未来-コールドスリープと進歩を信じた人類-』という作品でエントリーしましたが、この作品がなければスプリンターズも自信を持って書けなかったかも。
そんな感じで、約1か月で15万字の文量を書けたのは、応援してくださった皆様のお陰です。
よく複数話分ストックしてから毎日刻んで投稿してるよ~という話を聞きますが(というか小説投稿サイトの常識?)スプリンターズは産地直送ですからね。
正真正銘ストックゼロの自転車操業で執筆を続けてきました。
思い返してみて……よくやれたな自分。偉いな自分。
(勢いで書いてるから、たまに過去話に戻って微修正したりしてたのは許してくださいな)
めちゃくちゃ濃密な7月でしたが、この経験と自信のお陰でこれからも書き続けられる気がします。
大人になっても青春ってあるんだね。
物語について語る前に、陸上競技について語らせてください。
作者自身、元スプリンターで現陸上観戦勢です。
そして7月は世界陸上オレゴン大会が開催されましたね。
織田裕二&中井美穂さんの司会コンビがラストということで、涙なしには観られませんでした。
実は作者は、お二人が司会をする世界陸上を見て陸上を好きになった身です。
世界陸上がなかったら、陸上部を引退した後、ここまで陸上競技を愛せなかったと思います。
最初の陽子同様に、なんとなく足が速いから陸上やってみるかくらいの感じで始めた身なので。
元々がそんな感じなので、棒高跳や砲丸投なんて自分と縁のなかった種目、まず確実に見ていなかったと言えます。
今は短距離以外だと上記2種目が特に大好きなのですが、これは世界陸上、いや、織田裕二&中井美穂さんのお陰ですね!
ということで大変おこがましいのですが、自分も本作を通じて「スプリントを知らない人」にまで魅力を伝えられればなぁ。と思って書いています。
元スプリンターの皆さんには是非とも読んでいただきたいのですが、自分自身が全く知らなかった競技の面白さを知れた体験から、スプリントに縁のなかった方にも魅力を伝えたいのです。
……魅力、伝わりましたかね? 見ないと分かんない? よし、世界陸上を観よう!(笑)
ようやく本題と言いますか、物語についてですね。
構想自体はかなり昔から、それこそ10年前くらいから持っていました。
「凡才の主人公が天才を追いかける短距離小説を書きたいよぉ~」
でもこれ、ぶっちゃけ構想と言えるレベルじゃないですよね。
スプリンターのバイブル『一瞬の風になれ』を筆頭にこの手の話は数多あります。
というか、スポーツものって大多数がこのパターンじゃないの……?
作者自身もそれを分かっていたので、筆を執ることなくずっと温めていました。
いつしか『夏の森』というチームが『冬の里』というチームに挑む話という方向でまとまってきて、不随して他のチームも生まれてきました。
それぞれのチームにテーマを持たせ、ドラマを考えました。
この大会でこのチームがこんなバトルをして、こんなドラマがあって……そんな考えがある程度まとまってきたことで、ようやく筆を執ることができたというわけですね。
とここまで言っておいてアレなのですが、第1章も第2章も、実は構想に入っておらず、必死に書きながら考えた内容です。
だって……やっぱり、一番派手な3年生の最終決戦から順番に考えちゃうじゃない……。
1年生で主人公がレギュラー入りすらしていない地区予選とか……ましてや校内の入部編とか、考えてないよ……。
でも不思議なことに、キャラがいれば物語って浮かんでくるんですね。
陽子と瑠那、伊緒、花火という1年生の4人組はかなり初期の段階で固まっていたキャラ達です。
上級生だと部長と2年生コンビも初期から固まっていました。
けれども、それ以外のキャラについては設定ゼロだったと言っても過言ではありません。
固まっていたメンバーも、自分の頭の中には、成長した後の姿としてキャラ達がいるわけです。
1年生当時の姿はイメージを持っていませんでした。
しかし彼女達が成長前に、新入生として出てきたら、何が起こる? そう考えると、自然と話が進みました。
ロリ先生や麻矢と美咲、香織は物語を補完する上で自然発生したキャラ達なのですが、何か役割を与えると、不思議とそれに沿ってキャラが立ってくるんですね。
ロリ先生と香織は簡単に言ってしまえば、ワイルドカード的な万能お助けキャラなんですが、麻矢と美咲のキャラ立ちには、読み返して作者本人が驚きました。
謎に満ちた部長に代わって、1年生に”強い先輩”という背中を見せつつ、フレンドリーに導いてくれる存在の麻矢。
レースは才能だけで決まらないことを示してくれ、才能のない選手のあり方を体現する存在の美咲。
ザックリ言えばそんな役割ですが、本作では見えない彼女達の過去の2年間を想像すると、どんどんとキャラに色がついていきました。
なんだか天才と凡才の狭間にいる2人に親近感を感じてしまい、今では夏の森で一番お気に入りのキャラになっています。
立身大付属というチームについても、連載を書きながら考えました。
都大会以降にぶつかるチームについては詳細に考えていた一方、地区予選でぶつかるチームについては考えられていなかったのです。
夏の森が地区予選で倒せる、あるいは対等に戦える相手、それでいて咬ませ犬で終わらないチーム……正直、かなり悩みました。
結果的に、立身大付属は勝利と公平にこだわるチーム、彼女達の言葉を借りれば、弱者が夢を追えるチームになりました。
これだけ聞くと、どこの主人公? って感じですよね。
むしろ昭穂とか完全に主人公してますからね。
ただファーストコンタクトから主人公達を食ってしまっては困ります、ちゃんと強豪感を出してもらわねば。
そういうわけで、彼女達については二重構造にしました。
まずは強く、冷酷なチームとして登場し、後にその真相を語る。
結果的に、これからもいいライバルとして切磋琢磨できるチームが出来上がりました。
やっぱり同じ地区にライバルいたほうが(物語的にも)いいよね! 結果オーライ!
2章の最後のドラマとして、ロリ先生と凌監督の物語を入れました。
これからもたくさんのチームが登場し、その度に夏の森とは違ったテーマを掲げます。
ぶつかることもあれば、学ぶこともあるでしょう。
今回は最初に出会う”異物”として、一見真逆に見えるテーマを掲げました。
しかし最後には、どちらも発端は同じで「走りを楽しむ」ということ、そして両校の監督が実は夏の森出身だったこと、2人は同じ経験から別々のチームを作り上げたことが語られます。
この真逆を向いていた矢印を同じ向きに揃えてあげるため、ロリ先生と凌監督には頑張ってもらいました。
同時に、これからもキーパーソンとなるロリ先生のキャラを、少し深掘りできたかなと思います。
ロリ先生は選手として走らないので、放っておくと、どうしてもただの万能キャラになっちゃうんですよね。
なので過去を語ることで、少しでも人間味を出したいなという思惑ですね。
(アニメとかだったらその場に存在するだけで存在感出してくれそうだけど……文章だと難しいですね)
終盤の主人公、あるいはヒロインとも言える昭穂は、立身大付属という存在を作り上げた後に生まれたキャラです。
役割は立身大付属というチームの体現、そして陽子の未来の姿。
思想信条としては立身大付属を代表するようなものとし、スプリンターとしては陽子と同系統としました。
作中では陽子のよきライバルとして、そして少しお姉さんのような存在として影響を与えます。
決して強い選手ではない、しかし常に全力の彼女は、どこまでも伸びしろを感じさせます。
事実、個人200mで陽子に敗北した後、マイルリレーでは驚異的なラップタイムを記録していますからね。
陽子と一緒に成長していくキャラ、永遠のライバル、鏡のような存在と言えるかもしれません。
勝てない相手、才能の壁に敗れながらも、持てる力全てを使って上を目指す姿は、まさに陽子が参考にすべき姿です。
陽子と瑠那について。
本作は、主人公である陽子が瑠那に並び立つまでの成長物語として描いています。
しかし陽子は瑠那のような天才ではありません。
だから、同じステージに立つには数多の壁を乗り越え成長しなければ辿り着けない。
その壁であったり、成長のキッカケをくれるのが、陽子の出会っていく様々な選手達です。
この物語は、陽子の出会った選手達のドラマだと思うと、分かりやすいかもしれません。
そういう意味では、陽子は語り部だったり狂言回しのポジションなわけですね。
物語の中で読者が「なるほどなぁ」と思うと同時に、陽子も何かヒントを得ていきます。
そして一定の心の成長があったとき、瑠那の立つステージに向かって陽子は一段高いステージに進む、そのための戦いに挑むのです。
主人公とメインヒロインとしては、これからも陽子と瑠那の出番は若干少ないかもしれません。
各話だけを見れば、主人公は別の、その場で走っている別の選手ですから。
しかし全てを束ねてみたときに、陽子と瑠那の物語になるようにできればと思っています。
(主人公とメインヒロインの影が薄い言い訳。だって色んなキャラの見せ場欲しいじゃないですか!)
最後に、改めて読者の皆様、および投稿サイト運営の方々に感謝を申し上げます。
もしも公募型の新人賞に応募しようと黙々と書いていたら、この短期間でこれだけの文量は書けなかったでしょう。
当然、比例して物語は進まず、生まれてこないキャラもいたかもしれません。
素人の作品がこれほどの反応をもらえ、書き続けるモチベーションを保てる。
紙とペンだけだった時代を思えば、本当にいい時代になったものです。
かがくのちからってすげー! (作者、こんなこと言ってますがまだギリギリ20代ですよ)
長くなりましたが、これからもこまめに更新していきますので、応援よろしくお願いします!
執筆ルール
・名前のあるキャラには必ず見せ場を作る
・救いようのない悪は登場しない
・エログロ下ネタは無し
・どのキャラも誰かが推しと言えるくらい、魅力的に描く
・読んだ後で走りたくなるような作品を目指す
ようやく2章(デビュー戦編)まで完結しました!
1作で15万字も書いたの、実は初めてなので作者自身も達成感を感じています。
(15万字、単行本1冊分も書いておいてデビュー戦しか終わってないのかよ! という気持ちもありますが)
というか作者、そもそも執筆自体がブランク明けでマトモに書いたの5年ぶりとか……創作は続けていましたが、普段はインディーズのボードゲームを作ったりしていたので、こんなに物語を書いたのは本当に久々です。(笑)
発端はボードゲーム制作の相棒こと荒野羊仔先生に「なんか書けよ」と引き込まれたことですね。
『第2回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト』略して『さなコン2』に投稿してみたら? と言われ、久々に筆を執ったのが6月頭。
1,800字程度の短編ですが意外と楽しく書けまして、荒野先生に「いやー執筆楽しいね」なんて言ったところで「他にもこんなコンテストがあるよ!」とみるみるうちに確保されました。
6月中旬に、5話まで程度(50m走の話のあたりまで)の初期案を書いてみたところ「面白い。これは投稿すべきですよ」と。
その上「表紙がついたら、かなり伸びると思う!」ときたので「えーでも表紙なんてどうしたら……君、焼肉1回でどう?」と言ってみたところ、僅か1週間足らずで表紙が出来上がってきた(キャラデザ含め)という流れで、連載投稿を決意しました。
後に「棚丘先生のスプリンターズをTLで見かける度、私が小説沼に戻ってくるように引き摺り込んで辞められないように表紙を描いたんやでってドヤ顔してしまうな」と言っていたので、ここまでの一連の流れが手のひらの上、まさに確信犯だったのでしょう。
それから偶然にもドリーム小説大賞が始まりまして、エントリーしたらまたも逃れられなくなり……という次第です。
(基本的に追い込まれないと筆が進まないタイプ)
しかし改めて、この作品を書き始めて本当によかったと思います。
まったく予想外だったのですが、7月には嬉しいことがたくさんありました。
①読者からの反応がもらえた!
ブクマとPVはもちろんのこと、サイトごとに色々な反応がもらえました!
・アルファポリス
たくさんの感想に感動!
そして毎日最新話についてきてくれる栞のためにも頑張ろうと思えました。
(栞が動くたびに「おっ今日もちゃんと食べてる食べてる」という気持ちだったのは秘密)
・カクヨム
スターやイイネがもらえた!
アルファの栞同様に各話のPVを見て「おっ今日も(略」と励まされていました。
・エブリスタ
スターやスタンプがもらえた!
こちらも毎日地道にスターがもらえたりして励まされましたね。
・小説家になろう
評価とイイネがもらえた!
あんまりブクマ伸びてないにも関わらず、読んでくれてる人がちゃんといるんだ! と感じられる動きが嬉しかったです。
②ドリーム小説大賞でランキングへ!
初日~3週目まで、まさかの読者投票1位!
その後も2位を最終日までキープという結果となりました。
正直、何故ここまで伸びたのかは未だに謎なんですが……計算してみると、かなりたくさんの票をいただけたことが分かり、もう狂喜乱舞って感じでした。
3日に1投稿くらいの予定が、ほぼ毎日投稿にペースアップできたのは、ほぼこれのお陰ですね。
③エブリスタで新作セレクション(編集部のオススメ)に掲載!
嬉しいことってのは続くもので、7/28版の新作セレクションに掲載いただきました。
簡単な紹介文まで書いていただいて感無量。
というかそれまでエブリスタではそこまで伸びてなかったんですが、編集部の方もよくもまぁ見つけてくれたなという気持ちです。
ドリーム小説大賞で読者評価を得られたと同時に、エブリスタでプロ(編集部)の評価も得られたというのは、執筆をする上でとても大きな自信になりました。
④さなコンで一次選考通過!(スプリンターズ関係ないやん)
最終選考には進めなかったものの、講評をもらえるステージまでは進めました。
ごめんなさい、本作関係ないですね。(笑)
でも作品は違えど③同様に、プロから評価してもらえる文章が書けるんだ! という自信を持つことができました。
『虚像の未来-コールドスリープと進歩を信じた人類-』という作品でエントリーしましたが、この作品がなければスプリンターズも自信を持って書けなかったかも。
そんな感じで、約1か月で15万字の文量を書けたのは、応援してくださった皆様のお陰です。
よく複数話分ストックしてから毎日刻んで投稿してるよ~という話を聞きますが(というか小説投稿サイトの常識?)スプリンターズは産地直送ですからね。
正真正銘ストックゼロの自転車操業で執筆を続けてきました。
思い返してみて……よくやれたな自分。偉いな自分。
(勢いで書いてるから、たまに過去話に戻って微修正したりしてたのは許してくださいな)
めちゃくちゃ濃密な7月でしたが、この経験と自信のお陰でこれからも書き続けられる気がします。
大人になっても青春ってあるんだね。
物語について語る前に、陸上競技について語らせてください。
作者自身、元スプリンターで現陸上観戦勢です。
そして7月は世界陸上オレゴン大会が開催されましたね。
織田裕二&中井美穂さんの司会コンビがラストということで、涙なしには観られませんでした。
実は作者は、お二人が司会をする世界陸上を見て陸上を好きになった身です。
世界陸上がなかったら、陸上部を引退した後、ここまで陸上競技を愛せなかったと思います。
最初の陽子同様に、なんとなく足が速いから陸上やってみるかくらいの感じで始めた身なので。
元々がそんな感じなので、棒高跳や砲丸投なんて自分と縁のなかった種目、まず確実に見ていなかったと言えます。
今は短距離以外だと上記2種目が特に大好きなのですが、これは世界陸上、いや、織田裕二&中井美穂さんのお陰ですね!
ということで大変おこがましいのですが、自分も本作を通じて「スプリントを知らない人」にまで魅力を伝えられればなぁ。と思って書いています。
元スプリンターの皆さんには是非とも読んでいただきたいのですが、自分自身が全く知らなかった競技の面白さを知れた体験から、スプリントに縁のなかった方にも魅力を伝えたいのです。
……魅力、伝わりましたかね? 見ないと分かんない? よし、世界陸上を観よう!(笑)
ようやく本題と言いますか、物語についてですね。
構想自体はかなり昔から、それこそ10年前くらいから持っていました。
「凡才の主人公が天才を追いかける短距離小説を書きたいよぉ~」
でもこれ、ぶっちゃけ構想と言えるレベルじゃないですよね。
スプリンターのバイブル『一瞬の風になれ』を筆頭にこの手の話は数多あります。
というか、スポーツものって大多数がこのパターンじゃないの……?
作者自身もそれを分かっていたので、筆を執ることなくずっと温めていました。
いつしか『夏の森』というチームが『冬の里』というチームに挑む話という方向でまとまってきて、不随して他のチームも生まれてきました。
それぞれのチームにテーマを持たせ、ドラマを考えました。
この大会でこのチームがこんなバトルをして、こんなドラマがあって……そんな考えがある程度まとまってきたことで、ようやく筆を執ることができたというわけですね。
とここまで言っておいてアレなのですが、第1章も第2章も、実は構想に入っておらず、必死に書きながら考えた内容です。
だって……やっぱり、一番派手な3年生の最終決戦から順番に考えちゃうじゃない……。
1年生で主人公がレギュラー入りすらしていない地区予選とか……ましてや校内の入部編とか、考えてないよ……。
でも不思議なことに、キャラがいれば物語って浮かんでくるんですね。
陽子と瑠那、伊緒、花火という1年生の4人組はかなり初期の段階で固まっていたキャラ達です。
上級生だと部長と2年生コンビも初期から固まっていました。
けれども、それ以外のキャラについては設定ゼロだったと言っても過言ではありません。
固まっていたメンバーも、自分の頭の中には、成長した後の姿としてキャラ達がいるわけです。
1年生当時の姿はイメージを持っていませんでした。
しかし彼女達が成長前に、新入生として出てきたら、何が起こる? そう考えると、自然と話が進みました。
ロリ先生や麻矢と美咲、香織は物語を補完する上で自然発生したキャラ達なのですが、何か役割を与えると、不思議とそれに沿ってキャラが立ってくるんですね。
ロリ先生と香織は簡単に言ってしまえば、ワイルドカード的な万能お助けキャラなんですが、麻矢と美咲のキャラ立ちには、読み返して作者本人が驚きました。
謎に満ちた部長に代わって、1年生に”強い先輩”という背中を見せつつ、フレンドリーに導いてくれる存在の麻矢。
レースは才能だけで決まらないことを示してくれ、才能のない選手のあり方を体現する存在の美咲。
ザックリ言えばそんな役割ですが、本作では見えない彼女達の過去の2年間を想像すると、どんどんとキャラに色がついていきました。
なんだか天才と凡才の狭間にいる2人に親近感を感じてしまい、今では夏の森で一番お気に入りのキャラになっています。
立身大付属というチームについても、連載を書きながら考えました。
都大会以降にぶつかるチームについては詳細に考えていた一方、地区予選でぶつかるチームについては考えられていなかったのです。
夏の森が地区予選で倒せる、あるいは対等に戦える相手、それでいて咬ませ犬で終わらないチーム……正直、かなり悩みました。
結果的に、立身大付属は勝利と公平にこだわるチーム、彼女達の言葉を借りれば、弱者が夢を追えるチームになりました。
これだけ聞くと、どこの主人公? って感じですよね。
むしろ昭穂とか完全に主人公してますからね。
ただファーストコンタクトから主人公達を食ってしまっては困ります、ちゃんと強豪感を出してもらわねば。
そういうわけで、彼女達については二重構造にしました。
まずは強く、冷酷なチームとして登場し、後にその真相を語る。
結果的に、これからもいいライバルとして切磋琢磨できるチームが出来上がりました。
やっぱり同じ地区にライバルいたほうが(物語的にも)いいよね! 結果オーライ!
2章の最後のドラマとして、ロリ先生と凌監督の物語を入れました。
これからもたくさんのチームが登場し、その度に夏の森とは違ったテーマを掲げます。
ぶつかることもあれば、学ぶこともあるでしょう。
今回は最初に出会う”異物”として、一見真逆に見えるテーマを掲げました。
しかし最後には、どちらも発端は同じで「走りを楽しむ」ということ、そして両校の監督が実は夏の森出身だったこと、2人は同じ経験から別々のチームを作り上げたことが語られます。
この真逆を向いていた矢印を同じ向きに揃えてあげるため、ロリ先生と凌監督には頑張ってもらいました。
同時に、これからもキーパーソンとなるロリ先生のキャラを、少し深掘りできたかなと思います。
ロリ先生は選手として走らないので、放っておくと、どうしてもただの万能キャラになっちゃうんですよね。
なので過去を語ることで、少しでも人間味を出したいなという思惑ですね。
(アニメとかだったらその場に存在するだけで存在感出してくれそうだけど……文章だと難しいですね)
終盤の主人公、あるいはヒロインとも言える昭穂は、立身大付属という存在を作り上げた後に生まれたキャラです。
役割は立身大付属というチームの体現、そして陽子の未来の姿。
思想信条としては立身大付属を代表するようなものとし、スプリンターとしては陽子と同系統としました。
作中では陽子のよきライバルとして、そして少しお姉さんのような存在として影響を与えます。
決して強い選手ではない、しかし常に全力の彼女は、どこまでも伸びしろを感じさせます。
事実、個人200mで陽子に敗北した後、マイルリレーでは驚異的なラップタイムを記録していますからね。
陽子と一緒に成長していくキャラ、永遠のライバル、鏡のような存在と言えるかもしれません。
勝てない相手、才能の壁に敗れながらも、持てる力全てを使って上を目指す姿は、まさに陽子が参考にすべき姿です。
陽子と瑠那について。
本作は、主人公である陽子が瑠那に並び立つまでの成長物語として描いています。
しかし陽子は瑠那のような天才ではありません。
だから、同じステージに立つには数多の壁を乗り越え成長しなければ辿り着けない。
その壁であったり、成長のキッカケをくれるのが、陽子の出会っていく様々な選手達です。
この物語は、陽子の出会った選手達のドラマだと思うと、分かりやすいかもしれません。
そういう意味では、陽子は語り部だったり狂言回しのポジションなわけですね。
物語の中で読者が「なるほどなぁ」と思うと同時に、陽子も何かヒントを得ていきます。
そして一定の心の成長があったとき、瑠那の立つステージに向かって陽子は一段高いステージに進む、そのための戦いに挑むのです。
主人公とメインヒロインとしては、これからも陽子と瑠那の出番は若干少ないかもしれません。
各話だけを見れば、主人公は別の、その場で走っている別の選手ですから。
しかし全てを束ねてみたときに、陽子と瑠那の物語になるようにできればと思っています。
(主人公とメインヒロインの影が薄い言い訳。だって色んなキャラの見せ場欲しいじゃないですか!)
最後に、改めて読者の皆様、および投稿サイト運営の方々に感謝を申し上げます。
もしも公募型の新人賞に応募しようと黙々と書いていたら、この短期間でこれだけの文量は書けなかったでしょう。
当然、比例して物語は進まず、生まれてこないキャラもいたかもしれません。
素人の作品がこれほどの反応をもらえ、書き続けるモチベーションを保てる。
紙とペンだけだった時代を思えば、本当にいい時代になったものです。
かがくのちからってすげー! (作者、こんなこと言ってますがまだギリギリ20代ですよ)
長くなりましたが、これからもこまめに更新していきますので、応援よろしくお願いします!
執筆ルール
・名前のあるキャラには必ず見せ場を作る
・救いようのない悪は登場しない
・エログロ下ネタは無し
・どのキャラも誰かが推しと言えるくらい、魅力的に描く
・読んだ後で走りたくなるような作品を目指す
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