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1章
プロローグ
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『その日世界は、俺たちの敵となった』
道端に咲き誇っていた白い花々は踏み躙られ、もう見る影もない。
暴徒化した信者達を、光り輝く槍と、黒龍巻き付く大剣で抑える青年たちが叫ぶ。
「この国はもうダメだ!俺らに任せて先に行け! 聖域で落ち合うぞ!! 全員……生き延びろよ」
尚も行き手を阻む死霊騎士を、大地より這い出づる大樹の根と、禍々しい刀の閃光が迎え撃つ。
「此処は俺達が! 逃げてください、早く!!」
割れた街灯の破片が散らばる道を、腕を引かれどれだけ走っただろうか。
足は縺れ、息は絶え絶えに。
『知らない、こんな展開。ゲームには無かった』
それでも、大きな背中を必死に追い掛けた。
『いや、もう此処はゲームとは別世界になってしまったんだ。転生者たちの存在によって』
割れたレンガに足を取られ、全身が崩れ落ちてゆく。
傾く身体は、漆黒のロングコートを翻した男が抱き留めた。
先程までの喧騒が嘘のように、聞こえるのは2人の吐息……ただ、それだけ。
交わる鼓動は、此処を2人だけの世界と錯覚させた。
――皆と過ごしたあの何物にも代えがたい日々に、もう戻れはしないのだろうか。
不安が色濃く浮かぶ眉間に、柔らかい物が触れる。
「安心しろ。何があっても、お前のことは必ず護る。お前さえ居れば、俺は……」
静寂を斬り裂いたのは、力強い声。
想いに応えるよう、背中へと回した腕にグッと力を込める。
チカッと、そこに嵌められた腕輪が鈍い光を放った。
『それを渡してもらえないかな。そうしたら、イーサンの事は諦めてあげる』
己を神と過信した天子なんかに、どちらもくれてやるものか。
――俺はもう、意思のあるモブなんだ。
眼前には、漆黒に彩られた夜空が広がっている。
絶対にこの温もりだけは手放すまいと、身体の全てで彼を抱き締め……そして誓った。
生きる場所なんか無くてもいい。
俺には、貴方さえいればそれで……
――全世界が敵になったとしても……俺は貴方を、愛し続ける――
道端に咲き誇っていた白い花々は踏み躙られ、もう見る影もない。
暴徒化した信者達を、光り輝く槍と、黒龍巻き付く大剣で抑える青年たちが叫ぶ。
「この国はもうダメだ!俺らに任せて先に行け! 聖域で落ち合うぞ!! 全員……生き延びろよ」
尚も行き手を阻む死霊騎士を、大地より這い出づる大樹の根と、禍々しい刀の閃光が迎え撃つ。
「此処は俺達が! 逃げてください、早く!!」
割れた街灯の破片が散らばる道を、腕を引かれどれだけ走っただろうか。
足は縺れ、息は絶え絶えに。
『知らない、こんな展開。ゲームには無かった』
それでも、大きな背中を必死に追い掛けた。
『いや、もう此処はゲームとは別世界になってしまったんだ。転生者たちの存在によって』
割れたレンガに足を取られ、全身が崩れ落ちてゆく。
傾く身体は、漆黒のロングコートを翻した男が抱き留めた。
先程までの喧騒が嘘のように、聞こえるのは2人の吐息……ただ、それだけ。
交わる鼓動は、此処を2人だけの世界と錯覚させた。
――皆と過ごしたあの何物にも代えがたい日々に、もう戻れはしないのだろうか。
不安が色濃く浮かぶ眉間に、柔らかい物が触れる。
「安心しろ。何があっても、お前のことは必ず護る。お前さえ居れば、俺は……」
静寂を斬り裂いたのは、力強い声。
想いに応えるよう、背中へと回した腕にグッと力を込める。
チカッと、そこに嵌められた腕輪が鈍い光を放った。
『それを渡してもらえないかな。そうしたら、イーサンの事は諦めてあげる』
己を神と過信した天子なんかに、どちらもくれてやるものか。
――俺はもう、意思のあるモブなんだ。
眼前には、漆黒に彩られた夜空が広がっている。
絶対にこの温もりだけは手放すまいと、身体の全てで彼を抱き締め……そして誓った。
生きる場所なんか無くてもいい。
俺には、貴方さえいればそれで……
――全世界が敵になったとしても……俺は貴方を、愛し続ける――
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