21 / 92
1章
こぼれ話.追い出された3人組
しおりを挟む
「副団長のせいで追い出されたんだが。俺はまだ仕事中だったんだよなぁ? 誰かさん達とは違ってなぁ?」
「お前の恋人・書類は手元にあるじゃん~。そんなイーサンみたいな怒り方するなよ。最近似てきたんじゃね? お前、アイツと」
「わ、イーサン団長本気っすね……あれは。今度お祝しましょ!!」
パタンと閉められた黒いドアの前で、3人は個性溢れる反応を見せる。
手元の書類を握り潰し「あんな鬼畜生と一緒にするな」今にも殴り掛かりそうなジェイスに、両手を小さく上げ降参のポーズを取るギルバート。そんなジェイスを抑えると見せ掛けて後ろからぎゅっと抱き締め、頭1つ分小さな彼の、サラサラな髪の毛に擦り寄るキーファ。
この状態は、第2騎士団のお決まりの姿と言えよう。
「いやでも、面白かったろ? お前ら。あんなに1人の人間に必死なイーサンの姿見られてよ」
ドアの向こうに目線を送り、中で行われている事を想像しニヤつくギルバートを、ペちっとジェイスは軽く書類で叩いた。
「……気持ち悪い顔をしないでください。……まぁ、面白くないと言えば嘘にはなるが……」
「めっちゃ面白いっすよぉー! 団長って、恋人とか絶対出来ないタイプだと思ってました!!」
どさくさ紛れにジェイスの頬へ自分の頬を擦り付けるキーファは、「お前今何をした」と振り返った彼に物凄い力で首を絞められている。
「だよなぁ? ……せっかくだ、ちょぉっと覗いてみるかぁ」
「止めなさい副団長。悪趣味が過ぎる!!」
泡を吹き掛けているキーファを投げ捨て、黄金のドアノブに手をかけるギルバートを慌てて止めようと、ジェイスは駆け出したが……
時すでに遅し。
「……ゃっ、ぁっイーサン、ね、もっ……んぁあっっ」
そうして扉は再び、静かに閉められた。
「……で、デスヨネェ」
中から聞こえたよがり声に、慌ててドアを閉めたギルバートは、扉に背を向けて「はは……」と固まった笑顔を作った。
「……だから言っただろぉぉぉ!! 想像出来たよなぁ!? なぁ、ギルバートよォォォ」
真っ青な顔でジェイスはギルバートの胸ぐら掴む。礼式や肩書を重んじる彼はどこへ行ったのやら。それが吹っ飛ぶ程に慌てているジェイスである。
「いやだって!! ホントにヤってるとは思わないだろおおおお!?」
「アホか。そもそもお前が煽ったんだろ! それであの単細胞バカ団長が何もしない訳ないだろうがよ」
「いやまぁ、それはそうだけどよぉ。あの自己中イーサンが嫉妬心丸出しで面白くて……」
イーサンに聞かれた日には即打首の台詞をジェイスとギルバートが吐き続ける中、キーファは1人「せめてアオさんの声が漏れぬよう……」と祈りながら執務室に防音壁の魔法をかけていた。
「はー……コレまだまだ掛かるんだろ……俺、警邏してくるわ」
「サボりに行くんですね」
「ごゆっくりっす。俺たちはー……あ、地下の取調室でも行きましょっ、ジェイスさん」
堂々サボり宣言をするギルバートを睨み付けるジェイスの腕を、キーファが強く引く。
「は……何でそんなところに……」
「えー? ……だってジェイスさん、さっきのアオさんの声で、ちょっと興奮しちゃったでしょ」
キーファに耳元でそう囁かれ、ジェイスの顔が分かりやすく真っ赤に染まり上がる。
「じゃっギルバートさん、また後程!!」
腕の中にガッチリと収まったジェイスは暴れているが、スイッチの入ったキーファはその位のことではびくともしない。爽やかにギルバートに向けて手を振っている。
「おー、程々にしとけよ~」
「ちょ、馬鹿犬離せ!」
いまだ顔の赤いジェイスを引き摺るキーファに、ギルバートは穏やかな顔で手を振り返した。
「……うん。今日も第2騎士団の風紀は終わってる……と」
いい笑顔でそう言った彼は、2人の姿が見えなくなるのを確認すると軽く伸びをしながら早速外へと向かう。階段を降りるその途中、軍服の胸ポケットに入れた通信機が「ブブッ」と振動を告げた。
「はい。……アレフ、どうし……あぁ、討伐から帰ったのか。そんで今から部屋に来いって? ……了解」
通信機での通話を終え、元ある場所にそれを戻すと、ギルバートは思わず苦笑いを浮かべた。
「ほんと、どいつもこいつも……こんな風紀乱れてる奴らが、王都最強の騎士達なんだから、笑っちゃうよなぁ」
「まぁ、俺もその1人か……」と呟いたギルバートはもう一度伸びをして、外へ向かう階段を降りるのを止め、その足を第1騎士団の執務室へと繋がる渡り廊下に向けたのだった。
「お前の恋人・書類は手元にあるじゃん~。そんなイーサンみたいな怒り方するなよ。最近似てきたんじゃね? お前、アイツと」
「わ、イーサン団長本気っすね……あれは。今度お祝しましょ!!」
パタンと閉められた黒いドアの前で、3人は個性溢れる反応を見せる。
手元の書類を握り潰し「あんな鬼畜生と一緒にするな」今にも殴り掛かりそうなジェイスに、両手を小さく上げ降参のポーズを取るギルバート。そんなジェイスを抑えると見せ掛けて後ろからぎゅっと抱き締め、頭1つ分小さな彼の、サラサラな髪の毛に擦り寄るキーファ。
この状態は、第2騎士団のお決まりの姿と言えよう。
「いやでも、面白かったろ? お前ら。あんなに1人の人間に必死なイーサンの姿見られてよ」
ドアの向こうに目線を送り、中で行われている事を想像しニヤつくギルバートを、ペちっとジェイスは軽く書類で叩いた。
「……気持ち悪い顔をしないでください。……まぁ、面白くないと言えば嘘にはなるが……」
「めっちゃ面白いっすよぉー! 団長って、恋人とか絶対出来ないタイプだと思ってました!!」
どさくさ紛れにジェイスの頬へ自分の頬を擦り付けるキーファは、「お前今何をした」と振り返った彼に物凄い力で首を絞められている。
「だよなぁ? ……せっかくだ、ちょぉっと覗いてみるかぁ」
「止めなさい副団長。悪趣味が過ぎる!!」
泡を吹き掛けているキーファを投げ捨て、黄金のドアノブに手をかけるギルバートを慌てて止めようと、ジェイスは駆け出したが……
時すでに遅し。
「……ゃっ、ぁっイーサン、ね、もっ……んぁあっっ」
そうして扉は再び、静かに閉められた。
「……で、デスヨネェ」
中から聞こえたよがり声に、慌ててドアを閉めたギルバートは、扉に背を向けて「はは……」と固まった笑顔を作った。
「……だから言っただろぉぉぉ!! 想像出来たよなぁ!? なぁ、ギルバートよォォォ」
真っ青な顔でジェイスはギルバートの胸ぐら掴む。礼式や肩書を重んじる彼はどこへ行ったのやら。それが吹っ飛ぶ程に慌てているジェイスである。
「いやだって!! ホントにヤってるとは思わないだろおおおお!?」
「アホか。そもそもお前が煽ったんだろ! それであの単細胞バカ団長が何もしない訳ないだろうがよ」
「いやまぁ、それはそうだけどよぉ。あの自己中イーサンが嫉妬心丸出しで面白くて……」
イーサンに聞かれた日には即打首の台詞をジェイスとギルバートが吐き続ける中、キーファは1人「せめてアオさんの声が漏れぬよう……」と祈りながら執務室に防音壁の魔法をかけていた。
「はー……コレまだまだ掛かるんだろ……俺、警邏してくるわ」
「サボりに行くんですね」
「ごゆっくりっす。俺たちはー……あ、地下の取調室でも行きましょっ、ジェイスさん」
堂々サボり宣言をするギルバートを睨み付けるジェイスの腕を、キーファが強く引く。
「は……何でそんなところに……」
「えー? ……だってジェイスさん、さっきのアオさんの声で、ちょっと興奮しちゃったでしょ」
キーファに耳元でそう囁かれ、ジェイスの顔が分かりやすく真っ赤に染まり上がる。
「じゃっギルバートさん、また後程!!」
腕の中にガッチリと収まったジェイスは暴れているが、スイッチの入ったキーファはその位のことではびくともしない。爽やかにギルバートに向けて手を振っている。
「おー、程々にしとけよ~」
「ちょ、馬鹿犬離せ!」
いまだ顔の赤いジェイスを引き摺るキーファに、ギルバートは穏やかな顔で手を振り返した。
「……うん。今日も第2騎士団の風紀は終わってる……と」
いい笑顔でそう言った彼は、2人の姿が見えなくなるのを確認すると軽く伸びをしながら早速外へと向かう。階段を降りるその途中、軍服の胸ポケットに入れた通信機が「ブブッ」と振動を告げた。
「はい。……アレフ、どうし……あぁ、討伐から帰ったのか。そんで今から部屋に来いって? ……了解」
通信機での通話を終え、元ある場所にそれを戻すと、ギルバートは思わず苦笑いを浮かべた。
「ほんと、どいつもこいつも……こんな風紀乱れてる奴らが、王都最強の騎士達なんだから、笑っちゃうよなぁ」
「まぁ、俺もその1人か……」と呟いたギルバートはもう一度伸びをして、外へ向かう階段を降りるのを止め、その足を第1騎士団の執務室へと繋がる渡り廊下に向けたのだった。
398
あなたにおすすめの小説
最強推し活!!推しの為に転生して(生まれて)きました!!
藤雪たすく
BL
異世界から転移してきた勇者様と聖女様がこの世界に残した大きな功績……魔王討伐?人間族と魔族の和解?いや……【推し】という文化。
【推し】という存在が与えてくれる力は強大で【推し活】の為に転生まで成し遂げた、そんな一人の男の推し活物語。
転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています
柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。
酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。
性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。
そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。
離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。
姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。
冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟
今度こそ、本当の恋をしよう。
異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた
k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。
言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。
小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。
しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。
湊の生活は以前のような日に戻った。
一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。
ただ、明らかに成長スピードが早い。
どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。
弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。
お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。
あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。
後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。
気づけば少年の住む異世界に来ていた。
二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。
序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000の勇者が攻めてきた!
モト
BL
異世界転生したら弱い悪魔になっていました。でも、異世界転生あるあるのスキル表を見る事が出来た俺は、自分にはとんでもない天性資質が備わっている事を知る。
その天性資質を使って、エルフちゃんと結婚したい。その為に旅に出て、強い魔物を退治していくうちに何故か魔王になってしまった。
魔王城で仕方なく引きこもり生活を送っていると、ある日勇者が攻めてきた。
その勇者のスキルは……え!? 性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000、愛情Max~~!?!?!?!?!?!
ムーンライトノベルズにも投稿しておりすがアルファ版のほうが長編になります。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
猫になった俺、王子様の飼い猫になる
あまみ
BL
車に轢かれそうになった猫を助けて死んでしまった少年、天音(あまね)は転生したら猫になっていた!?
猫の自分を受け入れるしかないと腹を括ったはいいが、人間とキスをすると人間に戻ってしまう特異体質になってしまった。
転生した先は平和なファンタジーの世界。人間の姿に戻るため方法を模索していくと決めたはいいがこの国の王子に捕まってしまい猫として可愛がられる日々。しかも王子は人間嫌いで──!?
*性描写は※ついています。
*いつも読んでくださりありがとうございます。お気に入り、しおり登録大変励みになっております。
これからも応援していただけると幸いです。
11/6完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる