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33.妹と人生を入れ替えました(2)
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「……え?」
ここは憂炎の執務室。
わたしは妃の重い装束を脱ぎ、身軽で上品な華凛の服に身を包んでいる。
「――――――まさか、秒でバレるなんて」
「だから! 分かるって言っただろう!」
憂炎は声を荒げ、呆れた表情でわたしを見ている。
「まったく。今回の入れ替わりはわたしの発案じゃないのに。そんなに怒らなくたって良いじゃないか」
「……ん? おまえから言い出したんじゃないのか?」
「ああ。
実は、華凛が白龍の気を惹きたいんだって。そのために入れ替わってほしいって言うんだ。
散々協力してもらったんだから、わたしも協力しないと」
そっと耳打ちすれば、白龍の眉がピクリと上がったのが分かる。
白龍がわたしたちを見分けられるのか、それはわたしにはイマイチ分からない。
華凛からはただ、三日間入れ替わってくれれば良いと、そう言われている。
憂炎は唇を尖らせつつ、一応は納得してくれたらしい。わたしのことをまじまじと見つめつつ、頬をほんのり紅く染めた。
「ほらな? 何だかんだ言って、憂炎だって日中わたしと一緒にいられて嬉しいんだろ?」
「――――――当たり前だろう?」
予想通りの返答。嬉しくて、ついつい笑みが零れる。
憂炎の妃に戻って分かったこと。
それは、憂炎がありのままのわたしを、心底愛してくれているってことだった。
気持ちを疑う暇なんてありゃしない。
寧ろ嫌になるぐらい、心と身体に毎日刻み込まれている。
「ねぇ、仕事が終わったらさ、久しぶりに街歩きに行ってみない? この辺の露店って全然回ったことないし、昔みたいに食べ歩きとかしたい! ……ダメ?」
それは、もしも憂炎とわたしが皇太子と妃じゃなくて、普通の夫婦だったら……って想像した時に、やってみたいことだった。
二人して昔みたいに気楽なお忍びファッションに身を包んで、仲良く手を繋いで歩けたら楽しいだろうなぁって。
せっかく華凛と入れ替わるんだもん。
後宮にいたらできないことを思いっきりやりたいと思うじゃない?
憂炎と二人で。
「それは良いけど…………ちゃんと戻ってくるんだろうな?」
憂炎はわたしの手を握り、困ったように笑った。
(手を放す気なんかない癖に)
それでも憂炎は、あくまでわたしの意志を確認したいらしい。
まったく、憂炎を『可愛い』なんて思う日が来るとは思わなかった。
本当に人生は何が起こるかよく分からない。
「当たり前だろう? わたしはおまえの妃なんだから」
わたしの答えに、憂炎が笑う。
とても嬉しそうに――――幸せそうに。
物凄く遠回りをしたけれど、これがわたしの選んだ人生。
ときに自由が恋しくなって、息抜きしたくなる日もあるかもしれない。
だけど、それは全部憂炎の隣が良い。
二人で寄り添いながら、自分らしく生きていけたら、きっと、めちゃくちゃ幸せだ。
温かくて優しい憂炎の口付けを受け入れながら、わたしは満面の笑みを浮かべたのだった。
ここは憂炎の執務室。
わたしは妃の重い装束を脱ぎ、身軽で上品な華凛の服に身を包んでいる。
「――――――まさか、秒でバレるなんて」
「だから! 分かるって言っただろう!」
憂炎は声を荒げ、呆れた表情でわたしを見ている。
「まったく。今回の入れ替わりはわたしの発案じゃないのに。そんなに怒らなくたって良いじゃないか」
「……ん? おまえから言い出したんじゃないのか?」
「ああ。
実は、華凛が白龍の気を惹きたいんだって。そのために入れ替わってほしいって言うんだ。
散々協力してもらったんだから、わたしも協力しないと」
そっと耳打ちすれば、白龍の眉がピクリと上がったのが分かる。
白龍がわたしたちを見分けられるのか、それはわたしにはイマイチ分からない。
華凛からはただ、三日間入れ替わってくれれば良いと、そう言われている。
憂炎は唇を尖らせつつ、一応は納得してくれたらしい。わたしのことをまじまじと見つめつつ、頬をほんのり紅く染めた。
「ほらな? 何だかんだ言って、憂炎だって日中わたしと一緒にいられて嬉しいんだろ?」
「――――――当たり前だろう?」
予想通りの返答。嬉しくて、ついつい笑みが零れる。
憂炎の妃に戻って分かったこと。
それは、憂炎がありのままのわたしを、心底愛してくれているってことだった。
気持ちを疑う暇なんてありゃしない。
寧ろ嫌になるぐらい、心と身体に毎日刻み込まれている。
「ねぇ、仕事が終わったらさ、久しぶりに街歩きに行ってみない? この辺の露店って全然回ったことないし、昔みたいに食べ歩きとかしたい! ……ダメ?」
それは、もしも憂炎とわたしが皇太子と妃じゃなくて、普通の夫婦だったら……って想像した時に、やってみたいことだった。
二人して昔みたいに気楽なお忍びファッションに身を包んで、仲良く手を繋いで歩けたら楽しいだろうなぁって。
せっかく華凛と入れ替わるんだもん。
後宮にいたらできないことを思いっきりやりたいと思うじゃない?
憂炎と二人で。
「それは良いけど…………ちゃんと戻ってくるんだろうな?」
憂炎はわたしの手を握り、困ったように笑った。
(手を放す気なんかない癖に)
それでも憂炎は、あくまでわたしの意志を確認したいらしい。
まったく、憂炎を『可愛い』なんて思う日が来るとは思わなかった。
本当に人生は何が起こるかよく分からない。
「当たり前だろう? わたしはおまえの妃なんだから」
わたしの答えに、憂炎が笑う。
とても嬉しそうに――――幸せそうに。
物凄く遠回りをしたけれど、これがわたしの選んだ人生。
ときに自由が恋しくなって、息抜きしたくなる日もあるかもしれない。
だけど、それは全部憂炎の隣が良い。
二人で寄り添いながら、自分らしく生きていけたら、きっと、めちゃくちゃ幸せだ。
温かくて優しい憂炎の口付けを受け入れながら、わたしは満面の笑みを浮かべたのだった。
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