アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.2.0 ~広がる大海原の世界~

ver.2.0-3 そもそもよく考えたら、無理なことは無理なのでは?

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『アサシン島』
その名の通り、アサシンが住まうとされる島。
アルケディア・オンライン内においては、暗殺者や忍者と呼ばれるような人々の隠れ里の意味合いも持っており、島内限定での特殊な状態異常を引き起こしたり回復させたりする薬草が群生している。
また、Ver.2.0より職業に『サブ職業』と呼ばれるカテゴリが追加されており、各地で条件を満たせば特殊なサブ職業が入手でき、この島でも類に洩れず特殊なサブ職業を入手できる可能性がある。

『サブ職業』
今までは戦士や魔法使い、錬金術師などの職業が存在しており、上級職もあった。
けれどもそれらでは足りないステータスを補うために、サブ職業としてVer.2.0から追加された。
しかし、サブ職業は各地で条件を満たさないと入手不可能であり、イベント限定のものもあるので要注意。入手して設定次第、ステータスに反映される。
なお、あくまでもステータスの補助ではあるが、サブ職業の効果は重ね掛けが可能。ただしその場合、通常のステータス補助より重ね掛けした分上昇量が減少する。
―――――

‥‥‥船も無事に到着し、僕らは島に降り立った。
 アサシン島といわれるだけあって、遠方からだと何も見えなかったのだが、近くなってようやく存在うっすらと見せたので安心したのだが…‥‥

「それでも、隠れ里もあるというだけあって、どことなくつかみにくい島だなぁ‥‥‥皆、足元の確認が出来ているよね?」
【シャゲシャゲ】
【ガウウ】
【バルゥゥ】
【不安定ですが、なんとカ】

 存在感そのものが薄い島なせいか、降りたっても地面に足を踏みしめているという感覚が少ない。どことなく浮いているというか、漂わされているような感覚があり、まともに動くにはやや厳しい立地と言うべきだろうか。
 けれども、足元があるという事はちゃんと島があり、人が住まう場所もあるはず。そしてついでに、ここ限定の特殊な薬草がある場所も確認できるはずなので、まともに歩けるようになればこれはこれで面白いのかもしれない。
 
 なお、ミートン一家はこの不安定な足場の中、全速力で駆け抜けて下船し、あっと言う間に見えなくなった。人の欲望ってすさまじいというか、時として願いを叶えるために障害物をふっ飛ばすというのだろうか。







 とにもかくにも、僕らの目的としてはあちらとは違い、ここでの薬草採取である。隠れ里なども気にならないわけがないのだが、「隠れ」という付いている時点でそう簡単に見つからないことが予想できるし、出会えたらラッキーと思う程度でこだわることは無い。

「ロロ、薬草図鑑は?」
【ここに用意しておりマス。アサシン島限定バージョンのものデス】

 これもまたアップデートで追加された、ありそうでなかった要素「薬草図鑑」。モンスターに関しての魔物図鑑はこれまでアップデートごとに内容がどんどん追加されていたのだが、今回の大型アップデートで一気にドロップアイテムなども増加した影響なのか、各アイテムごとに対する図鑑が用意されたのである。
 しかも、各地限定の薬草図鑑は一度そろえると統合が可能となり、どんどん内容を濃くすることが可能であり、一定量を集めると報酬が貰えるのだ。高価な特級ポーションや、錬金術ではできないような薬品の数々等、中々ありがたい要素でもある。

「それじゃ皆、ここでちょっと手分けをして新しい薬草などを採取していこう。とは言え、この島でも普通にモンスターが発生するし、出来る限り近くにいつつ戦闘が始まったら即座に駆け付けろよ」
【シャゲ!】
【ガウ!】
【バルゥ!】
【了解デス】

 一応、全員のレベルは先日のオララゴン戦を経て、平均60レベルほどになっている。ロロの場合は使用人というかメイドなせいかレベル設定は無くなっているようだが、そこはプレイヤーのレベルと連動するらしく、実力的に見ても中々強くなっているはずである。‥‥‥薬草の調合から回復手段の即配布、バフ効果付きの食糧生成…‥‥あれ?もしかして僕よりかなり有能になってないかな?

 プレイヤーとしては喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか複雑な気分になりつつも、ひとまずその考えは大空へ投げ飛ばすとして、僕らは距離を把握しながら散開して探索を開始し始めるのであった。



【シャゲシャゲェ!!】
「っと、マリーの方でいきなりモンスターとエンカウントか!!」
【図鑑データ確認。アサシン島限定のモンスター『ナイフビートル』デス。角が鋭い刃物になってますので、気を付けてくだサイ】
「物騒なのがいきなり出たなぁ!?」










‥‥ハルたちが早々のエンカウントで戦闘を開始し始めていた丁度その頃。アサシン島の中を激走している集団は今、迷走していた。

「うぉぉぉぉ!!隠れ里、美人のくノ一はどこじゃぁぁぁ!!」
「出来れば美しい人か可愛い人、あるいは年端も行かぬ少女が良い!!」
「発言だけ見れば危険人物だけど、さっさと新しい出会いが欲しいぃぃ!!」

 ミートン、カックウさんにスッケンさんは今、欲望に忠実な状態で叫びながら全力で走っていた。
 しかしながら、そんな堂々とあふれ出る欲望を叫びながら爆走する集団を、やすやすと隠れ里へ到達させるような者たちがこの地にいるだろうか?いや、いないだろう。

 ゆえに、彼らは気が付いていなかったが、いつの間にか警戒していたNPCたちの手によって幻術がかけられており、同じところをぐるぐると駆け回っていたのだが…‥‥それに気が付くのは、現実時間で3日後の話であった。


「‥‥‥何だ、アレ。いつまで爆走しているんだ」
「若者たちは分かるが、あの爺さんの体力すげぇなぁ…‥‥」

‥‥‥密かにNPCたちの手によって、要注意プレイヤーリストが作られており、そこに載ったのも言うまではない。

「それと、もう一組下船してきたようだが…‥‥あちらはまともそうだ。彼らの方なら良いのでは?」
「あれと比較すると、格段に良すぎるだろ。‥‥‥プレイヤーって人達にも色々といるんだろうけれども、格差が凄まじいなぁ」

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