アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~

ver.3.0-26 フラグ建設会社は、他の人の下にも来るらしい

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‥‥‥妖精郷での騒動を終え、待ちくたびれていたトーカに遅れた理由を説明する。
 
 最初こそは妖精郷の光景を画像で見て羨ましがっていたが‥‥‥妖精女王の捕食婚活話を聞いたところで、物凄く安堵の息を吐いていた。

「よかったかもしれない…‥‥必死過ぎるその姿は、同じ女の子として見ていられないの」
「そうなのか?」
「そうだよ!!だって理想が高すぎて結婚できない人って結構いるけど、そこまで無茶やる人って結構怖いもん!!友人にファンタジーにしかいないような王子様を理想に抱いて、作るために結構しでかした人とかがいたもの!!」

 どんな友人だそれは。逆源氏物語でも行う気だったのか。
 なお、その友人の結末としては他の女の子に理想の彼氏を取られてしまったそうで、現在新しい恋を発見するべく諦めずに新しい計画を練っているらしい。妖精女王とあったらいい友人になりそうな、恐ろしい組み合わせになりそうで怖いな。

「それで、手に入れたのが優遇されるものと、特殊成長剤?お兄ちゃん、中々面白そうなのを得ているよね」
「まぁ、これを手に入れられたのは良いけど、どうしようかなと思ってさ。一応、譲渡も可能だし、トーカの方のメーちゃんやジラゴンをすぐに進化させたいならあげるよ」
「いや、別に良いの。私のモンスターは私の理想通りになるように、努力を積み重ねて成長させる。人の手に頼らずとも、立派なかわいい子に育て上げてみせるの!!」

 ぐっとこぶしを握り、そう宣言するトーカ。

「でも結果が、他の奴だよな?」
「あれはまだ分からなかったの。それにこれからどうなるのか分からないし、希望は抱いたほうが良いのよ!!」
【そういうもんだろうゼ。俺っちたちだって主の想いに答えて動くから、それが強ければいつか叶えさせられるかもだゼ】

 トーカの言葉に対して、執事のシーサーがそう答える。
 まぁ、そういうものなら僕の方から特にいう事は無いし、希望があるなら叶えられるまで努力をどんどんつみ重ねてしまうほうが良いだろう。

 でもなぜだろうか、シーサーの顔がちょっと笑っている気がする。

【‥‥‥彼、私の兄弟姉妹の中ではいたずら好きの方ですからネ。嘘はついていないはずですガ、本当にやるかどうかは分かりませんネ】

 ぼそっとロロがそう口をこぼすが、聞かないふりをしておく。善意があるなら良い方向に転ぶと思いたいが‥‥‥どうなんだろうなぁ、他の人の使用人の挙動は理解できない。



 それはともかく、トーカがいらないのであれば、僕の方が使うべきだろう。幸い、直ぐに使って良さそうなのとしてコユキがいるしね。

「一応聞いておくけど、コユキはすぐに成長したい?それとも、ゆっくりと経験をつみ重ねたい?」
【スノォ‥‥‥スノースノー!!】
【すぐに大きくなれるなら、成長剤が欲しいそうデス。待っている間、他の面子と触れ合ってましたが、自分も早く大きくなって、主様の役に立てるようになりたいと言ってマス】
「そっか、じゃあ使うよ」
【スノー♪】

 使用することを決めると、嬉しそうに宙をくるりと回るコユキ。

 この特殊成長剤を使用すると、進化がすぐにできるらしいが‥‥‥何が出るのだろうか?

―――――
>「特殊成長剤」を「コユキ」に使用します。よろしいでしょうか?
>使用されました。
>「スノークリスタル」の「コユキ」の進化先が解放されました!!
>隠し進化先も同時に解放されました!!
>特殊進化先も解放されました!!
>進化先を選択してください。

『通常進化』
1:『スノーダル』
雪だるま‥‥‥と見せかけ、樽の形状をした雪の塊のモンスター。アイテムを色々と冷凍保存して違うものへ変化させることが可能となり、暑い国々では冷たいものを得る手段として重宝されている。
また、全身から出る冷気が調整可能となり、いるだけで周囲の気温を一気に下げることも可能になる。

2:『アイスチャクラム』
円盤状の武器に似た姿の氷のモンスター。回転する氷の刃は周囲を切り裂き、防御と攻撃を同時にこなせるようになっている。
常に回転しているわけではないので、通常時では触れ合うことも可能であり、使いようによっては面白い戦い方が可能なモンスターでもある。

3:『ワラワラシ』
藁で包まれた小さな童のような姿をしているモンスター。中身は雪の人形となっており、いるだけでパーティメンバーの幸運を少し向上させる効果を持つ。攻撃性能はそこまで無いが、幸運を招くので敵の攻撃を回避しやすかったりする。

『隠し進化』
1:『雪鬼』
鬼の姿をした、雪国に出現すると言われているモンスター。一気にパワー系となっており、振るう拳で敵を凍らし、砕いていく。
ただし、武器を持つと凍ってしまって持つことができないのが悩みとされているが、その氷の力も非常に強くなっており、敵の足止めからトドメ役など幅広く対応が出来る。

『特殊進化』
1:『アイスバード』
氷の身体で出来た大きな鳥のモンスター。吹雪を発生させて攻撃に使用するだけではなく、冷凍光線も放出して炎すら凍らせてしまうと言われている。
その氷の羽は美しく、宝飾品になるほか加工すると氷耐性が向上するなど、様々な氷の可能性を秘めている。

2:『???』
不明。進化させると開示されます。
―――――

「‥‥‥うわぉ、一気に解放されたんだけど」
「個人的にはワラワラシが気になるかも。小さな童のようなモンスターも、可愛いかも?」
【スノー!】

 想った以上に進化先が豊富だったようで、コユキの成長先が色々と示されていた。というか、特殊進化のアイスバードはまだ良いとして、隠し進化の雪鬼ってどこをどうしたらそうなるのだろうか?このふわふわと浮いている氷の結晶のような可愛い姿のモンスターに何があったのかと言いたくなるだろう。

「そしてついでに、???かぁ‥‥‥マリーやリンの時にもあったけど、これを選んで今に至っているんだよなぁ‥‥‥」

 先が分からないからこそ面白かったりもするが、その分リスクもあるだろう。
 でも、案外雪に関する系統になるのであれば、妖精郷で妖精女王の遣わせた番人にドラゴンがいたので、アイスドラゴンだとかそういうのが出る可能性もある。

 男の子ならちょっと気になるが…‥‥まぁ、変なのにはならないと思いたい。

「コユキ、どれになりたい?」
【スノ?スノノノノ・・・】

 選択肢を示してみれば、うむむっと悩むコユキ。
 自身の成長先が多かったのは嬉しいようだが、多すぎて悩みまくるようだ。

【シャゲシャゲ、シャゲェ】
【ガウガウ】

 そんな悩む様子を見て、気持ちが分かるというように頷くマリーたち。そう言えばこっちはこっちで進化先も色々あったし、今のコユキの気持ちが分かるのだろう。
 でもその結果が今の姿な訳だが…‥‥これはこれで満足なようだ。黒き女神の使い魔という先になった時点で考えなくて済むようになったのもあるかもしれない‥‥‥あれ?

(‥‥‥そう考えるとコユキのほうもそうなるよな?)

 ふと、そんな事に気が付いたが、使い魔と言っても姿は色々とあるのでどういう風になるのかはまだわからない。
 でもまぁ、今は色々と先を示せるのであればそれで良いのかもしれない。

 そして少々悩んだ末に、コユキは選び抜いた。

【スノー!!】
【???になっているものを選びたいそうデス。自分でも分からない、未知の存在、けれどもそれで主様の役に立てそうならやってみたい、と言っていマス】
「今の一言に、どれだけ詰まっているんだろうか」
「たまにテイムモンスターたちの鳴き声を翻訳して聞いて見たくなるの」

 わかるわかる。すっごい分かる。全員鳴き声で基本的に会話できているけど、その中身を翻訳したらどのぐらいの量なのか結構気になるのだ。こういう時に、某話せる猫のような力が欲しくなるだろう。

「それじゃ、特殊進化先の???を選択するよ」
【スノ!】

 さぁこい!!とでも言うように、やる気満々のコユキ。

 その姿を見てちょっと微笑ましく想いつつ、僕は進化先を選択した。

―――――
>選択されました。進化が開始されます!!
―――――
【スーーーーーノーーーーーー!!】

 既に何度も慣れた進化の瞬間だが、相変わらず一瞬体が光って形を変えている。

 そして光が終わった瞬間には進化を終えており、姿は大きく変貌しているのもお決まりのはず・・・・・であった。

【ユッキー!!】
「鳴き声変わった?」
「というか、姿もあんまり変わっていないような‥‥?」

 進化を終え、姿を見せたのは進化前とは変わらぬような氷の結晶のコユキの姿。
 いや、一回りほど大きくなっているようで、色合いも透明感のあった氷の結晶から真っ白な純白の氷の姿になっているだろう。

―――――
>進化が完了しました。『スノークリスタル』から『雪軍曹』になりました。

『雪軍曹』
スノークリスタルが特殊進化を経て、姿がそこそこ大きくなったモンスター。
一見、通常進化をしたように見えなくもないが、その内部は大きく変わっており、次の進化では姿を返るためのエネルギーが蓄えられている。
また、雪軍曹になったことで特殊なスキル『雪兵召喚』が使用可能になっており、使用すると30分間雪だるまの兵士たちが10~15体ほど同時に出現し、命令に従って敵に攻撃を仕掛ける。
―――――

【ユキユッキー!!】
「なるほど、他の兵士を呼びだして戦うタイプになったのか…‥‥戦闘のスタイルとしては、リッチとかが使う骸骨やゴーストを呼びだす感じに近くなったのかな?」
【違いとしては、こっちの方が統率が取れそうですよネ】

 いつぞやかの烏合の衆モドキになっていたリッチなどに比べると、確かにコユキのほうがより効率よく、的確に兵士へ指示ができそうな気がする。
 それと、いつものようなツッコミどころのある姿にならなかったのは、どことなく安心できるだろう。

「そもそもこれが、一番まともな感じなんだよなぁ…‥‥とりあえず、強くなれておめでとう、コユキ」
【ユッキー!】

 姿が大きく変貌したわけではないが、新しい力を実感できているのか喜ぶコユキ。
 その姿は無邪気な子供が喜びまくっているようにも見えて、僕らは微笑ましく思うのであった‥‥‥




【んー、大きく変貌しなかったのは意外だったゼ。あれ?でもまてよ?】
【どうしたのですカ?】
【いや、内部で溜めている状態ってだけで、姿が大きく変貌する可能性は消えていないだけだゼ。それに、ここの運営の上の人の性格を考えると…‥‥】
【…‥‥うん、黙っておきましょウ。ご主人様が珍しくまともなものを得られたと喜んでいるので、水を差したくないのデス】
【早めに知らせておいたほうが良いと思うゼ?ま、うちの主っちではないし、別に良いかだゼー】

…‥‥その一方で、ふと気が付いた使用人たちがひそひそ話をしていたが、僕らは気が付かないのであった。
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