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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.2-98 需要というのは、必要あるからこそ
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ミーちゃんが真祖とかいう存在だったことは、驚くことだったのだろう。
でも、ミーちゃんはミーちゃんなことには変わりはなく、知ったからと言ってこれまでの態度を変えることはない。
「でも、吸血鬼と似たようなものなら、やっぱり血を飲むの?」
3個目のリンゴチャレンジをミーちゃんがしている中、ふと僕はその疑問を口にした。
吸血鬼の上位にあり、弱点を色々となくしたような存在というのが真祖らしいが、それでもくくりをみると吸血鬼の枠内にはある。
つまり、その種族名の通り、血を飲むのかなと思ったのだ。
「あー…飲むといえば飲むよ。でもね、このご時世、生の血液を飲むのは色々と制約がかかるんだよね…」
はははと困ったように苦笑するミーちゃん。
話によると、一応吸血仲間に流通している、食用血液というのが存在しているらしいが…
「…物凄く、不味いんだよ。かといって普通の人を襲うわけにもいかないし…流通しているこれで我慢しているんだよね」
そう言いながら懐から取り出したのは、小さなジュースのパックのようなもの。
表面には何かアルファベットが記されている。
「それが、食用血液ってやつ?」
「そうだよ。これは人造食用血液のB型タイプのもので中身は液状じゃなくてゼリーみたいになっているんだよ」
「ゼリー?」
「だって、万が一にでも破れたとき、液体が漏れ出たら結構やばいからね。多少堅めになっているから、はみ出てでろでろんっと出てくることもない様に工夫されているよ」
なるほど、そりゃ下手したら大惨事になりかねないか。
ある程度工夫は凝らされており、血液っぽい匂いとか出てこないようになっているらしいが、その加工が不評な原因にもなるようだ。
「それでも、こういうのを飲まないときついんだよね…吸血関係、どうも衝動があるみたいで、適度に摂取しないと、暴走しかねないんだよ」
「暴走かぁ…」
吸血関連、適度に飲まないと本能が強く出てきてしまうらしく、見境なく血を吸いかねないらしい。
そんなことをしでかせば最後、このご時世ネットなどで拡散されて、存在が堂々と出された上に狙われるのが目に見えているからこそ、こういう食事か欠かせないようだ。
暴走するミーちゃん…そんなの見たくないなぁ。どう考えてもヤバい未来しか見えないだろう。
「だからたまに、輸血用の血液とかももらえたりするけど…やっぱり、生じゃないと味が微妙なのがなぁ」
吸血する側の悩みというのは、普通の人間には分からないだろう。
でも、大変そうなのはわかるような気がする。
「そんなに大変なら…ミーちゃん、僕の血でも飲んでみる?」
「…」
そう口にすると、ミーちゃんは驚いたような顔になった。
「…いやいやいや、春、それはやらなくていいからね!!というか、他の吸血鬼関係にも絶対にやらないで!!」
「ありゃ、思ったよりも否定すごいね」
「そりゃそうだよ!!今の春の行動、わかりやすく言えば全身たっぷり生肉を付けた人が、肉食猛獣の檻にぽいっと放り投げられるようなものだよ!!それうかつにやったら、かなり危ないからね!!」
…どうやら今の発言、結構不味かったようだ。
そのまま2時間ほど、ミーちゃんの説教を喰らいつつ、終わったときには精神的にも疲れてそのまま眠ってしまうのであった…
「…ふぅ、説教をしたら長すぎて、春は寝ちゃったか」
病院内の面会時間にも限りがあり、流石に今日は長居しすぎただろう。
そう思い、片づけつつ部屋から出ようとしたが、無防備に眠っている春を見てミントの動きが止まる。
先ほどは全力で否定したが…それは、自分の中にある衝動を抑えるための行動も兼ねていた。
真祖や吸血鬼が持つ吸血衝動は、確かに一度血を吸えばしばらくの間は止めることができる。
だが…時として、その衝動の中には、どうしようもないものも存在している。
人の血液型が異なるように、その血の味わいもまた異なっている。
そして、彼らは理解している。存在する血液の中で、確実にこれは誰もが夢中になる味わいになるものがあるのだということを。
そう、真祖であり長い間春と過ごしてきたミントだからこそわかったのだが…春の血は、まさにその極上の味わいになるのだ。
なぜなのか、どうしてなのか。その理由は定かではない。
けれども、わかってしまう。この身に持つ本能が盛大に告げているからこそ。
いや、あるいは多種多様なものどもに好まれるものである以外では…
「…っ!!」
ふと、考えがよぎった瞬間、自分が今何をしようとしていたか気が付き、ミントはすぐに後方に後ずさった。
危なかった。もう数秒、現実に意識を戻していなかったら、自分は今何をしようとしていたのか。
いつのまにか視界が紅く染まりかけており、うずく歯が起こそうとしていたことが何なのか明確に告げてくる。
「きょ、今日のところはこれで失礼するね!!春、明日もお見舞いに来るからね!!」
そう言い残し、ミントは素早く片付け、さっさと病院を後にする。
顔が赤くなっている気がするし、熱もあるような感じだが、春にばれたわけではないので何事も起きなかったということにしよう。
ミントは全力で思い、さっさと帰宅するのであった…
…吸血鬼にとっては普通のことでも、その上位にある真祖にとって吸血とは、違う意味を持つときがある。
自身の本能を抑えるため、血を求める本能を鎮める意味も確かにあるのだが…相性の良い相手を探すのに、利用しているということもある。
もしも、物凄く良すぎる相手だったとしたら、それは…
でも、ミーちゃんはミーちゃんなことには変わりはなく、知ったからと言ってこれまでの態度を変えることはない。
「でも、吸血鬼と似たようなものなら、やっぱり血を飲むの?」
3個目のリンゴチャレンジをミーちゃんがしている中、ふと僕はその疑問を口にした。
吸血鬼の上位にあり、弱点を色々となくしたような存在というのが真祖らしいが、それでもくくりをみると吸血鬼の枠内にはある。
つまり、その種族名の通り、血を飲むのかなと思ったのだ。
「あー…飲むといえば飲むよ。でもね、このご時世、生の血液を飲むのは色々と制約がかかるんだよね…」
はははと困ったように苦笑するミーちゃん。
話によると、一応吸血仲間に流通している、食用血液というのが存在しているらしいが…
「…物凄く、不味いんだよ。かといって普通の人を襲うわけにもいかないし…流通しているこれで我慢しているんだよね」
そう言いながら懐から取り出したのは、小さなジュースのパックのようなもの。
表面には何かアルファベットが記されている。
「それが、食用血液ってやつ?」
「そうだよ。これは人造食用血液のB型タイプのもので中身は液状じゃなくてゼリーみたいになっているんだよ」
「ゼリー?」
「だって、万が一にでも破れたとき、液体が漏れ出たら結構やばいからね。多少堅めになっているから、はみ出てでろでろんっと出てくることもない様に工夫されているよ」
なるほど、そりゃ下手したら大惨事になりかねないか。
ある程度工夫は凝らされており、血液っぽい匂いとか出てこないようになっているらしいが、その加工が不評な原因にもなるようだ。
「それでも、こういうのを飲まないときついんだよね…吸血関係、どうも衝動があるみたいで、適度に摂取しないと、暴走しかねないんだよ」
「暴走かぁ…」
吸血関連、適度に飲まないと本能が強く出てきてしまうらしく、見境なく血を吸いかねないらしい。
そんなことをしでかせば最後、このご時世ネットなどで拡散されて、存在が堂々と出された上に狙われるのが目に見えているからこそ、こういう食事か欠かせないようだ。
暴走するミーちゃん…そんなの見たくないなぁ。どう考えてもヤバい未来しか見えないだろう。
「だからたまに、輸血用の血液とかももらえたりするけど…やっぱり、生じゃないと味が微妙なのがなぁ」
吸血する側の悩みというのは、普通の人間には分からないだろう。
でも、大変そうなのはわかるような気がする。
「そんなに大変なら…ミーちゃん、僕の血でも飲んでみる?」
「…」
そう口にすると、ミーちゃんは驚いたような顔になった。
「…いやいやいや、春、それはやらなくていいからね!!というか、他の吸血鬼関係にも絶対にやらないで!!」
「ありゃ、思ったよりも否定すごいね」
「そりゃそうだよ!!今の春の行動、わかりやすく言えば全身たっぷり生肉を付けた人が、肉食猛獣の檻にぽいっと放り投げられるようなものだよ!!それうかつにやったら、かなり危ないからね!!」
…どうやら今の発言、結構不味かったようだ。
そのまま2時間ほど、ミーちゃんの説教を喰らいつつ、終わったときには精神的にも疲れてそのまま眠ってしまうのであった…
「…ふぅ、説教をしたら長すぎて、春は寝ちゃったか」
病院内の面会時間にも限りがあり、流石に今日は長居しすぎただろう。
そう思い、片づけつつ部屋から出ようとしたが、無防備に眠っている春を見てミントの動きが止まる。
先ほどは全力で否定したが…それは、自分の中にある衝動を抑えるための行動も兼ねていた。
真祖や吸血鬼が持つ吸血衝動は、確かに一度血を吸えばしばらくの間は止めることができる。
だが…時として、その衝動の中には、どうしようもないものも存在している。
人の血液型が異なるように、その血の味わいもまた異なっている。
そして、彼らは理解している。存在する血液の中で、確実にこれは誰もが夢中になる味わいになるものがあるのだということを。
そう、真祖であり長い間春と過ごしてきたミントだからこそわかったのだが…春の血は、まさにその極上の味わいになるのだ。
なぜなのか、どうしてなのか。その理由は定かではない。
けれども、わかってしまう。この身に持つ本能が盛大に告げているからこそ。
いや、あるいは多種多様なものどもに好まれるものである以外では…
「…っ!!」
ふと、考えがよぎった瞬間、自分が今何をしようとしていたか気が付き、ミントはすぐに後方に後ずさった。
危なかった。もう数秒、現実に意識を戻していなかったら、自分は今何をしようとしていたのか。
いつのまにか視界が紅く染まりかけており、うずく歯が起こそうとしていたことが何なのか明確に告げてくる。
「きょ、今日のところはこれで失礼するね!!春、明日もお見舞いに来るからね!!」
そう言い残し、ミントは素早く片付け、さっさと病院を後にする。
顔が赤くなっている気がするし、熱もあるような感じだが、春にばれたわけではないので何事も起きなかったということにしよう。
ミントは全力で思い、さっさと帰宅するのであった…
…吸血鬼にとっては普通のことでも、その上位にある真祖にとって吸血とは、違う意味を持つときがある。
自身の本能を抑えるため、血を求める本能を鎮める意味も確かにあるのだが…相性の良い相手を探すのに、利用しているということもある。
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