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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-64 トラップゴッデス
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…欲望戦隊の目の前に現れた、黒き女神。
普段、レイドなどのイベントでしかめぐり合う機会もなく、戦闘する機会があったときも容易く相手にはできなかった存在。
畏怖を集め、信仰を集め、時折人々の前に姿を見せては何かをなす…黒き女神。
そんな存在が自分たちの目の前に現れて、欲望戦隊は身構える。
普段、欲望にこれでもかと流されまくっている一味だが、時として自分たちにとって何か不都合なことが起こりえそうな場合、野生の勘が警鐘を鳴らす。
本能の赴くままのように蠢いているだけあって、その本能に従う欲望戦隊。
特に今は、正体不明の敵を一瞬にして消し去ったのもあり、ここで戦闘になったら非常に不味いだろう。
火力を出せるマッチョンやアティもおらず、サブ職業でどうにか底上げできていたとしても対功績るとは限らない。
いや、いざとなればバニー光線や最近取得した他のものを利用する手段もあるが、それはそれで後が怖いだろう。
身構えている中、ふと女神が欲望戦隊の方に目を向けた。
「…久しぶりね、えっと…ド変態戦隊だったかな?」
「何か間違って覚えられているんだが!?」
「事実もあるから何も言い返せないけど!!」
さらっと口に出された言葉にショックを受けるも、多少自覚しているところがあるのでぐぅの音も出ない。
せめてもうちょっと、優しく行ってほしいところではあるが、文句を言える立場ではないだろう。
とにもかくにも、何故ここに黒き女神がいるのか。
何を目的としてあの着ぐるみを消し去ったのか、幸いにも変態戦隊はその理由を聞くことが出来た。
「…つまり、その中にいるブラックバットは、貴女様の血を吸われたものだと」
「ええ、その通り。ブラックバットの特性を知っているなら、どういうことになっているのか理解できるよね?」
「…はい」
どうやら噂の血を吸われた女性プレイヤー…その正体は、目の前の女神のようだ。
黒き女神がそうやすやすと襲われるようなことがあるのかと思いたいが、どんな強者であったとしても知らぬうちに油断することがあり、そのため今回襲われたらしい。
その結果として、現在捕獲されているブラックバットの容姿は、女神に近いものになっている野田とか。
「あの着ぐるみのモノの詳細は、話せない。でも、私のような容姿を持ったブラックバットを狙うといことは…どういう目的を持っているのか、予想しやすい」
「「「「…」」」」
黒き女神の言葉に対して、黙り込む欲望戦隊。
自分たちの目的も一応あるが、悪いことに使う気はない。
だが、もしも悪意あるものが手にした場合はどうなるのかは、容易に想像がつくのだ。
彼らは変態ではあるが、悪人ではない。
救いようのない集団だとしても、人としてのやってはいけない領域ぐらいはわきまえている。
紳士たるもの、異性には優しくあれ。
どの口が言うのだろうかとこれまでの経歴を知る人たちからはツッコミが入りそうだが、人の姿を利用して悪用するような真似はしない。
「だからね、これは逃せなかったかな…でも、どうしようかな」
欲望戦隊が黙る中、そのブラックバットが入っているらしいアイテムを手に持って、黒き女神がつぶやく。
「どうしようかな、とは…」
「このまま、問題ごとの種になる前に消すことはできる。残しておいて、また変な悪人が来たら困るけど…流石に、自分と同じような姿をしたものに手をかけるのは嫌だな」
そう言いながら、黒き女神は欲望戦隊たちの方に目を向ける。
「でも、前に人をバニーにしたことを思うと、あなたたちの手にも渡したくはないね」
「うぐっ」
流れ的にもしかしたらと思ったが、過去の過ちが牙をむいたようだ。
あの時はその手段しかできなかったが、後々こういう時に限って恨まられるのは当然のことだろう。
だが、絶世の美女の様な黒き女神に、心底冷たそうな目で見られるのは心に来るだろう。
…多少、何か別の扉も開きそうなのは言うまでもないが。
「…とはいえ、そうだね…あなたたちの目的がこの子なのも分かるし、仮に渡っても悪用はない…かな?私、知っているよ。ろくでもないことをしようとしたら、そこのお爺さんの奥さんとお孫さんが、躾を行うことを」
「うぬぐぅ」
「ど、どこまで見透かされて…」
悪用をする気はない。でも多少は良い目を見たい。
しかしながら、そうした場合どうなるのかということも読まれているらしい。
ある程度自覚しつつもやめられないこともある。
それでもどうにかしたいと心の奥底で考えていると…どうやら、女神の眼には見透かされているようだ。
「それだけ強く、求めているようだし…そうだね、私も鬼じゃない。眷属に鬼はいるけど…良し、過去の恨み辛みバニー化の仕返しのえげつない恰好は逆に周囲に悪影響を与えると考えて、別のことで手を打つとしようか」
「何を、なされるのでしょうか」
「こういう時の、ある意味お約束だよ」
さらっとやばいことを口に出された気もするが、そんなことよりも別のことがあるらしい。
ぱちんっと女神が指を鳴らしたかと思えば、次の瞬間彼らのログにある表示が浮かび上がった。
―――
>『黒き女神』より、特別なクエストが発注されました!!
>女神ですがプレイヤー扱いでの、プレイヤークエストです!!
>【黒き女神の試練シリーズ】の受注が可能になりました!!
―――
「「「「え、え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」
まさかまさかの、黒き女神直々のクエスト、女神の試練。
それを提示されて、思わず欲望戦隊は驚愕の声を上げるのであった…
(…あれ?シリーズ?おかしいな、プレイヤーが他のプレイヤーに与えることが出来るクエストは単発系で、シリーズ物があるなんて情報はなかったような…)
普段、レイドなどのイベントでしかめぐり合う機会もなく、戦闘する機会があったときも容易く相手にはできなかった存在。
畏怖を集め、信仰を集め、時折人々の前に姿を見せては何かをなす…黒き女神。
そんな存在が自分たちの目の前に現れて、欲望戦隊は身構える。
普段、欲望にこれでもかと流されまくっている一味だが、時として自分たちにとって何か不都合なことが起こりえそうな場合、野生の勘が警鐘を鳴らす。
本能の赴くままのように蠢いているだけあって、その本能に従う欲望戦隊。
特に今は、正体不明の敵を一瞬にして消し去ったのもあり、ここで戦闘になったら非常に不味いだろう。
火力を出せるマッチョンやアティもおらず、サブ職業でどうにか底上げできていたとしても対功績るとは限らない。
いや、いざとなればバニー光線や最近取得した他のものを利用する手段もあるが、それはそれで後が怖いだろう。
身構えている中、ふと女神が欲望戦隊の方に目を向けた。
「…久しぶりね、えっと…ド変態戦隊だったかな?」
「何か間違って覚えられているんだが!?」
「事実もあるから何も言い返せないけど!!」
さらっと口に出された言葉にショックを受けるも、多少自覚しているところがあるのでぐぅの音も出ない。
せめてもうちょっと、優しく行ってほしいところではあるが、文句を言える立場ではないだろう。
とにもかくにも、何故ここに黒き女神がいるのか。
何を目的としてあの着ぐるみを消し去ったのか、幸いにも変態戦隊はその理由を聞くことが出来た。
「…つまり、その中にいるブラックバットは、貴女様の血を吸われたものだと」
「ええ、その通り。ブラックバットの特性を知っているなら、どういうことになっているのか理解できるよね?」
「…はい」
どうやら噂の血を吸われた女性プレイヤー…その正体は、目の前の女神のようだ。
黒き女神がそうやすやすと襲われるようなことがあるのかと思いたいが、どんな強者であったとしても知らぬうちに油断することがあり、そのため今回襲われたらしい。
その結果として、現在捕獲されているブラックバットの容姿は、女神に近いものになっている野田とか。
「あの着ぐるみのモノの詳細は、話せない。でも、私のような容姿を持ったブラックバットを狙うといことは…どういう目的を持っているのか、予想しやすい」
「「「「…」」」」
黒き女神の言葉に対して、黙り込む欲望戦隊。
自分たちの目的も一応あるが、悪いことに使う気はない。
だが、もしも悪意あるものが手にした場合はどうなるのかは、容易に想像がつくのだ。
彼らは変態ではあるが、悪人ではない。
救いようのない集団だとしても、人としてのやってはいけない領域ぐらいはわきまえている。
紳士たるもの、異性には優しくあれ。
どの口が言うのだろうかとこれまでの経歴を知る人たちからはツッコミが入りそうだが、人の姿を利用して悪用するような真似はしない。
「だからね、これは逃せなかったかな…でも、どうしようかな」
欲望戦隊が黙る中、そのブラックバットが入っているらしいアイテムを手に持って、黒き女神がつぶやく。
「どうしようかな、とは…」
「このまま、問題ごとの種になる前に消すことはできる。残しておいて、また変な悪人が来たら困るけど…流石に、自分と同じような姿をしたものに手をかけるのは嫌だな」
そう言いながら、黒き女神は欲望戦隊たちの方に目を向ける。
「でも、前に人をバニーにしたことを思うと、あなたたちの手にも渡したくはないね」
「うぐっ」
流れ的にもしかしたらと思ったが、過去の過ちが牙をむいたようだ。
あの時はその手段しかできなかったが、後々こういう時に限って恨まられるのは当然のことだろう。
だが、絶世の美女の様な黒き女神に、心底冷たそうな目で見られるのは心に来るだろう。
…多少、何か別の扉も開きそうなのは言うまでもないが。
「…とはいえ、そうだね…あなたたちの目的がこの子なのも分かるし、仮に渡っても悪用はない…かな?私、知っているよ。ろくでもないことをしようとしたら、そこのお爺さんの奥さんとお孫さんが、躾を行うことを」
「うぬぐぅ」
「ど、どこまで見透かされて…」
悪用をする気はない。でも多少は良い目を見たい。
しかしながら、そうした場合どうなるのかということも読まれているらしい。
ある程度自覚しつつもやめられないこともある。
それでもどうにかしたいと心の奥底で考えていると…どうやら、女神の眼には見透かされているようだ。
「それだけ強く、求めているようだし…そうだね、私も鬼じゃない。眷属に鬼はいるけど…良し、過去の恨み辛みバニー化の仕返しのえげつない恰好は逆に周囲に悪影響を与えると考えて、別のことで手を打つとしようか」
「何を、なされるのでしょうか」
「こういう時の、ある意味お約束だよ」
さらっとやばいことを口に出された気もするが、そんなことよりも別のことがあるらしい。
ぱちんっと女神が指を鳴らしたかと思えば、次の瞬間彼らのログにある表示が浮かび上がった。
―――
>『黒き女神』より、特別なクエストが発注されました!!
>女神ですがプレイヤー扱いでの、プレイヤークエストです!!
>【黒き女神の試練シリーズ】の受注が可能になりました!!
―――
「「「「え、え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」
まさかまさかの、黒き女神直々のクエスト、女神の試練。
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