702 / 718
Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.1-111 ヤツはついに見つけ出す
しおりを挟む
―――あれからかれこれ、どれだけの時間が経過したか。
使っていたモノの情報によれば、人間の使う暦としては1週間ほど。
だとすると、そろそろ不味いだろうか。
ミシィ…ビシィ…
嫌な音が聞こえてくるが、自身への被害はない。
単純に、この世界に引き寄せたモノの限界がきて、崩壊しかけているのだろう。
脆い、あまりにも脆弱であり価値はない。
いや、モノの中身があった時の中身も、大差はなかっただろう。
問題は、このままでは間違いなくそう遅くないうちに完全に砕け、この世界からは失せてしまうことになる。
せっかくこの世界の中に引き寄せられて、モノを介して色々と学び、大いなる力を手にする機会があったというのに、その一歩手前で逃してしまったのはどれほどの損失だっただろうか。
こことは違う、仮想世界と偽っている仮初の世界での力をもって、この星ごと丸呑みにしようとしても、うまく動作はできない。
いや、下手に力を出し過ぎればそれだけ崩壊も早まり、行うのであれば短期決戦で行うしかない。
しかし、どうするべきか、ソレは悩む。
ここまで探しに探しまくって、見つけられないあの力…女神の力。
それを利用して、次元を超えてさらに別の世界へ逃げ込んだか?いや、無いだろう。
間違いなく、やつはこの世界のほうに舞い戻り、どこかに息をひそめているはず。
わずかながらの感覚を頼りに探すも、どこからか謎の干渉があるせいで、うまくいかないが…もう、時間は無い。
可能な限り捜索できるところは探し尽くし、もはや諦めるしかないかと思っていたが…ふと、あることに気が付いた。
今、ソレがいるのは海の上。
彼方の他の大陸の上をくまなく探し回り、いなかった。
しかし、そもそもの話だが…相手を最後に見た時は、何かに乗っていた状態。
ならば、もしかするとこの海の底にいる可能性も否定できないのではないだろうか。
しかし、今の状態ではほぼ間違いなく、ここで終わってしまう。
強力な水圧は、このモノの崩壊を速める可能性もあるだろう。
だがしかし、それでもやらないよりはやったほうが良い。
このモノ自体も、諦めが最後まで悪く、悪あがきをしまくったところがあったが、それだけでも認められるものだ。
そう考え、ソレは自らの一部を強く出し、より一層崩壊の音が聞こえてくるが構うことはない。
崩れ切ったとしても、やれるだけのことをやれたのであれば、それで十分だ。
あとはこのまま、海中へ飛び込みあちこちを探し回れば…と考えていた、その時だった。
ーーーッ!!
物凄い悪寒。
この程度ならば問題ないが、向けられる意志の強さは殺意。
気が付けば素早く手が出ていたが、つかみ損ねる。
ドッゴォォォウ!!
モノの中身が今、確実に潰れ、砕け散った。
そう思いつつも、体勢を立て直し、自身で補うことで崩壊まで持たせる。
今の一撃を入れた相手を、改めてみれば…そこには、深紅の色を纏った、翼をもつものがいた。
その瞳は髪色に劣らず燃え上がるような色を感情と共に見せており、その者に合わせて別の者たちが周囲に現れる。
銀の髪色に紅の瞳を持った、角を持つ者。
人間の作り上げた機関銃…いや、それよりもさらに凶悪な武器をを持つ者。
他にも、何やら各国の戦闘機や戦艦の類のような物も、接近してきているのが感じ取れる。
ああ、こいつらは間違いなく、妨害をしてきた者たちだ。
そして今、確実に当たりを引く前に、仕留めようと出てきた者たちだ。
―――ならば、ここで消せば、目的達成までの生涯を一気に取り除くことができるだろう。
多少崩壊が早まろうが、やった後のリターンを考えれば、行う価値は非常に大きい。
賭けの様なものなのだが、ソレは負ける気はない。
そして相手のほうも、勝利まで掴めるとは思っていないだろうが…何にせよ、ここで消すべきものだろう。
そう考え、海に飛び込む前の準備体操がてら、ソレは力を振るい始めるのであった…
使っていたモノの情報によれば、人間の使う暦としては1週間ほど。
だとすると、そろそろ不味いだろうか。
ミシィ…ビシィ…
嫌な音が聞こえてくるが、自身への被害はない。
単純に、この世界に引き寄せたモノの限界がきて、崩壊しかけているのだろう。
脆い、あまりにも脆弱であり価値はない。
いや、モノの中身があった時の中身も、大差はなかっただろう。
問題は、このままでは間違いなくそう遅くないうちに完全に砕け、この世界からは失せてしまうことになる。
せっかくこの世界の中に引き寄せられて、モノを介して色々と学び、大いなる力を手にする機会があったというのに、その一歩手前で逃してしまったのはどれほどの損失だっただろうか。
こことは違う、仮想世界と偽っている仮初の世界での力をもって、この星ごと丸呑みにしようとしても、うまく動作はできない。
いや、下手に力を出し過ぎればそれだけ崩壊も早まり、行うのであれば短期決戦で行うしかない。
しかし、どうするべきか、ソレは悩む。
ここまで探しに探しまくって、見つけられないあの力…女神の力。
それを利用して、次元を超えてさらに別の世界へ逃げ込んだか?いや、無いだろう。
間違いなく、やつはこの世界のほうに舞い戻り、どこかに息をひそめているはず。
わずかながらの感覚を頼りに探すも、どこからか謎の干渉があるせいで、うまくいかないが…もう、時間は無い。
可能な限り捜索できるところは探し尽くし、もはや諦めるしかないかと思っていたが…ふと、あることに気が付いた。
今、ソレがいるのは海の上。
彼方の他の大陸の上をくまなく探し回り、いなかった。
しかし、そもそもの話だが…相手を最後に見た時は、何かに乗っていた状態。
ならば、もしかするとこの海の底にいる可能性も否定できないのではないだろうか。
しかし、今の状態ではほぼ間違いなく、ここで終わってしまう。
強力な水圧は、このモノの崩壊を速める可能性もあるだろう。
だがしかし、それでもやらないよりはやったほうが良い。
このモノ自体も、諦めが最後まで悪く、悪あがきをしまくったところがあったが、それだけでも認められるものだ。
そう考え、ソレは自らの一部を強く出し、より一層崩壊の音が聞こえてくるが構うことはない。
崩れ切ったとしても、やれるだけのことをやれたのであれば、それで十分だ。
あとはこのまま、海中へ飛び込みあちこちを探し回れば…と考えていた、その時だった。
ーーーッ!!
物凄い悪寒。
この程度ならば問題ないが、向けられる意志の強さは殺意。
気が付けば素早く手が出ていたが、つかみ損ねる。
ドッゴォォォウ!!
モノの中身が今、確実に潰れ、砕け散った。
そう思いつつも、体勢を立て直し、自身で補うことで崩壊まで持たせる。
今の一撃を入れた相手を、改めてみれば…そこには、深紅の色を纏った、翼をもつものがいた。
その瞳は髪色に劣らず燃え上がるような色を感情と共に見せており、その者に合わせて別の者たちが周囲に現れる。
銀の髪色に紅の瞳を持った、角を持つ者。
人間の作り上げた機関銃…いや、それよりもさらに凶悪な武器をを持つ者。
他にも、何やら各国の戦闘機や戦艦の類のような物も、接近してきているのが感じ取れる。
ああ、こいつらは間違いなく、妨害をしてきた者たちだ。
そして今、確実に当たりを引く前に、仕留めようと出てきた者たちだ。
―――ならば、ここで消せば、目的達成までの生涯を一気に取り除くことができるだろう。
多少崩壊が早まろうが、やった後のリターンを考えれば、行う価値は非常に大きい。
賭けの様なものなのだが、ソレは負ける気はない。
そして相手のほうも、勝利まで掴めるとは思っていないだろうが…何にせよ、ここで消すべきものだろう。
そう考え、海に飛び込む前の準備体操がてら、ソレは力を振るい始めるのであった…
84
あなたにおすすめの小説
転移術士の成り上がり
名無し
ファンタジー
ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。
【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます
鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。
このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。
それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。
その称号効果はスライム種族特効効果。
そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・
このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。
主人公は経験値でモンスターを殴ります。
──────
自筆です。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~
名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」
「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」
「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」
「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」
「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」
「くっ……」
問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。
彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。
さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。
「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」
「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」
「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」
拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。
これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる