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4章 中等部後期~高等部~
4-7 ピクリと動かしつつ、本格的に動く前に
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【‥‥‥キュル?】
「どうしたの、ハクロ?」
そろそろ外が暗くなってきており、お風呂にしようというところで、ふとハクロが何かを感じたように手を動かした。
その指先は細かい動きをしており、いくつもの糸を操っているようだった。
【試験、ちょっと成功している。感知したよ】
「というと、見つかったのか」
【うん、多分…‥‥だけど、あんなんだっけ?】
うーんっと考え込むように、首をかしげるハクロ。
どうやら魔力で作った糸に反応があったようで、その糸を介して別の魔法を発動させ、現場の状況を見ているようなのだが、何やら変なことがあったらしい。
【アルスの、兄モドキ、あんな姿だっけ?】
「そう言われても、僕自身が今見ているわけじゃないんだけど…‥‥え、なんか変なのになっていたの?」
【うん、えっと、こんな感じ】
くいくいっと手を動かしてハクロが作ったのは、一枚の糸で出来た絵。
そこに映し出されていたのは、現在試験的に運用中の魔法によって作った者たちと、その視線の先にいる者。
初等部の時ぶりなので兄の姿はうろ覚えだったりするのだが…‥‥そこに描かれていたのは、想像の斜め上を行っていた。
「‥‥何これ?」
描かれていたのは、人型の物体。
大体大きさ的には成人男性ほどの様子ではあれども、それは大雑把に遠目で見た程度であり‥‥‥細かい描写が出されると、明かにおかしくなっているのが目に見えるだろう。
なんというか、雪男が真っ黒に染まったような、いや、前世の映画とかで見たタ〇リ神的な者がいた。
全身真っ黒よりもやや紫寄りであり、あちこちからうねうねと何かが出ている状態。
それでいて頭の部分だけは人の顔を保っており、それは確かにラダーの成長した予想図としては間違ってないのかもしれないが、何をどうすればここまで変貌するのだと言いたくなる。
【不気味さ満点、気持ち悪さ天元突破、モンスター以上に怪物と言って良いかも】
「怪物どころか化け物になっているというか…‥‥いや、言葉の意味合いとしては似ていても、まったくの別物だよね?」
そういえば、施設の惨状を聞く限り、協力者がいたとか言う可能性があったが…‥‥この姿を見ると、自力でやった可能性が否定できない。
いやまぁ、その姿に変えた存在がいるという可能性も出ているのだが、それを差し引いても人間を辞めてしまったかのような姿になっているのは間違いない。
【どうする、アルス?コレ、旧男爵邸跡地へ向かって突き進んでいるよ】
「あ、そのあたりまでは把握していないのかな」
どうやら兄モドキの、いや、兄であったかもしれない赤の他人だけど、人からも隔絶されたラダーは今、旧男爵邸跡地へ向かっているらしい。
昔の土地勘は残っているのかもしれないが、残念ながら邸の場所はそこにはない。
というかそもそも、ラダーの母である罪人の人が放火したからね…‥‥建て直しをしたとは言え、一応場所は変えたのである。消火や周囲への飛び火も考慮した場所にこの邸が立っているのだ。
とにもかくにも、移動速度なども考えるとこの化け物のような姿になっているのを見る限り、早いと思っても無理はないのかもしれない。
出来れば別の場所に行って捕縛されていればよかったが‥‥‥どうやら、出迎えたほうが良い様子。
「まぁ、直接出向く前に、試験運用…‥‥戦闘を試すいい機会かな。ハクロ、用意できる?」
【キュル!バッチリ出来ているよ。いざという時のために、作っておいたもの!】
くいくいっと糸を動かしつつ、壁に糸を新たに張り付けて、現場中継のような画像を作り上げる。
10秒程度で切り替えつつ、現場の状況を見せてくれるらしいが、ひとまずこれでどうなるのか対応を見たいところ。
「それじゃ、魔力の消費なども考慮しつつ、周囲への被害を最小限に。ラダーというか化け物になったやつに関しては…‥‥良くて捕縛、最悪潰せ」
【キュルルゥ!】
糸を増やし、さらに細かく動かし始めたハクロ。
実際に現場に出向くよりも大変そうな作業ではあるが、それでもこの程度ならばまだ楽にできるらしい。
今はまず、この状況をしっかり観察させてもらう事にするのであった‥‥‥‥
「ところで、本当に大丈夫かな?原材料は雪だよね」
【一応、強度補強、氷なども入れた。石もたっぷりだよ】
…‥‥その者は‥‥‥かつて、ラダーと呼ばれていた化け物は今、自身の思考に赴くまま、雪道を爆走していた。
自身の進路の邪魔と言うように、降り積もって来る雪すらも吹き飛ばしつつ、すごい勢いで突き進んでいく。
【づいに、づいにだどりづいだぞおおおおお!!】
声を濁らせつつ、自身の帰ろうとしていた場所に到達したことを感じ取り喜びの咆哮をあげる化け物。
歩みを止めることなく、自分が治めるのにふさわしくもありつつ、ここを足掛かりにして発展するべき場所だと彼は思う。
(何かの間違いで、自分は平民ではなく貴族のはずだ)
(男爵家だとしてもそこに収まる器ではなく、もっと上の爵位を得られるはずだ)
(ここで弟が治め始めたというが、それなら兄である自分が全てを奪っても良いはずだ)
心の中で何度も何度も、同じような内容を口にしつつ、その欲望のためにまずはこの地を正当な領主として自分に譲り渡すように、アルスがいるであろう場所を目指す。
邸が燃えていた現場は自分の目でも見たことはあったが、再建してもその場所にいるだろうと思って。
【もうずごじだぁぁぁぁぁ!!】
あと少しで、邸のあった場所へ到着すると思っていた、その時だった。
ずぼぉぉん!!
【べっ!?】
突然、足元の感触が無くなったかと思えば、底が抜けた。
雪道での落とし穴に驚愕しつつも、ラダーは貰った力ですぐに這い上がる。
【だ、だれだぁぁごごにおどじあなをぼっだのば!!】
誰が落とし穴を作ったのか、そう思って叫ぶラダー。
その言語は既に人から逸脱し始め、徐々に人ではないものになっているはずなのだが、彼はその事に気が付かない。
このように回避できたのは、自分の力のおかげと思っているのか、あるいはそうとしか思えないようになっているのか、はたまたは底抜けの愚者なのは変わっていないのか‥‥‥‥どれが正解なのかわからない。
とりあえずこれが何者かによる罠だということぐらいは理解できたようだが、這いあがったその瞬間を考えていなかったようだ。
ドドドドド!!
【おごぶわばぁ!?】
顔面に、全身に突如として襲いかかってくる衝撃。
冷たさや痛さを感じる中で、何かをぶつけられていることを理解しつつ、その何かに関して目を向ければ雪玉のようである。
ただし、ただの雪玉という訳ではなく、中身が異様に硬い‥‥‥石や氷が詰まっているようであり、殺傷能力を高めているようだ。
そしてそれをぶつけられているという事は、投げてきている相手がいるという事なのだが、そちらに目をむけ、ラダーはその光景に驚愕した。
誰かが投げているということぐらいは分かるのだが、その誰かがまさか人ではないという事は予想できていなかった。
いや、そもそも人ですらないというか‥‥‥一見すれば、ファンシーそうな光景が広がっていたのだ。
【キュルルルル!!】
【キュルル!!】
【キュル、キュル!】
【なんだあれ!?】
投擲者を見れば、そこにいたのは大小さまざまな雪だるまたち。
オーソドックスな雪玉二つタイプから、雪ウサギのようなものなども混ざっており、綺麗な隊列を組んで雪玉を投げつけてきているのである。
各自が作るという訳ではなく、後方の方で玉を作り、バケツリレー方式で次々に運ぶことで連射しているらしく、数体程度なら知れていたが、流石に数十体規模では分が悪すぎた。
【や、やべろごぼやろおおおおお!!】
やめろと言いつつ、自身の体の力を、その纏っているどす黒さと紫色が入り混じったかのような不気味な触手を伸ばし、雪玉で迎撃されつつも叩きつけ、雪だるまたちを破壊する。
動く仕掛けなどは気になるが、所詮は雪で出来ており、これで簡単に片付くと思ったのだが…‥‥
【キュル!】
【キュルル!!】
【ぶばっつ!?】
破壊したはずの雪だるまたちが周囲の雪を取り込んで、直ぐに復活したのである。
壊しても壊してもどんどん再生していき、尽きることがない。
周囲の雪が無くなれば、流石に復活しなくなるのだろうが、生憎周囲はまだまだ雪であふれており、攻撃の手が緩む様子がない。
【て、撤退!!】
どんどん硬すぎる雪玉をぶつけられてきて、寒さや痛みが増えてしまい、この場にいるのは不利だと足りない頭でラダーは悟る。
っと、そこでふと、ラダーはある事に気が付いた。
破壊しても、周囲に雪があれば蘇ってくる動く雪だるまたち。
でも、雪だるま自身も雪であることには変わりなく…‥‥ならば、取り込み合う可能性があるのでは?
その事に気が付くも、すでに遅かった。
彼は見ていなかっただろう、その頭上を。
徐々に辺りが暗くなっていたがゆえに、自身の上に影が出来ていたことを。
ようやく可能性に思いあたったその瞬間に、王手がかけられていたことを。
【ギュルルルルル!!】
【ぎ、ぎびゃあああああああああああああああああ!?】
ドッズウウウウウウウン!!
聞こえてきた落下音と鳴き声に、ようやく現実を認識するも、意味が無かった。
巨大な雪だるまが落され、しかも表面が雪ではなくカッチコチのとんでもなく固められた氷で出来ていた氷だるまというべきものになっていたようで、あっと言う間に潰されていく。
さらには、全身から物凄い冷気を発していたようで、体温をみるみるうちに奪われ、動けなくなっていく。
【ぐ、ぐぞおおお‥‥‥ご、ごいづらはなんなんだ…‥‥】
何とかまだ意識はあったが、それでも冷気のせいで見る見るうちに凍り付き、動きが鈍る。
もうちょっとでというところで、謎の雪だるまたちに邪魔をされ、凍り付かされていく。
悔しさと大きすぎる謎に頭を抱え込みつつも、次第にその意識すらも闇へと沈んでいくのであった…‥‥
「どうしたの、ハクロ?」
そろそろ外が暗くなってきており、お風呂にしようというところで、ふとハクロが何かを感じたように手を動かした。
その指先は細かい動きをしており、いくつもの糸を操っているようだった。
【試験、ちょっと成功している。感知したよ】
「というと、見つかったのか」
【うん、多分…‥‥だけど、あんなんだっけ?】
うーんっと考え込むように、首をかしげるハクロ。
どうやら魔力で作った糸に反応があったようで、その糸を介して別の魔法を発動させ、現場の状況を見ているようなのだが、何やら変なことがあったらしい。
【アルスの、兄モドキ、あんな姿だっけ?】
「そう言われても、僕自身が今見ているわけじゃないんだけど…‥‥え、なんか変なのになっていたの?」
【うん、えっと、こんな感じ】
くいくいっと手を動かしてハクロが作ったのは、一枚の糸で出来た絵。
そこに映し出されていたのは、現在試験的に運用中の魔法によって作った者たちと、その視線の先にいる者。
初等部の時ぶりなので兄の姿はうろ覚えだったりするのだが…‥‥そこに描かれていたのは、想像の斜め上を行っていた。
「‥‥何これ?」
描かれていたのは、人型の物体。
大体大きさ的には成人男性ほどの様子ではあれども、それは大雑把に遠目で見た程度であり‥‥‥細かい描写が出されると、明かにおかしくなっているのが目に見えるだろう。
なんというか、雪男が真っ黒に染まったような、いや、前世の映画とかで見たタ〇リ神的な者がいた。
全身真っ黒よりもやや紫寄りであり、あちこちからうねうねと何かが出ている状態。
それでいて頭の部分だけは人の顔を保っており、それは確かにラダーの成長した予想図としては間違ってないのかもしれないが、何をどうすればここまで変貌するのだと言いたくなる。
【不気味さ満点、気持ち悪さ天元突破、モンスター以上に怪物と言って良いかも】
「怪物どころか化け物になっているというか…‥‥いや、言葉の意味合いとしては似ていても、まったくの別物だよね?」
そういえば、施設の惨状を聞く限り、協力者がいたとか言う可能性があったが…‥‥この姿を見ると、自力でやった可能性が否定できない。
いやまぁ、その姿に変えた存在がいるという可能性も出ているのだが、それを差し引いても人間を辞めてしまったかのような姿になっているのは間違いない。
【どうする、アルス?コレ、旧男爵邸跡地へ向かって突き進んでいるよ】
「あ、そのあたりまでは把握していないのかな」
どうやら兄モドキの、いや、兄であったかもしれない赤の他人だけど、人からも隔絶されたラダーは今、旧男爵邸跡地へ向かっているらしい。
昔の土地勘は残っているのかもしれないが、残念ながら邸の場所はそこにはない。
というかそもそも、ラダーの母である罪人の人が放火したからね…‥‥建て直しをしたとは言え、一応場所は変えたのである。消火や周囲への飛び火も考慮した場所にこの邸が立っているのだ。
とにもかくにも、移動速度なども考えるとこの化け物のような姿になっているのを見る限り、早いと思っても無理はないのかもしれない。
出来れば別の場所に行って捕縛されていればよかったが‥‥‥どうやら、出迎えたほうが良い様子。
「まぁ、直接出向く前に、試験運用…‥‥戦闘を試すいい機会かな。ハクロ、用意できる?」
【キュル!バッチリ出来ているよ。いざという時のために、作っておいたもの!】
くいくいっと糸を動かしつつ、壁に糸を新たに張り付けて、現場中継のような画像を作り上げる。
10秒程度で切り替えつつ、現場の状況を見せてくれるらしいが、ひとまずこれでどうなるのか対応を見たいところ。
「それじゃ、魔力の消費なども考慮しつつ、周囲への被害を最小限に。ラダーというか化け物になったやつに関しては…‥‥良くて捕縛、最悪潰せ」
【キュルルゥ!】
糸を増やし、さらに細かく動かし始めたハクロ。
実際に現場に出向くよりも大変そうな作業ではあるが、それでもこの程度ならばまだ楽にできるらしい。
今はまず、この状況をしっかり観察させてもらう事にするのであった‥‥‥‥
「ところで、本当に大丈夫かな?原材料は雪だよね」
【一応、強度補強、氷なども入れた。石もたっぷりだよ】
…‥‥その者は‥‥‥かつて、ラダーと呼ばれていた化け物は今、自身の思考に赴くまま、雪道を爆走していた。
自身の進路の邪魔と言うように、降り積もって来る雪すらも吹き飛ばしつつ、すごい勢いで突き進んでいく。
【づいに、づいにだどりづいだぞおおおおお!!】
声を濁らせつつ、自身の帰ろうとしていた場所に到達したことを感じ取り喜びの咆哮をあげる化け物。
歩みを止めることなく、自分が治めるのにふさわしくもありつつ、ここを足掛かりにして発展するべき場所だと彼は思う。
(何かの間違いで、自分は平民ではなく貴族のはずだ)
(男爵家だとしてもそこに収まる器ではなく、もっと上の爵位を得られるはずだ)
(ここで弟が治め始めたというが、それなら兄である自分が全てを奪っても良いはずだ)
心の中で何度も何度も、同じような内容を口にしつつ、その欲望のためにまずはこの地を正当な領主として自分に譲り渡すように、アルスがいるであろう場所を目指す。
邸が燃えていた現場は自分の目でも見たことはあったが、再建してもその場所にいるだろうと思って。
【もうずごじだぁぁぁぁぁ!!】
あと少しで、邸のあった場所へ到着すると思っていた、その時だった。
ずぼぉぉん!!
【べっ!?】
突然、足元の感触が無くなったかと思えば、底が抜けた。
雪道での落とし穴に驚愕しつつも、ラダーは貰った力ですぐに這い上がる。
【だ、だれだぁぁごごにおどじあなをぼっだのば!!】
誰が落とし穴を作ったのか、そう思って叫ぶラダー。
その言語は既に人から逸脱し始め、徐々に人ではないものになっているはずなのだが、彼はその事に気が付かない。
このように回避できたのは、自分の力のおかげと思っているのか、あるいはそうとしか思えないようになっているのか、はたまたは底抜けの愚者なのは変わっていないのか‥‥‥‥どれが正解なのかわからない。
とりあえずこれが何者かによる罠だということぐらいは理解できたようだが、這いあがったその瞬間を考えていなかったようだ。
ドドドドド!!
【おごぶわばぁ!?】
顔面に、全身に突如として襲いかかってくる衝撃。
冷たさや痛さを感じる中で、何かをぶつけられていることを理解しつつ、その何かに関して目を向ければ雪玉のようである。
ただし、ただの雪玉という訳ではなく、中身が異様に硬い‥‥‥石や氷が詰まっているようであり、殺傷能力を高めているようだ。
そしてそれをぶつけられているという事は、投げてきている相手がいるという事なのだが、そちらに目をむけ、ラダーはその光景に驚愕した。
誰かが投げているということぐらいは分かるのだが、その誰かがまさか人ではないという事は予想できていなかった。
いや、そもそも人ですらないというか‥‥‥一見すれば、ファンシーそうな光景が広がっていたのだ。
【キュルルルル!!】
【キュルル!!】
【キュル、キュル!】
【なんだあれ!?】
投擲者を見れば、そこにいたのは大小さまざまな雪だるまたち。
オーソドックスな雪玉二つタイプから、雪ウサギのようなものなども混ざっており、綺麗な隊列を組んで雪玉を投げつけてきているのである。
各自が作るという訳ではなく、後方の方で玉を作り、バケツリレー方式で次々に運ぶことで連射しているらしく、数体程度なら知れていたが、流石に数十体規模では分が悪すぎた。
【や、やべろごぼやろおおおおお!!】
やめろと言いつつ、自身の体の力を、その纏っているどす黒さと紫色が入り混じったかのような不気味な触手を伸ばし、雪玉で迎撃されつつも叩きつけ、雪だるまたちを破壊する。
動く仕掛けなどは気になるが、所詮は雪で出来ており、これで簡単に片付くと思ったのだが…‥‥
【キュル!】
【キュルル!!】
【ぶばっつ!?】
破壊したはずの雪だるまたちが周囲の雪を取り込んで、直ぐに復活したのである。
壊しても壊してもどんどん再生していき、尽きることがない。
周囲の雪が無くなれば、流石に復活しなくなるのだろうが、生憎周囲はまだまだ雪であふれており、攻撃の手が緩む様子がない。
【て、撤退!!】
どんどん硬すぎる雪玉をぶつけられてきて、寒さや痛みが増えてしまい、この場にいるのは不利だと足りない頭でラダーは悟る。
っと、そこでふと、ラダーはある事に気が付いた。
破壊しても、周囲に雪があれば蘇ってくる動く雪だるまたち。
でも、雪だるま自身も雪であることには変わりなく…‥‥ならば、取り込み合う可能性があるのでは?
その事に気が付くも、すでに遅かった。
彼は見ていなかっただろう、その頭上を。
徐々に辺りが暗くなっていたがゆえに、自身の上に影が出来ていたことを。
ようやく可能性に思いあたったその瞬間に、王手がかけられていたことを。
【ギュルルルルル!!】
【ぎ、ぎびゃあああああああああああああああああ!?】
ドッズウウウウウウウン!!
聞こえてきた落下音と鳴き声に、ようやく現実を認識するも、意味が無かった。
巨大な雪だるまが落され、しかも表面が雪ではなくカッチコチのとんでもなく固められた氷で出来ていた氷だるまというべきものになっていたようで、あっと言う間に潰されていく。
さらには、全身から物凄い冷気を発していたようで、体温をみるみるうちに奪われ、動けなくなっていく。
【ぐ、ぐぞおおお‥‥‥ご、ごいづらはなんなんだ…‥‥】
何とかまだ意識はあったが、それでも冷気のせいで見る見るうちに凍り付き、動きが鈍る。
もうちょっとでというところで、謎の雪だるまたちに邪魔をされ、凍り付かされていく。
悔しさと大きすぎる謎に頭を抱え込みつつも、次第にその意識すらも闇へと沈んでいくのであった…‥‥
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