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5章 高等部~そして卒業まで
5-27 根源をふっ飛ばしたようなものだが
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『‥‥‥さてと、緊急事態というのもあって顕現しましたが、そろそろ時間のようデス』
ぎっちぎちに箱らしい物体の中に、おぞましくも哀れな存在を閉じ込めた後、機械神はそうつぶやいた。
どうやら時間制限が存在していたようで、あれほど大暴れをしてくれたのに後始末をする時間を残さないらしい。
っと、ふと気が付いた瞬間にはその場から消えたかと思えば、次の瞬間にはハクロの前に立っていた。
「ひゃぇ!?」
『大丈夫デス。危害を加える気などは絶対にありまセン』
突然目の前に立たれたことに、流石にびっくりしたのかハクロが腰を抜かしたのを僕はとっさに支えると機械神は手をかざしてきた。
『私はただ、去り際に改めて祝福を施したいだけなのですカラ』
「‥‥‥祝福?」
『ええ、私が認めた、寵愛している相手への特別なモノ。私の原点が仕えし方の相手に似た貴女へ、特別に授けるだけなのデス』
そう言うと、彼女の手が輝き、ぽうっと輝く光の玉が出て来た。
それはキラキラと輝きながら離れ、ハクロの方にくっ付くとその周りを数回店ほど回り、ぱんっとはじけて光の粉を振りかける。
「キュル‥何これ?」
『祝福‥‥‥といいますが、単純に健康祈願安産確定子孫繁栄のものデス。病気になることは無いでしょうし、子供を産む際にも問題はなく、そしてその子供たちは栄光を誇ル。とは言え、腐心すればその祝福も薄れますが、おそらくあなた方の子ならば問題ないと思うのデス』
単純なものだと言うが、それでもこの世界であればかなりの効果を発揮するだろう。
現代医学、科学技術のようなものは似たものが既に出てきていても完全でもないし、それに子供たちにまで効果が及ぶのは非常に助かるかもしれない。
とはいえ、それでも一つ気になる言葉があった。
「祝福を、彼女にかけてくれるのは嬉しいのですが‥‥‥時間がなさそうですけれども、質問しても大丈夫でしょうか?」
『どうゾ』
「今、原点に仕えし者に似たという言葉がありましたが…‥‥もしかして、ハクロに寵愛とやらを授けているのは、それが理由なのでしょうか?」
‥‥‥以前、神と出会った際に交わした言葉の中で、ハクロは目の前の機械神に気に入られているような言葉があったことを思い出した。
けれども、どうしてそんな気に入られるようなことがあるのか、その理由が少し謎だった。いやまぁ、彼女が可愛いとかは分かるけれども、それでも神というほどの存在がわざわざ一人に対しての寵愛には何か理由があるかもと思っていたのだ。
『ええ、その通りデス。‥‥‥他の世界の事は、そう詳しく話すことはしませんが…‥‥私の原点である方が、最後まで仕えることにした、ご主人様。そしてその主人の側に寄り添う番に、彼女が似ていたからこそ、私は寵愛を与えたくもなったのデス‥‥‥今も私は、神の座に就きはしましたが、主はまだ得ぬ身。自由に選べれども、それでもやはり足りず、その最中に見つけたのデス』
それは本当に偶然だった、と機械神はいう。
色々と探す中で、たまたまある世界を‥‥‥この世界を覗き見た際に、彼女は見つけたのだ。ハクロいう存在を。
その存在は小さく、そしてもう間もなく命を散らしそうなものだったが、それでもどこかその原点の主人であったものの番に似ているところを見出し、気になったそうなのだ。
そこで寵愛をそっと与え、その成長ぶりを観察し、密かに見守っていたという。
『だからこそ、あの邪神というまででもない、外なる神に対して害を加えられそうなのを確認し、私は動きまシタ。そしてその外なる者は今、ここに封じていますが、害を与えた者に対して死という安らぎを与える気はないのデス。寵愛を与えた者を、害するような真似…‥‥普通、許せないですからネ』
ぱちんっと指を鳴らし、持っていた箱をどこかにしまう機械神。
そしてその体はいつの間にか少しづつ透け始めていたが、どうやら本来ここへ来ることはできないらしく、無理やり降りたせいで疲れてしまい、少し眠るそうだ。
でも、少しといっても神の時間感覚は僕らと違うようで、場合によってはかなり長い間起きる事もないらしい。
『‥‥‥その間に、より邪悪なものが来る可能性も否定できまセン。寝ている間、私は守れまセン。けれども、そうならないための祝福でもあり‥‥‥それに、あんな外道のものなどでなければ、貴女は負けないはずデス』
「そうなの?」
『ええ、ちょっとばかり、寵愛しすぎたようで、少しばかり種族ランクが…‥‥いえ、今のは聞かなかったことにしてくだサイ』
え?なんかさらっと別の問題ごとのようなものをつぶやかなかった?
そう思っていたのだが、そうこうしているうちに彼女はもうほぼ透明になっていた。
『私の見守りも、しばらくはお休みです…‥‥けれども、あなたたちならきっと大丈夫。だからこそ、ときどき私のことを思い出さずとも、幸せに‥‥‥‥どうか、私の原点が仕えた方たちのように、幸せな人生を送ってくだサイ。そう、私はほんのちょっと、悪夢を払いに来た夢のような者なのデス‥‥‥』
最後にそうつぶやき、機械神は消え失せた。
あとに残ったのは何もなく、ただ単純に蹂躙されまくった景色が広がるのみ。
「…‥‥何と言うか、ハクロの事を気にしている人だった、という印象しかなかったね」
「キュル‥‥‥でも、なんでかな?お母さんに見られていた時と、ちょっと同じ気持ちを感じていたかも」
僕の方は分からなかったが、どうやらハクロの方には感じたものがあったらしい。
それが何なのかは分からないけれども…‥‥それでも、彼女は邪悪な存在とかではなく、ハクロを助けてくれた良い神という位か。
とにもかくにも、面倒な邪神のようなものを呼びだすような類は潰されたようなものであり、下手をすると今までの面倒事の根源だった輩が、ようやくこの世界から失せたという結果が残るのみ。
そう考えると、しばらく面倒事などを考えなくていいのかもしれないと、少し気が楽になるのであった…‥‥
「でも、蹂躙された跡地、ちょっと滅茶苦茶かも」
「あ、これもしかして…‥‥逃げられた?」
‥‥‥顕現の時間切れとか、たいそうな事を言っていただけで、思いっきりこの惨状を片付けたくないから逃げだけなのでは…‥‥台無しな感じが凄いな、コレ。
ぎっちぎちに箱らしい物体の中に、おぞましくも哀れな存在を閉じ込めた後、機械神はそうつぶやいた。
どうやら時間制限が存在していたようで、あれほど大暴れをしてくれたのに後始末をする時間を残さないらしい。
っと、ふと気が付いた瞬間にはその場から消えたかと思えば、次の瞬間にはハクロの前に立っていた。
「ひゃぇ!?」
『大丈夫デス。危害を加える気などは絶対にありまセン』
突然目の前に立たれたことに、流石にびっくりしたのかハクロが腰を抜かしたのを僕はとっさに支えると機械神は手をかざしてきた。
『私はただ、去り際に改めて祝福を施したいだけなのですカラ』
「‥‥‥祝福?」
『ええ、私が認めた、寵愛している相手への特別なモノ。私の原点が仕えし方の相手に似た貴女へ、特別に授けるだけなのデス』
そう言うと、彼女の手が輝き、ぽうっと輝く光の玉が出て来た。
それはキラキラと輝きながら離れ、ハクロの方にくっ付くとその周りを数回店ほど回り、ぱんっとはじけて光の粉を振りかける。
「キュル‥何これ?」
『祝福‥‥‥といいますが、単純に健康祈願安産確定子孫繁栄のものデス。病気になることは無いでしょうし、子供を産む際にも問題はなく、そしてその子供たちは栄光を誇ル。とは言え、腐心すればその祝福も薄れますが、おそらくあなた方の子ならば問題ないと思うのデス』
単純なものだと言うが、それでもこの世界であればかなりの効果を発揮するだろう。
現代医学、科学技術のようなものは似たものが既に出てきていても完全でもないし、それに子供たちにまで効果が及ぶのは非常に助かるかもしれない。
とはいえ、それでも一つ気になる言葉があった。
「祝福を、彼女にかけてくれるのは嬉しいのですが‥‥‥時間がなさそうですけれども、質問しても大丈夫でしょうか?」
『どうゾ』
「今、原点に仕えし者に似たという言葉がありましたが…‥‥もしかして、ハクロに寵愛とやらを授けているのは、それが理由なのでしょうか?」
‥‥‥以前、神と出会った際に交わした言葉の中で、ハクロは目の前の機械神に気に入られているような言葉があったことを思い出した。
けれども、どうしてそんな気に入られるようなことがあるのか、その理由が少し謎だった。いやまぁ、彼女が可愛いとかは分かるけれども、それでも神というほどの存在がわざわざ一人に対しての寵愛には何か理由があるかもと思っていたのだ。
『ええ、その通りデス。‥‥‥他の世界の事は、そう詳しく話すことはしませんが…‥‥私の原点である方が、最後まで仕えることにした、ご主人様。そしてその主人の側に寄り添う番に、彼女が似ていたからこそ、私は寵愛を与えたくもなったのデス‥‥‥今も私は、神の座に就きはしましたが、主はまだ得ぬ身。自由に選べれども、それでもやはり足りず、その最中に見つけたのデス』
それは本当に偶然だった、と機械神はいう。
色々と探す中で、たまたまある世界を‥‥‥この世界を覗き見た際に、彼女は見つけたのだ。ハクロいう存在を。
その存在は小さく、そしてもう間もなく命を散らしそうなものだったが、それでもどこかその原点の主人であったものの番に似ているところを見出し、気になったそうなのだ。
そこで寵愛をそっと与え、その成長ぶりを観察し、密かに見守っていたという。
『だからこそ、あの邪神というまででもない、外なる神に対して害を加えられそうなのを確認し、私は動きまシタ。そしてその外なる者は今、ここに封じていますが、害を与えた者に対して死という安らぎを与える気はないのデス。寵愛を与えた者を、害するような真似…‥‥普通、許せないですからネ』
ぱちんっと指を鳴らし、持っていた箱をどこかにしまう機械神。
そしてその体はいつの間にか少しづつ透け始めていたが、どうやら本来ここへ来ることはできないらしく、無理やり降りたせいで疲れてしまい、少し眠るそうだ。
でも、少しといっても神の時間感覚は僕らと違うようで、場合によってはかなり長い間起きる事もないらしい。
『‥‥‥その間に、より邪悪なものが来る可能性も否定できまセン。寝ている間、私は守れまセン。けれども、そうならないための祝福でもあり‥‥‥それに、あんな外道のものなどでなければ、貴女は負けないはずデス』
「そうなの?」
『ええ、ちょっとばかり、寵愛しすぎたようで、少しばかり種族ランクが…‥‥いえ、今のは聞かなかったことにしてくだサイ』
え?なんかさらっと別の問題ごとのようなものをつぶやかなかった?
そう思っていたのだが、そうこうしているうちに彼女はもうほぼ透明になっていた。
『私の見守りも、しばらくはお休みです…‥‥けれども、あなたたちならきっと大丈夫。だからこそ、ときどき私のことを思い出さずとも、幸せに‥‥‥‥どうか、私の原点が仕えた方たちのように、幸せな人生を送ってくだサイ。そう、私はほんのちょっと、悪夢を払いに来た夢のような者なのデス‥‥‥』
最後にそうつぶやき、機械神は消え失せた。
あとに残ったのは何もなく、ただ単純に蹂躙されまくった景色が広がるのみ。
「…‥‥何と言うか、ハクロの事を気にしている人だった、という印象しかなかったね」
「キュル‥‥‥でも、なんでかな?お母さんに見られていた時と、ちょっと同じ気持ちを感じていたかも」
僕の方は分からなかったが、どうやらハクロの方には感じたものがあったらしい。
それが何なのかは分からないけれども…‥‥それでも、彼女は邪悪な存在とかではなく、ハクロを助けてくれた良い神という位か。
とにもかくにも、面倒な邪神のようなものを呼びだすような類は潰されたようなものであり、下手をすると今までの面倒事の根源だった輩が、ようやくこの世界から失せたという結果が残るのみ。
そう考えると、しばらく面倒事などを考えなくていいのかもしれないと、少し気が楽になるのであった…‥‥
「でも、蹂躙された跡地、ちょっと滅茶苦茶かも」
「あ、これもしかして…‥‥逃げられた?」
‥‥‥顕現の時間切れとか、たいそうな事を言っていただけで、思いっきりこの惨状を片付けたくないから逃げだけなのでは…‥‥台無しな感じが凄いな、コレ。
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