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7章 死がふたりを分かつまで
7-4 それは突然であり、そして訪れるものでもあり
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「キュル~♪キュルル~♪健やかに育て~♪」
音楽をお腹の中の子供に聞かせるのは良いらしいという話を小耳にしたようで、ハクロは歌を口ずさんでいた。
妊娠して数カ月ではあるが、そのお腹にはふくらみが見られ、中の赤子はすくすくと育っているようである。
「ふむ、落ち着いてきたとはいえ、成長速度を見るとあと1~2カ月もせぬうちに、出産を向かえるかもしれぬのぅ。安定期に入ったようじゃが、気が抜けぬのじゃ」
「というか、普通の赤子がここまで早く成長しますかね?」
「さぁ?まぁ、お主は一番傍にいて分かっているじゃろうが、彼女は普通じゃないからその子も普通からぶっ飛んでいる可能性があってもおかしくないじゃろう」
‥‥‥ドマドン所長の言葉に、僕は何も言えなかった。
うん、その通りというかなんというか、今までの事を考えるとありえなくもない話だ。
研究所に滞在してそれなりの月日が過ぎたようで、今の彼女はゆったりとした安定期に入ったようで、何かあって流産する可能性は低くなった。
それに伴い、必要とされていた栄養量も減ったのか食欲も通常の状態に戻り、落ち着いて過ごせているのでストレスとも特に何もなく、母子共々に安全な状態になっているらしい。
「それにしても、妊娠して数カ月で大きくなったようだけど…‥‥性別はわからないのですか?」
「それがのぅ、ある程度の健康状態までは探れるのじゃが、もっと詳しい詳細を探ろうとすると検査用の魔道具が誤作動するのじゃよ。まるで、何かの意思が産まれるまで楽しみに待てと言っているような感じもするのじゃよなぁ」
生まれてくることが双子であるのは分かるが、できれは男女のどちらなのか詳しく知りたいところ。
だがしかし、どういう訳か健康状態などは分かるというのに、詳しい部分に関しては覆い隠されてしまっているようで、産まれるまで分からないことも多いのだ。‥‥‥祝福とかを授けたあの機械神のいたずら心によるものなのか?可能性としてはあり得なくもない。
何にしても、健やかに成長しているようで問題もないのであれば、深く気にしないほうがいいか。どの様な子が生まれたとしても、僕とハクロの大事な子供だというのは変わりない事実なのだから。
「キュル?あ、ちょっと動いた!」
「本当?」
「うん、ぽへんって中を蹴ったような感じがしたもん」
「その擬音はあっているのか‥‥‥いや、でももう中で動くぐらいには大きくなっているのかな」
すくすく育っているようで、ほっこりとする雰囲気があたりに漂う。
新しい命が元気であれば、誰も彼も喜びを感じるのであろう。
とはいえ、健やかな成長は喜ばしいのだが、その成長速度の速さには問題もあり、現在急ピッチで出産後に向けての準備としてのベビー用品をそろえる作業も行われていた。
人間並みの予定日で待機していては間に合わない可能性もあり、だからこそ大急ぎで用意しているのだが、これはこれで忙しい。
ついでに今後の事も考えて成長に合わせた製品のアイディアなども浮かんできており、魔道具越しに領地や他の貴族とやり取りをするなどして、多くのプロジェクトが動いてもいる。
他国だと、元第1皇女や前世の妹と今世のハクロの弟たちとやらとも協力しており、国内外で動きは活発になっているだろう。‥‥‥あ、考えたらハクロと挙式を挙げている時点で、弟は義弟とも言えるのか。
「忙しいけれども、やっぱり出産には立ち会いたいんだよなぁ‥‥‥もうちょっと詳しい部分で分かればいいけれども、それは神のみぞ知ることか」
予定日が決まっても、それがずれる時はどうしてもある。
安産なのは神の祝福とかで分かっているようだし、万が一があっても薬を精製できるのでどうにか対処できるのだが、それでも何時になるのかが待ち遠しくもあり、乗り過ごさないようにしたいという想いもある。
「ふふふ、アルスとの大事な赤ちゃんたち、元気に生まれると良いなぁ‥‥‥でも」
「ん?どうしたの?」
「出産、滅茶苦茶痛いって、聞いたの。耐えられるか不安だし、アルス、絶対に側に居て欲しい」
「そりゃ、絶対にそばにいるよ。頑張って乗り越えれば、赤ちゃんたちにようやく御対面できるからね」
もう間もなくやって来るだろう、生誕の時。
双子だからどっちが先に生まれて姉か兄になるのかという部分も気になるが、今できることは無事に生まれて欲しいと願うことぐらいか。
絶対に父親として立ち会おうと、僕は心に誓うのであった‥‥‥‥
「あれ、でもその痛いって話は誰に聞いたの?」
「えっと、正妃様やドマドンおばあちゃんから聞いたの」
‥‥‥どういえば、孫やひ孫がいるぐらいだし、ドマドン所長も当然出産経験があるのか。
あれ、ちょっと待って?ドマドン所長の見た目って瓶底メガネ白衣幼女だけど、考えたら絵面がすごい犯罪にならないか?いや、今さらというか、所長の夫がある意味凄いというのか‥‥‥考えるのはやめておこう。
とにもかくにも、今は目の前のことのみに集中しないとね‥‥‥‥
音楽をお腹の中の子供に聞かせるのは良いらしいという話を小耳にしたようで、ハクロは歌を口ずさんでいた。
妊娠して数カ月ではあるが、そのお腹にはふくらみが見られ、中の赤子はすくすくと育っているようである。
「ふむ、落ち着いてきたとはいえ、成長速度を見るとあと1~2カ月もせぬうちに、出産を向かえるかもしれぬのぅ。安定期に入ったようじゃが、気が抜けぬのじゃ」
「というか、普通の赤子がここまで早く成長しますかね?」
「さぁ?まぁ、お主は一番傍にいて分かっているじゃろうが、彼女は普通じゃないからその子も普通からぶっ飛んでいる可能性があってもおかしくないじゃろう」
‥‥‥ドマドン所長の言葉に、僕は何も言えなかった。
うん、その通りというかなんというか、今までの事を考えるとありえなくもない話だ。
研究所に滞在してそれなりの月日が過ぎたようで、今の彼女はゆったりとした安定期に入ったようで、何かあって流産する可能性は低くなった。
それに伴い、必要とされていた栄養量も減ったのか食欲も通常の状態に戻り、落ち着いて過ごせているのでストレスとも特に何もなく、母子共々に安全な状態になっているらしい。
「それにしても、妊娠して数カ月で大きくなったようだけど…‥‥性別はわからないのですか?」
「それがのぅ、ある程度の健康状態までは探れるのじゃが、もっと詳しい詳細を探ろうとすると検査用の魔道具が誤作動するのじゃよ。まるで、何かの意思が産まれるまで楽しみに待てと言っているような感じもするのじゃよなぁ」
生まれてくることが双子であるのは分かるが、できれは男女のどちらなのか詳しく知りたいところ。
だがしかし、どういう訳か健康状態などは分かるというのに、詳しい部分に関しては覆い隠されてしまっているようで、産まれるまで分からないことも多いのだ。‥‥‥祝福とかを授けたあの機械神のいたずら心によるものなのか?可能性としてはあり得なくもない。
何にしても、健やかに成長しているようで問題もないのであれば、深く気にしないほうがいいか。どの様な子が生まれたとしても、僕とハクロの大事な子供だというのは変わりない事実なのだから。
「キュル?あ、ちょっと動いた!」
「本当?」
「うん、ぽへんって中を蹴ったような感じがしたもん」
「その擬音はあっているのか‥‥‥いや、でももう中で動くぐらいには大きくなっているのかな」
すくすく育っているようで、ほっこりとする雰囲気があたりに漂う。
新しい命が元気であれば、誰も彼も喜びを感じるのであろう。
とはいえ、健やかな成長は喜ばしいのだが、その成長速度の速さには問題もあり、現在急ピッチで出産後に向けての準備としてのベビー用品をそろえる作業も行われていた。
人間並みの予定日で待機していては間に合わない可能性もあり、だからこそ大急ぎで用意しているのだが、これはこれで忙しい。
ついでに今後の事も考えて成長に合わせた製品のアイディアなども浮かんできており、魔道具越しに領地や他の貴族とやり取りをするなどして、多くのプロジェクトが動いてもいる。
他国だと、元第1皇女や前世の妹と今世のハクロの弟たちとやらとも協力しており、国内外で動きは活発になっているだろう。‥‥‥あ、考えたらハクロと挙式を挙げている時点で、弟は義弟とも言えるのか。
「忙しいけれども、やっぱり出産には立ち会いたいんだよなぁ‥‥‥もうちょっと詳しい部分で分かればいいけれども、それは神のみぞ知ることか」
予定日が決まっても、それがずれる時はどうしてもある。
安産なのは神の祝福とかで分かっているようだし、万が一があっても薬を精製できるのでどうにか対処できるのだが、それでも何時になるのかが待ち遠しくもあり、乗り過ごさないようにしたいという想いもある。
「ふふふ、アルスとの大事な赤ちゃんたち、元気に生まれると良いなぁ‥‥‥でも」
「ん?どうしたの?」
「出産、滅茶苦茶痛いって、聞いたの。耐えられるか不安だし、アルス、絶対に側に居て欲しい」
「そりゃ、絶対にそばにいるよ。頑張って乗り越えれば、赤ちゃんたちにようやく御対面できるからね」
もう間もなくやって来るだろう、生誕の時。
双子だからどっちが先に生まれて姉か兄になるのかという部分も気になるが、今できることは無事に生まれて欲しいと願うことぐらいか。
絶対に父親として立ち会おうと、僕は心に誓うのであった‥‥‥‥
「あれ、でもその痛いって話は誰に聞いたの?」
「えっと、正妃様やドマドンおばあちゃんから聞いたの」
‥‥‥どういえば、孫やひ孫がいるぐらいだし、ドマドン所長も当然出産経験があるのか。
あれ、ちょっと待って?ドマドン所長の見た目って瓶底メガネ白衣幼女だけど、考えたら絵面がすごい犯罪にならないか?いや、今さらというか、所長の夫がある意味凄いというのか‥‥‥考えるのはやめておこう。
とにもかくにも、今は目の前のことのみに集中しないとね‥‥‥‥
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