拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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嫌な事は向こうからやってくる

閑話 聖女(性女)の末路

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SIDEヌルダニアン王国:聖女

…‥‥ヌルダニアン王国に召喚され、利用されようとしていたが、逆に牛耳り切った聖女もとい性女。

 召喚される前の世界ではダメであったが、この世界では人生の春を謳歌しようとしていたのだが‥‥‥調子に乗り過ぎたのか、それともこれが天罰というのか、彼女は今、王国から去ろうとしていた。

「‥‥‥ぐっやじぃぃぃ!!なんでこうなるのよぉぉぉぉ!!」

 うっぷん貯まって叫ぶ聖女だが、その言葉に返答する者はいない。

 ここは王国の国境沿いにある山の中であり、誰もいないのだ。


 何故、聖女がここにいるのかと言えば、変わってしまったヌルダニアン王国が原因であった。





…‥‥ボラーン王国と開戦したはいいが、都市アルバスでの大敗北によって一時撤退を余儀なくされた。

 あの敗北の元となった人形共の主を調べ、それをどうにかできれば再び進軍が可能と思われたのだが‥‥‥何をどうしてか、聖女が魅了していた男たちが、いつの間にか謎の組織、HWGとか言うものに浸食され、その組織が崇拝している対象へ移られたのである。

 しかも、国外追放などにしていた女性たちが次から次へと帰還し、無理やりよりをもどして、聖女の立場がどんどん悪化していったのだ。

 


 そして今、何とかまともな道へ軌道修正しようとしているヌルダニアン王国には、聖女の居場所がなくなっていた。

 牛耳ろうとしていた時代は当の前に去りゆき、転落一直線。むしろこのままいたら、戦犯として処刑されそうだと理解し、聖女は逃げ出したのであった。


 とは言え、聖女に行く宛はない。

 召喚された見知らぬ世界でもあり、元の世界に戻れたとしても、自身は罪に問われており、より一層社会的に不味い立場にあるのだ。

 しかし、王城からせめてもの駄賃として国宝などを持ちだし、まだ混乱の最中にある国内の雑貨や宝石店などに売りつけ、路銀を手に入れたが‥‥‥‥これだけで生涯暮らしていけるとも思えない。

 いや、つつましやかな平民の4人家族程度であれば生涯楽して暮らしている金額なのだが…‥‥王城での贅沢に慣れ切った聖女の身体はそれでは持たないのだ。

 娼婦になるかとも考えたが、そのような仕事も受け入れられるわけもない。

 しかも、どういう訳か‥‥‥‥いつの間にか、ありとあらゆるものを癒せていたはずの聖女の力が失われていたのだ。

 聖女らしからぬ行為によって、遅いがようやく神が裁きを下したのだろうか。



 何にしても今、聖女が、いや、力を失ったただの性女がこの状況で一人で生きていくこともできないだろう。

 ここはもう、自身を振り返り、適当な修道院や孤児院などで大人しく暮らしていれば…‥‥



「そんなことが出来るわけがないじゃない!今に見ていなさい、再び返り咲いてみせるわ!!」

‥‥‥全然反省の色もなく、むしろ余計に拗らせ、悪化する性女。

 

 ひとまずはと思い、まずは彼女はありあわせの変装をし、ある冒険者ギルドに加入し、冒険者登録を行った。

 そして、冒険者となった後は何かの依頼を受ければ良いのだが、一人ではできないなどと言い、他の者を誘い、乗らなければ自身の身体で誘惑し、パーティを結成。

 そして、依頼を受注したが…どういう訳か、すべて失敗。

 借金が増え、パーティの解散話が出た時に、彼女は持っていた金で薬を買い、仲間を殺害し、有り金を奪う。

 再び結成を呼び掛け、新たなものが来たらまた組むが、再び失敗し、また殺害していく。



‥‥‥いつしか、彼女と組めば必ず失敗するうえに、行方不明になる不幸の女として呼ばれ、誰一人としてかかわらなくなった。

 しかも、態度が最低最悪ゆえにギルドは彼女を除籍。

 そのうえ、不可解な行方不明率から調査を行うと、あっさりと彼女が殺害を繰り返していたことが判明し、賞金首にかけられた。

 その事を察知し、性女は逃亡を図る。

 自身の身体を使いつつ、知られていないような新天地へ向かい、また同様の事を繰り返し、再び賞金首となり、金額がつり上がっていく。

 なかなか捕まらない、狂気の悪女として彼女は名をはせたが…‥‥ある日を境に、彼女の話は消え失せた。

 どうやら捕まったらしいが、詳細は不明。

 罪人として輸送されていたはずだが、その輸送していた馬車が忽然と消え失せ、結局その行方をくらましたのであった‥‥‥‥
 




-----------
SIDE神聖国ゲルマニア:神殿


ごりっ、ばきぃっ!!
ぐしゅっ…‥‥ごっくん



「‥‥‥‥うわぁ‥‥‥ちょっと熟成しすぎて、少々くどいな」

 神聖国の神殿内で、預言者はそうつぶやいた。

 ある程度熟成したようだと、例のものを収穫してもらい、今回は丁寧に調理してもらったのだが…‥‥どうも待ちすぎてしまったようで、肝心の素材の味がくどくなっていた。

 いや、美味しさであれば結構いいのだが、ちょっとばかり古いのだ。

「ああ、なかなか難しいなぁ…‥‥せっかくヌルダニアン王国に聖女とは真逆でありながらも、その力を持つ者の召喚方法を教えたのに、活かしきれなかったなぁ」

 くどい味を薄めて、せめてちょうどいいようにと思い、水を飲む預言者。


「まぁ、記憶の処理なども完ぺきにしたし、もう二度とあの国ではできないだろうけれども‥‥‥もうちょっと考える必要があったな」

 そうつぶやき、食べ終えたので巫女たちに片付けさせる。


「しかし…‥‥これを食べて驚いたが、まさかまた同じ血縁者とは。こうも短期間で来るとは、どれだけの確率だ??そのうえ、こんなのがいて、よくあの魔王……いや、まだ自覚もしていないようだが、こんな奴らにならなかったなぁ‥‥‥奇跡ってあるんだなぁ」

 予言の方が奇跡に思わえそうだが、それを棚に上げて預言者はしみじみとそうつぶやいた。


「‥‥‥だけど、これでまた召喚したら、また血縁者が出てきそうだし…‥‥正直言って、似たような味になりそうだよね‥‥‥暫くはやめて、たまには純国産ならぬこの世界産の方を狙った方が良いかな?」

 ひとまずは、これはこれでおいしかったので、調理人たちにお礼を言いに向かいつつ、新たな予言を下そうかと預言者は準備を始めるのであった‥‥‥‥

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