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その素質の片鱗
#88 掃除目的を忘れずにデス
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SIDEシアン
…‥‥準備もでき、僕らは海へ向けて出発した。
ポチの全速力酷使であれば1日もかからないが、一応ちょっとした旅の醍醐味ということで、あえて1日かけてのスケジュールである。
とは言え、今回の旅路では盗賊たちに遭遇することはなかった。
都市アルバス周辺の盗賊発生率が減っているとは知っていたが、どうも離れた地域でも少しづつ盗賊がいなくなっているらしい。
その代わりに、襲撃をかけてきたのが…‥‥哀れな犠牲となった、モンスターたちであった。
ジュワァァァァァ!!
「‥‥‥うわぁ、物凄く良い香りが‥‥‥」
【おいしそうです!!まだ焼けないのですか!】
「もう少々、お待ちくだサイ。きちんと火を通す必要があるのデス。‥‥‥ああ、でもハクロさんなら生焼けでもいけるのでは?」
【何の根拠があってですか!?流石に焼いたほうが良い事を理解していますよ!!】
ワゼの言葉に、思わずハクロがツッコミを入れた。
一応、目の前で焼かれている肉は食用可能であり、アンデッド化を防ぐためにも現地ですぐに調理である。
しかし、ミニワゼシスターズも一緒だったとはいえ、襲撃をされる前に皆に発見され、ものの数秒で壊滅させられるとはね。
そのうえ盗賊たちとは違って、討伐推奨がされているらしいモンスターたちであったが‥‥‥うん、まぁ、あの蹂躙劇は盗賊退治の比ではなかった。
美味しくいただくので、しっかり成仏してください‥‥‥‥ちょっと途中で断末魔とか悲鳴に聞こえてきたのは気のせいだと思いたいなぁ…‥‥
‥‥‥何にしても美味しいBBQも経て、翌日、僕らはようやく目的地であるボラーン海岸とやらへ訪れた。
近くの町にある魔法ギルドにて、依頼の受注についての手続きをして、今日中に海岸清掃を終わらせ、明日はゆっくりと遊ぼうと予定していたのだが‥‥‥
「‥‥‥え?海岸清掃の依頼受注した魔法屋って、僕らだけですか?」
「ええ、そうです。今期の海岸清掃のタイミングに限って‥‥‥どうやら厄介な方が出ちゃったので、後回しになりました」
【クラーケン退治……ですか】
本当はこの後、ギルドに行ったん依頼を受注した複数の魔法屋が集合し、協力して清掃に取り組むはずだったらしい。
だがしかし、間が悪いというか、どうも沖合の方でクラーケンと言う巨大なイカのモンスターが出現したようで、そちらに冒険者も魔法屋も出払って、この清掃に手を付けている人がいないそうなのだ。
‥‥‥僕らだけでも可能と言えば可能であるが…‥‥クラーケン退治に全部人が行くとはなぁ。
「どうやらそう強いものでもないようデス。ちびクラーケンと言ったところらしいですネ」
強いモンスターでもあるはずだが、今回のクラーケンはまだ幼体というもので、格段に弱いらしい。
その分、数があるそうだが…‥‥それでも討伐すればそれなりの素材が採れるがゆえに、人気があったようだ。
とにもかくにも、一応この人数でもできないことはないので、手続きを終えて僕らは海岸へと向かった。
依頼が出されるだけあって、海岸には確かに保見と言うか漂着物が多いようだが…‥‥まぁ、何の影響もあるまい。
何しろ、ワゼたちがいるからね。清掃に関してはメイドの領分でもあるし、本領発揮できるであろう。
「それじゃ、掃除開始だよ!!」
「了解デス!」
【私も頑張りますよ!】
「ツー!」
「スー!」
「ファー!」
「シー!」
「セー!」
全員で掛け声を上げ、掃除を始めるのであった…‥‥‥
―――――――――――――――――――――
SIDEボラーン海岸近くの町;領主
「‥‥‥は?」
その日、ボラーン海岸が見える町の中にある館の中で、この周辺を収めている領主は、思わず間抜けな声を漏らした。
なぜならば、クラーケンが出たせいで清掃依頼も滞り、連絡では今日来た魔法屋は一人で、その他複数の仲間程度が清掃をするだけだと聞いていたのだが…‥‥窓から見える光景は、その連絡が嘘だとつぶやきたい状態であった。
漂流物が数多くあり、それなりに汚かったはずの海岸。
だがしかし、何ということだろうか‥‥‥‥今、窓から見える範囲だけでも、かつての美しさを取り戻したかのような、綺麗な海岸が広がっているのだ。
そう、真面目に大掃除をして、取り戻した美しき記憶の時のように、窓から見える海岸はその当時のように…‥‥いや、気のせいか、それ以上に美しくなっていた。
砂浜の砂はより細かくなっているのか、光の反射で薄く輝いているように見え、漂流物が漂っていた海の方も一切何もなく、透明度を増して、空の青さをそのまま取り込んだような、サファイヤのごとく蒼さになっている。
もはや比べように無いというか、その美しさは並外れたものであり、明かにやり過ぎているような気もするが…‥‥
「こ、こうしてはおれんぞ!!」
聞いた連絡では、確かに魔法屋が一人とその仲間たちが清掃しに来たとあるが、それだけの人数でここまでの美しさを短時間で取り戻せるなどありえない。
何かとんでもない魔法でも使われたのか、それとも何か別のものがあったのか…‥‥なんにしても、放置することができない景観の変貌に、領主は動き出す。
そして、事情を聴くために大急ぎで魔法ギルドへ向かうのであった‥‥‥‥
…‥‥準備もでき、僕らは海へ向けて出発した。
ポチの全速力酷使であれば1日もかからないが、一応ちょっとした旅の醍醐味ということで、あえて1日かけてのスケジュールである。
とは言え、今回の旅路では盗賊たちに遭遇することはなかった。
都市アルバス周辺の盗賊発生率が減っているとは知っていたが、どうも離れた地域でも少しづつ盗賊がいなくなっているらしい。
その代わりに、襲撃をかけてきたのが…‥‥哀れな犠牲となった、モンスターたちであった。
ジュワァァァァァ!!
「‥‥‥うわぁ、物凄く良い香りが‥‥‥」
【おいしそうです!!まだ焼けないのですか!】
「もう少々、お待ちくだサイ。きちんと火を通す必要があるのデス。‥‥‥ああ、でもハクロさんなら生焼けでもいけるのでは?」
【何の根拠があってですか!?流石に焼いたほうが良い事を理解していますよ!!】
ワゼの言葉に、思わずハクロがツッコミを入れた。
一応、目の前で焼かれている肉は食用可能であり、アンデッド化を防ぐためにも現地ですぐに調理である。
しかし、ミニワゼシスターズも一緒だったとはいえ、襲撃をされる前に皆に発見され、ものの数秒で壊滅させられるとはね。
そのうえ盗賊たちとは違って、討伐推奨がされているらしいモンスターたちであったが‥‥‥うん、まぁ、あの蹂躙劇は盗賊退治の比ではなかった。
美味しくいただくので、しっかり成仏してください‥‥‥‥ちょっと途中で断末魔とか悲鳴に聞こえてきたのは気のせいだと思いたいなぁ…‥‥
‥‥‥何にしても美味しいBBQも経て、翌日、僕らはようやく目的地であるボラーン海岸とやらへ訪れた。
近くの町にある魔法ギルドにて、依頼の受注についての手続きをして、今日中に海岸清掃を終わらせ、明日はゆっくりと遊ぼうと予定していたのだが‥‥‥
「‥‥‥え?海岸清掃の依頼受注した魔法屋って、僕らだけですか?」
「ええ、そうです。今期の海岸清掃のタイミングに限って‥‥‥どうやら厄介な方が出ちゃったので、後回しになりました」
【クラーケン退治……ですか】
本当はこの後、ギルドに行ったん依頼を受注した複数の魔法屋が集合し、協力して清掃に取り組むはずだったらしい。
だがしかし、間が悪いというか、どうも沖合の方でクラーケンと言う巨大なイカのモンスターが出現したようで、そちらに冒険者も魔法屋も出払って、この清掃に手を付けている人がいないそうなのだ。
‥‥‥僕らだけでも可能と言えば可能であるが…‥‥クラーケン退治に全部人が行くとはなぁ。
「どうやらそう強いものでもないようデス。ちびクラーケンと言ったところらしいですネ」
強いモンスターでもあるはずだが、今回のクラーケンはまだ幼体というもので、格段に弱いらしい。
その分、数があるそうだが…‥‥それでも討伐すればそれなりの素材が採れるがゆえに、人気があったようだ。
とにもかくにも、一応この人数でもできないことはないので、手続きを終えて僕らは海岸へと向かった。
依頼が出されるだけあって、海岸には確かに保見と言うか漂着物が多いようだが…‥‥まぁ、何の影響もあるまい。
何しろ、ワゼたちがいるからね。清掃に関してはメイドの領分でもあるし、本領発揮できるであろう。
「それじゃ、掃除開始だよ!!」
「了解デス!」
【私も頑張りますよ!】
「ツー!」
「スー!」
「ファー!」
「シー!」
「セー!」
全員で掛け声を上げ、掃除を始めるのであった…‥‥‥
―――――――――――――――――――――
SIDEボラーン海岸近くの町;領主
「‥‥‥は?」
その日、ボラーン海岸が見える町の中にある館の中で、この周辺を収めている領主は、思わず間抜けな声を漏らした。
なぜならば、クラーケンが出たせいで清掃依頼も滞り、連絡では今日来た魔法屋は一人で、その他複数の仲間程度が清掃をするだけだと聞いていたのだが…‥‥窓から見える光景は、その連絡が嘘だとつぶやきたい状態であった。
漂流物が数多くあり、それなりに汚かったはずの海岸。
だがしかし、何ということだろうか‥‥‥‥今、窓から見える範囲だけでも、かつての美しさを取り戻したかのような、綺麗な海岸が広がっているのだ。
そう、真面目に大掃除をして、取り戻した美しき記憶の時のように、窓から見える海岸はその当時のように…‥‥いや、気のせいか、それ以上に美しくなっていた。
砂浜の砂はより細かくなっているのか、光の反射で薄く輝いているように見え、漂流物が漂っていた海の方も一切何もなく、透明度を増して、空の青さをそのまま取り込んだような、サファイヤのごとく蒼さになっている。
もはや比べように無いというか、その美しさは並外れたものであり、明かにやり過ぎているような気もするが…‥‥
「こ、こうしてはおれんぞ!!」
聞いた連絡では、確かに魔法屋が一人とその仲間たちが清掃しに来たとあるが、それだけの人数でここまでの美しさを短時間で取り戻せるなどありえない。
何かとんでもない魔法でも使われたのか、それとも何か別のものがあったのか…‥‥なんにしても、放置することができない景観の変貌に、領主は動き出す。
そして、事情を聴くために大急ぎで魔法ギルドへ向かうのであった‥‥‥‥
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