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王族とは何なのか
#103 朝からちょっときついデス
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SIDEシアン
「ん…‥‥」
朝日が窓から差し込み、ふと僕は目を覚まし……いや、それでもまだ目をつむって二度寝しかけていた。
昨夜、ドーラにもらった眠れる花の蜜とやらの作用に感謝しつつも、ちょっとばかり眠気が余計に来ている副作用に困った。
まぁ、ベッド自体は快適なので、二度寝したくなるこのふわふわとしたほんわかな眠気は心地いいのだが…‥‥二度寝をして、それでミスティアたちとの約束の時間に遅れてはいけないだろう。
幸せなベッドの誘惑に抵抗しつつ、しっかりと起きようと思った時に……ふと、あることに気が付いた。
(…‥あれ?)
体が動かせない。
いや、金縛りとは違うのだが…‥‥何かこう、もっと柔らかいものに抱きしめられているような感覚がするのだ。
「?」
不思議に思いつつも、眠気で重い瞼を根性で開け、僕は原因を探った。
「っ!?」
そしてすぐにその原因を見つけてしまった。
【ふみゅう……ん……】
(な、何でハクロがいるの!?)
そう、僕の身体が動かなかったのは……ハクロにがっしりと抱きしめられ、拘束されていたのだ。
よく見れば、彼女の寝床であるはずのハンモックが僕の部屋にあり、ベッドの横に吊るされ、大体同じ高さに固定されていた。
そしてかなり近い距離にあった結果、彼女にぎゅっと抱きしめられていたのである。
【ふみゅふへへ……なんか温かいですよ…‥‥】
何か幸せそうに寝言をつぶやきながら、ニコッと笑う寝顔をしつつ、僕をさらにぎゅっと抱きしめる。
「ちょっ、ハクロ!!寝ぼけているの!?」
いつのまにか体の向きも変えられ、抱きしめられているせいで彼女の胸に顔をうずめかけながら僕は叫んだが、全然起きる気配が無い。
そう言えば、彼女って結構熟睡するようで、ちょっとやそっとでは起きないんだった……
とは言え、流石にこの体勢は不味すぎる。
柔らかいものに包まれるのはまだいいが、ちょっとばかり恐怖と言うか、窒息の危険性を感じさせるのだ。
煩悩まみれであればこの死を望むかもしれないが、僕はまだ生きたいし、こんな死因は避けたい。
抱きしめられつつも、なんとか動く足を根性で動かし、彼女と同じ顔の高さに顔を持ってきて、窒息死となりそうな胸から免れた。
いやまぁ、まだその柔らかさが体に来ているのだが、その大きさゆえに顔との間に確実な距離を取る事が出来て、空気を確保できているので良しとしよう。
【すやぁ……みにぃ……】
「気楽に寝ているけれども、こっちは命の危機があったんだよなぁ…‥‥」
ここまでくればなんとか助かりそうなので、安堵の息を吐きつつハクロに文句を垂れてみたが、寝言を出されるだけで起きる気配が無い。
しかし、そもそもなぜ彼女が僕の部屋に寝ているのか…‥‥ん?
そこでふと、僕はあることに気が付いた。
彼女の頭に葉っぱが付いていたが……普通、寝ている時につくものだろうか?
そしてよく見れば、その葉っぱの形には見覚えがあった。
「ど、ドーラの仕業かぁぁぁ!!」
普段ならばその葉っぱを何なのか理解することはできない。
だがしかし、昨晩見ているし、このような事をするものを考えるとドーラしか思いつかなかった。
何にしても、ここで怒ってもこの状況が好転するわけではない。
仕方がないので、彼女を起こすためにまずは冷静に周囲を見渡そうとしたが…
【みにゅぅ……くぅ】
ぎゅっと抱きしめられ、彼女に体がより接近した。
まだバキッとかメキっとか聞こえない分、おそらく締め上げられて骨がやられることは、まだないだろう。多分。
接近したがゆえに、彼女の顔により接近して、より間近に見る事になった。
綺麗に整った顔と言うか……いや、これでもまだ自然に近く、メイクもされていないのに、美しき美貌がある。
黙って大人しくしていれば絶世の美女と言えるんだろうけれども、その柔らかそうな口から出る言葉や、普段の動作で残念感があると考えると、世の中に完全な物とは存在しないと思い知らされる。
……とは言え、こうしてみると、やっぱり美しいとも、可愛いとも思えてくる。
まぁ、ワゼに捕獲されてきたという事があったが、使い魔にもなって、それからずっと過ごしてきた。
なんとなく愛着でもついたのかな?
でも、そうではない……なんかこう、前世では感じる事が無かったような、不思議な感情が沸き上がってきたような気がした。
抱きしめられているけれども、手が動かせればこちらも抱きしめたくなるような、不思議な感情。
「なんだろうな、この気持ち……」
そうぽつりとつぶやき、ふと、ハクロの抱きしめが弱くなっていることに気が付いた。
多分、もうそろそろ起きようとして、身体が緩んだのだろう。
これはチャンスだと思って、手をなんとか離れさせて逃れようと思い、少し動くようになった手を使おうとした、次の瞬間。
【むみぃっ】
寝言を発し、ハクロが再びぎゅっと抱きしめてきた。
緩んでいた拘束から手を逃れさせ、動かそうとしていたところでの行動にとっさに動けず、そのまま手が‥…
ぐにゅん、ずる、ずぼっ
「あ」
【ふわぁぁ……あれ?シアン?なんでここ……に?】
そのタイミングで彼女は目を覚まし、僕のことに気が付き、そして何か感じたのか胸の方を見た。
確認し、もう一度顔を上げた時には顔を真っ赤にして、涙目になって……
【ひ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!】
恥ずかしさのあまり声を上げ、素早く糸を出して僕の体に巻き付ける。
そのまま勢いよく、僕はぶん投げられるのであった‥‥‥‥
―――――――――――――――
SIDEミスティア
「フー!」
「おはようですわね、フィーア」
シアンがワゼに治療を受けているその頃、都市アルバスではミスティアが起床しており、フィーアと朝の挨拶を交わしていた。
「フ!」
「え?昨晩賊がやってきていた?…‥‥やっぱり、お兄様方がここに来ている情報が誰かに伝わっていたか、仕向けられていたのかしら?」
「フー、フ」
「一応、全部撃退完了ね。情報も引き出し、衛兵たちに引き渡し済みですね。えらいえらい」
「フ~♪」
褒められ撫でられ、嬉しそうな声を上げるフィーア。
とは言え、そう良い事ではなく、そう言う輩が来たという事は何かしらの陰謀などがあるということを示していた。
ひとまずは、今日のシアンとの話し合いにも出そうと考えつつ、また面倒事なのかと少々疲れたように溜息を吐くのであった。
……なお、昨晩物体X濃縮薬とやらを飲ませた二人の兄の意識がまだ戻っていないことは、気にしないことにするのであった。
「ん…‥‥」
朝日が窓から差し込み、ふと僕は目を覚まし……いや、それでもまだ目をつむって二度寝しかけていた。
昨夜、ドーラにもらった眠れる花の蜜とやらの作用に感謝しつつも、ちょっとばかり眠気が余計に来ている副作用に困った。
まぁ、ベッド自体は快適なので、二度寝したくなるこのふわふわとしたほんわかな眠気は心地いいのだが…‥‥二度寝をして、それでミスティアたちとの約束の時間に遅れてはいけないだろう。
幸せなベッドの誘惑に抵抗しつつ、しっかりと起きようと思った時に……ふと、あることに気が付いた。
(…‥あれ?)
体が動かせない。
いや、金縛りとは違うのだが…‥‥何かこう、もっと柔らかいものに抱きしめられているような感覚がするのだ。
「?」
不思議に思いつつも、眠気で重い瞼を根性で開け、僕は原因を探った。
「っ!?」
そしてすぐにその原因を見つけてしまった。
【ふみゅう……ん……】
(な、何でハクロがいるの!?)
そう、僕の身体が動かなかったのは……ハクロにがっしりと抱きしめられ、拘束されていたのだ。
よく見れば、彼女の寝床であるはずのハンモックが僕の部屋にあり、ベッドの横に吊るされ、大体同じ高さに固定されていた。
そしてかなり近い距離にあった結果、彼女にぎゅっと抱きしめられていたのである。
【ふみゅふへへ……なんか温かいですよ…‥‥】
何か幸せそうに寝言をつぶやきながら、ニコッと笑う寝顔をしつつ、僕をさらにぎゅっと抱きしめる。
「ちょっ、ハクロ!!寝ぼけているの!?」
いつのまにか体の向きも変えられ、抱きしめられているせいで彼女の胸に顔をうずめかけながら僕は叫んだが、全然起きる気配が無い。
そう言えば、彼女って結構熟睡するようで、ちょっとやそっとでは起きないんだった……
とは言え、流石にこの体勢は不味すぎる。
柔らかいものに包まれるのはまだいいが、ちょっとばかり恐怖と言うか、窒息の危険性を感じさせるのだ。
煩悩まみれであればこの死を望むかもしれないが、僕はまだ生きたいし、こんな死因は避けたい。
抱きしめられつつも、なんとか動く足を根性で動かし、彼女と同じ顔の高さに顔を持ってきて、窒息死となりそうな胸から免れた。
いやまぁ、まだその柔らかさが体に来ているのだが、その大きさゆえに顔との間に確実な距離を取る事が出来て、空気を確保できているので良しとしよう。
【すやぁ……みにぃ……】
「気楽に寝ているけれども、こっちは命の危機があったんだよなぁ…‥‥」
ここまでくればなんとか助かりそうなので、安堵の息を吐きつつハクロに文句を垂れてみたが、寝言を出されるだけで起きる気配が無い。
しかし、そもそもなぜ彼女が僕の部屋に寝ているのか…‥‥ん?
そこでふと、僕はあることに気が付いた。
彼女の頭に葉っぱが付いていたが……普通、寝ている時につくものだろうか?
そしてよく見れば、その葉っぱの形には見覚えがあった。
「ど、ドーラの仕業かぁぁぁ!!」
普段ならばその葉っぱを何なのか理解することはできない。
だがしかし、昨晩見ているし、このような事をするものを考えるとドーラしか思いつかなかった。
何にしても、ここで怒ってもこの状況が好転するわけではない。
仕方がないので、彼女を起こすためにまずは冷静に周囲を見渡そうとしたが…
【みにゅぅ……くぅ】
ぎゅっと抱きしめられ、彼女に体がより接近した。
まだバキッとかメキっとか聞こえない分、おそらく締め上げられて骨がやられることは、まだないだろう。多分。
接近したがゆえに、彼女の顔により接近して、より間近に見る事になった。
綺麗に整った顔と言うか……いや、これでもまだ自然に近く、メイクもされていないのに、美しき美貌がある。
黙って大人しくしていれば絶世の美女と言えるんだろうけれども、その柔らかそうな口から出る言葉や、普段の動作で残念感があると考えると、世の中に完全な物とは存在しないと思い知らされる。
……とは言え、こうしてみると、やっぱり美しいとも、可愛いとも思えてくる。
まぁ、ワゼに捕獲されてきたという事があったが、使い魔にもなって、それからずっと過ごしてきた。
なんとなく愛着でもついたのかな?
でも、そうではない……なんかこう、前世では感じる事が無かったような、不思議な感情が沸き上がってきたような気がした。
抱きしめられているけれども、手が動かせればこちらも抱きしめたくなるような、不思議な感情。
「なんだろうな、この気持ち……」
そうぽつりとつぶやき、ふと、ハクロの抱きしめが弱くなっていることに気が付いた。
多分、もうそろそろ起きようとして、身体が緩んだのだろう。
これはチャンスだと思って、手をなんとか離れさせて逃れようと思い、少し動くようになった手を使おうとした、次の瞬間。
【むみぃっ】
寝言を発し、ハクロが再びぎゅっと抱きしめてきた。
緩んでいた拘束から手を逃れさせ、動かそうとしていたところでの行動にとっさに動けず、そのまま手が‥…
ぐにゅん、ずる、ずぼっ
「あ」
【ふわぁぁ……あれ?シアン?なんでここ……に?】
そのタイミングで彼女は目を覚まし、僕のことに気が付き、そして何か感じたのか胸の方を見た。
確認し、もう一度顔を上げた時には顔を真っ赤にして、涙目になって……
【ひ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!】
恥ずかしさのあまり声を上げ、素早く糸を出して僕の体に巻き付ける。
そのまま勢いよく、僕はぶん投げられるのであった‥‥‥‥
―――――――――――――――
SIDEミスティア
「フー!」
「おはようですわね、フィーア」
シアンがワゼに治療を受けているその頃、都市アルバスではミスティアが起床しており、フィーアと朝の挨拶を交わしていた。
「フ!」
「え?昨晩賊がやってきていた?…‥‥やっぱり、お兄様方がここに来ている情報が誰かに伝わっていたか、仕向けられていたのかしら?」
「フー、フ」
「一応、全部撃退完了ね。情報も引き出し、衛兵たちに引き渡し済みですね。えらいえらい」
「フ~♪」
褒められ撫でられ、嬉しそうな声を上げるフィーア。
とは言え、そう良い事ではなく、そう言う輩が来たという事は何かしらの陰謀などがあるということを示していた。
ひとまずは、今日のシアンとの話し合いにも出そうと考えつつ、また面倒事なのかと少々疲れたように溜息を吐くのであった。
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