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王族とは何なのか
#112 さぁ、温泉巡りへ向け準備なのデス
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SIDE都市オルセデス:HWG出張所
……温泉が溢れ、各所に流されている温泉都市オルセデス。
そんな都市の中で、最近建設されたハクロファンクラブ、通称HWGの出張所が完成されており、そこに集う者たちがいた。
『定期連絡、こちら都市アルバスHWG本部、応答せよ都市オルセデス出張所』
『応答、こちら都市オルセデス出張所。責任者ことコードネーム、バルブバス』
通信用の魔法‥‥‥ではなく、より遠距離との快適な会話を求め、今回HWGがある目的のために、とある者から開発援助を受け、遂に設立された遠距離用マジックアイテムのテストも兼ねて、連絡が行われていた。
『ふむ、無事に接続が出来たと確認。では、本題に移るのだが、ターゲットは現在その都市に滞在できたか?』
『その質問に対して、肯定と確認。高級旅館「クーコヨン」に、宿泊手続きを行った模様。ただ、その旅館に第2王女ミスティア様の宿泊手続きも確認』
『問題ない。出資者からはその事も想定されているようで、今回の我々の作戦に対しても、支障はでず、むしろより良い方向へ転ぶという事を言われている』
『了解。では、現状は様子見のままで大丈夫という事だな』
『そういうことだ』
彼らは互に現在の状況や、今回企んだある作戦のための情報交換などを行い、失敗の無いように入念に確認しあっていく。
HWGは今回、使用しているマジックアイテムの開発出資者からも出された作戦も併用し、ある事を計画しているのだ。
彼らの崇拝対象でもあるハクロを悲しませず、その幸せのために動くさまは欲望が多少見え隠れすれども、汚いものではなかった。
『ところで、今回の件について雇った絵師たちがいたのだが、案の定苦戦しているらしい。その問題についての改善が未だに出ないのはどういうことなのか、問いただしたい』
『すまない、まだ人材不足だという事ぐらいしか答えられない。組織の拡大が続いているがゆえに、深刻な問題とも言えるだろう』
『なるほど、まだまだ改善点があるのだな』
拡大を続けるHWGだが、少々育ちすぎたがゆえに、一部で弊害が出ているようである。
時間が経過すれば解決するような事でも、やはりこういう時には万全でいたいという想いが彼らにはあるのだが、そううまくいかないのが現状であった。
『ああ。だがそれでもまだ記録することが可能な人材を派遣することが出来る。ボラーン海岸での血の海事件より、我が組織は学び、ある程度の耐性を持つことに成功した人材がいるのだ』
『では、その人材の急速な派遣を頼む。‥‥‥っ!!』
『どうした?』
『……すまない、既に一人が犠牲になった。どうやら見張っていたのは良いのだが、ついうっかり見続けたがゆえに、この都市に合わせて着替えをする瞬間を見たようだ』
『…‥‥なるほど。だが、決まった部分を延長した行為は少々許されぬことだ。その者は会員ランクを下げ、新たな人員をそこへ回したまえ』
……どうやら既に、血の花は咲いてしまったらしい。
はたしてあと何人が、いや、下手するとあと何十人が血の池地獄と化した温泉へ沈むのか、その事を考えるだけでも、その場にいた者たちは頭を痛くするのであった。
―――――――――――――――――――――――――――
SIDEシアン
……まさかの都市オルセデスでの第2王女との遭遇。
話を聞くと、どうやら彼女はこの都市に静養しに来たらしい。
いわく、ここ最近仕事が忙しく、やっと休みが取れた際に、第3王子がこの宿の予約を譲ってくれたのだというのだ。
「でも、お兄様いわく本当は自分で泊まりたかったそうですわ」
「急な仕事が入ったのが原因って‥‥‥なんか大変そうだね」
自分で宿泊したかったそうだが、用事で妹に譲るとは……残念そうでも、良い兄を持っているなと思えた。
……いやまぁ、前世の自分の兄だったら絶対やらないな。むしろあの人だと出不精だから温泉にすらいかないか。
ちょっとばかり懐かしいような、嫌な様な事だったような、そんな記憶を思い出してしまったが‥‥‥まぁ、スッキリと忘れておくことにしよう。
死因の一つでもあるし、この世界とはもう関係のない事だからなぁ‥‥‥兄だったらこの世界に来たら色々とやらかしそうな気がするが、そんな話も聞かないしね。
何にしても、ここであったのも何かの縁。
同じところに宿泊するのだし、せっかくなので僕らはともに温泉を楽しむことにした。
とは言えその前に、まずは先に着替えるらしい。
温泉都市を楽しむには、洋服ではなくレンタルできる浴衣になっておいたほうが良いそうだ。
着脱しやすく、少々濡れてもすぐに乾き、温泉を楽しむためにとことん改良が追及された一品なのだとか。
レンタルし、着替えてみると風通しも良く、悪くない着心地だ。
「快適と言うか、これだけでも結構楽だよな‥‥‥」
「そうですわね。動きやすいですし、これはむしろ広めたほうが良いかもしれないわね」
【あれ?ワゼさん、その浴衣って‥‥‥】
ふと、ハクロの声に僕らは気が付き、ワゼたちの方を向けば・・・・・
「ツー!」
「フー!」
「シー!!」
ミニワゼシスターズはそれぞれの髪の色に合わせた浴衣を着ており、ワゼの場合は真っ黒な浴衣であったが‥‥微妙にレンタルされている物に比べ、装飾がいくつかあったりして異なっていた。
「即興ですが、メイド服をちょっと改良し、『浴衣メイドモード』なるものを作ってみたのデス」
「それってメイドなの?」
メイド服を脱がないようにと言うメイドのプライドと、浴衣を着てみたいという想いから、二つを合わせてこうなったそうなのだが‥‥‥それはもはやメイドなのだろうか?
と言うか、それモードと言うんじゃなくてただの着替えだよね‥‥‥いや、これ以上ツッコミを入れるまい。
とにもかくにも、各自温泉へ向けての戦闘態勢もといこの場での正しい言い方としては銭湯態勢を取り、好きな場所をめぐってみる事にしたのであった…‥‥
……温泉が溢れ、各所に流されている温泉都市オルセデス。
そんな都市の中で、最近建設されたハクロファンクラブ、通称HWGの出張所が完成されており、そこに集う者たちがいた。
『定期連絡、こちら都市アルバスHWG本部、応答せよ都市オルセデス出張所』
『応答、こちら都市オルセデス出張所。責任者ことコードネーム、バルブバス』
通信用の魔法‥‥‥ではなく、より遠距離との快適な会話を求め、今回HWGがある目的のために、とある者から開発援助を受け、遂に設立された遠距離用マジックアイテムのテストも兼ねて、連絡が行われていた。
『ふむ、無事に接続が出来たと確認。では、本題に移るのだが、ターゲットは現在その都市に滞在できたか?』
『その質問に対して、肯定と確認。高級旅館「クーコヨン」に、宿泊手続きを行った模様。ただ、その旅館に第2王女ミスティア様の宿泊手続きも確認』
『問題ない。出資者からはその事も想定されているようで、今回の我々の作戦に対しても、支障はでず、むしろより良い方向へ転ぶという事を言われている』
『了解。では、現状は様子見のままで大丈夫という事だな』
『そういうことだ』
彼らは互に現在の状況や、今回企んだある作戦のための情報交換などを行い、失敗の無いように入念に確認しあっていく。
HWGは今回、使用しているマジックアイテムの開発出資者からも出された作戦も併用し、ある事を計画しているのだ。
彼らの崇拝対象でもあるハクロを悲しませず、その幸せのために動くさまは欲望が多少見え隠れすれども、汚いものではなかった。
『ところで、今回の件について雇った絵師たちがいたのだが、案の定苦戦しているらしい。その問題についての改善が未だに出ないのはどういうことなのか、問いただしたい』
『すまない、まだ人材不足だという事ぐらいしか答えられない。組織の拡大が続いているがゆえに、深刻な問題とも言えるだろう』
『なるほど、まだまだ改善点があるのだな』
拡大を続けるHWGだが、少々育ちすぎたがゆえに、一部で弊害が出ているようである。
時間が経過すれば解決するような事でも、やはりこういう時には万全でいたいという想いが彼らにはあるのだが、そううまくいかないのが現状であった。
『ああ。だがそれでもまだ記録することが可能な人材を派遣することが出来る。ボラーン海岸での血の海事件より、我が組織は学び、ある程度の耐性を持つことに成功した人材がいるのだ』
『では、その人材の急速な派遣を頼む。‥‥‥っ!!』
『どうした?』
『……すまない、既に一人が犠牲になった。どうやら見張っていたのは良いのだが、ついうっかり見続けたがゆえに、この都市に合わせて着替えをする瞬間を見たようだ』
『…‥‥なるほど。だが、決まった部分を延長した行為は少々許されぬことだ。その者は会員ランクを下げ、新たな人員をそこへ回したまえ』
……どうやら既に、血の花は咲いてしまったらしい。
はたしてあと何人が、いや、下手するとあと何十人が血の池地獄と化した温泉へ沈むのか、その事を考えるだけでも、その場にいた者たちは頭を痛くするのであった。
―――――――――――――――――――――――――――
SIDEシアン
……まさかの都市オルセデスでの第2王女との遭遇。
話を聞くと、どうやら彼女はこの都市に静養しに来たらしい。
いわく、ここ最近仕事が忙しく、やっと休みが取れた際に、第3王子がこの宿の予約を譲ってくれたのだというのだ。
「でも、お兄様いわく本当は自分で泊まりたかったそうですわ」
「急な仕事が入ったのが原因って‥‥‥なんか大変そうだね」
自分で宿泊したかったそうだが、用事で妹に譲るとは……残念そうでも、良い兄を持っているなと思えた。
……いやまぁ、前世の自分の兄だったら絶対やらないな。むしろあの人だと出不精だから温泉にすらいかないか。
ちょっとばかり懐かしいような、嫌な様な事だったような、そんな記憶を思い出してしまったが‥‥‥まぁ、スッキリと忘れておくことにしよう。
死因の一つでもあるし、この世界とはもう関係のない事だからなぁ‥‥‥兄だったらこの世界に来たら色々とやらかしそうな気がするが、そんな話も聞かないしね。
何にしても、ここであったのも何かの縁。
同じところに宿泊するのだし、せっかくなので僕らはともに温泉を楽しむことにした。
とは言えその前に、まずは先に着替えるらしい。
温泉都市を楽しむには、洋服ではなくレンタルできる浴衣になっておいたほうが良いそうだ。
着脱しやすく、少々濡れてもすぐに乾き、温泉を楽しむためにとことん改良が追及された一品なのだとか。
レンタルし、着替えてみると風通しも良く、悪くない着心地だ。
「快適と言うか、これだけでも結構楽だよな‥‥‥」
「そうですわね。動きやすいですし、これはむしろ広めたほうが良いかもしれないわね」
【あれ?ワゼさん、その浴衣って‥‥‥】
ふと、ハクロの声に僕らは気が付き、ワゼたちの方を向けば・・・・・
「ツー!」
「フー!」
「シー!!」
ミニワゼシスターズはそれぞれの髪の色に合わせた浴衣を着ており、ワゼの場合は真っ黒な浴衣であったが‥‥微妙にレンタルされている物に比べ、装飾がいくつかあったりして異なっていた。
「即興ですが、メイド服をちょっと改良し、『浴衣メイドモード』なるものを作ってみたのデス」
「それってメイドなの?」
メイド服を脱がないようにと言うメイドのプライドと、浴衣を着てみたいという想いから、二つを合わせてこうなったそうなのだが‥‥‥それはもはやメイドなのだろうか?
と言うか、それモードと言うんじゃなくてただの着替えだよね‥‥‥いや、これ以上ツッコミを入れるまい。
とにもかくにも、各自温泉へ向けての戦闘態勢もといこの場での正しい言い方としては銭湯態勢を取り、好きな場所をめぐってみる事にしたのであった…‥‥
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