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一難去ってもなぜこうも来るのか
#160 実力者同士なのデス
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『それでは‥‥‥‥始め!!』
開始の合図が出されると同時に、騎士団長とルルは同時に地面を踏み砕き、真正面からぶつかり合った。
片や重装備の重い大剣。
もう片方は軽装備ながらもその槍の重量は人外レベルではないと扱えない様な代物。
互いの先がぶつかり合い、思い金属音が響き渡る。
「くっ!」
【ぐっ!】
互いに正面からぶつかり合って数秒ほどつばぜり合いをしたのち、すぐに距離を取る。
このまま正面からぶつかっても、互に決定打がない事を理解したのだ。
素早く距離を取りつつ、ルルは軽装備ゆえに素早く動ける利点を生かし、ヒット&アウェイの要領で突撃と交代を繰り返し始める。
槍という武器だけに貫通力は高く、中距離戦であればそこまで近づかずともどうにかなる。
だがしかし、騎士団等の方も負けてはおらず、重装備故の要塞のような守備力を誇り、大剣の大きな刃を利用して攻撃を受け流し、力の流れを変える。
ぶつかり、流し、かわし、そして再び激突しあう。
騎士団長を中心に円を描きつつ、高速で入り乱れるその応酬は剣と槍の舞踏会。
ケンタウロス故の強靭な脚力での素早さを魅せ、重装備の鉄壁を魅せる。
互にニヤリと笑みを浮かべつつ、実力を認め合い、それでいて勝利をもたらすために隙を捜し、突いては防がれ、されども着実に決着の時が近づいていく。
「ぜぇ、ぜぇ…‥‥なかなかやるな、女性騎士団長殿!」
【そちらこそ、中々やるじゃないか!!】
両者の実力は拮抗し…‥‥いや、種族上の差があるせいか、ややルルの方に軍配が上がる。
けれども、技量の面では騎士団長の方がやや上のようだ。
「では、守りだけではなく、攻撃へ参ろう!!防ぎきれるこの守備を、攻撃に生かした時に、貴公は耐えられるか!!」
【ふふ、耐える耐えないの話にはならない!!それも分かっているだろう?ここに今あるのは、勝利に向けての執念と互いの騎士としての誇りのみ!!】
「ならば」
【もはや語るのは】
「【己の武器と信念のみである!!】」
互いに同時に叫び、両者とも再び試合開始時の激突を始める。
剣が振りかぶられ、槍ではじかれ、槍の突撃も剣で受け流される。
純粋な武術の応酬の末に、遂に決着がつくときが来た。
「【おおおおおおおおおおおお!!】」
互いに吠え、その力を乗せていく。
剣は切れ味へ、槍は突貫力へ。
ガッキィィィィン!!
金属が砕ける音が、試合場に響き渡る。
互いの武器がぶつかり合いその衝撃にどちらも耐えきれなかったようだ。
・・・いや、違う。
どちらも砕けたのではなく‥‥‥‥ひびが入っているのはルルの槍。
そして刃が根元から逝っているのは騎士団長の剣。
「ぬぅ…‥‥この剣がこうも砕けるとはな」
折れた剣を持ち、つぶやく騎士団長。
「まいった!!こちらの負けだ!!」
最後に武器の崩壊という幕切れであったが、それでも熱い戦いを魅せたことには変わりはない。
わああああああああああああああ!!っと観客席から歓喜の声が上がり、両者の健闘を称える。
【む、できればまだやりたかったが…‥‥仕方がないな】
「ああ、こちらとしても惜しいが、これ以上やると余計に熱くなりそうであった」
互いの健闘をたたえ合い、槍を収めるルルと気軽に話す騎士団長。
戦闘によって生まれた友情は、美しいものであった…‥‥
―――――――――――――――――――――――
SIDEシアン
【いい試合でしたねシアン!!姉さんがあそこまで戦って、ちょっと惜しい終わり方ですが、満足しましたよ!!】
「確かに、色々と惜しいけれどもすごい戦闘だったなぁ…‥‥」
剣と槍、人間と、ケンタウロス。
武器も種族も違えど、魅せる試合をしてくれたことに変わりはない。
「さてと、今日の目的としては、ハクロの姉でもあるルルさんの試合を見たからいいとして、後はフィーアの試合か」
今日の試合としては、後はフィーアの者を見るだけであろう。
騎士団長同士の試合も見ごたえがあったが、この後の試合も良い物になると思った。
「あれ?そう言えばワゼは?」
そこでふと、僕はあることに気が付いた。
観客席にいたはずのワゼの姿が、いつの間にかいなくなっている。
フィーアの念入りな最終メンテナンスにでも向かったのかなと疑問に思ったその時‥‥‥‥
―――かちゃり
「ん?」
ふと、何となく気にもしない様な物音であったが、何か妙な予感を感じ、その音の方へ僕は向いた。
見れば、観客席の端の方に立っている観客がいるが…‥‥何か様子がおかしい。
少々薄汚れたフードのようなものを被っており、肩がやや粗く上下して息苦しそうである。
だが、その手に持っているのは…‥‥小さい弓矢のようなもの。
観客席の端であり、騎士団長たちが手を取り合って健闘をたたえている中で、誰も気にも留めていない中、構えられ、弦が引き絞られる。
「っ!!」
嫌な予感がし、とっさに僕は魔法を放つ。
こういう時に無詠唱型の魔法はありがたく、魔法名を言うよりも早く魔法が発動した。
しゅん!!どすっ!!
「ぐごっ!?」
「‥‥‥あ、しまった」
弓矢を狙って、扱わせないようにしたつもりが、ちょっとばかり狙いが外れた。
見事にめり込み、音もなく相手は倒れ込む。…‥‥最初の頃の、ワゼたちの盗賊撃退法に色々言ったが、人の事は言えなかったなぁ。
幸い、試合場に注目が浴びられていたためにこの行為は気が付かれなかったが…‥‥少なくとも、何やら面倒そうなことが起きようとしているように感じられた。
とにもかくにも、次の試合までには時間があるし、今のうちにやれるだけの事はやっておくか……急所へクリーンヒットしたことはごまかせないかな?無理か。
------------------------
【お知らせ】
近況ボードにも載せましたが、11/14~16の3日間は作者の所用のため更新できません。
元々不定期更新の作品ですが、出来るだけ早く皆様に次回の話を届けられるように、全力でその用を済ませたいと思いますが、少々更新ができないことをご理解お願いいたします。
開始の合図が出されると同時に、騎士団長とルルは同時に地面を踏み砕き、真正面からぶつかり合った。
片や重装備の重い大剣。
もう片方は軽装備ながらもその槍の重量は人外レベルではないと扱えない様な代物。
互いの先がぶつかり合い、思い金属音が響き渡る。
「くっ!」
【ぐっ!】
互いに正面からぶつかり合って数秒ほどつばぜり合いをしたのち、すぐに距離を取る。
このまま正面からぶつかっても、互に決定打がない事を理解したのだ。
素早く距離を取りつつ、ルルは軽装備ゆえに素早く動ける利点を生かし、ヒット&アウェイの要領で突撃と交代を繰り返し始める。
槍という武器だけに貫通力は高く、中距離戦であればそこまで近づかずともどうにかなる。
だがしかし、騎士団等の方も負けてはおらず、重装備故の要塞のような守備力を誇り、大剣の大きな刃を利用して攻撃を受け流し、力の流れを変える。
ぶつかり、流し、かわし、そして再び激突しあう。
騎士団長を中心に円を描きつつ、高速で入り乱れるその応酬は剣と槍の舞踏会。
ケンタウロス故の強靭な脚力での素早さを魅せ、重装備の鉄壁を魅せる。
互にニヤリと笑みを浮かべつつ、実力を認め合い、それでいて勝利をもたらすために隙を捜し、突いては防がれ、されども着実に決着の時が近づいていく。
「ぜぇ、ぜぇ…‥‥なかなかやるな、女性騎士団長殿!」
【そちらこそ、中々やるじゃないか!!】
両者の実力は拮抗し…‥‥いや、種族上の差があるせいか、ややルルの方に軍配が上がる。
けれども、技量の面では騎士団長の方がやや上のようだ。
「では、守りだけではなく、攻撃へ参ろう!!防ぎきれるこの守備を、攻撃に生かした時に、貴公は耐えられるか!!」
【ふふ、耐える耐えないの話にはならない!!それも分かっているだろう?ここに今あるのは、勝利に向けての執念と互いの騎士としての誇りのみ!!】
「ならば」
【もはや語るのは】
「【己の武器と信念のみである!!】」
互いに同時に叫び、両者とも再び試合開始時の激突を始める。
剣が振りかぶられ、槍ではじかれ、槍の突撃も剣で受け流される。
純粋な武術の応酬の末に、遂に決着がつくときが来た。
「【おおおおおおおおおおおお!!】」
互いに吠え、その力を乗せていく。
剣は切れ味へ、槍は突貫力へ。
ガッキィィィィン!!
金属が砕ける音が、試合場に響き渡る。
互いの武器がぶつかり合いその衝撃にどちらも耐えきれなかったようだ。
・・・いや、違う。
どちらも砕けたのではなく‥‥‥‥ひびが入っているのはルルの槍。
そして刃が根元から逝っているのは騎士団長の剣。
「ぬぅ…‥‥この剣がこうも砕けるとはな」
折れた剣を持ち、つぶやく騎士団長。
「まいった!!こちらの負けだ!!」
最後に武器の崩壊という幕切れであったが、それでも熱い戦いを魅せたことには変わりはない。
わああああああああああああああ!!っと観客席から歓喜の声が上がり、両者の健闘を称える。
【む、できればまだやりたかったが…‥‥仕方がないな】
「ああ、こちらとしても惜しいが、これ以上やると余計に熱くなりそうであった」
互いの健闘をたたえ合い、槍を収めるルルと気軽に話す騎士団長。
戦闘によって生まれた友情は、美しいものであった…‥‥
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SIDEシアン
【いい試合でしたねシアン!!姉さんがあそこまで戦って、ちょっと惜しい終わり方ですが、満足しましたよ!!】
「確かに、色々と惜しいけれどもすごい戦闘だったなぁ…‥‥」
剣と槍、人間と、ケンタウロス。
武器も種族も違えど、魅せる試合をしてくれたことに変わりはない。
「さてと、今日の目的としては、ハクロの姉でもあるルルさんの試合を見たからいいとして、後はフィーアの試合か」
今日の試合としては、後はフィーアの者を見るだけであろう。
騎士団長同士の試合も見ごたえがあったが、この後の試合も良い物になると思った。
「あれ?そう言えばワゼは?」
そこでふと、僕はあることに気が付いた。
観客席にいたはずのワゼの姿が、いつの間にかいなくなっている。
フィーアの念入りな最終メンテナンスにでも向かったのかなと疑問に思ったその時‥‥‥‥
―――かちゃり
「ん?」
ふと、何となく気にもしない様な物音であったが、何か妙な予感を感じ、その音の方へ僕は向いた。
見れば、観客席の端の方に立っている観客がいるが…‥‥何か様子がおかしい。
少々薄汚れたフードのようなものを被っており、肩がやや粗く上下して息苦しそうである。
だが、その手に持っているのは…‥‥小さい弓矢のようなもの。
観客席の端であり、騎士団長たちが手を取り合って健闘をたたえている中で、誰も気にも留めていない中、構えられ、弦が引き絞られる。
「っ!!」
嫌な予感がし、とっさに僕は魔法を放つ。
こういう時に無詠唱型の魔法はありがたく、魔法名を言うよりも早く魔法が発動した。
しゅん!!どすっ!!
「ぐごっ!?」
「‥‥‥あ、しまった」
弓矢を狙って、扱わせないようにしたつもりが、ちょっとばかり狙いが外れた。
見事にめり込み、音もなく相手は倒れ込む。…‥‥最初の頃の、ワゼたちの盗賊撃退法に色々言ったが、人の事は言えなかったなぁ。
幸い、試合場に注目が浴びられていたためにこの行為は気が付かれなかったが…‥‥少なくとも、何やら面倒そうなことが起きようとしているように感じられた。
とにもかくにも、次の試合までには時間があるし、今のうちにやれるだけの事はやっておくか……急所へクリーンヒットしたことはごまかせないかな?無理か。
------------------------
【お知らせ】
近況ボードにも載せましたが、11/14~16の3日間は作者の所用のため更新できません。
元々不定期更新の作品ですが、出来るだけ早く皆様に次回の話を届けられるように、全力でその用を済ませたいと思いますが、少々更新ができないことをご理解お願いいたします。
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