拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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春間近、でも頭春は来ないで欲しい

#255 春風と共にデス

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SIDEシアン

「…‥‥お父様たち、何を考えてこんなことを実行するのでしょうか?」

 はぁっと何やら溜息を吐くミスティア。

 彼女の手許には、何やら一枚の手紙が届いていた。

「ん?何かあったのか?」
「ええ、お父様‥‥‥もとい、この国の国王がある催しをするそうで、その事に関する手紙が届けられたのですわ」

 僕の問いかけに対して答えながら、ミスティアはそれを渡してきた。

 内容は…‥‥何やら大きな行事らしい。

「ふーん、『首都内大規模行事開催のお知らせ』か‥‥‥でも、その肝心の内容が無いよね?」
【単に、行事を行うだけとしか書いていないですよね】

 ひょこっと首を伸ばし、背後からハクロがその内容を見ていた。

 ついでに、今娘たちはどちらも昼寝の時間で、彼女の蜘蛛の背中部分に備え付けられたおんぶ紐につながれて、ぐっすりと眠り中。

 多少の揺れでも起きないようで、ある意味神経の太さとか将来大物になりそうな予感はさせられる。

「詳細不明で、開催するのは数日後になりそうですが…‥‥何ででしょう、ものすごくーく嫌な予感しかしないのですわ」
「この間、怪物騒動があったしなぁ‥‥‥その騒動での憂いなどをも吹っ飛ばすためにとかだとは思えるけど‥‥」
【そういう理由でも、何をするのかわからない物を送ってくる理由も分かりませんよね?】

 うーんっと皆で首をひねって考えてみるが、その内容が分からない。

 開催日時などの予定だけで、何をやるのか詳細不明…‥‥なんだこれ?


「ワゼ、ツェーンあたりから情報は得られないかな?」
「確認してみマス」

 ワゼに問いかけると、素早く彼女が現れ、連絡を取り始める。

 首都の方にいる裏ギルド所属のツェーン‥‥‥彼女の方ならすぐに情報が手に入りそうだからね。

 少々待っていると、どうやら連絡が取れたようだ。


「‥‥‥なるほど、大体把握しているようデス」
「その内容は?」
「どうも、この度ボラーン王国の国王が隠居したようで、その為にも次期国王の座を決めるためのものらしいデス」

 いわく、現在のボラーン王国の国王‥‥‥ミスティアの父親でもある王は、最近の騒動などで心的にも色々疲れ、一旦政務から解放されたいらしい。

 大掃除の影響である程度の効率化なども進み、仕事が楽になったとはいえ、それでもやはり王という重責からちょっと逃れたいのだとか。


「温泉都市への予約なども確認されており、おそらくはこの催しの中で退位宣言し、しばらく療養のために温泉都市の方に引きこもるようデス。で、そのためには新しい王が必要なので…‥‥」
「その催しの中で発表するという事か?」
「いえ、発表というよりも、国民に決めさせるような何かを行うそうデス。流石に、その何かまでは当日まで議論され続けて不明なようデス」
「新しい国王選定などが考えられますが‥‥‥見当つきませんわね」

 とにもかくにも、その行事によって国王が退位し、新しい王が就くというのは確定事項のようだ。

 現状、王位継承権を持つ者を考えるのであれば…‥‥‥


「ミスティアは外れているっけ?」
「ええ、嫁いだ際に魔王の元なので、外されているのですわ」

 となると、残った王位継承権を持つ者たちは、ミスティアの兄弟姉妹たち…‥‥王子・王女か。


【んー、誰がいましたっけ?】
「第1王子マイーナ・ザ・ボラーン、第2王子ゼルドラ・ザ・ボラーン、第3王子イスカンダル・ザ・ボラーン、第4王子ニーズ・ザ・ボラーン、第1王女アルティア・ザ・ボラーン、第5王子ザリック・ザ・ボラーン、以上デス。各王子・王女ともに評価は良いので王位継承されようが特に問題は‥‥‥無い?でしょうカ?」
「なんか珍しく疑問形だね」
「いや、ワゼさんがそう確信を持てないのもわかりますわよ。わたしくしの兄姉様方は確かに人徳的な部分などでは良いのですが…‥‥」


 そう、ミスティアの兄や姉たちは確かにここに大きな問題はない。

 というか、他国とかだと腐った馬鹿とかがいるので、むしろ珍しい方でもあるのだ。

 だがしかし、その周囲の方に問題があるというか、本人たちが悪気が無くてもやらかすというか‥‥‥

「ストーカー問題、他国の間者と仲良くなる問題、物体X問題…‥‥結構あるのですわ」
「それぞれ違うものを抱えているというか、何というか…‥‥苦労しているね」
「まったくですわ‥‥‥」

 はぁぁぁっと、深い溜息を吐くミスティアに、僕らは同情を抱く。

 一応、王城にいた時はそのやらかした始末なども彼女はしていたようで、相当苦労したのだろう。

 励ます意味も、同情の意味も込めて、僕らはポンッと彼女の肩を優しく叩くのであった。


「というか、あの兄様姉様たちが、そう簡単に王位を貰う可能性は無いですわね…‥‥押し付け合いが日常茶飯事でしたし、どうやって決めるのかしら?」
「なんというか、本当に変わった王家だよな」
「データ的にも、数少ない例デス」
【平和そうに見えますけど、王位を欲しがらない王ってのも問題がありそうですよね…‥‥】

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