拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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春間近、でも頭春は来ないで欲しい

#256 そんなので良いのでしょうカ?いえ、いいのデス

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SIDEシアン

‥‥‥行事の知らせから2日後。どうやらその詳細情報が開示されたらしい。

 現在の国王が退位し、新たな王を立てるための行事。

 第1~5王子、第1王女の計6名の王位継承権保持者たちを、どのようにして選定するのかと思えば‥‥‥

「‥‥‥選挙のようですわね」
「選挙?」

 普通に国民投票を呼びかけ、その国民の意思によって次代の王を決める方法。

 だが、この行事は大掛かりなものであり、ただの選挙ではないことがうかがえた。


「姉様、兄様方は普通に国民には知られていますわ。普段、どの様な人物たちであるかどうかは周知の事実」

 第2王女であったミスティアも結構有名な方ではあったが、他の王子・王女たちも実は結構有名らしい。

 第1、2王子たちは市井へ出向き、民たちの動向を探り、第3、4王子たちは、辺境へ出向いて、国境視察や税金の着服が無いか確認する。

 そして第5王子と第1王女は、国内の政治だけではなく文化の発展、孤児院や医療施設などをめぐり、飢えた子供たちがいないように働き、職の確保などを行っているのだ。


 っと、これだけの功績があるので、きちんと愚王にもならないだろうと思われており、今更普通の選挙を行ったところで、拮抗するか‥‥‥もしくは、他国の方などを倣って第1~3王子辺りに票が集中する可能性がある。

 その事を考えてか、今回の選挙はそうやすやすと結果が分かりやすそうなものを取らない。


 普通の人気投票のような方法なら良いのだが‥‥‥その方法を使用しないようだ。

「ということは、どんな方法になるの?」
「どうも、課題を出して、その結果次第での投票のようですわね」
【どういうことでしょうか?】





…‥‥今一つわかりにくい内容。

 だが、その中身を読んでみれば、どの様な選挙が行われるのか理解できた。

―――――――――――――
『第1回:次期国王選定選挙』
・内容:次代の国を担う、王になるものを決める選挙。
・詳細:各王子王女たちに、とある課題を出す。その課題をこなした結果を国民が評価し、次期国王にふさわしいか決めて投票を行う。
課題が被るものもいるが、公平さをきちんと審査する。
課題は以下のものである。

「第1王子マイーナ・ザ・ボラーン&第2王子ゼルドラ・ザ・ボラーン」
ストーカー及びその候補100人以上に対し、熱心に愛の告白で口説き倒しつつ、どうにか受け入れられるようにすること。現在の国王も側室などがいるため、正妃だけではなく他も抱え込めることを考えての課題である。

「第3王子イスカンダル・ザ・ボラーン&第4王子ニーズ・ザ・ボラーン」
友人的な他国の間者たちを、この国へ引き込めないか勧誘しつつ、政治的にどのように生かせるのかの手腕を見せつける事。ただし、場合によっては自国の間者やその他扱える手段があれば利用してよい。

「第5王子ザリック・ザ・ボラーン」
孤児院やその他福祉施設への訪問を増やしつつ、音痴を改善すること。

「第1王女アルティア・ザ・ボラーン」
壊滅的な料理の腕前を、向上させること。もしくは今以上に低下させない事。

―――――――――――――

「‥‥なんかさ、各自の良くない点を治す課題じゃないかな?」
【思った以上に普通というべきか、それとも審査基準が分かりにくいことにツッコミを入れるべきでしょうか?】

 まともそうで、なかなか難しそうな課題だが…‥‥これをどうこなしたかで国民に評価してもらい、その結果で王になるらしい。

 が、その最後の方まで読み進めていくと、ある文が目に入った。

―――――――――――――――
‥‥‥なお、第2王女ミスティア・ザ・ボラーンは魔王の元へ嫁ぎ、王位継承権は消滅状態である。ゆえに、今選挙において彼女が王位を戴けるわけではない。…‥‥が、今回に限り、これらの課題を各自が完璧にこなしたと評価された場合、彼女の王位継承権も復活させ、第2回選挙をすぐに開催し、その結果によって王を決める。
――――――――――――――


「「【…‥‥なんですと?】」」

 まさかのその内容に、僕らはそろって驚きの声を上げた。

 どうやら、もし王子王女たちが完璧に課題をこなしたと評価された場合、ミスティアの王位継承権が復活するらしい。

 そしてそのまま普通の選挙に移行して‥‥‥‥


「‥‥‥ちょっと、いえ、非常に不味いですわね」
「これ、もしかしてミスティアが王女、いや、この場合女王になる可能性があるってことか?」

‥‥‥聞いた話では、ボラーン王家の王子・王女たちは王位継承権争いではなく王位継承権押し付け合い争いのようなものが起きている。

 で、ミスティアは現在僕の元へ嫁いだためにその争いから逃れ、平穏に過ごしていたが…‥‥ここにきて、まさかの強制参戦の可能性が出て来たのだ。

「これでは、兄様姉様方が本気になって課題に取り組むのが目に見えてますわね…‥‥」
「いや待てよ?魔王の元へ嫁いだとあるし、普通この場合ミスティアが女王へとなる可能性は無いような‥‥‥」
「いえ、抜け道があるようデス」

 っと、ここでふといつの間にかいたワゼが、今のつぶやきに答えた。

「抜け道?」
「ご主人様が今代の魔王なのは王家の方でも承知の上。普通であれば、その奥方となられたミスティア様を戻さないでしょウ。しかし、ここでご主人様の魔王としての部分で、あるところが無いのが突かれマス」
「というと?」
「『国を持たない』という部分デス」


‥‥‥国を持つ相手ならまだしも、持たない相手。

 ゆえに、ミスティアが女王になっても別にどこかの国の領土と合併などをするわけもないし、立場的には女王の相手として受け入れられるのだとか。

「ああ、なるほど。他国の方に嫁いだならまだしも、国を持たない魔王相手だからそんな手段がとれ‥‥‥あれ?もしかして、それって僕らも巻き込まれ決定?」
「そうなりマス」
「…‥‥どうにかできない?」
「無理デス。ご主人様の事に関して言えば、先日の怪物騒動の功労者でもあり、ミスティア様が嫁がれた相手としても大丈夫な人だろうという評価もあり、拒否したくとも具体的な理由を出せないのデス」
「強硬手段‥‥‥も、無理か」

 魔法などで強硬手段に訴えようものならば、今の中立という立場認識から、悪の魔王という認識に変えられかねない。

 どうも非常に面倒なことに、僕らは巻き込まれてしまったようであった‥‥‥‥


「‥‥‥それにしても、兄様姉様方ならこの条件でわたくしに王位を押しつけられると思って、一生懸命課題に取り組むのでしょうけれども‥」
「ん?何かおかしいところがあるのか?いや、僕等も巻き添えになる可能性がある時点で、色々とおかしいが‥‥‥」
「お父様たちだけで、ここまで策略を練られるとは思いませんわね…‥‥お母様方も協力しているのでしょうか‥‥?」

‥‥‥何だろう、妙な説得力というか、まだ隠された罠がありそうな予感を感じさせるというか‥‥‥何にしても、不安しかないなぁ…‥‥


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