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火種はどこにでも落ちていた
#279 ありそうだけど中々表には出ないのデス
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‥‥‥『聖剣』。
それは、名前の通り「聖」なる「剣」であり、悪を打ち滅ぼすものかと思わされるが、それは違う。
正しくは「魔王殺し」の「剣」であり、そう考えると『魔剣』の名称の方がいいように思われるのだが…‥‥まぁ、世の中にはそういう文字のこだわりとか、印象操作などを考える人たちによって、魔剣よりも聖剣の方がいいとされ、そういう名称になったそうだ。
それはともかくとして、聖剣とは何なのか?
その機能は「魔王のみを確実に葬り去る事が出来る」というものに特化された存在。
この世界の魔王というのは、善、中立、悪とあり、そのうちの悪を滅ぼす時にぐらいしか表に出ない。
何しろ、魔王という存在は強大でもあり、世界を滅ぼしかねないのだから。
善や中立は良いとして、悪ならまず確実にやりかねないのだから。
そのために、この聖剣は悪の魔王出現時に姿を現し、その手にした者に力として従い、悪を打つのだが‥‥‥
――――――――――――――
SIDEシアン
「‥‥‥いや、ちょっと待って?僕が今代の魔王でも、立場的には中立だよね?」
「ハイ」
預言者の方からの情報を得たワゼの説明を聞きつつ、僕等はその聖剣のある場所へ向かっていたが、その説明にちょっと納得いかないところがあった。
「悪の魔王とかじゃないし、聖剣が現れそうにないんだけど‥‥‥」
「ええ、その通りデス。ですが、どうもこれは口伝らしく、正確ではないと預言者の人は言ってましタ」
「じゃあ、正確に言えば?」
「悪だろうと何だろうと関係なく、魔王出現時には出現する魔王殺し特化の剣のようデス。魔王の制御装置というべき様なものでもあるようですが…‥‥」
まぁ、制御装置という言い方であれば、まだわかるかな。
全だろうと中立だろうと、怒りで我を忘れそうなときぐらいはあるし、万が一の時に止める手段としてあってもおかしくはないだろう。
‥‥‥でも、そんなものを「出現させる」とか「魔王が出た時のみに現れる」とかが気になるな。なんか誰かが操作しているような気がしなくもないというか…‥‥
何にしても、少々の疑問を抱きつつも、王城からの地下通路を進むこと数分ほどで、その場所に僕らはたどり着いた。
「ここデス」
そう言われて、その場所へ出向いて見れば、通路の壁に大穴が開いており、その奥の方に空間ができていた。
そして、そこには盛り上がった土があり、その上に深々と一本の剣が突き刺さっていた。
「なんか某緑の勇者伝説にありそうなというか…‥‥でも、聖剣らしさは無いなぁ」
見た感じ、ただの剣という風にしか見えないのだが‥‥‥何でここに刺さっているのかはさておき、イメージしているような神々しい聖剣的なものではない。
「‥‥‥ちょっと試してみるか」
直接触れるのはなんか怖いので、魔力の衣を僕は出現させた。
イメージ通りに動く衣で、手を創り出し、それを伸ばして触れさせ…‥‥
じゅわああああああああああああああああああああああああ!!
「‥‥‥うわぁ、溶けた」
一瞬で、触れた部分から融解し、霧散してしまった。
魔王殺しの剣というだけに、きちんと特化されていたというか…‥‥シャレにならないな。
【シアンの魔力だけでこれって‥‥‥相当やばいですよね】
「これ、常人なら大丈夫ですの?」
「少々分析したところ、おそらくは常人では平気かと思われマス。魔王殺しに特化している分、その他の機能は犠牲にされているようデス」
そう言うと、ワゼはすっと聖剣の柄を握り、すぽっと引っこ抜いた。
「あ、案外楽に抜けるのか」
「そのようデス。シスターズも試してみましたが、選ばれし者しか引けないとか、そういう制限もないようデス。ただ‥‥‥」
「ただ?」
「魔王殺し特化のせいか、ご覧くだサイ」
そう言うと、ミスティアについてきたフィーアが合図と共に何かをワゼに向かって放り投げた。
肉の塊や、衣服類、丸太などだが…‥‥
「一見、ただの剣で鋭利そうに見えますが…‥‥ドウゾ」
そうつぶやき、しゅんっと一瞬で剣が振るわれる。
よくあるズバババンっと痛快に斬れるような気もしたが…‥‥
ドゴゴゴゴン!!
‥‥‥一つも切れることなく、むしろ鈍い打撃音を響かせるだけであった。
「‥‥‥まさか、魔王殺し特化過ぎて」
「ええ、完全になまくらデス」
見た目は剣、魔王殺しの機能を立派に持っているのに、まさかの普通の剣以下の切れ味。
特化しすぎた代償というか…‥‥ちょっと聖剣に対してのイメージに期待していた少年心なりのわくわく感を帰してほしい残念感しかないのであった…‥‥
「鍛え直してもダメ?」
「無理デス。未知の技術などもあるようで、より詳細に解析しないと不可能デス」
‥‥‥いや本当に、なんか聖剣に対してのイメージを帰してほしい。
魔王殺し特化で使えない剣って何の価値が‥‥‥‥
それは、名前の通り「聖」なる「剣」であり、悪を打ち滅ぼすものかと思わされるが、それは違う。
正しくは「魔王殺し」の「剣」であり、そう考えると『魔剣』の名称の方がいいように思われるのだが…‥‥まぁ、世の中にはそういう文字のこだわりとか、印象操作などを考える人たちによって、魔剣よりも聖剣の方がいいとされ、そういう名称になったそうだ。
それはともかくとして、聖剣とは何なのか?
その機能は「魔王のみを確実に葬り去る事が出来る」というものに特化された存在。
この世界の魔王というのは、善、中立、悪とあり、そのうちの悪を滅ぼす時にぐらいしか表に出ない。
何しろ、魔王という存在は強大でもあり、世界を滅ぼしかねないのだから。
善や中立は良いとして、悪ならまず確実にやりかねないのだから。
そのために、この聖剣は悪の魔王出現時に姿を現し、その手にした者に力として従い、悪を打つのだが‥‥‥
――――――――――――――
SIDEシアン
「‥‥‥いや、ちょっと待って?僕が今代の魔王でも、立場的には中立だよね?」
「ハイ」
預言者の方からの情報を得たワゼの説明を聞きつつ、僕等はその聖剣のある場所へ向かっていたが、その説明にちょっと納得いかないところがあった。
「悪の魔王とかじゃないし、聖剣が現れそうにないんだけど‥‥‥」
「ええ、その通りデス。ですが、どうもこれは口伝らしく、正確ではないと預言者の人は言ってましタ」
「じゃあ、正確に言えば?」
「悪だろうと何だろうと関係なく、魔王出現時には出現する魔王殺し特化の剣のようデス。魔王の制御装置というべき様なものでもあるようですが…‥‥」
まぁ、制御装置という言い方であれば、まだわかるかな。
全だろうと中立だろうと、怒りで我を忘れそうなときぐらいはあるし、万が一の時に止める手段としてあってもおかしくはないだろう。
‥‥‥でも、そんなものを「出現させる」とか「魔王が出た時のみに現れる」とかが気になるな。なんか誰かが操作しているような気がしなくもないというか…‥‥
何にしても、少々の疑問を抱きつつも、王城からの地下通路を進むこと数分ほどで、その場所に僕らはたどり着いた。
「ここデス」
そう言われて、その場所へ出向いて見れば、通路の壁に大穴が開いており、その奥の方に空間ができていた。
そして、そこには盛り上がった土があり、その上に深々と一本の剣が突き刺さっていた。
「なんか某緑の勇者伝説にありそうなというか…‥‥でも、聖剣らしさは無いなぁ」
見た感じ、ただの剣という風にしか見えないのだが‥‥‥何でここに刺さっているのかはさておき、イメージしているような神々しい聖剣的なものではない。
「‥‥‥ちょっと試してみるか」
直接触れるのはなんか怖いので、魔力の衣を僕は出現させた。
イメージ通りに動く衣で、手を創り出し、それを伸ばして触れさせ…‥‥
じゅわああああああああああああああああああああああああ!!
「‥‥‥うわぁ、溶けた」
一瞬で、触れた部分から融解し、霧散してしまった。
魔王殺しの剣というだけに、きちんと特化されていたというか…‥‥シャレにならないな。
【シアンの魔力だけでこれって‥‥‥相当やばいですよね】
「これ、常人なら大丈夫ですの?」
「少々分析したところ、おそらくは常人では平気かと思われマス。魔王殺しに特化している分、その他の機能は犠牲にされているようデス」
そう言うと、ワゼはすっと聖剣の柄を握り、すぽっと引っこ抜いた。
「あ、案外楽に抜けるのか」
「そのようデス。シスターズも試してみましたが、選ばれし者しか引けないとか、そういう制限もないようデス。ただ‥‥‥」
「ただ?」
「魔王殺し特化のせいか、ご覧くだサイ」
そう言うと、ミスティアについてきたフィーアが合図と共に何かをワゼに向かって放り投げた。
肉の塊や、衣服類、丸太などだが…‥‥
「一見、ただの剣で鋭利そうに見えますが…‥‥ドウゾ」
そうつぶやき、しゅんっと一瞬で剣が振るわれる。
よくあるズバババンっと痛快に斬れるような気もしたが…‥‥
ドゴゴゴゴン!!
‥‥‥一つも切れることなく、むしろ鈍い打撃音を響かせるだけであった。
「‥‥‥まさか、魔王殺し特化過ぎて」
「ええ、完全になまくらデス」
見た目は剣、魔王殺しの機能を立派に持っているのに、まさかの普通の剣以下の切れ味。
特化しすぎた代償というか…‥‥ちょっと聖剣に対してのイメージに期待していた少年心なりのわくわく感を帰してほしい残念感しかないのであった…‥‥
「鍛え直してもダメ?」
「無理デス。未知の技術などもあるようで、より詳細に解析しないと不可能デス」
‥‥‥いや本当に、なんか聖剣に対してのイメージを帰してほしい。
魔王殺し特化で使えない剣って何の価値が‥‥‥‥
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