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何が良いのかどうかはその時次第かもしれないけど
#314 不安はあれどもデス
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SIDEシアン
「‥‥‥何だろう、物凄く久し振りにというか、まともな馬車での移動か‥‥‥」
「まぁ、普通はこっちですわよ。ポチ馬車が異常なだけですわ」
シアンのぽつりと漏らした言葉に対して、苦笑しながらミスティアは答える。
現在、他国の晩餐会とやらに招待され、そこへ向けて馬車に乗っているのだが、流石に今回はポチ馬車ではなく、通常の王族御用達とされる馬車の方へ、僕等は乗っていた。
とはいえ、一応ワゼの手によって改造済みであり、見た目は通常の馬車だけど、中身はそれを凌駕する性能となっているのだが…‥‥
「にしても、ハクロたちに留守番を頼むのもなぁ‥不安しかないというか、何と言うか」
「ああ、それは分かりますわね…‥」
いや、ハクロを残していくことが不安なのもあるが、娘たちがやらかさないかという不安の方が会ったりもする。
日を追うごとに成長していくのは親という立場上嬉しいのだが、その分活発になりすぎる。
目を離せば壁をよじ登っているわ、王城のてっぺんから滑空するわ、天井裏に潜んで移動しているわ‥‥‥シスターズに監視を頼んでも、彼女達でも予想外な動きをしでかすなど、そのやんちゃっぷり、いや、女の子だからおてんばぶりにますます磨きがかかっているのである。
「立場的には、王女‥‥‥になるのかな?」
「正確に言えば、わたくしとの子が王族なので、この場合は違うのだけれども‥‥‥でも、同じ子供なのには変わりないですわね。ヒルドの方は商国の王子との婚約もありますので、王族扱いも間違っては無いですが‥‥‥少し、大人しくしてほしいという想いもありますわ」
「それは同じく思うよね…‥」
何だろう、この危険物を置いて出かける気持ちは。
「フーフー」
「ん?フィーア、通信かしら?」
「フ!」
ミスティアの言葉に対して、今も彼女の護衛としているシスターズの一体、フィーアはそう答えた。
‥‥‥ハクロたちの方が心配なので、今回ワゼには王城の方に残ってもらっているが、一応フィーア経由で連絡を取れるようにしている。
で、そんな彼女からの連絡らしいが‥‥‥なんか嫌な予感しかしないな。
『あーあー、こちらワゼ、ご主人様聞こえていますカ?』
「ああ、聞こえているよ。で、何か問題でもあったのか?」
『いえ、特にそのような事はありません。そろそろ嫁ぐ予定の第1王女様がまた新種の物体を生み出した程度ですが、それとは別にある報告をすることを忘れていたので、連絡しただけデス』
「ある報告って?」
新しい物体とかの方は気になるが、それは置いて良い問題だろう。
今は、その報告の方を聞いたほうが良さげである。
『これからご主人様が向かう予定の国‥‥‥「アブリルサーモン法王国」についての調査を終えたので、その国内事情についての報告を行いたいと思いマス』
「なるほど」
招待状を送ってきた国、アブリルサーモン法王国。
王国という立場でありつつ、王制と議会制を混ぜ込んだような政治体制を取っている国らしく、一応何か問題がないのか、調査してもらったが‥‥‥案の定というか、結構早く終えたらしい。
「じゃぁ、行ってくれ」
『了解デス』
道中、到着するまでに、僕等はその法王国の国内情勢などの情報をしっかりと予習しておくのであった…‥‥
「というか、結構調べられているけど、シスターズを派遣していたっけ?」
『いえ、ツェーンとエィルフの二人に、わざわざ出向いて調べてもらっただけデス。宗教国のような面もありますので、その部分からと、裏社会の方からの調査でもありマス。後、仮設置を考えている類を予定している国でもありマス』
仮設置って何を?
―――――――――――――――――――――――――
SIDEアブリルサーモン法王国
‥‥‥馬車でシアンたちが向かっている丁度その頃、法王国の場内では準備が進んでいた。
もう間もなく、他国からの来賓を招いて行う晩餐会。
表向きは、この国の王族の祝い事を行うので、それを祝ってもらうため。
法王国はとある国を除けば、どこの国ともそれなりの付き合いがあり、出席をお願いする相手も多い。
ゆえに、その相手に失礼の内容にしつつ、今後の関係もそれなりに良い物にしていきたいとアピールする目的があるのだ。
とはいえ、互に腹の探り合いをするので、駆け引きが必要となるが‥‥‥それは、個人ごとの腕の見せ所でもあった。
‥‥‥そして裏では、別の目的もあった。
腹の探り合いをする場ではあるが、それとは別に、ここに招待されたのは他国の王族、重鎮ばかり。
とある領地を争っている相手も多いのだが、その相手もあえて招待することである程度の腹の探り合いも行うのだが‥‥‥そんなことはどうでもいい。
重要なのは、それだけ他の国々にとっては重要な人が多い事。
という事は、ある手段を取ってどうにかすることも可能なことが多く…‥‥そのある手段を取ろうと、動いているのだ。
ただし、それはこの国の政治を担う者ではない。
いや、担えないような者達だからこそ、そのような事を取ろうと、勝手に動き、バレないように工作しているだけともいえよう。
実績を得るために。自国を有利にするために。求める領地を得るために。
保険として、別の者たちを動かしてもおり、そちらも同時進行でこなし、万が一に備えて準備を進めていく。
‥‥‥とは言え、全てが隠し通せるわけもない。
いや、あらかじめ疑っているからこそ、調べ尽くされていたりもするのだが‥‥‥彼らはその可能性を考えなかった。
ああ、やめておけばよかったのにと、その企む者たちの一人がつぶやいたときには、全てが遅かったのであった‥‥‥
「‥‥‥何だろう、物凄く久し振りにというか、まともな馬車での移動か‥‥‥」
「まぁ、普通はこっちですわよ。ポチ馬車が異常なだけですわ」
シアンのぽつりと漏らした言葉に対して、苦笑しながらミスティアは答える。
現在、他国の晩餐会とやらに招待され、そこへ向けて馬車に乗っているのだが、流石に今回はポチ馬車ではなく、通常の王族御用達とされる馬車の方へ、僕等は乗っていた。
とはいえ、一応ワゼの手によって改造済みであり、見た目は通常の馬車だけど、中身はそれを凌駕する性能となっているのだが…‥‥
「にしても、ハクロたちに留守番を頼むのもなぁ‥不安しかないというか、何と言うか」
「ああ、それは分かりますわね…‥」
いや、ハクロを残していくことが不安なのもあるが、娘たちがやらかさないかという不安の方が会ったりもする。
日を追うごとに成長していくのは親という立場上嬉しいのだが、その分活発になりすぎる。
目を離せば壁をよじ登っているわ、王城のてっぺんから滑空するわ、天井裏に潜んで移動しているわ‥‥‥シスターズに監視を頼んでも、彼女達でも予想外な動きをしでかすなど、そのやんちゃっぷり、いや、女の子だからおてんばぶりにますます磨きがかかっているのである。
「立場的には、王女‥‥‥になるのかな?」
「正確に言えば、わたくしとの子が王族なので、この場合は違うのだけれども‥‥‥でも、同じ子供なのには変わりないですわね。ヒルドの方は商国の王子との婚約もありますので、王族扱いも間違っては無いですが‥‥‥少し、大人しくしてほしいという想いもありますわ」
「それは同じく思うよね…‥」
何だろう、この危険物を置いて出かける気持ちは。
「フーフー」
「ん?フィーア、通信かしら?」
「フ!」
ミスティアの言葉に対して、今も彼女の護衛としているシスターズの一体、フィーアはそう答えた。
‥‥‥ハクロたちの方が心配なので、今回ワゼには王城の方に残ってもらっているが、一応フィーア経由で連絡を取れるようにしている。
で、そんな彼女からの連絡らしいが‥‥‥なんか嫌な予感しかしないな。
『あーあー、こちらワゼ、ご主人様聞こえていますカ?』
「ああ、聞こえているよ。で、何か問題でもあったのか?」
『いえ、特にそのような事はありません。そろそろ嫁ぐ予定の第1王女様がまた新種の物体を生み出した程度ですが、それとは別にある報告をすることを忘れていたので、連絡しただけデス』
「ある報告って?」
新しい物体とかの方は気になるが、それは置いて良い問題だろう。
今は、その報告の方を聞いたほうが良さげである。
『これからご主人様が向かう予定の国‥‥‥「アブリルサーモン法王国」についての調査を終えたので、その国内事情についての報告を行いたいと思いマス』
「なるほど」
招待状を送ってきた国、アブリルサーモン法王国。
王国という立場でありつつ、王制と議会制を混ぜ込んだような政治体制を取っている国らしく、一応何か問題がないのか、調査してもらったが‥‥‥案の定というか、結構早く終えたらしい。
「じゃぁ、行ってくれ」
『了解デス』
道中、到着するまでに、僕等はその法王国の国内情勢などの情報をしっかりと予習しておくのであった…‥‥
「というか、結構調べられているけど、シスターズを派遣していたっけ?」
『いえ、ツェーンとエィルフの二人に、わざわざ出向いて調べてもらっただけデス。宗教国のような面もありますので、その部分からと、裏社会の方からの調査でもありマス。後、仮設置を考えている類を予定している国でもありマス』
仮設置って何を?
―――――――――――――――――――――――――
SIDEアブリルサーモン法王国
‥‥‥馬車でシアンたちが向かっている丁度その頃、法王国の場内では準備が進んでいた。
もう間もなく、他国からの来賓を招いて行う晩餐会。
表向きは、この国の王族の祝い事を行うので、それを祝ってもらうため。
法王国はとある国を除けば、どこの国ともそれなりの付き合いがあり、出席をお願いする相手も多い。
ゆえに、その相手に失礼の内容にしつつ、今後の関係もそれなりに良い物にしていきたいとアピールする目的があるのだ。
とはいえ、互に腹の探り合いをするので、駆け引きが必要となるが‥‥‥それは、個人ごとの腕の見せ所でもあった。
‥‥‥そして裏では、別の目的もあった。
腹の探り合いをする場ではあるが、それとは別に、ここに招待されたのは他国の王族、重鎮ばかり。
とある領地を争っている相手も多いのだが、その相手もあえて招待することである程度の腹の探り合いも行うのだが‥‥‥そんなことはどうでもいい。
重要なのは、それだけ他の国々にとっては重要な人が多い事。
という事は、ある手段を取ってどうにかすることも可能なことが多く…‥‥そのある手段を取ろうと、動いているのだ。
ただし、それはこの国の政治を担う者ではない。
いや、担えないような者達だからこそ、そのような事を取ろうと、勝手に動き、バレないように工作しているだけともいえよう。
実績を得るために。自国を有利にするために。求める領地を得るために。
保険として、別の者たちを動かしてもおり、そちらも同時進行でこなし、万が一に備えて準備を進めていく。
‥‥‥とは言え、全てが隠し通せるわけもない。
いや、あらかじめ疑っているからこそ、調べ尽くされていたりもするのだが‥‥‥彼らはその可能性を考えなかった。
ああ、やめておけばよかったのにと、その企む者たちの一人がつぶやいたときには、全てが遅かったのであった‥‥‥
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