拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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何が良いのかどうかはその時次第かもしれないけど

#320 利用できそうな者であれば、利用してやればいいだけの話デス

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SIDE シアン

「…‥‥まぁ、この程度で譲り合えばいいか。これで互いに損はないからね」
【ふぅむふぅむぅ、納得できますねぇ】

 いまだに誰もが洗脳されたまま、放置した状態で、僕は悪魔ベルゼブブとある交渉を行っていた。

「利用する機会、場所、規模などもしっかりと申請しつつ、見つけ次第連絡を入れてくれれば」
【あとは一つ一つ消費して、この世から消せばいいだけですねぇ?ああ、あのお方のモノを集めるのも趣味ですが、物は使わねば損という道理!連絡し、許可、消費をすることも良い事でしょう!!ええ、ええ、今代の魔王はよぅく話が分かってくれるお方だ!!】

 嬉しそうな声を上げるベルゼブブ。



‥‥‥悪魔グズゥエルゼの手で作られた、未だに把握できていない数多くの負の遺産。

 それらをすべて見つけるのは難しいし、破壊してしまっても周囲にどのような影響を与えるのか、分からないものも多い。

 そんな中で、この目の前の悪魔‥‥‥その負の遺産を収集しているやつに、その見つけて使い潰す作業を担わせることで、その遺産を消化してしまおうと考えたのである。

 場合によっては、使うことによって某ハザードのような可能性もあるが、場所が把握できるのならば対処がしやすいし、犠牲者を減らす手立てもできる。

 いや、むしろここは預言者の捕食対象となる人物へと使って、あっちにとっても利益のあるようにすれば良いのかもしれない。

 目の前のコイツは、悪魔であり、あのグズゥエルゼの信奉者というべきか、狂信者のような感じでもあるが、遺産を使うことにためらいは無いようである。

 ならばこそ、扱わせまくって遺産を消費させればいいだけだろう。



 そう思い、万が一の戦闘に備えて警戒もしていたが、案外あっさりと交渉は成立した。

 ついでに、相手側の満足度が大きすぎるような気がしたので、できればこっちの利益も増やせないかと尋ねて見たところ‥‥‥

【んぅんぅんぅ?できますよぅ】
「具体的には?」
【悪魔でありつつ、蠅の王でもありますからねぇ。拷問道具としてうじゃっと増殖させて送りつけたり、花粉の媒介を行って豊作に導くことも可能かとぅ】

‥‥‥絵面が酷いような気がする。一応、公衆衛生上の面を考慮して完全殺菌された蠅を使用するそうだが…‥そこはまぁ、別の奴に話を流せばいいだろう。ドーラとかに。

 前者の方は‥‥‥まぁ、使えないこともない。こちらはフンフ辺りにでも投げればいいか。うん、それはそれで想像したくもないけどな。あ、娘たちへやらかそうとした人たちへ与えるのも良いか。



 何にしても交渉は完全に成立し、一応この場で敵対関係となる事は無くなった。

 面倒ごとの種も早期発見できるだろうし、起きたとしても対応策を取りやすくなったのは良い事だろう。


「ところでシアン、交渉成立したのは良いのですが…‥‥こちらはどうしますの?」
「【あ】」

 っと、終えたところでミスティアに声をかけられ、僕等は気が付いた。

…‥‥そう言えばまだ、この会場中の人達洗脳状態で止まったままだった。

 ついでに、刺された黒幕の真の愚物に関しては、フィーアが応急処置をとっており、辛うじて虫の息状態である。

【んぅんぅんぅ?さてさて、どうしたものでしょうかぁ?このまま洗脳したまま、所持しておいても損はないようですけどね】
「いや、解いたほうがいいと思う。そこで転がってる愚物は、その洗脳装置で操って牛耳ろうとしていたようだけど‥‥‥普通、これだけの大人数を怪しまれずに操る事もできないだろ?」
【まぁ、そうですねぇ。あのお方が作った作品ですが、もうすでに性能を見ましたが‥‥‥長く続くものでもないでしょう。3日も経てば、自然に解けるようですねぇ】
「‥‥あれ?それってつまり、その愚物が操っても、3日で効果なくなるよね?結局操れないんじゃ?」
【連続してかけ続ける‥‥‥というのもあるけど、どうも効果も薄くなるようですしぃ‥‥‥実は、最初から~うまくいくことがない、穴だらけの策ですねぇ】


 しかも、その部分の計画なども考慮していたようだが、杜撰な点が多かったらしい。

 ゆえに、この計画が成功しない確率の方が多く‥‥‥だからこそ、裏切って加担しない人なども隠れて多く出ていたようである。






 何にしても、放置しても解けるけど、さっさと片付けてもらう方が良いだろう。

 というか、他国の大勢の重鎮とかがいる場で、見事にやらかされているからな‥‥‥後でこの国が各国へ対応するのに、非常に苦労しそうである。僕らはそこまで関係もないが‥‥‥

「あと、ワゼたちの調査だと、失敗に備えて各国の家族を人質にしようと、刺客を仕向けているって話もあったけど…‥‥」
「『それに関しては、既に解決済みデス』」
「っと、ワゼからの通信か」

 ナイスタイミングというべきか、フィーア経由でワゼから連絡が来た。

 どうも既に不審な輩たちは全て捕縛されているらしく、現在尋問中。1名が少々重体になり過ぎて原型を留めないので治療中らしいが、皆無事らしい。

 ついでに、各国へ送られた刺客に関しても対応済みのようで、そもそも実行する前に駄目じゃないかと思うような人が多く、ほとんどが途中で投げ捨てて逃走しているらしい。

 ゆえに、被害状況は大きなものでその一名の重傷程度らしく、たいしたことになっていないようであった。

「ところで、その重症な奴、何があった?家族を狙ったから、当然と言えばそうなのだけど‥‥‥」
「『あー‥‥‥オルトリンデが、どうも実験中であった試作品を勝手に持ち出し、うっかりで命中させたようデス。手の届く範囲に置いていた、私のミスでシタ』」
「‥‥‥一歩間違えれば、娘が危いからね?今度からは、絶対に手が出せない様な保管をしてくれ。後、その試作品ってなんだ?」
「『新しく出た謎の物体たちを煮詰め直し、配合を重ねて強化していた護身用の薬物デス。謎の物体X改良型の数千、いえ、数兆倍になってしまったので、まともに扱えるように直していたのデス』」

‥‥‥そんな代物を、その刺客は被ったのか。そりゃそうなるよね…‥‥


 とにもかくにも、さっさと解決するために、ベルゼブブに洗脳装置を解除してもらい、他の人達への洗脳を解除した。

 何が起きたのか、洗脳中の事は覚えていないようだけど、床に倒れ込む愚物たちを見て、参加者たちは驚愕する。

 そこにベルゼブブが自ら名乗り出て、何が起きたのかという説明をした。

 一応、僕との交渉などは伏せつつ、自分でそそのかしたことなども隠し、全てをその愚物へ押しつけた。

 その後、逃亡し、この国の王太子たちなどは即座に愚物を捕縛し、各国への謝罪対応へ追われることになったのであった…‥‥



「‥‥‥うまく隠し通すこともできたけどさ、結局この国の人たちが貧乏くじを引いたよね」
「内側の膿ほど、厄介なものは無いですわね」

‥‥‥まぁ、もう用事も終えたし、帰宅しようか。
 
 その前にちょっと店によって、娘たちようの護身靴なども買っておくかな…‥‥

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