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良からぬ企みは、なぜこうも生み出されるのか
#329 忘れかけていても、巡って来るものデス
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SIDE神聖国ゲルマニア:神殿内
「…‥‥ああ、そろそろまた予言したほうがいいか」
神聖国ゲルマニア、その神殿内の一室にて、預言者は逆立ちしながらそうつぶやいた。
義体で過ごす身とは言え、適度な運動をしなければ体の感覚を忘れそうで、その対策として行う適当過ぎる運動。
その最中で、ふと最近予言をほとんどしていないことに、預言者は気が付いた。
無理もないだろう、予言をする前に、色々なことが起きているのだから。
魔王がいるのは予言通りなのは仕方がないとして、その後の事が多すぎる。
一国が滅び、温泉都市では魔改造というべきほどの大改装が起こり、王国では大穴ができてからの観光用に改造されたり、何処かの商国では活性化によって徐々に潤いまくってきたり、何処かの法王国ではごたごたが起きていたり‥‥‥何かを予言する前に、情報が多く入って来てしまうのだ。
その数多くの出来事の副産物として、おいしそうな腐ったやつらを手に入れ捕食することができて大変満足できているのだが…‥‥そろそろ、食したことで得たエネルギーを元に、予言を行うべきだろうと思い立ったのである。
「まぁ、できればあと一人ぐらいは、こう、変わった味が欲しいというか、この世界産じゃないほうがいいか‥‥‥うん、後者の方にしよう」
そうつぶやき、預言者は神殿内の者に知らせ、その後者の手段、別世界からの腐った者を食すことにした。
神殿内に設置されている、召喚陣。
それは、魂そのものがどうしようもなく救えないような輩を呼びだすことができるもの。
改造すれば聖女とかそういう者も呼べるようだが…‥‥それはそれ、これはこれで、放置しているのである。
とにもかくにも、久しぶりの召喚陣の起動。
腐った類を呼びだすのも良いが、より濃厚に仕立て上げる手段も色々と用意したい。
野に放ち、熟成するまで待つのもありだが…‥‥この場合は、この世界の魔王がいる時点で、報復などを考えるとできなく放っていた。
「まぁ、そのあたりは良いし、今回はその場でぱっくりできるようにね…‥‥ふふふふふふ」
どうあがいても、この召喚陣で出現するのはそれだけやらかし、そしていなくなってもいい類。
いや、むしろこれで呼び出さなければ、その世界そのものが悪化する類などもあり、むしろいい事の方が良かったりするのだ。
「さてさて、どの様な愚者が呼び出されるかな」
ワクワクとしながらも、召喚陣を起動させ、舌なめずりをして待ちわびる預言者。
召喚陣が輝き始め、今、まさにその呼び出される者が姿を表そうとした…‥‥その瞬間であった。
キゥイィィィィィィィ…‥‥ブッシュゥゥ‥‥‥‥
「‥‥‥アレ?」
いつもの通りであれば、このまま普通に腐った類の輩が現れるはずだった。
だがしかし、突然輝きを失い、空気が抜けるような音がして、召喚陣が停止した。
「おかしいな…‥?」
召喚陣の側で、この光景を見守っていた巫女たちに命じ、正しく行われていたか調べさせる。
すると、確かにきちんと作動しており、このまま出せるはずだったのだが‥‥‥
「あ!!大変です預言者様!!」
「どうした?」
「これ、何処かに取られています!!どうも何処かの召喚陣‥‥‥いえ、こちらの把握している類ではなく、何者かが盗作をしたような別の召喚陣へ流されたようです!!」
「…‥‥はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
その報告に、珍しく預言者は驚愕の声を上げるのであった‥‥‥‥
―――――――――――――――――――――
SIDEワゼ
「‥‥‥ン?連絡ですカ?」
ハルディアの森、湖下の地下室。
その一室にて、ワゼが作業をしている中、ふとある通信が入った。
「通信先は‥‥‥ああ、預言者ですネ。新型の通信装置のテストの感想などでしょうカ?」
預言者というのは、ワゼたちにとっては胡散臭く、油断ならない存在。
それでもそれなりに付き合いはし、何かしらの輩を送って交流はしていた。
「通信つなぎマス。…‥‥こちらワゼ、要件をドウゾ」
『あーあー‥…確かにつながるのは良いけど‥‥‥いや、そんな場合じゃなかった!』
「?」
それなりの交流を持っていたとはいえ、珍しく焦るような声の預言者に、ワゼは首を傾げた。
なんとなく何かをやらかしたなと思いつつも、その要件の内容を聞く。
「…‥‥ふむ、横流しですカ。生憎、こちらはその召喚陣を使用していませんので、届いてませんが‥‥‥どこかに盗作されたと?」
『間違いないだろう。以前にも別の国へ聖女召喚(モドキ)の召喚陣を渡した例もあるが、そっちの方はすでに使い物にならないようにしているからね。しかも、同じような召喚陣でないとこの反応は起きないし、この召喚陣は外部流失をしないようにしていたはずだが…‥‥どこかで漏れていたようだ』
「なるほど‥‥その件は厄介ですネ」
過去の召喚例を見る限り、どれだけの事態なのかよくわかる。
下手をすればとんでもない愚者が出ており、より一層ヤバい事をやらかす可能性が大きいのだ。
「では、こちらでも調査を致しましょウ。ご主人様への害をなされるような方が出る可能性もありますし、事前に対策を練っておいたほうがいいですからネ」
正直、預言者側の不始末だとは思うが…‥‥ちょっと事情を考慮する限り、そうとは言えない。
「でも、そんな召喚陣を利用する価値って、ありますかネ?」
悪人というか、色々と救いようがない愚者が出てくる召喚陣。
同じようなものが使用され、そちらに流れたという話は分かるが、じゃあ流れた先ではどう扱われるのか、という点に疑問を感じる。
愚者の生贄‥‥‥何かの実験材料‥‥‥色々と考えられるが、それほどまでに愚者を欲する必要性があるのかと疑問に思いつつも、シスターズへ通信をいれ、素早く調査を行うように指示を出すのであった。
「…‥‥ああ、そろそろまた予言したほうがいいか」
神聖国ゲルマニア、その神殿内の一室にて、預言者は逆立ちしながらそうつぶやいた。
義体で過ごす身とは言え、適度な運動をしなければ体の感覚を忘れそうで、その対策として行う適当過ぎる運動。
その最中で、ふと最近予言をほとんどしていないことに、預言者は気が付いた。
無理もないだろう、予言をする前に、色々なことが起きているのだから。
魔王がいるのは予言通りなのは仕方がないとして、その後の事が多すぎる。
一国が滅び、温泉都市では魔改造というべきほどの大改装が起こり、王国では大穴ができてからの観光用に改造されたり、何処かの商国では活性化によって徐々に潤いまくってきたり、何処かの法王国ではごたごたが起きていたり‥‥‥何かを予言する前に、情報が多く入って来てしまうのだ。
その数多くの出来事の副産物として、おいしそうな腐ったやつらを手に入れ捕食することができて大変満足できているのだが…‥‥そろそろ、食したことで得たエネルギーを元に、予言を行うべきだろうと思い立ったのである。
「まぁ、できればあと一人ぐらいは、こう、変わった味が欲しいというか、この世界産じゃないほうがいいか‥‥‥うん、後者の方にしよう」
そうつぶやき、預言者は神殿内の者に知らせ、その後者の手段、別世界からの腐った者を食すことにした。
神殿内に設置されている、召喚陣。
それは、魂そのものがどうしようもなく救えないような輩を呼びだすことができるもの。
改造すれば聖女とかそういう者も呼べるようだが…‥‥それはそれ、これはこれで、放置しているのである。
とにもかくにも、久しぶりの召喚陣の起動。
腐った類を呼びだすのも良いが、より濃厚に仕立て上げる手段も色々と用意したい。
野に放ち、熟成するまで待つのもありだが…‥‥この場合は、この世界の魔王がいる時点で、報復などを考えるとできなく放っていた。
「まぁ、そのあたりは良いし、今回はその場でぱっくりできるようにね…‥‥ふふふふふふ」
どうあがいても、この召喚陣で出現するのはそれだけやらかし、そしていなくなってもいい類。
いや、むしろこれで呼び出さなければ、その世界そのものが悪化する類などもあり、むしろいい事の方が良かったりするのだ。
「さてさて、どの様な愚者が呼び出されるかな」
ワクワクとしながらも、召喚陣を起動させ、舌なめずりをして待ちわびる預言者。
召喚陣が輝き始め、今、まさにその呼び出される者が姿を表そうとした…‥‥その瞬間であった。
キゥイィィィィィィィ…‥‥ブッシュゥゥ‥‥‥‥
「‥‥‥アレ?」
いつもの通りであれば、このまま普通に腐った類の輩が現れるはずだった。
だがしかし、突然輝きを失い、空気が抜けるような音がして、召喚陣が停止した。
「おかしいな…‥?」
召喚陣の側で、この光景を見守っていた巫女たちに命じ、正しく行われていたか調べさせる。
すると、確かにきちんと作動しており、このまま出せるはずだったのだが‥‥‥
「あ!!大変です預言者様!!」
「どうした?」
「これ、何処かに取られています!!どうも何処かの召喚陣‥‥‥いえ、こちらの把握している類ではなく、何者かが盗作をしたような別の召喚陣へ流されたようです!!」
「…‥‥はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
その報告に、珍しく預言者は驚愕の声を上げるのであった‥‥‥‥
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SIDEワゼ
「‥‥‥ン?連絡ですカ?」
ハルディアの森、湖下の地下室。
その一室にて、ワゼが作業をしている中、ふとある通信が入った。
「通信先は‥‥‥ああ、預言者ですネ。新型の通信装置のテストの感想などでしょうカ?」
預言者というのは、ワゼたちにとっては胡散臭く、油断ならない存在。
それでもそれなりに付き合いはし、何かしらの輩を送って交流はしていた。
「通信つなぎマス。…‥‥こちらワゼ、要件をドウゾ」
『あーあー‥…確かにつながるのは良いけど‥‥‥いや、そんな場合じゃなかった!』
「?」
それなりの交流を持っていたとはいえ、珍しく焦るような声の預言者に、ワゼは首を傾げた。
なんとなく何かをやらかしたなと思いつつも、その要件の内容を聞く。
「…‥‥ふむ、横流しですカ。生憎、こちらはその召喚陣を使用していませんので、届いてませんが‥‥‥どこかに盗作されたと?」
『間違いないだろう。以前にも別の国へ聖女召喚(モドキ)の召喚陣を渡した例もあるが、そっちの方はすでに使い物にならないようにしているからね。しかも、同じような召喚陣でないとこの反応は起きないし、この召喚陣は外部流失をしないようにしていたはずだが…‥‥どこかで漏れていたようだ』
「なるほど‥‥その件は厄介ですネ」
過去の召喚例を見る限り、どれだけの事態なのかよくわかる。
下手をすればとんでもない愚者が出ており、より一層ヤバい事をやらかす可能性が大きいのだ。
「では、こちらでも調査を致しましょウ。ご主人様への害をなされるような方が出る可能性もありますし、事前に対策を練っておいたほうがいいですからネ」
正直、預言者側の不始末だとは思うが…‥‥ちょっと事情を考慮する限り、そうとは言えない。
「でも、そんな召喚陣を利用する価値って、ありますかネ?」
悪人というか、色々と救いようがない愚者が出てくる召喚陣。
同じようなものが使用され、そちらに流れたという話は分かるが、じゃあ流れた先ではどう扱われるのか、という点に疑問を感じる。
愚者の生贄‥‥‥何かの実験材料‥‥‥色々と考えられるが、それほどまでに愚者を欲する必要性があるのかと疑問に思いつつも、シスターズへ通信をいれ、素早く調査を行うように指示を出すのであった。
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