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良からぬ企みは、なぜこうも生み出されるのか
#349 夜別行動でもあるのデス
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SIDEローラ
「‥‥‥んー、もうそろそろ寝る時間だにょ」
【ふみゅぅ?まだ遊びたーい!】
「みー!」
「ダメなにょ、お姉ちゃんも一緒に寝るから寝るにょ」
夕日も沈みこみ、温泉都市では夜用の灯りがともされている頃、宿屋の一室でロールは妹であるヒルドとオルトリンデたちと寝ようとしていた。
元は雪の女王、けれども今は幼い子供であり、生活リズム的にそろそろ眠いのだ。
ヒルドたちはまだ遊びたいと言っているが、彼女達の方も良く見れば目がトロンっとしており、眠くなってきているのが眼に見てとれる。
睡眠欲に対して、遊ぶ欲求の方が大きそうだが…‥‥それでも、まだ小さな幼子なのは変わりない。
「おかあしゃんたちも、ほら、あっちの部屋の方で寝ているし、一緒に寝るにょ」
「みー?だったら、ママと一緒に寝るー!」
【ふみゅ!パパと一緒に寝るー!】
ロールの言葉を聞き、てとてとてとっと勢いよく部屋に向かおうとしたが‥‥‥ほんの数歩ほどで、力尽きた。
【くぴぃ…‥】
「すやぁ‥‥‥」
「‥‥‥早っ」
眠気に速攻で敗北したのかと思いつつ、敷いている布団に彼女達を運ぶ。
氷魔法で補助して冷やさないようにしつつ、そっと布団をかけて、ロールも布団に潜る。
「ほら、お姉ちゃんも一緒だにょ~」
【ふみぃ~】
「み~」
ぎゅっと小さな手で抱き着いてくる妹たちに、ロールは姉という立場だからこそ味わえる感慨深さに、抱き返す。
「ふふふ‥良い子、良い子」
…‥‥雪の女王時代の彼女は、もう過去のもの。今の彼女はロールであり、その一人格として既に成り立ち、完全に違う者。
でも、その時代の記憶もしっかりと残っている分、当時の孤独さも覚えており…‥‥けれども、こうして今、姉として妹たちを得て、家族を得て、十分満足しているのだ。
「‥‥‥それに、また増えるかもしれないしね。おかあしゃん、おとうしゃん。できれば妹か弟、早く頼むにょ‥‥‥」
記憶もある分、そういう知識も一応あり、部屋の向こうでどうなっているのかは実は結構分かっていたりもする。
そのため、また家族が増えて欲しいなぁっと願いつつ、熟睡し始めるのであった‥‥‥‥
―――――――――――――――――――――
SIDEダンジョンコア&ワゼ
シアンたちが切磋琢磨している丁度その頃、温泉都市の奥深く‥‥‥ダンジョンでもある都市の中心部、ダンジョンコア用の部屋で、ワゼはダンジョンコアと共にその報告を聞いていた。
「一応、本日分はそのぐらいですカ」
「シー!」
「セ!」
「スース!」
シスターズからの簡易的な、それでいて濃縮された内容がある報告を聞きつつ、一旦区切りをつける。
「ふぅ‥‥‥思った以上に、根を切っても切っても、生えてくるしつこい雑草はある物ですネ」
「ドウシヨウモナイカナ?」
ワゼの言葉に対して、この都市のダンジョンコアはそう答える。
今回こそは、シアンたちに絶対に安全安心終始万全な温泉を楽しんでもらうためにも色々と画策しているのだが、その策に対して邪魔をするような排除対象たちが増殖しているのである。
何にしても、それらを排除しつつ、滞在予定の間に何事も無いように協力して動く。
「そう言えば、一つ良いでしょうカ?子宝の湯、今回の効果はどの程度なのでしょウ?」
「個人差アリ。デモ、ソウ長クカカラナイハズ」
「奥様方二人ともですカ」
「ソウ」
温泉都市の子宝の湯の効能で、どのぐらいの期間がかかるのか尋ねつつ、ワゼは別の質問も続ける。
「では、私の巡っている方は、同でしょうカ?流石にこれでも効果がないなんてことハ‥‥‥」
「‥‥‥個人差」
…‥応えきれずに、そっと目を背けるダンジョンコア。
流石に断定し切れず、かと言って下手な回答をすれば命が危ういのが目に見えているし、何とも言えないのだ。
ただ、その努力を知ってしまうからこそ、できるだけどうにかしてあげたいという同情心もあるのだが‥‥‥まだまだ成長途上のダンジョンコアには無理な話でもあるのであった。
―――――――――――――――――
SIED神聖国ゲルマニア
「‥‥‥おおぅ、なんか増えたなぁ」
一方、その頃神聖国の神殿内にて、寄進されたその山を見て預言者はそうつぶやいた、
穢れた魂、それなりの欲望を蓄えた者たちを喰らうのは、使用目的や個人的嗜好で求めはするのだが、今日は何やら特盛であった。
「しかし、できれば量よりも質なんだけど‥‥‥」
「ツー!」
「ん?」
ぼそっとつぶやいたその言葉を聞いたのか、それらを運んで来たシスターズという者の一体がそっと何かを手渡す。
「試作型養成場箱‥‥うん、中々面白そうだね」
この瞬間、届けられた山の者たちの運命は決まってしまった。
…‥‥温泉都市、シアンへの害も減らせるし、元々これらを生み出してしまい、逃がしてしまった者たちにとっても都合がいい。
預言者にとっても損はなく、誰もが幸せになれるサイクルがそこに出来ていたのは言うまでもない。
「っと、コースがあるのか。うーん、選択肢が増えるのはいいけれども、これ迷うなぁ…‥‥いや、むしろこの選択肢ができるほど、人の欲望って醜いものが多いことを示すけど…‥‥まぁ、良いか」
「‥‥‥んー、もうそろそろ寝る時間だにょ」
【ふみゅぅ?まだ遊びたーい!】
「みー!」
「ダメなにょ、お姉ちゃんも一緒に寝るから寝るにょ」
夕日も沈みこみ、温泉都市では夜用の灯りがともされている頃、宿屋の一室でロールは妹であるヒルドとオルトリンデたちと寝ようとしていた。
元は雪の女王、けれども今は幼い子供であり、生活リズム的にそろそろ眠いのだ。
ヒルドたちはまだ遊びたいと言っているが、彼女達の方も良く見れば目がトロンっとしており、眠くなってきているのが眼に見てとれる。
睡眠欲に対して、遊ぶ欲求の方が大きそうだが…‥‥それでも、まだ小さな幼子なのは変わりない。
「おかあしゃんたちも、ほら、あっちの部屋の方で寝ているし、一緒に寝るにょ」
「みー?だったら、ママと一緒に寝るー!」
【ふみゅ!パパと一緒に寝るー!】
ロールの言葉を聞き、てとてとてとっと勢いよく部屋に向かおうとしたが‥‥‥ほんの数歩ほどで、力尽きた。
【くぴぃ…‥】
「すやぁ‥‥‥」
「‥‥‥早っ」
眠気に速攻で敗北したのかと思いつつ、敷いている布団に彼女達を運ぶ。
氷魔法で補助して冷やさないようにしつつ、そっと布団をかけて、ロールも布団に潜る。
「ほら、お姉ちゃんも一緒だにょ~」
【ふみぃ~】
「み~」
ぎゅっと小さな手で抱き着いてくる妹たちに、ロールは姉という立場だからこそ味わえる感慨深さに、抱き返す。
「ふふふ‥良い子、良い子」
…‥‥雪の女王時代の彼女は、もう過去のもの。今の彼女はロールであり、その一人格として既に成り立ち、完全に違う者。
でも、その時代の記憶もしっかりと残っている分、当時の孤独さも覚えており…‥‥けれども、こうして今、姉として妹たちを得て、家族を得て、十分満足しているのだ。
「‥‥‥それに、また増えるかもしれないしね。おかあしゃん、おとうしゃん。できれば妹か弟、早く頼むにょ‥‥‥」
記憶もある分、そういう知識も一応あり、部屋の向こうでどうなっているのかは実は結構分かっていたりもする。
そのため、また家族が増えて欲しいなぁっと願いつつ、熟睡し始めるのであった‥‥‥‥
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SIDEダンジョンコア&ワゼ
シアンたちが切磋琢磨している丁度その頃、温泉都市の奥深く‥‥‥ダンジョンでもある都市の中心部、ダンジョンコア用の部屋で、ワゼはダンジョンコアと共にその報告を聞いていた。
「一応、本日分はそのぐらいですカ」
「シー!」
「セ!」
「スース!」
シスターズからの簡易的な、それでいて濃縮された内容がある報告を聞きつつ、一旦区切りをつける。
「ふぅ‥‥‥思った以上に、根を切っても切っても、生えてくるしつこい雑草はある物ですネ」
「ドウシヨウモナイカナ?」
ワゼの言葉に対して、この都市のダンジョンコアはそう答える。
今回こそは、シアンたちに絶対に安全安心終始万全な温泉を楽しんでもらうためにも色々と画策しているのだが、その策に対して邪魔をするような排除対象たちが増殖しているのである。
何にしても、それらを排除しつつ、滞在予定の間に何事も無いように協力して動く。
「そう言えば、一つ良いでしょうカ?子宝の湯、今回の効果はどの程度なのでしょウ?」
「個人差アリ。デモ、ソウ長クカカラナイハズ」
「奥様方二人ともですカ」
「ソウ」
温泉都市の子宝の湯の効能で、どのぐらいの期間がかかるのか尋ねつつ、ワゼは別の質問も続ける。
「では、私の巡っている方は、同でしょうカ?流石にこれでも効果がないなんてことハ‥‥‥」
「‥‥‥個人差」
…‥応えきれずに、そっと目を背けるダンジョンコア。
流石に断定し切れず、かと言って下手な回答をすれば命が危ういのが目に見えているし、何とも言えないのだ。
ただ、その努力を知ってしまうからこそ、できるだけどうにかしてあげたいという同情心もあるのだが‥‥‥まだまだ成長途上のダンジョンコアには無理な話でもあるのであった。
―――――――――――――――――
SIED神聖国ゲルマニア
「‥‥‥おおぅ、なんか増えたなぁ」
一方、その頃神聖国の神殿内にて、寄進されたその山を見て預言者はそうつぶやいた、
穢れた魂、それなりの欲望を蓄えた者たちを喰らうのは、使用目的や個人的嗜好で求めはするのだが、今日は何やら特盛であった。
「しかし、できれば量よりも質なんだけど‥‥‥」
「ツー!」
「ん?」
ぼそっとつぶやいたその言葉を聞いたのか、それらを運んで来たシスターズという者の一体がそっと何かを手渡す。
「試作型養成場箱‥‥うん、中々面白そうだね」
この瞬間、届けられた山の者たちの運命は決まってしまった。
…‥‥温泉都市、シアンへの害も減らせるし、元々これらを生み出してしまい、逃がしてしまった者たちにとっても都合がいい。
預言者にとっても損はなく、誰もが幸せになれるサイクルがそこに出来ていたのは言うまでもない。
「っと、コースがあるのか。うーん、選択肢が増えるのはいいけれども、これ迷うなぁ…‥‥いや、むしろこの選択肢ができるほど、人の欲望って醜いものが多いことを示すけど…‥‥まぁ、良いか」
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