拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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幸せを乱されたくないので、徹底したい

#375 色々とあちこちで思う事はあるのデス

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SIDE魔王ベル

(…‥‥こやつが、この世界の今の中立の魔王か)

 魔王ベルはそう思いながら、目の前の相手…‥‥この世界の中立の魔王とされるシアンを見て、そう心の中でつぶやく。

 内心、興味を持っていた。何しろ、世界違いとは言え魔王仲間と言えるような相手は中々おらず、いたとしてもまともな類が少なかったりするのだ。

 魔王ベルは魔王と名が付くとは言え、そこまで戦乱等を好むわけでもないし、軽く運動で体を動かして模擬戦するのが好きとは言え、殺し合いになるような真似はしないように心掛けている。

 だからこそ、悪の魔王や横暴過ぎるような相手は話したくもないのだが、目の前の相手は中立という立場だからこそ、そのようなそぶりもなく、安心はできた。

 とはいえ、もうだからこそわかる相手の力量だが、シアンの力はかなりのものだと理解させられる。

 この世界の方の仕組みにある魔王とは言え、その仕組みを作った・・・・・・・本人よりも何故か高く見えるのだ。

…‥‥まぁ、そうなってしまうのも無理はない。その本人というべきか、人ではないから違う言い方をすべきか‥‥‥そのやらかした相手は抜けているところもあるのだから。

 話すようなことでもないのだが、うっかりにもほどがあると思うのは、それを知っている人たち全員が思う事であろう。

 幸いというべきか、シアン自身はその事実に気が付いていないようだが…‥‥知ったとしても、悪の道へ進むような輩ではないのは見て取れた。

 魔王だからこそ、人の本質を見抜ける自信ぐらいはあるのだ。だからこそ、自分よりも魔界の魔王にふさわしい悪魔ゼリアスの方を見て、溜息を吐いてしまうが‥‥‥何とか押し付けることはまた別の機会にゆっくり考えるとして、今は普通に会話しあうことにするのであった。


――――――――――――――――――
SIDEゼリアス

「だからのぅ、お主のところのドーラじゃったか。そいつの話も聞いて、興味を持ったのじゃ」
「ドーラの方からか‥‥‥それでなんでこうもあちこちから来るのかなぁ」
「力故というのもあるじゃろうが、大半は面白さを求めてじゃと思うぞ」
「マジか…‥‥」

 シアンとベルが話し合い、割と和気あいあいとしている光景を見ながら、ゼリアスは作業をしていた。

 ただその会話に対して適度に混ざり、話をしているようにも見えるが、これは表面的な体での話。

 その裏の方では、ちまちまと精密な作業を彼らに気が付かれないように行っていた。

(‥‥‥時間停止のズレ、および世界軸での摩擦っと…‥‥これ、後でひずみが来るなぁ‥‥‥)

 魔王ベルがやらかした、全世界の時間を停止させる簡易魔法陣の発動。

 その世界内だけで留めればよかったものの、異世界とかそう言うレベルでの他の世界での時間停止が禁忌とされている理由は、そのひずみなどが問題になる部分がある。

 そして今、その関係を解決しようと、密かに動いているのであった。

 放置するのも良いのだが、いかんせん世界のひずみというのは厄介な事もあり、分かりやすく言えばバタフライエフェクト‥‥‥蝶が飛ぶだけで、他国の天候が変わってしまうというような現象を生み出すこともあり、どうにかしなければ連鎖的な合間に巻き込まれる可能性があったのだ。

 ひとまずは、魔王ベルをこの会話後の時間再稼働時に確実に説教漬け&冥界送りにすることを心の中で決定しておく。

 冥界の王はそれはそれは非常に面倒であり、先日、いつぞやかの悪魔グズゥエルゼを見に行った時には、凄まじく疲弊して、動かなくなっているほどである。

 力そのものも強大なのだが、面倒なのはその人格というべきか、思考というべきか、それとも弁舌というべきか‥‥‥何にしても、説教を頼めば魔王ベルもいやというほど反省するだろう。

 もちろん、魔界での仕事もお休みにはさせず、説教中であろうとも送り届けることぐらいはするつもりであった。


(…‥‥それにしても、会話が弾むな)
「だからこそ、魔王としての力も振るうのじゃが、配下の者に止められたりしてのぅ。自由にできぬことがあるのじゃ」
「へぇ、僕の方は力を振るう機会自体はそこまであるわけでもないし、子育ての方に使ったりはするけど、魔王によってはそう言う事情もあるのか」
「そう考えると、お主の方が絶対に恵まれておるからのぅ」
「そうかもしれないねぇ」

 ははははっと、魔王同士気が合うのか、滅茶苦茶会話が弾んでいる。

 初対面同士のはずなのに、思いっきり仲良くなっているのは良い事なのだろうが…‥‥実力者同士というのもあるせいか、これでこじれた時が怖いような気もする。

 互いにそこまで戦闘を好むという訳でもないようなので、危険性もないかもしれないが、何をきっかけに変わるのか分からないこともあるので、正直気が抜けなかったりもする。

(…‥‥そう言えば、こいつの前の魔王も笑う時があったな)

 その光景を見ながら、シアンの先代にあたる魔王…‥‥悪の方にあった魔王の事をゼリアスは思い出した。

 今でこそ、人々には悪と呼ばれるような魔王。

 だが、本来はそうではなかったことを知っているのだが…‥‥今さら変えようもない事でもある。

 そうではない記録もあったとしても、既にやってしまったこともすべて伝わっており、変える事もできない。

(…‥‥だからこそ、こっちが悪に堕ちなければ良いのだがな)

 不安もあるが、現状を見る限りその心配はまだ起こり得ない可能性。

 でも、この世界だからこそ起こり得る事もあり、やはり気を抜くことはできないだろう。

 万が一には、あのメイドたちが動くとは思うが…‥‥それはそれで、この世の終わりのような光景な気がするのは、どうなのだろうか‥‥‥?

(そもそも、あのメイドの製作者、最近手がかりを見つけたが‥‥‥アレはアレでどうなのだろうか)

 この魔王同士の会話が終わった後にでも、話してみようかと思いつつ、今は平和的に進んでいる会話に対して耳を傾けつつ、面倒な作業を水面下で行っておくのであった…‥‥


(しかし、一介の悪魔にこの作業はやっぱりきついな‥‥‥どこぞの神龍帝とか精霊王とか、旅人の手も借りてぇ‥‥‥魔王ベル、お前やっぱり冥界送りじゃ生ぬるいかもしれん)

‥‥‥ついでに、魔王ベルに対しての言葉も吐き、改めて仕置き方法についての検討も考え直すのであった。




――――――――――――――――――
SIDEワゼ

「‥‥ご主人様も、楽しそうですネ」

 そうつぶやきながら、時間が停止しているはずの世界の中で、ワゼは動きながらその会話の様子に対してそうつぶやいていた。

 話している間に喉が渇くだろうからこそ、きちんとタイミングよくお茶を交換し、自然と飲む最適な時にしっかりと味わえるようにしておく。

 実は今、魔王ベルはシアンとそこにいたゼリアス以外の時間をすべて止めたつもりではあったが‥‥‥自然と溶け込んでいたワゼには気が付いていないようでもあった。

「さてと、交換交換っと」

 ワゼ自身、時間停止されている中で動けることに対しては疑問に思うところがなくもないが、直ぐにその理由が分かった。

 こういう時でも動けるように、体が作られているのだ。

(…‥‥時間停止時も稼働可能なようですが…‥‥何でこれ何でしょうかネ)

 いついかなる時も、メイドとして働けるようにという理由で、時間停止状態でも問題なく稼働可能なのはまだ良いだろう。

 だがしかし、そこまでの技術ともなれば相当な物のはずなのに、何故自分の胸部は‥‥‥‥

 


 その部分はどうにかならなかったのか、ゼロツーとか試作品の方ではあるのに、なぜ作った自分にはないのか、そこを物凄く疑問に思う。

 自分で直せなくもないのだが、それだと何かに負けたような気がするし、自己改造しづらい部分なのだ。

「…‥‥まぁ、気にしないほうが得策ですカネ」

 徐々に受け入れつつ、まだまだその部分をどうにかする野望も捨てず、メイドとして今は仕えるのみ。

 ちょっとは悟りつつも、それでも諦めきれない葛藤も抱えつつ、今はこの穏やかな会話を見守るのみであった‥‥‥‥

(ところで、ゼリアスさんの方で何か作業をしてますが…‥‥データを取っておきましょウ。何かに使えそうデス)

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