拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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清算する時も新しく生み出す時も

#403 陰で動くことも、嗜みなのデス

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SIDEワゼ

「‥‥‥では少し、離れますネ」
「ん?ああ、様子見にだったね。行ってきていいよ」

 情報大国ネッタでの結婚式中、新郎新婦の入刀も終わり、今は軽く雑談を入り交えている状態。

 あちこちでは互いに情報を交換し合ったりする中で、ワゼはここに呼んでおいたシスターズに後を任せ、会場外へ出ることにした。








「…‥‥で、捕らえた不審者たちはこちらでしたネ」

 会場外へ出て向かった先は、結婚式に対して色々と画策を試みた者たちが収容されている牢屋。

 情報大国だけあって、きちんと相手の情報をつかんでいるらしく、その相手が確実に脱走できない牢を用意しているらしい。

 そして許可をもらって入らせてもらい、進んだ先にある特殊な牢には‥‥‥

「ん?あ、メイドも来ていたのか」
「あ、彼のメイドか」
「そちらも来ていたようですネ」

 その牢の前にいたのは、悪魔ゼリアスに預言者、更にその他見かけない者たちがいたが、以前撮った生体反応データから、その他の者たちが何者かはワゼは知っていた。

「牢屋の方に、ご主人様への街となりうる存在が収監されたという情報がありましたので、その面を見に来てみたのですが…‥結構目的が同じ人が多いようデスネ」
「当り前だろうなぁ‥‥‥こいつに恨みがあるというか、色々と個人的な確執が多い奴なら、絶対に来るだろうし」
「こっちとしては非常に不快な契約を強制的にさせられた経緯もあるからこそ…‥‥こういう機会にこそ、ここに訪れる意味があるんだよ」

 それぞれニヤリと笑みを浮かべるが、物凄い邪悪さを感じさせるのは同じだろう。

 どうやら牢内に今収監されているその相手に対しては相当悪い感情しかないようで、預言者の方はまた別として、悪魔の方は普段以上に悪魔らしい顔になっているともいえる。

 そして、その他の者たちも同様の笑みを浮かべているが‥‥‥それだけ、今牢屋内に収監された者に対して、全員嫌な思いしかなかったのだろう。

 そう思いつつ、その牢の方を見てみれば‥‥‥中には情報通りの相手が収監されていた。


「‥‥‥暴れることなく、大人しいですネ」
「そりゃそうだろうよ。ここで面倒事を起こされても困るし、神界及び魔界、その他諸々から協力を募って、警備員たちに普段絶対に渡すことがないとっておきの対装備を与えたからな」
「回収したけれども、効果は抜群すぎたようだね…‥‥もしかして、他にも用意していたのかな?」
「そう言えば、私の方も神ロキのデータから得た武器を渡してましたが…‥‥全部命中して、完全に失ったようデス」

 思いのほか恨みを買いすぎていたのか、どうやら全員バラバラでありながらも同じような武器を警備員たちへ渡しており、警備の最中で撃たれまくった結果がこれらしい。

 普通は一度だけで済みそうだが…‥‥まぁ、この相手が相手だけに、何度もやる羽目になったのだろう。


「それで、その方がこの世界の決まり事を作った創造神の一柱で間違いないですよネ?」
「正確に言えば、元創造神で、禁忌を犯しまくった邪神だがな」
 
‥‥‥牢屋の中にいるのは、一見ただの人間に見えるだろう。

 だがしかし、その纏う雰囲気は人ならざるものでありつつ、禍々しい気配を漂わせている。

 まぁ、その禍々しいものに関しては、その者の自業自得的な物らしいが…‥‥

「ぐっが‥ごぼぅべぇ‥‥‥な、なにをずるんだぎざまぁ‥‥‥」
「あ、起きたようデス」
「うわぁ、あれだけ対神用の強力な武器を喰らっておいて、まだ復活するのか…‥‥クマムシかよ」
「いや、あれは乾燥して無敵になっているだけで違うからね?」

 どうやら起床したようで、牢の中の相手が体を起こすとともに、その場に集まっていた者たちから一気に圧が噴き出す。

 それらは全て、その相手に向かっており‥‥‥

「ぐげべらっばぁ!?」
「うん、余計なことをしゃべる前に、さっさと始末しようか」
「「「「賛成!!」」」」

 その言葉に、その場にいた者たちは同意する。

 それもそうだろう、その創造神もとい邪神は、この場にいる全員に多大なる迷惑をかけてきたのだから。

 本来であれば神々はそこまで世界に降りて動くことはないのだが…‥‥以前の悪魔グズゥエルゼ同様に、その邪神は領域を侵し過ぎてしまった。

 神なのに、神ならざる行為を働いた‥‥‥というのが、その邪神の犯した罪。

 この世界で元々あったシステムそのものに介入し…‥‥全てを狂わせていく、最悪の行為を行っていたというのだ。

「なぜだぁ!!神であれば、好き勝手おのれの作った世界で、やらかじでもいいでばないぐぁ!!」
「おっと、これだけ圧力をかけているのに、ちょっと言葉がおかしくなりつつも喋れるのか」
「それもそうだろうねぇ‥‥‥自分でおかしくしたんだもの」


――――――――――――――
‥‥‥元々この世界には、神の介入は必要なかった。

 よくあるような魔王や勇者と言った存在もなく、本当に平穏そのモノで、理想的な世界があったのだ。


 だがしかし、ある時その邪神は、その理想の世界を破壊しまくった。

 理由としては、何もなさすぎてつまらなく、苦しむさまを見たかったというだけの事。

 神というのは本来そこまで介入してはならないもののはずなのに…‥‥介入を行い、世界の改竄を行いまくり、結果として何もかも狂わせてしまった。

 存在しなかった魔王という存在が産まれ、聖剣という勇者の武器は出来たのに、その対応する勇者が産まれない。

 モンスターも溢れ出し、全てが狂い果て、世界を滅亡しにかかった。

 その無茶苦茶な状態に対応するために‥‥‥当時の神々はやらかされたその結果を見て急いで邪神を縛り上げ、何とか元の平穏な状態に戻そうとしたのだが、どうにもならなかったらしい。

 さらに、その邪神は拘束から抜け出し、さらなるやらかしをして‥‥‥世界の幾先をすべてわからないようにするのではなく、その先が分かるような仕組みを作り上げ、面白半分で無理やりその地にいた物へ飲み込ませてしまったのだ。

 その上、神々が必死に平穏に戻そうとしていた作業すらも介入しまくった結果‥‥‥魔王という存在の定義すらもおかしくされてしまった。

 ゆえに、善・中立・悪とそれぞれ違う魔王が生まれ落ちたが‥‥‥悪以外の魔王では面白くないと思い、その邪神は悪以外の魔王が生まれ落ちた場合、途中までは平穏に暮らさせつつも、悪に堕とすようにしていったのだ。

 神々も必死になって、ギリギリ平穏な状態にさせようとしたのだが‥‥‥邪神の力がなまじ強く、全てを未然に防ぎきることができず、結果として地上は荒れ果てることが多くなった。

 

‥‥‥さらに長い歳月をかけ、ようやく邪神は封じたのだが‥‥‥どうやら最近、再び封印を解いて出てきたようだ。

 そして、その邪神が新たに目を付けたのは…‥‥今の中立の魔王。

 長い間邪神の介入もなく、放置された結果なのか、その魔王の持つ力はすさまじい。

 だからこそ、悪へ堕とせば自身の望むようなものになるのではないかと思い、今回動いたそうだが…‥

――――――――――――――

「‥‥まぁ、きちんとご主人様の状態について気にかけていてよかったデス。おかげで、向かっていたおかしくするような精神攻撃を完全に跳ね返せましたからネ」
「ぎざまのぜいがぁぁぁぁぁぁ!!」
「ああ、だからあの魔王、全然悪に堕ちなかったのか…‥‥今、見たんだけど攻撃自体を3倍返しにとか、どこでそんな技術を手に入れたんだよ?」
「なんか私の中に入ってましタヨ?」
「んー、製作者のやつが事前に予測して対応策でも入れておいたのか‥?いや、あいつはそこまで考えず、むしろそこの邪神よりも質が悪い点も多いが…‥‥」

 とにもかくにも、邪神は介入しようとしたが、ワゼの存在によって思いっきり倍返しをされた。

 その恨みもありつつ、精神的にいかないのであれば、物理的な介入…‥‥要は、シアンが思いっきりこの世全てを絶望して、悪へ向かうような行為を行おうとしたようだが、それはうまくはいかなかった。

 それもそうだろう。邪神の動きに対して、その他の神々や悪魔もしっかりと気が付いたのだから。

 どうやらほかでも色々と辛酸をなめさせられていたようだが‥‥‥相手が悪すぎた上に、対応策を練りまくった結果が‥‥‥今の牢屋に閉じ込められた状態である。

「神々を本来消すのは難しいが‥‥‥全神々一致かつ神殺しの武器も、特別に用意してきたからな」
「消滅するまで、お前に対して抱いたすべての怨念がしっかりと100倍以上になって味合わせるようにという特注品だからね。まぁ、その特注をやったせいで、容易に時間がかかったとも言えなくもないが‥‥‥」
「ま、まで!!なにぼずるぎざまら!!」

 ワゼたちがこれから行おうとすることに対して、邪神は気が付いたように目をに開いて叫び、逃亡を試みようとするが、既にそれは行えない。

 何故ならば、この場にいる全員が協力しているのだから。

「「「「ふふふふふふふ…‥‥」」」」

 恨みつらみ、主への想いなども入り混じったそれぞれの笑い声が、邪神に恐怖や絶望を与えていく。

 何とか抵抗しようにも抵抗できず、神の持つ権能すらも剥奪され、もはや何もできないだろう。

「や、やめっつで、ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

‥‥‥その日、一つの神が消えうせるまで、長い長い絶叫が響き渡るのであった。



―――――――――――――――――――――――
SIDEシアン

「‥‥‥戻りました、ご主人様」
「どうだった、ワゼ」
「ええ、全部終わってましたし、式もこれ以上妨害されることはないでしょウ」

 式もそろそろ終盤で、解散の時間になろうとしていた丁度その時に、ワゼが戻って来た。

 結婚式場外で起きていたことに対して、直接対応してきたようだが…‥‥

「なんかいつもより笑ってないか?」
「ええ、結構スッキリしてきましたからネ」

 いつもの冷静な表情に、微細だが笑みを浮かべているようである。

 まぁ、外は色々と激しくなっていたと聞くし、ストレスでもためていたのかその発散でも行ったのだろうが‥‥‥幸せそうならそれはそれで良いか。

 そう思いつつ、もう間もなく終わる結婚式に、僕等は最後までいるのであった‥‥‥‥
 
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