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後編 風の噂ですが
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・・・・この都市に開業して数カ月ほど。
メディの経営している薬屋は、それなりに繁盛していた。
その原因としては、やはり……
【メディさん、この新作はどのようなものなのでしょうか?】
「ああ、それね?最近ちょっと作ってみた、新しい香水タイプの美容液よ。たった一滴を薄く塗るだけであら不思議、甘い香りが緩やかに漂うのよ」
【へぇ……なかなか面白そうですね!これをください!】
「毎度あり~」
店の中に入り、購入しているのは一匹のアラクネ。
そう、魔法ギルドにいた、ある魔法屋に仕えているという使い魔、アラクネのハクロである。
モンスターとは言え、彼女の美貌は人並外れており、100人中99人は振り向くであろう。
一人?ああ、単純に何も興味が無い方でしょう。
だがしかし、ほんのちょっとだけメディの作った医薬品を使用してもらうだけで、その美しさはさらに向上したのだ。
ハクロ本人‥‥‥いや、モンスターだから人のカウントで良いのかは不明だが、彼女からしてもメディの商品は魅力的らしく、主である魔法屋の人からお小遣いをもらって、ちょくちょく購入しに来るようになった。
見ている限りでは、恋慕しているようにも思えるのだが‥‥‥まぁ、彼女の恋が成就するには、その魔法屋自身が気が付くのを待たねばならないだろう。
というか、鈍感すぎるので媚薬とかいけないものを勧めてあげたくなったほどである。
何にせよ、美しい美貌を持つアラクネが、メディの店にある薬などを使ってさらにその美しさに磨きがかかったというのは、都市内でも噂になり、連日御客が押し寄せるようになった。
そして、新製品ができればハクロに使用してもらい、その使用感を都市の人達が見て、より求めて、また客が増えて‥‥‥と、好循環が生まれていたのであった。
まぁ、元からそんなものを使わなくても純粋な美しさがあり、メディの薬などはちょっとだけ手助けしているにすぎないのだが‥‥‥それでも皆買っていくのだから、美に対する探究は誰もが底知らずなのは、よく理解できたのであった。
何にせよ、冒険者業でただの薬師としてパーティに所属していた時に比べれば、非常に成功しているような物であろう。
と言うかむしろ、冒険者として活動していた時代が怖ろしく無駄であったと思えるほどである。
「そう言えば、リールコンのメンバーはどうなったのかなぁ?」
ロリコンに見えるからと言う理由で、自分を追放したリーダのマルスや、その他メンバーのことを思い出し、メディはふとそうつぶやいた。
あれからかなり時間が経過したが、メディ自身の容姿もかなり様変わりしたのだ。
と言っても、単純に成長したわけではない。
「‥‥‥ハクロさんや、その近くにいたあのメイド人に材料の提供をしてもらえたのは良かったですね」
そうつぶやき、メディは己の変貌した体を見た。
幼女体形、皆に可愛がられそうな妹と言われた容姿から一転し、今のメディの姿は美魔女と言っても差し支えない容姿。
出るところはでて、へこむところはへこみ、きちんと正しく成長したかのように彼女の姿は変わっていた。
……残念ながら、身長まではそこまで伸びなかったが。
何にせよ、ここまで様変わりしたのも訳がある。
あのパーティに所属していた時代、自分の容姿を変えるための薬品を考えてみたが、その材料を当時は得る事が出来なかった。
だがしかし、ハクロと親しくなった時についぽろっとその話をこぼすと、彼女は普段のお礼という事で、必要な材料を融通してくれたのだ。
そしてついでに、彼女が仕えている魔法屋の青年がその話しに興味を持ったようで、彼の側にいたメイドに命じると、更に必要な材料をそのメイドはモノの数秒で用意してくれたのであった。
あっという間に集まるその様子は、今まで考えて実行できないと思っていたメディの概念を、ものの見事にぶっ壊してくれたのである。
いやまぁ、流石にフェンリルの爪とか持っているとは思っていなかったので…‥‥
何にせよ、材料を得たのでメディはさっそく薬を調合し、臨床実験をあえてせずに、己の身体で試し‥‥‥そして今、その計算通りの容姿(身長を除く)に、なったのである。
効果時間は半永久的なものであり、一応元の身体に戻すことも可能な薬も作ったが、今のままで十分いいだろう。
そして、その効果のほどを見た女性たちが押し寄せて…‥‥あまりの気迫に少々トラウマになるレベルだったのは言うまでもなかった。
順調に薬屋を経営し、最近では品物の製造のために弟子を取っていた、そんなある日。
(・・・・・あら?)
出張サービスも始め、自分から客の下へ向かう途中、街中で懐かしい面々をメディは発見した。
それは、かつて自分を追い出したパーティリールコンのメンバーたちなのだが…‥‥その様子は、追放された当時に比べると、悲壮感が漂っていた。
よく見ると、首の方に何かつけられていて……
(…‥‥ああ、堕ちるとこまで堕ちたのかしら?)
それは、犯罪者を示すという首輪。
犯罪奴隷と呼ばれるような類になったようだが‥‥‥一体何をどうしてそうなったのかは分からない。
マルス達の方はちらりとメディアの方を向いたが、どうやら彼女とはわからなかったようで、ずいぶんと暗い様子を漂わせていた。
その様子を見て、メディは少しだけ情がわいた。
マルスの身勝手な理由と、おそらくは他のメンバーからはマルス狙いと思われて嫉妬され、追放してきたかつての仲間。
とは言え、その理由にはメディの態度やその容姿が原因でもあったので、そう強く非難できない。
「‥‥‥良し、決めたわ」
相手も悪かったが、自分も多少は非難できない部分がある。
それに、追放されたとはいえ、やはりかつての仲間だった者たちを見捨てるようなこともできない。
この都市でメディは成功し、精神的にも成長し、もはや恨みも何もないのだ。
そう考え、彼女は彼らが犯罪奴隷なのを利用して、店の従業員として雇ってみようと思い、実行に移すのであった…‥‥
……それから数カ月後、メディの店は大きく成長し、各地に散らばることになる。
そして、その質の高い薬品や、女性向けの美容品を向上させる働きを見せて、繁栄していった。
各地に散らばった店舗の中には、かつて彼女を追放したパーティメンバーもいたというが、皆仕事にやりがいを持ったのか、いい笑顔で過ごすようになったという…‥‥
メディの経営している薬屋は、それなりに繁盛していた。
その原因としては、やはり……
【メディさん、この新作はどのようなものなのでしょうか?】
「ああ、それね?最近ちょっと作ってみた、新しい香水タイプの美容液よ。たった一滴を薄く塗るだけであら不思議、甘い香りが緩やかに漂うのよ」
【へぇ……なかなか面白そうですね!これをください!】
「毎度あり~」
店の中に入り、購入しているのは一匹のアラクネ。
そう、魔法ギルドにいた、ある魔法屋に仕えているという使い魔、アラクネのハクロである。
モンスターとは言え、彼女の美貌は人並外れており、100人中99人は振り向くであろう。
一人?ああ、単純に何も興味が無い方でしょう。
だがしかし、ほんのちょっとだけメディの作った医薬品を使用してもらうだけで、その美しさはさらに向上したのだ。
ハクロ本人‥‥‥いや、モンスターだから人のカウントで良いのかは不明だが、彼女からしてもメディの商品は魅力的らしく、主である魔法屋の人からお小遣いをもらって、ちょくちょく購入しに来るようになった。
見ている限りでは、恋慕しているようにも思えるのだが‥‥‥まぁ、彼女の恋が成就するには、その魔法屋自身が気が付くのを待たねばならないだろう。
というか、鈍感すぎるので媚薬とかいけないものを勧めてあげたくなったほどである。
何にせよ、美しい美貌を持つアラクネが、メディの店にある薬などを使ってさらにその美しさに磨きがかかったというのは、都市内でも噂になり、連日御客が押し寄せるようになった。
そして、新製品ができればハクロに使用してもらい、その使用感を都市の人達が見て、より求めて、また客が増えて‥‥‥と、好循環が生まれていたのであった。
まぁ、元からそんなものを使わなくても純粋な美しさがあり、メディの薬などはちょっとだけ手助けしているにすぎないのだが‥‥‥それでも皆買っていくのだから、美に対する探究は誰もが底知らずなのは、よく理解できたのであった。
何にせよ、冒険者業でただの薬師としてパーティに所属していた時に比べれば、非常に成功しているような物であろう。
と言うかむしろ、冒険者として活動していた時代が怖ろしく無駄であったと思えるほどである。
「そう言えば、リールコンのメンバーはどうなったのかなぁ?」
ロリコンに見えるからと言う理由で、自分を追放したリーダのマルスや、その他メンバーのことを思い出し、メディはふとそうつぶやいた。
あれからかなり時間が経過したが、メディ自身の容姿もかなり様変わりしたのだ。
と言っても、単純に成長したわけではない。
「‥‥‥ハクロさんや、その近くにいたあのメイド人に材料の提供をしてもらえたのは良かったですね」
そうつぶやき、メディは己の変貌した体を見た。
幼女体形、皆に可愛がられそうな妹と言われた容姿から一転し、今のメディの姿は美魔女と言っても差し支えない容姿。
出るところはでて、へこむところはへこみ、きちんと正しく成長したかのように彼女の姿は変わっていた。
……残念ながら、身長まではそこまで伸びなかったが。
何にせよ、ここまで様変わりしたのも訳がある。
あのパーティに所属していた時代、自分の容姿を変えるための薬品を考えてみたが、その材料を当時は得る事が出来なかった。
だがしかし、ハクロと親しくなった時についぽろっとその話をこぼすと、彼女は普段のお礼という事で、必要な材料を融通してくれたのだ。
そしてついでに、彼女が仕えている魔法屋の青年がその話しに興味を持ったようで、彼の側にいたメイドに命じると、更に必要な材料をそのメイドはモノの数秒で用意してくれたのであった。
あっという間に集まるその様子は、今まで考えて実行できないと思っていたメディの概念を、ものの見事にぶっ壊してくれたのである。
いやまぁ、流石にフェンリルの爪とか持っているとは思っていなかったので…‥‥
何にせよ、材料を得たのでメディはさっそく薬を調合し、臨床実験をあえてせずに、己の身体で試し‥‥‥そして今、その計算通りの容姿(身長を除く)に、なったのである。
効果時間は半永久的なものであり、一応元の身体に戻すことも可能な薬も作ったが、今のままで十分いいだろう。
そして、その効果のほどを見た女性たちが押し寄せて…‥‥あまりの気迫に少々トラウマになるレベルだったのは言うまでもなかった。
順調に薬屋を経営し、最近では品物の製造のために弟子を取っていた、そんなある日。
(・・・・・あら?)
出張サービスも始め、自分から客の下へ向かう途中、街中で懐かしい面々をメディは発見した。
それは、かつて自分を追い出したパーティリールコンのメンバーたちなのだが…‥‥その様子は、追放された当時に比べると、悲壮感が漂っていた。
よく見ると、首の方に何かつけられていて……
(…‥‥ああ、堕ちるとこまで堕ちたのかしら?)
それは、犯罪者を示すという首輪。
犯罪奴隷と呼ばれるような類になったようだが‥‥‥一体何をどうしてそうなったのかは分からない。
マルス達の方はちらりとメディアの方を向いたが、どうやら彼女とはわからなかったようで、ずいぶんと暗い様子を漂わせていた。
その様子を見て、メディは少しだけ情がわいた。
マルスの身勝手な理由と、おそらくは他のメンバーからはマルス狙いと思われて嫉妬され、追放してきたかつての仲間。
とは言え、その理由にはメディの態度やその容姿が原因でもあったので、そう強く非難できない。
「‥‥‥良し、決めたわ」
相手も悪かったが、自分も多少は非難できない部分がある。
それに、追放されたとはいえ、やはりかつての仲間だった者たちを見捨てるようなこともできない。
この都市でメディは成功し、精神的にも成長し、もはや恨みも何もないのだ。
そう考え、彼女は彼らが犯罪奴隷なのを利用して、店の従業員として雇ってみようと思い、実行に移すのであった…‥‥
……それから数カ月後、メディの店は大きく成長し、各地に散らばることになる。
そして、その質の高い薬品や、女性向けの美容品を向上させる働きを見せて、繁栄していった。
各地に散らばった店舗の中には、かつて彼女を追放したパーティメンバーもいたというが、皆仕事にやりがいを持ったのか、いい笑顔で過ごすようになったという…‥‥
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