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チャンネル1 レッツ、配信スタート!
第十話 メイドは緩やかに敵を見る
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―――配信映像と言うものは、誰でも、どこでも見れる。
ただし、何か問題があった一部の配信映像に関しては、ギルド側から手を回して配信が停止されていたり、許可なくてはみれないものになっているのだ。
まぁ、それでも情報化社会の恐ろしいところで、一度流れたものは全てを覆い隠すことはできず…そして、悪意あるものほど結構手に入れやすかったりするものなのだ。
「…それでも、映像を見ても無茶苦茶ぶりがすさまじいな…メイド…マジックアイテムとはいえ、こんなことができるようなものなのか?」
「世の中のメイドの基準が全て、彼女と同等だとしたら、とっくの昔にメイドによるメイドの世界征服が行われていてもおかしくはないと思いますが」
ある国の、とある建物の中。
配信映像の中に映るエリーゼの姿…ワームを屠ったり、自身の主を鍛えるための特訓を施す彼女の姿を見て、その場に集まった者たちはそう口にする。
「何やらとんでもない、マジックアイテムがダンジョンから出土したという話は聞いていたが、今わかっている情報だけでもこれか…メイドってなんだ?」
「まさか、他のダンジョンにも同様のメイドが眠っているとかは…ないよな?」
「皆さま、メイドに対してクラッシュされているようですが」
無理もないだろう。
ダンジョン内からマジックアイテムが出土するという部分は、まだ良い。
その中身がメイドなのもまだギリギリ許容範囲であったが…その他にできることが、彼らの許容量を超えているのだから。
「ダンジョンの壁をぶち抜くこともできる兵器を搭載…そのうえ、ギルドに提出された他の道具もまた、かなり貴重なものになるか」
「こちらのホラーに分類された特訓映像内で、使用されている道具に関しては、メイド自身が作った可能性もあり…もしかすると、他のマジックアイテムの製作が可能かもしれません」
「それはそれで、かなりの価値が出るな…」
マジックアイテム…魔法のような効果を持つ様々な道具だが、入手方法はダンジョンからの出土が大半を占めている。
もちろん、現代の技術を用いて複製を試みられることもあるのだが、それでもダンジョンで出土したオリジナルと比較して性能が大きく落ちやすいのだ。
「代わりに作れるようなものがいないが…このメイドならば、可能だというのか?」
「未知のエネルギー炉心も有しているようで、それを使用してならば可能なのでしょう」
「出てきたサブ炉心…レッドコアもとい、賢者の石…これの存在も非常にでかい。記録上、賢者の石は万能の生成器でもないゆえに作り出せない物質もあるようだが、それでも様々な物を錬金して、貴重な素材を作り上げることができるかもしれないからな」
「現存しているものの中には、国同士の奪い合いで砕け散ったのもあるのだとか…」
この映像だけでも、相当な情報があり、どれほどあのメイドが価値があるのか、彼らは理解する。
しかし、裏社会の者たちからすれば喉から手が入るほど欲しくなるようなものだとしても、そのリスクも非常に高いこともまた理解してしまうのだ。
「価値はあるが、これは下手な扱いはできないな。モノにできれば良いが、容易くはできないだろう」
「主として登録されている、少年の方を懐柔したほうがむしろいいのか?」
「いや、メイドたるもの、害となるかもしれないものを排除する可能性もあるだろう。無理な接触は感づかれて‥あの砲撃を受けて見ろ。明日から皆、家、いや、命があるかも怪しいことになるだろう」
「「「…確かに」」」
ハイリスクハイリターン…と言っても、リスクの方が大きすぎる。
いくら何事も奇態なことに手を染めているとはいえ、だからこそどれほど危ない存在なのかもまたよく理解している。
「理解しきれていないような者共は、動くだろうが…しっぽ切りができるような工作をしておくか。成功する可能性もあるかもしれないが、強烈な爆弾になるようなものを抱え込みたくはない」
「今のところはあの少年に、どうにか主として頑張ってもらうほうが表も裏も、どっちのためにもなるだろう…と言うか、関わったら胃痛が増えそうな気がするから、これ以上厄介事になる前に全力で引き下がっておくのが無難か」
「どこかの馬鹿な国とかでは、諜報機関やその手の者たちを利用して、どうにか引き込めないかなど画策するだろうが…下手に我々の方にやってこられる前に、潰せるものは潰しておこう」
あくどい方面に手を染めていても、手を出してはいけないようなものも理解している。
のちに、彼らのこの判断は英断だったと言われるのは…もう間もなくのことであった。
「…それでもまぁ、あの美しいメイドが四六時中いるのは、羨ましくもあるな」
「そうか?思春期真っ盛りになる今、同室なのは相当きつくはないか?手を出せるとしても相手はマジックアイテム…どうなるかわからんだろ」
ただし、何か問題があった一部の配信映像に関しては、ギルド側から手を回して配信が停止されていたり、許可なくてはみれないものになっているのだ。
まぁ、それでも情報化社会の恐ろしいところで、一度流れたものは全てを覆い隠すことはできず…そして、悪意あるものほど結構手に入れやすかったりするものなのだ。
「…それでも、映像を見ても無茶苦茶ぶりがすさまじいな…メイド…マジックアイテムとはいえ、こんなことができるようなものなのか?」
「世の中のメイドの基準が全て、彼女と同等だとしたら、とっくの昔にメイドによるメイドの世界征服が行われていてもおかしくはないと思いますが」
ある国の、とある建物の中。
配信映像の中に映るエリーゼの姿…ワームを屠ったり、自身の主を鍛えるための特訓を施す彼女の姿を見て、その場に集まった者たちはそう口にする。
「何やらとんでもない、マジックアイテムがダンジョンから出土したという話は聞いていたが、今わかっている情報だけでもこれか…メイドってなんだ?」
「まさか、他のダンジョンにも同様のメイドが眠っているとかは…ないよな?」
「皆さま、メイドに対してクラッシュされているようですが」
無理もないだろう。
ダンジョン内からマジックアイテムが出土するという部分は、まだ良い。
その中身がメイドなのもまだギリギリ許容範囲であったが…その他にできることが、彼らの許容量を超えているのだから。
「ダンジョンの壁をぶち抜くこともできる兵器を搭載…そのうえ、ギルドに提出された他の道具もまた、かなり貴重なものになるか」
「こちらのホラーに分類された特訓映像内で、使用されている道具に関しては、メイド自身が作った可能性もあり…もしかすると、他のマジックアイテムの製作が可能かもしれません」
「それはそれで、かなりの価値が出るな…」
マジックアイテム…魔法のような効果を持つ様々な道具だが、入手方法はダンジョンからの出土が大半を占めている。
もちろん、現代の技術を用いて複製を試みられることもあるのだが、それでもダンジョンで出土したオリジナルと比較して性能が大きく落ちやすいのだ。
「代わりに作れるようなものがいないが…このメイドならば、可能だというのか?」
「未知のエネルギー炉心も有しているようで、それを使用してならば可能なのでしょう」
「出てきたサブ炉心…レッドコアもとい、賢者の石…これの存在も非常にでかい。記録上、賢者の石は万能の生成器でもないゆえに作り出せない物質もあるようだが、それでも様々な物を錬金して、貴重な素材を作り上げることができるかもしれないからな」
「現存しているものの中には、国同士の奪い合いで砕け散ったのもあるのだとか…」
この映像だけでも、相当な情報があり、どれほどあのメイドが価値があるのか、彼らは理解する。
しかし、裏社会の者たちからすれば喉から手が入るほど欲しくなるようなものだとしても、そのリスクも非常に高いこともまた理解してしまうのだ。
「価値はあるが、これは下手な扱いはできないな。モノにできれば良いが、容易くはできないだろう」
「主として登録されている、少年の方を懐柔したほうがむしろいいのか?」
「いや、メイドたるもの、害となるかもしれないものを排除する可能性もあるだろう。無理な接触は感づかれて‥あの砲撃を受けて見ろ。明日から皆、家、いや、命があるかも怪しいことになるだろう」
「「「…確かに」」」
ハイリスクハイリターン…と言っても、リスクの方が大きすぎる。
いくら何事も奇態なことに手を染めているとはいえ、だからこそどれほど危ない存在なのかもまたよく理解している。
「理解しきれていないような者共は、動くだろうが…しっぽ切りができるような工作をしておくか。成功する可能性もあるかもしれないが、強烈な爆弾になるようなものを抱え込みたくはない」
「今のところはあの少年に、どうにか主として頑張ってもらうほうが表も裏も、どっちのためにもなるだろう…と言うか、関わったら胃痛が増えそうな気がするから、これ以上厄介事になる前に全力で引き下がっておくのが無難か」
「どこかの馬鹿な国とかでは、諜報機関やその手の者たちを利用して、どうにか引き込めないかなど画策するだろうが…下手に我々の方にやってこられる前に、潰せるものは潰しておこう」
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のちに、彼らのこの判断は英断だったと言われるのは…もう間もなくのことであった。
「…それでもまぁ、あの美しいメイドが四六時中いるのは、羨ましくもあるな」
「そうか?思春期真っ盛りになる今、同室なのは相当きつくはないか?手を出せるとしても相手はマジックアイテム…どうなるかわからんだろ」
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