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チャンネル1 レッツ、配信スタート!
第一話 配信開始と騒動の幕開け
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―――ダンジョン…それは、夢も希望も、その他様々な可能性を含んだ場所でもあり、同時に危険もある異世界と言っても良い場所。
しかし、それでも人々は一攫千金を狙う者や、未知を求めたり、あるいは強敵と巡り合って己を高めようとするなど入り込む者は後を絶たない。
それゆえに、国々は一つの手を取った。
その方法が…
「…配信活動による公開で、非常事態での迅速な救助や、モンスターが大量発生して湧き出てくるスタンピードの予兆確認、危険すぎるマジックアイテムの確認やその確保などの目的で、配信者と言う一つの活動形態が出来たとのことです。さて、これから始めてその配信者となって、初級ダンジョンへ挑む皆さま、ご理解を頂けましたでしょうか」
「「「はーい!」」」
元気よく返答をするが、集っているのは年齢も性別もバラバラなものたち。
そう、本日はとあるダンジョン…危険度の低さでランク付けされ、もっとも安全性の高い初級として位置づけられたダンジョンに彼らは訪れており…そして、俺、異土灯夜もまた、新人の配信者として参加していた。
「さてと、それじゃ配信の準備を…このカメラで…」
初心者用の機材を確認し、ダンジョン内でしっかりと配信ができる体制を整え、周囲を確認する。
学生の身でありながらも、小遣いも多少は欲しくなるもので…配信者となって、手に入れる手段は良いだろう。
まぁ、それでも欲をかきすぎずにと言うか、かくことはできないというべきか…
「はいはい、それじゃやっていきますよ、灯夜チャンネル~…って言っても、うん、まぁ、わかっていたな」
初めての配信と言うことで無名のため、ダンジョン配信が溢れているこの世の中、視聴者が0ナノは珍しくもない。
特にここ、初級に当てはめられたダンジョンは得られる情報量もほぼ無く、注目度は皆無に等しいだろう。
「それでも、初心者がやるには手ごろだし、配信の形式をこれから模索していけばいいから気にしなくていいか」
情報量が無いとはいえ、配信で入ってくるお金が0かと言えば実はそうでもない。
いや、むしろダンジョンだからこそ、わずかなものだとしても稼ぐ手段はある。
カツカツカツン!!
「地道に、つるはしで掘って…ああ、出てきた出てきた。鉱石が」
ダンジョンの不思議な特性として、出土してくるものが確実にあるモノ。
安い値段の金属の鉱石だろうが、資源であることには間違いはなく、ダンジョンを運営する配信者ギルドの買取へもっていけば、微々たる量だとしてもお金は得られる。
今はまだ少なくても、塵も積もれば山となる…地道に稼げるのならば、それで良い。
無理をし過ぎて、命を落とすような真似は…母から聞いた、父の最後のようなことだけは避ければいいのだ。
カツカツカツン!
コツコツカッツゥン!!
「…それにしても、配信が本当に見られていないのだけは、ちょっと心に来るものもあるけど…それでも一応は、監査は入っているのか」
視聴者が0な表示のままだが、これもまた誰も見ていないというわけではない。
きちんと犯罪を隠れて行っていないかなどの監視目的もあるため、警察…もとい、ダンジョンが誕生した時に法改正で生まれた部署が録画もしており、後でしっかりと確認されることもあるようだ。
「何にせよ、そろそろいったん終わったほうが良いか‥?バケツ一杯分になったし…」
世の中、どんなものでも収納できるマジックバックと言うアイテムや、誰かと組んで荷物持ちのサポーターをやってもらう人などもいるようだが、初日で初心者のソロの自分では、そんなものは何もない。
それでもあとちょっとだけ掘ってから、換金して帰ろうかと思っていた…その時だった。
カツカツカツンッ、ゴリッツ!!
「ん?」
今何か、掘った感触がおかしかった。
異土はそう思い、おかしな音がした場所を見れば…何か、鉱石とは別のものが埋まっていた。
「何だ、これ?…黒い、箱?」
掘り出してみれば、ちょっとした携帯ゲーム機サイズの真っ黒な箱が出てきた。
表面には何か幾何学模様のようなものが入っており、うっすらと線に沿って光が走っている気がする。
「まさか、マジックアイテムとかいうものでは…いや、でも何だ、これ?」
現在の科学では再現できない、魔法のような代物…ダンジョンで生み出されているという存在、マジックアイテム。
先ほど考えたマジックバックもそうだが、中には空を自由に飛ぶことが出来たり、あるいは酒が湧き出たり、はたまたは金銀財宝が生み出し続けられる宝箱など、一部は市場価値を大混乱させた前例もあって、取り扱いが慎重になるものだ。
だがしかし、基本的に高性能なものはより高難易度ダンジョンでしか出土せず、こんな初級のダンジョンで出てきたとかいう話もない。
「まぁ、わからないならギルドへ提出すればいいか。未知の金属なら、それはそれでこれよりは大きく稼げるはず…」
ちくっ
「っ、痛っ!?」
自分にとって必要のないモノであれば、そのまま提出してしまえばいい。
そう考えていた時、異土の指先に何かが一瞬、刺さったような痛みが生じた。
「え、何?針でも生えて、」
【---血液採取完了、認証コード確定。主人登録コード発効、許可。---起動】
ガゴンッ!!
「は?」
何か聞こえてきたかと思えば、ぽんっと黒い箱が飛び跳ね、開き始める。
ガシャガゴンッっと音を立てて、あっという間に目の前で開封され…箱が失われ、出てきたのは何をどうしてその中に入っていたのかと言うサイズのものが…いや、人のようなものが出てきた。
【構成完了…フム…アー、アー、サンプリングデータによる、言語修正…なるほど、こうですカ】
そっと降り立ち、異土の目の前に現れたのは…どう考えても、服装がメイドの女性。
異土よりも身長は高く…元々小柄なのでそこは気にしないでおきたいが、美しい顔。
漆黒を基調とした綺麗なメイド服ながらも豊満な双丘が浮き出ており、ロングスカートには何やらポケットがいくつかついており、腰には拳銃のようなものが装着されている。
髪型は黒のポニーテールだが、耳の部分が人ではなく、ヘッドフォンのようなものになっており、アンテナらしいものが見えるだろう。
その目は宝石のように赤く、その瞳はしっかりと異土の方を見ている。
「えっと…君は…何?」
【…音声データ認識、血液コード確認…ええ、そうですカ。疑問に思われるのであれば、お答えいたしましょう、ご主人様】
「ご主人様!?何、本当に何なの!?」
【私は、型式M-WAZE-02モデル、登録名称は…名称は…メイショ…アレ?】
「どうしたの?」
いきなりご主人様呼びされて驚愕させられた異土だったが、何やら目の前のメイドのような彼女の様子がおかしい。
【…えっと、コード再認証、再起動…申し訳ございません、ご主人様。その、私…自分の名前データ、無くなってましタ。すみませんが、完全登録のために、名前をどうか…!!】
ギュゥッ!!
「えええっ…!!」
説明してもらったが、どうも自分の型式番号とかそのあたりはわかるようだが、個人としての名称のデータが無いらしい。
どこかで失われたか、はたまたは最初からなかったのか…ここで初めて稼働したのならば後者の可能性が高いが、それでも名前が無いと不都合らしい。
「それじゃ、えっと、君の名前は…そうだな…」
いきなり名づけをしてほしいと言われても、どうしたものかと異土は悩む。
何かいい名前を与えたほうが良いのかもしれないが、わかりやすいモノのほうが良いのかもしれない。
聞こえた型式番号とかがM-WAZE-02ならば、エムやワゼなどがありそうだが…いや、ここは…ダンジョンから出てきたメイドならば…
「…君の名前は『エリーゼ』ってのは、どう?」
【『エリーゼ』…ですカ?】
「ああ、ここはダンジョン…迷宮ともいわれたりするし、ラビリンスと言ったりもするから、その文字と、後は型式がエムの…まぁ、色々とって、合わせて…『エリーゼ』にしたけど…」
【ふむ…ええ、それが良いでしょウ。ありがとうございます、ご主人様。改めまして、私『エリーゼ』は、貴方のメイドとして、お仕えいたしまス。これからどうぞ、よろしくお願いいたしまス】
名前を気に入ってくれたようで、優しい笑顔になって異土にメイドは…エリーゼがそう口にする。
―――この不思議な出会いが、何をもたらすのか。
まだ、彼らにはわからないのであった。
「…ところで、エリーゼ…君のこと、どう扱おう…ダンジョンから出土したマジックアイテムっぽいというか、それ以上のやばい代物な香りがするんだけど」
【エ、私、何か臭いマスか、ご主人様!?急いで、身を清めてまいりまス!!】
「違う、そういう意味じゃないって!?」
…とりあえず、そこはかとなくポンコツの気配もしなくは無いような…大丈夫なのだろうかと、異土は内心不安になるのであった。
しかし、それでも人々は一攫千金を狙う者や、未知を求めたり、あるいは強敵と巡り合って己を高めようとするなど入り込む者は後を絶たない。
それゆえに、国々は一つの手を取った。
その方法が…
「…配信活動による公開で、非常事態での迅速な救助や、モンスターが大量発生して湧き出てくるスタンピードの予兆確認、危険すぎるマジックアイテムの確認やその確保などの目的で、配信者と言う一つの活動形態が出来たとのことです。さて、これから始めてその配信者となって、初級ダンジョンへ挑む皆さま、ご理解を頂けましたでしょうか」
「「「はーい!」」」
元気よく返答をするが、集っているのは年齢も性別もバラバラなものたち。
そう、本日はとあるダンジョン…危険度の低さでランク付けされ、もっとも安全性の高い初級として位置づけられたダンジョンに彼らは訪れており…そして、俺、異土灯夜もまた、新人の配信者として参加していた。
「さてと、それじゃ配信の準備を…このカメラで…」
初心者用の機材を確認し、ダンジョン内でしっかりと配信ができる体制を整え、周囲を確認する。
学生の身でありながらも、小遣いも多少は欲しくなるもので…配信者となって、手に入れる手段は良いだろう。
まぁ、それでも欲をかきすぎずにと言うか、かくことはできないというべきか…
「はいはい、それじゃやっていきますよ、灯夜チャンネル~…って言っても、うん、まぁ、わかっていたな」
初めての配信と言うことで無名のため、ダンジョン配信が溢れているこの世の中、視聴者が0ナノは珍しくもない。
特にここ、初級に当てはめられたダンジョンは得られる情報量もほぼ無く、注目度は皆無に等しいだろう。
「それでも、初心者がやるには手ごろだし、配信の形式をこれから模索していけばいいから気にしなくていいか」
情報量が無いとはいえ、配信で入ってくるお金が0かと言えば実はそうでもない。
いや、むしろダンジョンだからこそ、わずかなものだとしても稼ぐ手段はある。
カツカツカツン!!
「地道に、つるはしで掘って…ああ、出てきた出てきた。鉱石が」
ダンジョンの不思議な特性として、出土してくるものが確実にあるモノ。
安い値段の金属の鉱石だろうが、資源であることには間違いはなく、ダンジョンを運営する配信者ギルドの買取へもっていけば、微々たる量だとしてもお金は得られる。
今はまだ少なくても、塵も積もれば山となる…地道に稼げるのならば、それで良い。
無理をし過ぎて、命を落とすような真似は…母から聞いた、父の最後のようなことだけは避ければいいのだ。
カツカツカツン!
コツコツカッツゥン!!
「…それにしても、配信が本当に見られていないのだけは、ちょっと心に来るものもあるけど…それでも一応は、監査は入っているのか」
視聴者が0な表示のままだが、これもまた誰も見ていないというわけではない。
きちんと犯罪を隠れて行っていないかなどの監視目的もあるため、警察…もとい、ダンジョンが誕生した時に法改正で生まれた部署が録画もしており、後でしっかりと確認されることもあるようだ。
「何にせよ、そろそろいったん終わったほうが良いか‥?バケツ一杯分になったし…」
世の中、どんなものでも収納できるマジックバックと言うアイテムや、誰かと組んで荷物持ちのサポーターをやってもらう人などもいるようだが、初日で初心者のソロの自分では、そんなものは何もない。
それでもあとちょっとだけ掘ってから、換金して帰ろうかと思っていた…その時だった。
カツカツカツンッ、ゴリッツ!!
「ん?」
今何か、掘った感触がおかしかった。
異土はそう思い、おかしな音がした場所を見れば…何か、鉱石とは別のものが埋まっていた。
「何だ、これ?…黒い、箱?」
掘り出してみれば、ちょっとした携帯ゲーム機サイズの真っ黒な箱が出てきた。
表面には何か幾何学模様のようなものが入っており、うっすらと線に沿って光が走っている気がする。
「まさか、マジックアイテムとかいうものでは…いや、でも何だ、これ?」
現在の科学では再現できない、魔法のような代物…ダンジョンで生み出されているという存在、マジックアイテム。
先ほど考えたマジックバックもそうだが、中には空を自由に飛ぶことが出来たり、あるいは酒が湧き出たり、はたまたは金銀財宝が生み出し続けられる宝箱など、一部は市場価値を大混乱させた前例もあって、取り扱いが慎重になるものだ。
だがしかし、基本的に高性能なものはより高難易度ダンジョンでしか出土せず、こんな初級のダンジョンで出てきたとかいう話もない。
「まぁ、わからないならギルドへ提出すればいいか。未知の金属なら、それはそれでこれよりは大きく稼げるはず…」
ちくっ
「っ、痛っ!?」
自分にとって必要のないモノであれば、そのまま提出してしまえばいい。
そう考えていた時、異土の指先に何かが一瞬、刺さったような痛みが生じた。
「え、何?針でも生えて、」
【---血液採取完了、認証コード確定。主人登録コード発効、許可。---起動】
ガゴンッ!!
「は?」
何か聞こえてきたかと思えば、ぽんっと黒い箱が飛び跳ね、開き始める。
ガシャガゴンッっと音を立てて、あっという間に目の前で開封され…箱が失われ、出てきたのは何をどうしてその中に入っていたのかと言うサイズのものが…いや、人のようなものが出てきた。
【構成完了…フム…アー、アー、サンプリングデータによる、言語修正…なるほど、こうですカ】
そっと降り立ち、異土の目の前に現れたのは…どう考えても、服装がメイドの女性。
異土よりも身長は高く…元々小柄なのでそこは気にしないでおきたいが、美しい顔。
漆黒を基調とした綺麗なメイド服ながらも豊満な双丘が浮き出ており、ロングスカートには何やらポケットがいくつかついており、腰には拳銃のようなものが装着されている。
髪型は黒のポニーテールだが、耳の部分が人ではなく、ヘッドフォンのようなものになっており、アンテナらしいものが見えるだろう。
その目は宝石のように赤く、その瞳はしっかりと異土の方を見ている。
「えっと…君は…何?」
【…音声データ認識、血液コード確認…ええ、そうですカ。疑問に思われるのであれば、お答えいたしましょう、ご主人様】
「ご主人様!?何、本当に何なの!?」
【私は、型式M-WAZE-02モデル、登録名称は…名称は…メイショ…アレ?】
「どうしたの?」
いきなりご主人様呼びされて驚愕させられた異土だったが、何やら目の前のメイドのような彼女の様子がおかしい。
【…えっと、コード再認証、再起動…申し訳ございません、ご主人様。その、私…自分の名前データ、無くなってましタ。すみませんが、完全登録のために、名前をどうか…!!】
ギュゥッ!!
「えええっ…!!」
説明してもらったが、どうも自分の型式番号とかそのあたりはわかるようだが、個人としての名称のデータが無いらしい。
どこかで失われたか、はたまたは最初からなかったのか…ここで初めて稼働したのならば後者の可能性が高いが、それでも名前が無いと不都合らしい。
「それじゃ、えっと、君の名前は…そうだな…」
いきなり名づけをしてほしいと言われても、どうしたものかと異土は悩む。
何かいい名前を与えたほうが良いのかもしれないが、わかりやすいモノのほうが良いのかもしれない。
聞こえた型式番号とかがM-WAZE-02ならば、エムやワゼなどがありそうだが…いや、ここは…ダンジョンから出てきたメイドならば…
「…君の名前は『エリーゼ』ってのは、どう?」
【『エリーゼ』…ですカ?】
「ああ、ここはダンジョン…迷宮ともいわれたりするし、ラビリンスと言ったりもするから、その文字と、後は型式がエムの…まぁ、色々とって、合わせて…『エリーゼ』にしたけど…」
【ふむ…ええ、それが良いでしょウ。ありがとうございます、ご主人様。改めまして、私『エリーゼ』は、貴方のメイドとして、お仕えいたしまス。これからどうぞ、よろしくお願いいたしまス】
名前を気に入ってくれたようで、優しい笑顔になって異土にメイドは…エリーゼがそう口にする。
―――この不思議な出会いが、何をもたらすのか。
まだ、彼らにはわからないのであった。
「…ところで、エリーゼ…君のこと、どう扱おう…ダンジョンから出土したマジックアイテムっぽいというか、それ以上のやばい代物な香りがするんだけど」
【エ、私、何か臭いマスか、ご主人様!?急いで、身を清めてまいりまス!!】
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