244 / 339
組織との決着で章
220話
しおりを挟む
「へぇい!そこの彼女!!俺様たちとちょーっと遊びに行かないかぁい?」
【断るのじゃよ。今はそんなことをする暇もないしのぅ】
「ああ、運命の人だ!!銅貨結婚を前提したお付き合いを!!」
【既に予約済みじゃから去るのじゃ】
「うっひょぅ!!ねぇねぇそこのねーちゃん!!あんたならこの店の看板娘にふさわしいぜー!」
【娘という年でもないんじゃがな。お断りじゃ】
「その切れ目、冷たいいでたち!!どうかわたしめの、いやこの卑しい犬であるこの体を盛大にいたぶってください!!」
【その手の店へ行くのじゃ】
…‥‥道行く人たちに声をかけられながら、タキは冷たくあしらう。
現在、ルースたちはバハーム王国内に入り、歪みとやらがあるらしい場所を目指し、とりあえず国内に入って目立たないようにということで、タキが人の姿を取ったのだが‥‥‥‥慣れというもので忘れていた。
普段、狐の姿でいたり、エルゼ達と共に居たりして忘れていたが、タキの人型の容姿ってかなりの美女でもあるんだった。
考えてみれば、都市メルドランだとエルゼやレリア、バトにヴィーラといった面子もいるし、あの都市の人達であれば目が肥えていたのかもしれないが…‥‥そんなに目が肥えていない、つい最近までは荒れていたらしいバハーム王国内だと、タキの容姿は相当目立つのであろう。
わからなくもないが、それにしては声をかける人が多いような…‥‥そう言えば、この国の先代国王はかなりの女好きだったという話があるのだが、まさか国民全体がそうなのではなかろうか。
とにもかくにも、道行くたびにこれでは色々と面倒である。
「タキ、うっとおしいなら一旦送還して帰るか?召喚すれば呼び出せるし…‥‥」
【いや、別に良いのじゃよ。こういう類の輩たちはあしらえば済む話じゃし、襲ってきたら正当防衛という名の下で社会的に抹殺できるしのぅ。…‥‥それに召喚主殿、お主との二人きりの珍しい道中じゃし、楽しみたいのじゃ】
タキに提案したルースであったが、当の本人はさほど気にしていないらしい。
【ま、昔飼ってくれた遊女たちを見ておるし、どこをどうすればしつこい馬鹿をごりっと潰せるのか知っておるしのぅ】
「ごりっと潰すって何を?」
さらっと放たれた恐怖の予感しか感じさせない言葉を聞き、自然とルースは後ずさるのであった。
とにもかくにも、今目指すのは歪みとやらの場所。
魔導書からは大雑把な事しか言われていないので探すのは大変かもしれないと思ったが、幸いなことにタキはその歪みとやらの気配ならば分かるらしい。
【とはいえ、我も大雑把にしかわからぬからのぅ…‥‥しかし、妙じゃな】
首を傾げつつ、神妙な顔つきでタキはそうつぶやいた。
「妙って何が?」
【いや、歪みとやらの気配は分かることは分かるのじゃが…‥‥】
ちらっと周囲を見渡し、タキは何かを確認する。
【…‥‥召喚主殿、気が付いたかぅ?】
その顔は真剣そのものであり、ふざけた様子もない。
そのタキの様子を見て、ルースは改めて自然な振りをして周囲を見渡し…‥‥タキの言おうとしていることに気が付いた。
ここに来てから道行く人たちを見ているのだが、その顔触れがどうもおかしい。
皆は普通にあちこちへ行っているように見えるのだが、中には同じ道を何度も往復している人などもおり、皆見たようなものばかりなのだ。
「…‥‥付けられているとかじゃなさそうだな。皆『同じ場所を』往復している」
【その通りじゃ。我らはここに来たばかりじゃから特に何も影響を受けていなさそうじゃが、この国におるやつら、皆その歪みとやらの影響を受けているのかもしれぬ。それも、気が付かぬうちにな‥‥‥】
周囲を見渡せば、確かに人はあちこち歩いて通り過ぎていく。
だが、また歩いていくと同じような人とすれ違い、同じような行為を繰り返している。
別人という訳でもないし、全員がグルという訳でもなく、その自然な行動に疑問を抱いていない。
…‥‥どうやら、この国全体で人の行動が、全て同じ事の繰り返しが起きているようであった。
「…‥‥これってさ、下手すると俺たちも同じことの繰り返しに巻き込まれるような気がするのだが」
【可能性はあるのぅ】
そうなると絶対に不味い事態となる。
まるで時を繰り返す監獄のような状態になっているこの場の一部になってしまったら…‥‥逃れられない可能性が大きい。
日帰りで解決しようと思っていたのだが、どうやら相当面倒なことに巻き込まれてしまったのだと、ルースたちは気が付くのであった‥‥‥‥。
【断るのじゃよ。今はそんなことをする暇もないしのぅ】
「ああ、運命の人だ!!銅貨結婚を前提したお付き合いを!!」
【既に予約済みじゃから去るのじゃ】
「うっひょぅ!!ねぇねぇそこのねーちゃん!!あんたならこの店の看板娘にふさわしいぜー!」
【娘という年でもないんじゃがな。お断りじゃ】
「その切れ目、冷たいいでたち!!どうかわたしめの、いやこの卑しい犬であるこの体を盛大にいたぶってください!!」
【その手の店へ行くのじゃ】
…‥‥道行く人たちに声をかけられながら、タキは冷たくあしらう。
現在、ルースたちはバハーム王国内に入り、歪みとやらがあるらしい場所を目指し、とりあえず国内に入って目立たないようにということで、タキが人の姿を取ったのだが‥‥‥‥慣れというもので忘れていた。
普段、狐の姿でいたり、エルゼ達と共に居たりして忘れていたが、タキの人型の容姿ってかなりの美女でもあるんだった。
考えてみれば、都市メルドランだとエルゼやレリア、バトにヴィーラといった面子もいるし、あの都市の人達であれば目が肥えていたのかもしれないが…‥‥そんなに目が肥えていない、つい最近までは荒れていたらしいバハーム王国内だと、タキの容姿は相当目立つのであろう。
わからなくもないが、それにしては声をかける人が多いような…‥‥そう言えば、この国の先代国王はかなりの女好きだったという話があるのだが、まさか国民全体がそうなのではなかろうか。
とにもかくにも、道行くたびにこれでは色々と面倒である。
「タキ、うっとおしいなら一旦送還して帰るか?召喚すれば呼び出せるし…‥‥」
【いや、別に良いのじゃよ。こういう類の輩たちはあしらえば済む話じゃし、襲ってきたら正当防衛という名の下で社会的に抹殺できるしのぅ。…‥‥それに召喚主殿、お主との二人きりの珍しい道中じゃし、楽しみたいのじゃ】
タキに提案したルースであったが、当の本人はさほど気にしていないらしい。
【ま、昔飼ってくれた遊女たちを見ておるし、どこをどうすればしつこい馬鹿をごりっと潰せるのか知っておるしのぅ】
「ごりっと潰すって何を?」
さらっと放たれた恐怖の予感しか感じさせない言葉を聞き、自然とルースは後ずさるのであった。
とにもかくにも、今目指すのは歪みとやらの場所。
魔導書からは大雑把な事しか言われていないので探すのは大変かもしれないと思ったが、幸いなことにタキはその歪みとやらの気配ならば分かるらしい。
【とはいえ、我も大雑把にしかわからぬからのぅ…‥‥しかし、妙じゃな】
首を傾げつつ、神妙な顔つきでタキはそうつぶやいた。
「妙って何が?」
【いや、歪みとやらの気配は分かることは分かるのじゃが…‥‥】
ちらっと周囲を見渡し、タキは何かを確認する。
【…‥‥召喚主殿、気が付いたかぅ?】
その顔は真剣そのものであり、ふざけた様子もない。
そのタキの様子を見て、ルースは改めて自然な振りをして周囲を見渡し…‥‥タキの言おうとしていることに気が付いた。
ここに来てから道行く人たちを見ているのだが、その顔触れがどうもおかしい。
皆は普通にあちこちへ行っているように見えるのだが、中には同じ道を何度も往復している人などもおり、皆見たようなものばかりなのだ。
「…‥‥付けられているとかじゃなさそうだな。皆『同じ場所を』往復している」
【その通りじゃ。我らはここに来たばかりじゃから特に何も影響を受けていなさそうじゃが、この国におるやつら、皆その歪みとやらの影響を受けているのかもしれぬ。それも、気が付かぬうちにな‥‥‥】
周囲を見渡せば、確かに人はあちこち歩いて通り過ぎていく。
だが、また歩いていくと同じような人とすれ違い、同じような行為を繰り返している。
別人という訳でもないし、全員がグルという訳でもなく、その自然な行動に疑問を抱いていない。
…‥‥どうやら、この国全体で人の行動が、全て同じ事の繰り返しが起きているようであった。
「…‥‥これってさ、下手すると俺たちも同じことの繰り返しに巻き込まれるような気がするのだが」
【可能性はあるのぅ】
そうなると絶対に不味い事態となる。
まるで時を繰り返す監獄のような状態になっているこの場の一部になってしまったら…‥‥逃れられない可能性が大きい。
日帰りで解決しようと思っていたのだが、どうやら相当面倒なことに巻き込まれてしまったのだと、ルースたちは気が付くのであった‥‥‥‥。
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる