266 / 339
組織との決着で章
239話
しおりを挟む
カツン…‥‥カツン……カツン……
グレイモ王国の地下牢に足音が響き渡る。
その地下牢は罪人たちが住まう場所。
その中でも、より一層重い罰が待ち受けている者たちが置かれている場所なのである。
その足音の主は、いくつもあった牢の前を通り過ぎ、そしてある牢の前に立った。
「‥‥‥久し振りでアルな、エルフルニア、と以下2名」
「おお、数週間ぶりかな?」
「というか今、省略されなかった!?」
「無視か!!」
その牢の前に立った人物…‥‥ミュルの言葉に、エルフルニアは笑いながら答え、残る2名はツッコミを入れた。
彼らはフェイカーの幹部たちであった者であり、現在この牢に囚われているのである。
沙汰を待って、ここにいたのだが…‥‥‥
「まぁ、それは放っておくとしてでアルがな、今日は用事があってここに来たのでアルよ」
「用事とはなんだ?我々の処刑とかが決まったのか?」
「いや、そうではなく…‥‥これを見るでアル」
そう言って、ミュルが取り出したのはある紙の束。
そして、その紙の束を渡され、牢の中で呼んだ彼らは驚愕のあまり目を見開いた。
「なんだと‥‥‥!?ついに影の王が倒されたのか!!」
「うむ、ついでにその跡地にあった取引の文書などが見つかったがゆえに、現在残党もバリバリ捕縛中。組織はもう、潰えたも同然でアルよ」
「でも、こう言うのは完全にできないんじゃ」
「それは問題なかったでアル。と言うのも‥‥‥‥」
納得いかないようなその他に対して、ミュルは説明した。
影の王をルースが消し飛ばした後、事後処理が行われた。
組織のトップを消したとはいえ、何処かに組織の残党が潜んでいる可能性がある。
ゆえに、その残党まであぶり出し、つながりのあった者たちも洗い出して処罰して、それで完全に潰せるのだが…‥‥通常は、全てを捕えきれず、後年復活する可能性があるのだ。
だがしかし、この残党狩りにおいて、20数年前に潰し損ねた経験から王国は捜査に手を抜かずに徹底的に調べ上げ、そしてその調査には…‥‥
「妖精姫、いや、既に妖精女王として認められたバトに、国滅ぼしモンスター組合に所属しているタキとヴィーラが仲間たちに伝えたり、レリアによってモーガス帝国の諜報員部隊を借りるなどして、ありとあらゆる協力の下、完全に潰し終わったのでアルよ」
コネというか、圧倒的権力・力・数によって、フェイカ―の残党たちは全てあぶりだされ処分が下された。
そして昨日、ついに完全にフェイカー復活の目は摘み終えたという発表がなされ、組織の終焉を迎えたのである。
「‥‥‥けれども、ここで一つ自分がお願いしたことがあったのでアルよ。エルフルニア、ついでにその他2名……いや、ルースの前では偽名だったようアルな、ハンブルドーンではなくマッチョンに、リゴーラではなくマッスルボンバーよ」
そう言いながら、ミュルは牢の中にいる彼らを見ながら告げた。
「皆、このままフェイカーの幹部として、処刑される未来があるのでアル。しかし‥‥‥自分としては、元幹部とは言え、やはり組織内で共に過ごした皆を見捨てることができなかったのでアル」
「‥‥‥何をするつもりだ?まさか、我々の処刑を死刑から終身刑へ変えたのか?」
「いや、違うでアル」
そう言うと、再び懐をごそごそと探り始め、ミュルは再び何か別の紙を取り出した。
「今後、もう二度とフェイカーのような組織にもならず、立ち上げず、心を入れ替えて、真面目に働くと言うのであれば‥‥‥‥学園での教師にどうかと誘いに来たのでアルよ」
「「「…‥‥は?」」」
その言葉に、牢の中の3人は目を丸くし、手渡された神の内容を見た。
「…‥‥教師の求人か。しかも、魔導書を扱えない人を優先か」
「座学や体術などの科目に関してか」
「これならば我々でもできそうなことばかりだが…‥‥良いのかそれで?」
「問題ないでアルよ」
エルフルニアの問いかけに対して、ミュルはきっぱりとそう言い切った。
「過去は過去、実験されていた時代を憎んでいても、今はもう意味がないのでアル。そんなことに囚われずとも、その過去のような悲劇を起こさぬためにも、次世代を担う若者たちを育て上げたほうが良いと思って、勧誘しに来ただけでアルからなぁ。断るのであれば、もう二度と遭えぬ旅路に逝ってもらうだけでアル」
「それはほぼ脅しにしか思えないのだが…‥‥」
「うん、脅しでアル」
「「否定しないんかい!!」」
何にせよ、処刑されたくなければ教師になれと言うのならば、迷いなく教師になる方が良いだろう。
だが、本当にそうしても良いのだろうか?
しばし、牢の中の3人は考え、返答を待ってもらった。
そして数分後、彼らは決断した。
「‥‥‥良いだろう、その案に乗ろう」
「命が惜しければ今日資するしかないしね」
「別に良いのだが…‥‥本当にこんな我々を教師として招いて良いのか?」
「大丈夫アル。色々と手を回しているし、何よりも…‥‥」
「「「何よりも?」」」
「何か馬鹿をやらかせば、もれなく『国滅ぼしモンスターたちとの戦闘』、『学園長による徹底制裁&処刑』、『ルースの手による複合魔法攻撃最大出力』、『すでに処分を待っている元フェイカー構成員たちに向けての貴方達の黒歴史&秘蔵の見られちゃまずいものたち大放出』のいずれかがあるだけアル」
「「「一番最後のがえげつないんだけど!?」」」
とりあえず、永遠に逆らってはいけないと、牢の中の3人は学んだ。
とにもかくにも、今はまだ時期が時期なので、教員として迎えるにはその教育などの関係上すぐとはいかず、早くても2~3年はかかる事だけは伝えつつ、その報告をするためにミュルはその場を去ったのであった。
……なお、最後の方で出てたものに関しては、ミュル自身がかつて幹部として過ごしていた時に得た情報と、妖精部隊が全力を持って調べ上げたことでもあるのは言うまでもない。
―――――ソノ他ニ、社会的死ヲ迎エルモノモアリマシタ!
―――――フム、利用シマショウ。
そのようなやり取りが、裏であったとかなかったとか‥‥‥‥
グレイモ王国の地下牢に足音が響き渡る。
その地下牢は罪人たちが住まう場所。
その中でも、より一層重い罰が待ち受けている者たちが置かれている場所なのである。
その足音の主は、いくつもあった牢の前を通り過ぎ、そしてある牢の前に立った。
「‥‥‥久し振りでアルな、エルフルニア、と以下2名」
「おお、数週間ぶりかな?」
「というか今、省略されなかった!?」
「無視か!!」
その牢の前に立った人物…‥‥ミュルの言葉に、エルフルニアは笑いながら答え、残る2名はツッコミを入れた。
彼らはフェイカーの幹部たちであった者であり、現在この牢に囚われているのである。
沙汰を待って、ここにいたのだが…‥‥‥
「まぁ、それは放っておくとしてでアルがな、今日は用事があってここに来たのでアルよ」
「用事とはなんだ?我々の処刑とかが決まったのか?」
「いや、そうではなく…‥‥これを見るでアル」
そう言って、ミュルが取り出したのはある紙の束。
そして、その紙の束を渡され、牢の中で呼んだ彼らは驚愕のあまり目を見開いた。
「なんだと‥‥‥!?ついに影の王が倒されたのか!!」
「うむ、ついでにその跡地にあった取引の文書などが見つかったがゆえに、現在残党もバリバリ捕縛中。組織はもう、潰えたも同然でアルよ」
「でも、こう言うのは完全にできないんじゃ」
「それは問題なかったでアル。と言うのも‥‥‥‥」
納得いかないようなその他に対して、ミュルは説明した。
影の王をルースが消し飛ばした後、事後処理が行われた。
組織のトップを消したとはいえ、何処かに組織の残党が潜んでいる可能性がある。
ゆえに、その残党まであぶり出し、つながりのあった者たちも洗い出して処罰して、それで完全に潰せるのだが…‥‥通常は、全てを捕えきれず、後年復活する可能性があるのだ。
だがしかし、この残党狩りにおいて、20数年前に潰し損ねた経験から王国は捜査に手を抜かずに徹底的に調べ上げ、そしてその調査には…‥‥
「妖精姫、いや、既に妖精女王として認められたバトに、国滅ぼしモンスター組合に所属しているタキとヴィーラが仲間たちに伝えたり、レリアによってモーガス帝国の諜報員部隊を借りるなどして、ありとあらゆる協力の下、完全に潰し終わったのでアルよ」
コネというか、圧倒的権力・力・数によって、フェイカ―の残党たちは全てあぶりだされ処分が下された。
そして昨日、ついに完全にフェイカー復活の目は摘み終えたという発表がなされ、組織の終焉を迎えたのである。
「‥‥‥けれども、ここで一つ自分がお願いしたことがあったのでアルよ。エルフルニア、ついでにその他2名……いや、ルースの前では偽名だったようアルな、ハンブルドーンではなくマッチョンに、リゴーラではなくマッスルボンバーよ」
そう言いながら、ミュルは牢の中にいる彼らを見ながら告げた。
「皆、このままフェイカーの幹部として、処刑される未来があるのでアル。しかし‥‥‥自分としては、元幹部とは言え、やはり組織内で共に過ごした皆を見捨てることができなかったのでアル」
「‥‥‥何をするつもりだ?まさか、我々の処刑を死刑から終身刑へ変えたのか?」
「いや、違うでアル」
そう言うと、再び懐をごそごそと探り始め、ミュルは再び何か別の紙を取り出した。
「今後、もう二度とフェイカーのような組織にもならず、立ち上げず、心を入れ替えて、真面目に働くと言うのであれば‥‥‥‥学園での教師にどうかと誘いに来たのでアルよ」
「「「…‥‥は?」」」
その言葉に、牢の中の3人は目を丸くし、手渡された神の内容を見た。
「…‥‥教師の求人か。しかも、魔導書を扱えない人を優先か」
「座学や体術などの科目に関してか」
「これならば我々でもできそうなことばかりだが…‥‥良いのかそれで?」
「問題ないでアルよ」
エルフルニアの問いかけに対して、ミュルはきっぱりとそう言い切った。
「過去は過去、実験されていた時代を憎んでいても、今はもう意味がないのでアル。そんなことに囚われずとも、その過去のような悲劇を起こさぬためにも、次世代を担う若者たちを育て上げたほうが良いと思って、勧誘しに来ただけでアルからなぁ。断るのであれば、もう二度と遭えぬ旅路に逝ってもらうだけでアル」
「それはほぼ脅しにしか思えないのだが…‥‥」
「うん、脅しでアル」
「「否定しないんかい!!」」
何にせよ、処刑されたくなければ教師になれと言うのならば、迷いなく教師になる方が良いだろう。
だが、本当にそうしても良いのだろうか?
しばし、牢の中の3人は考え、返答を待ってもらった。
そして数分後、彼らは決断した。
「‥‥‥良いだろう、その案に乗ろう」
「命が惜しければ今日資するしかないしね」
「別に良いのだが…‥‥本当にこんな我々を教師として招いて良いのか?」
「大丈夫アル。色々と手を回しているし、何よりも…‥‥」
「「「何よりも?」」」
「何か馬鹿をやらかせば、もれなく『国滅ぼしモンスターたちとの戦闘』、『学園長による徹底制裁&処刑』、『ルースの手による複合魔法攻撃最大出力』、『すでに処分を待っている元フェイカー構成員たちに向けての貴方達の黒歴史&秘蔵の見られちゃまずいものたち大放出』のいずれかがあるだけアル」
「「「一番最後のがえげつないんだけど!?」」」
とりあえず、永遠に逆らってはいけないと、牢の中の3人は学んだ。
とにもかくにも、今はまだ時期が時期なので、教員として迎えるにはその教育などの関係上すぐとはいかず、早くても2~3年はかかる事だけは伝えつつ、その報告をするためにミュルはその場を去ったのであった。
……なお、最後の方で出てたものに関しては、ミュル自身がかつて幹部として過ごしていた時に得た情報と、妖精部隊が全力を持って調べ上げたことでもあるのは言うまでもない。
―――――ソノ他ニ、社会的死ヲ迎エルモノモアリマシタ!
―――――フム、利用シマショウ。
そのようなやり取りが、裏であったとかなかったとか‥‥‥‥
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる