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学園最後の夏休みで章
268話
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……精霊たちが密かに暮らしたり、休んでいたりする精霊の隠れ里。
そこで今、ルースは過ごしていた。
自身の体にある力のバランスが崩れたので、その修正のために精霊王に言われ、この場所で過ごしているのだが、中々居心地が良い。
精霊化状態も、ここではずっと維持が可能なようで、少しばかり自分が人間であったと忘れそうにもなった。
……いや、忘れてはいけないことである。しかし、残念ながら精霊王いわく少々やめている状態でもあるので間違いでもなかった。
とは言え、悩んでいても仕方がない。
寿命が少々伸びた程度とも言えるので、むしろより長い人生を過ごせるようになったことを喜べばいいだろう。
とにもかくにも、適当にフワフワ漂うだけでも、この場所は中々過ごすのに適していた。
できればエルゼ達も呼びたいが…‥‥精霊の隠れ里と言うだけあって、精霊だけしかいる事ができないようである。。
試しに精霊状態を解除すれば、綺麗にその場から砲丸投げのような軌道を描いて追い出されたのだ。
『……あ、でも子供が出来た場合、そっちは可能なのかな?』
そこでふと、ルースはそう思いついた。
もしも遠い未来、子どもたちができれば、その子供たちも精霊状態になって訪れる事が出来るのではなかろうか。
『って、今から何を考えているんだよ俺は!!』
想像したら、一気に恥ずかしくなったルース。
なぜならば、子どもができればという事はエルゼ達とそういうことをするわけで有り、一応公爵にもなるのであれば跡継ぎとかも必要なのは理解できるが…‥‥それでもまだ気が早すぎる。
流石に色々と煩悩のように思え、一旦想像すると意識してしまうので、ルースはその考えを振り払おうと、飛行速度を上げて隠れ里の内部を飛び回っていた…‥‥その時である。
バチィッ!!
『ん?』
ふと、何処かで何かが破れたような、電気がショートしたかのような音が聞こえ、ルースは宙にとどまる。
キョロキョロとあたりを見てみれば、隠れ里の奥の方に、何か火花が飛び散っているのが目に見て取れた。
『なんだろうか?』
いやな予感は特にしないが、それでも微妙な勘が働くので、ルースはその場所へ向かってみた。
バチバチバチィッツ!!
「すごい火花が散っているというか、何かが破ろうとしているのか?」
現場に到着した時には、物凄く火花が飛び散っていた。
何かの封印が解けるのかと思いたいが、物騒な話しを精霊王からは聞いていないので、そのような事はないはず。
なにかしらの物体が無理やり隠れ里に入り込もうとしているような感じもするが…‥‥何しろここは精霊だけの場所。
ゆえに、精霊以外が入り込もうとしても追い出されるのが関の山だ。
そのまま放置しているうちに、火花が大きくなる。
バチバチ!!バチバチィイイイイイイイッツ!!
バッチィィィィィィン!!
「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
と、次の瞬間大きく火花がはじけ飛び、何かが出現した。
それと同時にこの隠れ里の機能、精霊以外を排除する機能が働いたのか、悲鳴を上げながらその何かが飛び出したが…‥‥
『あれ?』
ふと、その悲鳴にルースは聞き覚えがあった。
放物線を描き、里から追い出されるように吹っ飛んでいくその姿。
そう、それは…‥‥
『す、スアーン!?』
夏休みの間、何処かへ鍛え直すとか言っていたそうで、行方知れずだったスアーンである。
そのまま飛んでいく彼の後を、ルースは急いで追いかけるのであった‥‥‥‥
そこで今、ルースは過ごしていた。
自身の体にある力のバランスが崩れたので、その修正のために精霊王に言われ、この場所で過ごしているのだが、中々居心地が良い。
精霊化状態も、ここではずっと維持が可能なようで、少しばかり自分が人間であったと忘れそうにもなった。
……いや、忘れてはいけないことである。しかし、残念ながら精霊王いわく少々やめている状態でもあるので間違いでもなかった。
とは言え、悩んでいても仕方がない。
寿命が少々伸びた程度とも言えるので、むしろより長い人生を過ごせるようになったことを喜べばいいだろう。
とにもかくにも、適当にフワフワ漂うだけでも、この場所は中々過ごすのに適していた。
できればエルゼ達も呼びたいが…‥‥精霊の隠れ里と言うだけあって、精霊だけしかいる事ができないようである。。
試しに精霊状態を解除すれば、綺麗にその場から砲丸投げのような軌道を描いて追い出されたのだ。
『……あ、でも子供が出来た場合、そっちは可能なのかな?』
そこでふと、ルースはそう思いついた。
もしも遠い未来、子どもたちができれば、その子供たちも精霊状態になって訪れる事が出来るのではなかろうか。
『って、今から何を考えているんだよ俺は!!』
想像したら、一気に恥ずかしくなったルース。
なぜならば、子どもができればという事はエルゼ達とそういうことをするわけで有り、一応公爵にもなるのであれば跡継ぎとかも必要なのは理解できるが…‥‥それでもまだ気が早すぎる。
流石に色々と煩悩のように思え、一旦想像すると意識してしまうので、ルースはその考えを振り払おうと、飛行速度を上げて隠れ里の内部を飛び回っていた…‥‥その時である。
バチィッ!!
『ん?』
ふと、何処かで何かが破れたような、電気がショートしたかのような音が聞こえ、ルースは宙にとどまる。
キョロキョロとあたりを見てみれば、隠れ里の奥の方に、何か火花が飛び散っているのが目に見て取れた。
『なんだろうか?』
いやな予感は特にしないが、それでも微妙な勘が働くので、ルースはその場所へ向かってみた。
バチバチバチィッツ!!
「すごい火花が散っているというか、何かが破ろうとしているのか?」
現場に到着した時には、物凄く火花が飛び散っていた。
何かの封印が解けるのかと思いたいが、物騒な話しを精霊王からは聞いていないので、そのような事はないはず。
なにかしらの物体が無理やり隠れ里に入り込もうとしているような感じもするが…‥‥何しろここは精霊だけの場所。
ゆえに、精霊以外が入り込もうとしても追い出されるのが関の山だ。
そのまま放置しているうちに、火花が大きくなる。
バチバチ!!バチバチィイイイイイイイッツ!!
バッチィィィィィィン!!
「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
と、次の瞬間大きく火花がはじけ飛び、何かが出現した。
それと同時にこの隠れ里の機能、精霊以外を排除する機能が働いたのか、悲鳴を上げながらその何かが飛び出したが…‥‥
『あれ?』
ふと、その悲鳴にルースは聞き覚えがあった。
放物線を描き、里から追い出されるように吹っ飛んでいくその姿。
そう、それは…‥‥
『す、スアーン!?』
夏休みの間、何処かへ鍛え直すとか言っていたそうで、行方知れずだったスアーンである。
そのまま飛んでいく彼の後を、ルースは急いで追いかけるのであった‥‥‥‥
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