黄金の魔導書使い  -でも、騒動は来ないで欲しいー

志位斗 茂家波

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夏も過ぎ去り、最後の学園生活で章

閑話 異界のスアーン苦労記録 その2

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……ここへ攫われて、元の世界に戻る事が出来るまで、俺-っちは働かされていた。

 ある時は、汚職の証拠を見つけ出し、決定的なものを叩きつけて裁いた後に、護送車を陰から強襲し、ターゲットをひっとらえる。

 またある時は、いかにもやばそうな裏社会へ潜り込まされ、それこそヤヴァイと言えるような相手と連戦させられ、最終的に腐ったやつをあぶりだし、引きずって来させられる。

 そしてまたある時は、盗賊団の噂を確かめに向かい、小規模なものは適度に狩りつつ、大規模なものはその首領を捕らえて持って帰る。


「‥‥‥って、襲ってと攫っての繰り返しが多いなぁ」
 
 本日は休みが与えられたので、この世界に攫われてからついでに与えられていた自室にて、過去を振り返って俺ーっちはそうつぶやいた。

 

 ここで生活している中で、俺ーっちは着々とここがどこで、どのような処なのか学び始めている。
 
 俺-っちを攫ったのは、今いるこの国、神聖国ゲルマニアとやらのトップに位置するという、預言者。

 予言をするのに預言とは、何か字とか意味が違うような気がするが、色々な事情があるらしい。

 しかも、一番最初に出会った時は、形容しがたいうねうね蠢く何かしらであったのだが、どうもあれは数ある姿の一つとか言うらしく、義体というやつだったらしい。

 本当の姿は人前に出ることはないようで、大抵は義体のようだが…‥‥あんな義体ってありなのだろうか。



 そして、現在俺ーっちは、元の世界に変えるために、戻すだけのエネルギーとしての、程よく腐った悪人共を収穫させられているのである。

 なんでもその悪人共の魂がエネルギーになるとかどうとか……倫理的にどうなのかと問いたいが、そういう話は通じなさそうだ。



 何にしても、ここでの待遇が酷く悪いものではない。

 一日三食、休憩時間あり、週休2日確定、時には婚活パーティ参加…‥‥あれ?むしろ結構いい生活なのではなかろうか。

 まぁ、婚活パーティに出たとしても、未だに彼女はできていない。

 そもそも違う世界の俺ーっちがここで彼女を作っても、帰還をどうするのかという問題も起きそうだしなぁ…‥‥でもなんか納得いかないモテなささである。

 まぁ、それは解決できる日が来ることを願えばいいだろう。人間頑張ればどうとでもなる。

 俺-っちの友人の方が、明かにモテているのは否定しないとはいえ、何時かは叶うと信じたい。





 それはそうとして、休日として過ごすのだが、特にやるようなこともない。

 精々、元の世界に還った時を想定して、どの程度の勉学の遅れがあるのかも考えて真面目に勉強したり、魔導書グリモワールの鍛錬ぐらいであろう。

……そう言えば、この世界って魔導書グリモワール無しで魔法を使うらしい。

 見せてもらったが、中々素早く魔法を展開できるし、かなり便利なように思える。

 最終手段の魔導書グリモワールの硬い角で攻撃という手段は使えないようだけどね。あってもなくても、利点も欠点も等しく存在するようだ。


「でも、ああいう方法を学んでおいたほうが、後で活かせるだろうなぁ」

 そうつぶやき、空を見上げて俺ーっちはそう思った。

 ああ、友よ。俺ーっちは元の世界に変えるために頑張っているのだから、できればそっちから迎えに来れるのであれば来て欲しい。

 何しろこの世界、それなりにやばいものも多い。

 国滅ぼしのモンスター並みの奴として、神獣とか存在するようだし、果ては魔王とか言う存在もいる。

 先日顔を合わせる機会があったが、まだ魔王と確定したと言う訳でもないらしいが、実力差が明白にされたような気がした。

・・・そう言えば、預言者がアレが魔王と言っていたあの青年、綺麗なアラクネを連れていたなぁ。

 人外とは言え、非モテからすれば一緒にいるだけでも非常に羨ましい。

 ああ、思い出せばルースの奴も、国滅ぼしのモンスターでありながら美女に化けられる奴がそばにいたけっけなぁ…‥‥どこの世界も、とんでもない実力の奴らにしか美女が集まらないのだろうか。


 何かこう、悲しい世界の心理に気が付いたような気がしつつも、休日が過ぎていく。

 いつの日か帰還出来たら、ここでの話を絶対にしてやろう。

 とりあえず、俺ーっちは改めてそう決心しつつ、休日をだらだらと謳歌するのであった‥‥‥‥


「…‥‥そう言えば、時間の流れとかはどうなんだろうか。まさか何年も経過したとかは無いよなぁ」

 そんな不安も抱いたが・・・・・まぁ、どうにかなっていると思いたい。




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