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秋の訪れで章
154話
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「‥‥‥この薬品が狙いだった?」
【そウ、そレこそが、精霊王関係者にシか持ちだせナい、秘薬中の秘薬、『精霊薬マジュペ』ナんだ】
そう告げるヴィーラは、なぜ自分がそれを狙っていたのか、話し始めた。
―――――事の起こりは、今から数百年前にさかのぼる。
当時、まだ幼い小さな子ウサギのモンスターにすぎなかった彼女は、食物連鎖の最下層であり、毎日が命が散るか散らないかの必死の闘いの日々だったそうである。
何とか生き残るために、そういう工夫を凝らし、身体よりも大きなシャベルをある日見つけて、それを利用して地面の中に逃げるなどして、生き延びてきたそうなのだ。
その過程で、段々体が鍛えられていき、そのうちシャベルでボコボコにしたり、あちこち落とし穴だらけにして嵌めたり、口から極太ビームが発射できるようになったりして、喰らいに来た相手を返り討ちにできるようにはなったのだが…‥‥それでも彼女はまだ安心できなかった。
より強く、もっと自身が捕食されない存在になりたい。
元が弱いモンスターであったがゆえに、自身をより強くして保護したい本能があったのだろう。
だがしかし、どうすればいいのかわからない。
そんなある日、とある話を彼女は聞いた。
自然と共にあるとされる精霊、その中でもさらに力を持つ精霊王。
その関係者たちだけが持ちだせるという秘薬、『精霊薬マジュペ』という薬。
一滴飲めば、精霊同様に自然の力を操れるようになり、二滴飲めば精霊王並みの力を持てると言うのだ。
ただし、それを得るためにはその秘薬が隠されているという、精霊たちの中でも限られた者しか知らない隠し場所を見つけ出し、なおかつ精霊王の血縁などの関係者以外は立ち入ることができないと言われているので、その関係者を見つけ、自身に取り入れる必要があるのだ。
前者の方は、長い年月がかかろうが、気合いと根性と願望でどうにかなる。
だがしかし、後者はかなり大変であった。
何しろ精霊王がどこにいるのかもわからず、どうやって連絡をとれば良いのかもわからない。
そもそも、秘薬を狙っている時点でアウトだろうし、どうやって関係者を手に入れるかと考えた結果…‥‥
「‥‥‥それで、精霊王の孫である俺を仲間に引き入れようと?」
【いヤ、一筋縄ではいカないと思った。他国で流れテいる噂でハ、美女を侍らす色欲魔人とも言わレているし、そう簡単ニ動かセるとは思わナかったのだ】
……何やらずいぶん的外れな噂をされたようにルースは思えた。
【そコで、思いつイたのは…‥‥子を為す事ダ】
「‥‥‥んん?」
精霊王の血縁者、もしくは関係者でなければその秘薬を手に入れるのは難しい。
ならば、その必要な人材を己の子にしてしまえばどうなるだろうか?
「いやその前に、その相手との同意とかが必要なのでは‥‥‥」
【世の中ニはこウいう言葉がアるそうだ。『為せば成る』、『俺のモノは俺のモノ、お前のモノも俺のモノ』、『手段を択ばない』なドとな】
「‥‥‥ジャイアニズムが混じっていたような」
とにもかくにも、その事を閃いたヴィーラは、そこから精霊王およびその関係者をさがしだした。
自身が女であることを活かして、その子を授かって、それで薬を手に入れるために利用しようと。
……まぁ、道具としての利用だけではなく、きちんと責任をもって育てる覚悟もしていたらしいが。
それはともかくとして、その日から彼女は古今東西、ありとあらゆる場所を探し始めた。
ついでに、その薬が隠されている場所を探すこともして各地に穴を掘りまくり、たまについうっかりで地盤沈下を起こして国を沈めたりなどもしたが、それでも彼女は探し続けた。
【そシてツいに、有力な情報をツかんだ】
それは、都市メルドランに精霊らしきものがいるという情報である。
様々な流れる噂の中で信憑性が疑われたが、続けて「精霊王関係らしい」などという言葉から、すぐに向かうことに決めたそうなのだ。
【そしテ出会ったノだ、精霊王の孫と言うルース!!当初、アの謎の液体に攻撃しテいた時の姿から精霊の血があルとは思っテいたが、改めて聞けば精霊王の孫!!求めテいた者でもあるのだ!!】
ばぁぁぁんっと、感極まったのかポーズを付けながら語るヴィーラ。
精霊王、もしくはその関係者を見つけてという目的があったが、その精霊王の孫であるルースと言うのが見つかって、目的の大半が成就したようなものである。
【だが、大人しく従ってくレるとは限らナい。こンな怪しすギる薬に関して開けルためだけに頼むノもはばかられルし、そして何よりも人と言うノは欲望ヲ知ってしまえばそレに抗いガたくなルもの。ゆえに精霊薬の話を出シて、奪ワれる可能性が怖かったのだ!!】
そう言い切ると、一息をつくヴィーラ。
ただ頼むだけであれば、その存在を知ったところで興味もないので奪うなどもしなかったのだが‥‥‥どうやらヴィーラは元は弱いモンスターだった時の心があるのか、臆病なところがどうしてもあるらしい。
疑心暗鬼になって、その為に今回のような事を起こしたのだとルースは理解した。
「‥‥あれ?てことは今こうやって薬を手に入れたけど、もし何もしないままだったらどうしていたんだ?」
そこふと、その事をルースは思い、ヴィーラに尋ねた。
【そリゃもう、当初の目的ノ準備としテやるはズだった事でシょ】
「というと?」
【子を為させてもラうために、とりアえずその手ノ薬を持ち込ンで…‥‥まぁ、そレを持ってきてイる間に、こうしテ逃げられタけれどね】
……こういうのを貞操の危機とでも言えば良いのだろうか。
と言うか、色々と危なかったようだ。
【さぁ、語り終えタことだシ、大人しクその薬を渡しテもらおウか!!】
シャベルを構え、巨大モフモフ兎もといヴィーラがそう言い放つ。
「あ、別にいらないから渡しても良いよ」
【‥‥‥え?】
あっさりとそう言ったルースに対して、ヴィーラはぽかんとした。
【精霊薬マジュペをそンなにアっさりと‥‥‥イや、でもそれが欲しくナいのか?】
「ああ、別にいらないんだけど……そもそも、精霊王の孫と言う時点で精霊の力も扱えるし、魔導書で魔法も扱えて、それなりに力があると思っているからな。それに、話しを聞いて分かったけどヴィーラ、元々この薬を狙っていたのは自身が強くなって身を守るためだけだろ?別にそこまで悪いことを企んでいないなら別に良いかなってね」
と言うか、持って居るだけで面倒ごとの種になりそうな薬なんぞ手元に置きたくない。
ルースの心からの本心に、あっけに取られるヴィーラ。
「というわけで、欲しいなら受け取れ」
ぽいっと投げた薬品入りの瓶を、ヴィーラは慌ててキャッチした。
【‥‥‥ここまで欲がなイといウか、自由気マまなところ。人間でありナがら精霊でモあるからか?】
薬品を手元に持ち、まじまじと見ながら未だにこんなにあっさり入手できたことに、ヴィーラは信じられないような目でルースを見てそうつぶやいた。
【えっと、その、こうもアっさりくレてありがとう。後、なン蚊やり過ぎて悪かッた‥‥すまナい】
無理やり攫ってきたことに関しての罪悪感があるのか、ヴィーラは謝罪の言葉を述べた。
元からそう悪人と言うわけでもなく、ただ単に臆病だったからこそ今回の凶行に走ったのだろう。
その態度から、ルースはそこまでの悪意はないとヴィーラについてそう思えたのであった。
「ところで一つ聞きたいんだが」
【なンだ?】
「ここの出口ってどこだ?これで用が済んだだろうし、あとは皆のところに帰してほしいのだが」
【あア、それなラここを出て右と左へ行ってから斜めに進み、ぐるりと回って‥‥】
ヴィーラに脱出方法を聞き、あとはこれで万事解決かと言うような雰囲気が流れた…‥‥その時であった。
――――――ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「【ん?】」
なにやら妙な音が聞こえてきた。
周囲が揺れ動き、何かが響くかのような、そして近づいて来る音が。
「なんだ?崩れるのか?」
【いや、こコは地盤が固く、そウやすやスと崩壊はしナいはずだが‥‥‥】
互いに疑問に思い、音が近づいてきたので身構えたその瞬間。
ぼごぅっつ!!
何かが天井から突き出てきて、落ちてきた。
【危なイ!!】
とっさにヴィーラが飛んできて、ルースに駆け寄って首を加え、素早く移動したところで、その何かが落ちてきた。
ズゥゥゥゥゥゥン!!
「た、助かった‥‥‥ありがとう」
【いや、それはいイが…‥‥なんだアレは!?】
ヴィーラが落ちてきたその何かを見て、驚きの声を上げた。
【ギギギギギエエケケケェェェェェイ!!】
その何かはそう雄たけびを上げ、周囲の空間を震わせる。
その見た目は、両腕がドリルのように鋭くとがって回転しており、ぎょろりと大きな目玉を向ける、オケラやコオロギ、台所の黒い奴などを混ぜ合わせたかのような、気持ち悪い虫の姿。
しかし、その体表は黒くはなく、むしろ見覚えがあり過ぎる不気味な色合いは…‥‥
「フェイカーの新兵器か!?」
【ギギギゲッケケケケケケェェイ!!】
ルースのその言葉に答えるように、雄たけびを上げる不気味昆虫モドキ。
【ギギギッケェェ…‥‥アー、アー、我、フェイカー製、多眼土中掘削兵器『グッグゴゴーチ』ギゲィ】
「!?」
雄たけびを上げるだけかと思いきや、どうもフェイカーの技術が上がっているのか、喋れるらしい。
【我、何カ組織発展、サセル。ソノタメ、組織ニ役立ツ物、入手求ム。ギゲエゲェェッェイ!!オマエラ、エネルギー多ソウ。食ッテ、糧ニサセテモラウゲゲッゲゲゲゲゲゲゲッゲゲギェェェェイ!!】
長時間の会話は不可能なのか、雄たけびを上げて襲い掛かってくるグッグゴゴーチと言う怪物。
……平和的に終わりそうだった場に、空気の読めない怪物が乱入して、ルースたちはやむを得ず戦闘を開始し始めるのであった。
【そウ、そレこそが、精霊王関係者にシか持ちだせナい、秘薬中の秘薬、『精霊薬マジュペ』ナんだ】
そう告げるヴィーラは、なぜ自分がそれを狙っていたのか、話し始めた。
―――――事の起こりは、今から数百年前にさかのぼる。
当時、まだ幼い小さな子ウサギのモンスターにすぎなかった彼女は、食物連鎖の最下層であり、毎日が命が散るか散らないかの必死の闘いの日々だったそうである。
何とか生き残るために、そういう工夫を凝らし、身体よりも大きなシャベルをある日見つけて、それを利用して地面の中に逃げるなどして、生き延びてきたそうなのだ。
その過程で、段々体が鍛えられていき、そのうちシャベルでボコボコにしたり、あちこち落とし穴だらけにして嵌めたり、口から極太ビームが発射できるようになったりして、喰らいに来た相手を返り討ちにできるようにはなったのだが…‥‥それでも彼女はまだ安心できなかった。
より強く、もっと自身が捕食されない存在になりたい。
元が弱いモンスターであったがゆえに、自身をより強くして保護したい本能があったのだろう。
だがしかし、どうすればいいのかわからない。
そんなある日、とある話を彼女は聞いた。
自然と共にあるとされる精霊、その中でもさらに力を持つ精霊王。
その関係者たちだけが持ちだせるという秘薬、『精霊薬マジュペ』という薬。
一滴飲めば、精霊同様に自然の力を操れるようになり、二滴飲めば精霊王並みの力を持てると言うのだ。
ただし、それを得るためにはその秘薬が隠されているという、精霊たちの中でも限られた者しか知らない隠し場所を見つけ出し、なおかつ精霊王の血縁などの関係者以外は立ち入ることができないと言われているので、その関係者を見つけ、自身に取り入れる必要があるのだ。
前者の方は、長い年月がかかろうが、気合いと根性と願望でどうにかなる。
だがしかし、後者はかなり大変であった。
何しろ精霊王がどこにいるのかもわからず、どうやって連絡をとれば良いのかもわからない。
そもそも、秘薬を狙っている時点でアウトだろうし、どうやって関係者を手に入れるかと考えた結果…‥‥
「‥‥‥それで、精霊王の孫である俺を仲間に引き入れようと?」
【いヤ、一筋縄ではいカないと思った。他国で流れテいる噂でハ、美女を侍らす色欲魔人とも言わレているし、そう簡単ニ動かセるとは思わナかったのだ】
……何やらずいぶん的外れな噂をされたようにルースは思えた。
【そコで、思いつイたのは…‥‥子を為す事ダ】
「‥‥‥んん?」
精霊王の血縁者、もしくは関係者でなければその秘薬を手に入れるのは難しい。
ならば、その必要な人材を己の子にしてしまえばどうなるだろうか?
「いやその前に、その相手との同意とかが必要なのでは‥‥‥」
【世の中ニはこウいう言葉がアるそうだ。『為せば成る』、『俺のモノは俺のモノ、お前のモノも俺のモノ』、『手段を択ばない』なドとな】
「‥‥‥ジャイアニズムが混じっていたような」
とにもかくにも、その事を閃いたヴィーラは、そこから精霊王およびその関係者をさがしだした。
自身が女であることを活かして、その子を授かって、それで薬を手に入れるために利用しようと。
……まぁ、道具としての利用だけではなく、きちんと責任をもって育てる覚悟もしていたらしいが。
それはともかくとして、その日から彼女は古今東西、ありとあらゆる場所を探し始めた。
ついでに、その薬が隠されている場所を探すこともして各地に穴を掘りまくり、たまについうっかりで地盤沈下を起こして国を沈めたりなどもしたが、それでも彼女は探し続けた。
【そシてツいに、有力な情報をツかんだ】
それは、都市メルドランに精霊らしきものがいるという情報である。
様々な流れる噂の中で信憑性が疑われたが、続けて「精霊王関係らしい」などという言葉から、すぐに向かうことに決めたそうなのだ。
【そしテ出会ったノだ、精霊王の孫と言うルース!!当初、アの謎の液体に攻撃しテいた時の姿から精霊の血があルとは思っテいたが、改めて聞けば精霊王の孫!!求めテいた者でもあるのだ!!】
ばぁぁぁんっと、感極まったのかポーズを付けながら語るヴィーラ。
精霊王、もしくはその関係者を見つけてという目的があったが、その精霊王の孫であるルースと言うのが見つかって、目的の大半が成就したようなものである。
【だが、大人しく従ってくレるとは限らナい。こンな怪しすギる薬に関して開けルためだけに頼むノもはばかられルし、そして何よりも人と言うノは欲望ヲ知ってしまえばそレに抗いガたくなルもの。ゆえに精霊薬の話を出シて、奪ワれる可能性が怖かったのだ!!】
そう言い切ると、一息をつくヴィーラ。
ただ頼むだけであれば、その存在を知ったところで興味もないので奪うなどもしなかったのだが‥‥‥どうやらヴィーラは元は弱いモンスターだった時の心があるのか、臆病なところがどうしてもあるらしい。
疑心暗鬼になって、その為に今回のような事を起こしたのだとルースは理解した。
「‥‥あれ?てことは今こうやって薬を手に入れたけど、もし何もしないままだったらどうしていたんだ?」
そこふと、その事をルースは思い、ヴィーラに尋ねた。
【そリゃもう、当初の目的ノ準備としテやるはズだった事でシょ】
「というと?」
【子を為させてもラうために、とりアえずその手ノ薬を持ち込ンで…‥‥まぁ、そレを持ってきてイる間に、こうしテ逃げられタけれどね】
……こういうのを貞操の危機とでも言えば良いのだろうか。
と言うか、色々と危なかったようだ。
【さぁ、語り終えタことだシ、大人しクその薬を渡しテもらおウか!!】
シャベルを構え、巨大モフモフ兎もといヴィーラがそう言い放つ。
「あ、別にいらないから渡しても良いよ」
【‥‥‥え?】
あっさりとそう言ったルースに対して、ヴィーラはぽかんとした。
【精霊薬マジュペをそンなにアっさりと‥‥‥イや、でもそれが欲しくナいのか?】
「ああ、別にいらないんだけど……そもそも、精霊王の孫と言う時点で精霊の力も扱えるし、魔導書で魔法も扱えて、それなりに力があると思っているからな。それに、話しを聞いて分かったけどヴィーラ、元々この薬を狙っていたのは自身が強くなって身を守るためだけだろ?別にそこまで悪いことを企んでいないなら別に良いかなってね」
と言うか、持って居るだけで面倒ごとの種になりそうな薬なんぞ手元に置きたくない。
ルースの心からの本心に、あっけに取られるヴィーラ。
「というわけで、欲しいなら受け取れ」
ぽいっと投げた薬品入りの瓶を、ヴィーラは慌ててキャッチした。
【‥‥‥ここまで欲がなイといウか、自由気マまなところ。人間でありナがら精霊でモあるからか?】
薬品を手元に持ち、まじまじと見ながら未だにこんなにあっさり入手できたことに、ヴィーラは信じられないような目でルースを見てそうつぶやいた。
【えっと、その、こうもアっさりくレてありがとう。後、なン蚊やり過ぎて悪かッた‥‥すまナい】
無理やり攫ってきたことに関しての罪悪感があるのか、ヴィーラは謝罪の言葉を述べた。
元からそう悪人と言うわけでもなく、ただ単に臆病だったからこそ今回の凶行に走ったのだろう。
その態度から、ルースはそこまでの悪意はないとヴィーラについてそう思えたのであった。
「ところで一つ聞きたいんだが」
【なンだ?】
「ここの出口ってどこだ?これで用が済んだだろうし、あとは皆のところに帰してほしいのだが」
【あア、それなラここを出て右と左へ行ってから斜めに進み、ぐるりと回って‥‥】
ヴィーラに脱出方法を聞き、あとはこれで万事解決かと言うような雰囲気が流れた…‥‥その時であった。
――――――ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「【ん?】」
なにやら妙な音が聞こえてきた。
周囲が揺れ動き、何かが響くかのような、そして近づいて来る音が。
「なんだ?崩れるのか?」
【いや、こコは地盤が固く、そウやすやスと崩壊はしナいはずだが‥‥‥】
互いに疑問に思い、音が近づいてきたので身構えたその瞬間。
ぼごぅっつ!!
何かが天井から突き出てきて、落ちてきた。
【危なイ!!】
とっさにヴィーラが飛んできて、ルースに駆け寄って首を加え、素早く移動したところで、その何かが落ちてきた。
ズゥゥゥゥゥゥン!!
「た、助かった‥‥‥ありがとう」
【いや、それはいイが…‥‥なんだアレは!?】
ヴィーラが落ちてきたその何かを見て、驚きの声を上げた。
【ギギギギギエエケケケェェェェェイ!!】
その何かはそう雄たけびを上げ、周囲の空間を震わせる。
その見た目は、両腕がドリルのように鋭くとがって回転しており、ぎょろりと大きな目玉を向ける、オケラやコオロギ、台所の黒い奴などを混ぜ合わせたかのような、気持ち悪い虫の姿。
しかし、その体表は黒くはなく、むしろ見覚えがあり過ぎる不気味な色合いは…‥‥
「フェイカーの新兵器か!?」
【ギギギゲッケケケケケケェェイ!!】
ルースのその言葉に答えるように、雄たけびを上げる不気味昆虫モドキ。
【ギギギッケェェ…‥‥アー、アー、我、フェイカー製、多眼土中掘削兵器『グッグゴゴーチ』ギゲィ】
「!?」
雄たけびを上げるだけかと思いきや、どうもフェイカーの技術が上がっているのか、喋れるらしい。
【我、何カ組織発展、サセル。ソノタメ、組織ニ役立ツ物、入手求ム。ギゲエゲェェッェイ!!オマエラ、エネルギー多ソウ。食ッテ、糧ニサセテモラウゲゲッゲゲゲゲゲゲゲッゲゲギェェェェイ!!】
長時間の会話は不可能なのか、雄たけびを上げて襲い掛かってくるグッグゴゴーチと言う怪物。
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